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六話 新しきを知る

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「ココロちゃん、亮次たちから手紙きたよ」
「パパたちから!?」 

 探検から帰ると伯父からエアメールを渡された。封を切って中身を確認すれば、ココロにもわかりやすく、ひらがなとカタカナ、漢字にはふりがなが振ってある。大まかな内容はこうだ。 

『ココロへ。元気げんき生活せいかつしていますか。オジさんたちとはなかよくできていますか。メイワクをかけないように、しっかりうことをきいてイイコにしていてください。ココロやクックが元気げんきでいるのかとてもになります。クックはコビナになったころでしょうか。毎日日記まいにちにっきをわすれずにかいてくださいね。また手紙てがみおくります。パパ・ママより』 

 手紙を読み終え、リビングに戻っていった伯父を追いかける。 

「おへんじかいてもいい?」
「ああうん。宛名の書き方わかる?」
「わかんない」
「じゃあ教えてあげるよ。今回は俺が書くからさ、次からは自分で書いてみな?」
「うん。……は、はいっ」
「……じゃあ書きたいレターセット持ってきてー」
 
 ココロがいちいち言い直すところが面白くてククッと笑ってしまう。
 二階からレターセットとボールペンを持ってきて伯父に見せる。 

「これでいい?」
「オッケー。じゃあ座って」 

 テーブルにレターセットとボールペンを置いて伯父の隣に座る。
 伯父は封筒を取り出し、届いたエアメールを並べる。 

「住所は届いたのを見ながら書けば楽でしょ。そんで、こっちに小さくウチの住所書いて、こっちに相手の住所ね」 

 封筒に指を走らせて説明してくれる。それから宛名を書いて渡してくれた。 

「あとは内容だけだから大丈夫だよね」
「だいじょうぶ。ありがとう」 

 受け取った封筒、エアメール、レターセット一式を持って自室へ戻った。ケージを覗くと今日はケージをつつかなくてもクックが気づいて見上げている。
 
「あのねクックさん、パパとママからお手紙がきたよ。今からお返事書くんだよ。クックさんが大きくなったことも書くね」
「ピッ」
「次お手紙書く時は進化してたりしてね」 

 そう進化を待ち遠しく感じながら便箋へ筆を走らせる。元気に学校へ行っていること、友達ができたこと、祖父はぎっくり腰になったこと、クックが小びなになりそれに伴い成長痛で脚を痛めたことなどを書いた。 

「パパとママもお元気ですか。会いたいです。ココロより……かけた!」 

 インクが乾くのを待ち数分後、書面を恐る恐る指で触ってみて文字がかすれないことを確認する。便箋を三つ折りにして封筒へ入れ、水のりで封をすれば完成だ。
 一階に降りて行くと廊下で祖父と会う。腰の調子が良くなり歩けるようになったようだ。 

「おじいちゃん、お手紙出したいんだけどこれでいい?」 

 手紙を渡して表裏確認してもらうと祖父は頷く。 

「あとはエアメールと〆を書いて切手を貼れば出せるな」 

 ボールペンを持ってきて封筒に『AIR MAIL』、封の境目に『〆』と追記する。 

「よし。あとは切手だ。近くに郵便局があるからおじいちゃんが買ってこよう。そのまま手紙を出してくるよ」
「わたしもいく」
「そうか? じゃあ行こうか」 

 近所を探検をしてきたばかりだが、祖父と久々に出かけられるからと今日は二度目の外出だ。
 動けなくなった時は驚いたが、今は歩けるようになって良かったと安堵する。 
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