32 / 85
六話 新しきを知る
ニ
しおりを挟む
「ココロちゃん、亮次たちから手紙きたよ」
「パパたちから!?」
探検から帰ると伯父からエアメールを渡された。封を切って中身を確認すれば、ココロにもわかりやすく、ひらがなとカタカナ、漢字にはふりがなが振ってある。大まかな内容はこうだ。
『ココロへ。元気に生活していますか。オジさんたちとはなかよくできていますか。メイワクをかけないように、しっかり言うことをきいてイイコにしていてください。ココロやクックが元気でいるのかとても気になります。クックはコビナになったころでしょうか。毎日日記をわすれずにかいてくださいね。また手紙おくります。パパ・ママより』
手紙を読み終え、リビングに戻っていった伯父を追いかける。
「おへんじかいてもいい?」
「ああうん。宛名の書き方わかる?」
「わかんない」
「じゃあ教えてあげるよ。今回は俺が書くからさ、次からは自分で書いてみな?」
「うん。……は、はいっ」
「……じゃあ書きたいレターセット持ってきてー」
ココロがいちいち言い直すところが面白くてククッと笑ってしまう。
二階からレターセットとボールペンを持ってきて伯父に見せる。
「これでいい?」
「オッケー。じゃあ座って」
テーブルにレターセットとボールペンを置いて伯父の隣に座る。
伯父は封筒を取り出し、届いたエアメールを並べる。
「住所は届いたのを見ながら書けば楽でしょ。そんで、こっちに小さくウチの住所書いて、こっちに相手の住所ね」
封筒に指を走らせて説明してくれる。それから宛名を書いて渡してくれた。
「あとは内容だけだから大丈夫だよね」
「だいじょうぶ。ありがとう」
受け取った封筒、エアメール、レターセット一式を持って自室へ戻った。ケージを覗くと今日はケージをつつかなくてもクックが気づいて見上げている。
「あのねクックさん、パパとママからお手紙がきたよ。今からお返事書くんだよ。クックさんが大きくなったことも書くね」
「ピッ」
「次お手紙書く時は進化してたりしてね」
そう進化を待ち遠しく感じながら便箋へ筆を走らせる。元気に学校へ行っていること、友達ができたこと、祖父はぎっくり腰になったこと、クックが小びなになりそれに伴い成長痛で脚を痛めたことなどを書いた。
「パパとママもお元気ですか。会いたいです。ココロより……かけた!」
インクが乾くのを待ち数分後、書面を恐る恐る指で触ってみて文字がかすれないことを確認する。便箋を三つ折りにして封筒へ入れ、水のりで封をすれば完成だ。
一階に降りて行くと廊下で祖父と会う。腰の調子が良くなり歩けるようになったようだ。
「おじいちゃん、お手紙出したいんだけどこれでいい?」
手紙を渡して表裏確認してもらうと祖父は頷く。
「あとはエアメールと〆を書いて切手を貼れば出せるな」
ボールペンを持ってきて封筒に『AIR MAIL』、封の境目に『〆』と追記する。
「よし。あとは切手だ。近くに郵便局があるからおじいちゃんが買ってこよう。そのまま手紙を出してくるよ」
「わたしもいく」
「そうか? じゃあ行こうか」
近所を探検をしてきたばかりだが、祖父と久々に出かけられるからと今日は二度目の外出だ。
動けなくなった時は驚いたが、今は歩けるようになって良かったと安堵する。
「パパたちから!?」
探検から帰ると伯父からエアメールを渡された。封を切って中身を確認すれば、ココロにもわかりやすく、ひらがなとカタカナ、漢字にはふりがなが振ってある。大まかな内容はこうだ。
『ココロへ。元気に生活していますか。オジさんたちとはなかよくできていますか。メイワクをかけないように、しっかり言うことをきいてイイコにしていてください。ココロやクックが元気でいるのかとても気になります。クックはコビナになったころでしょうか。毎日日記をわすれずにかいてくださいね。また手紙おくります。パパ・ママより』
手紙を読み終え、リビングに戻っていった伯父を追いかける。
「おへんじかいてもいい?」
「ああうん。宛名の書き方わかる?」
「わかんない」
「じゃあ教えてあげるよ。今回は俺が書くからさ、次からは自分で書いてみな?」
「うん。……は、はいっ」
「……じゃあ書きたいレターセット持ってきてー」
ココロがいちいち言い直すところが面白くてククッと笑ってしまう。
二階からレターセットとボールペンを持ってきて伯父に見せる。
「これでいい?」
「オッケー。じゃあ座って」
テーブルにレターセットとボールペンを置いて伯父の隣に座る。
伯父は封筒を取り出し、届いたエアメールを並べる。
「住所は届いたのを見ながら書けば楽でしょ。そんで、こっちに小さくウチの住所書いて、こっちに相手の住所ね」
封筒に指を走らせて説明してくれる。それから宛名を書いて渡してくれた。
「あとは内容だけだから大丈夫だよね」
「だいじょうぶ。ありがとう」
受け取った封筒、エアメール、レターセット一式を持って自室へ戻った。ケージを覗くと今日はケージをつつかなくてもクックが気づいて見上げている。
「あのねクックさん、パパとママからお手紙がきたよ。今からお返事書くんだよ。クックさんが大きくなったことも書くね」
「ピッ」
「次お手紙書く時は進化してたりしてね」
そう進化を待ち遠しく感じながら便箋へ筆を走らせる。元気に学校へ行っていること、友達ができたこと、祖父はぎっくり腰になったこと、クックが小びなになりそれに伴い成長痛で脚を痛めたことなどを書いた。
「パパとママもお元気ですか。会いたいです。ココロより……かけた!」
インクが乾くのを待ち数分後、書面を恐る恐る指で触ってみて文字がかすれないことを確認する。便箋を三つ折りにして封筒へ入れ、水のりで封をすれば完成だ。
一階に降りて行くと廊下で祖父と会う。腰の調子が良くなり歩けるようになったようだ。
「おじいちゃん、お手紙出したいんだけどこれでいい?」
手紙を渡して表裏確認してもらうと祖父は頷く。
「あとはエアメールと〆を書いて切手を貼れば出せるな」
ボールペンを持ってきて封筒に『AIR MAIL』、封の境目に『〆』と追記する。
「よし。あとは切手だ。近くに郵便局があるからおじいちゃんが買ってこよう。そのまま手紙を出してくるよ」
「わたしもいく」
「そうか? じゃあ行こうか」
近所を探検をしてきたばかりだが、祖父と久々に出かけられるからと今日は二度目の外出だ。
動けなくなった時は驚いたが、今は歩けるようになって良かったと安堵する。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる