超進化ペット！ピヨ 改訂版

二話 夢と現

二

　言葉に反応して鳴いてくれる黄色いふわふわとした小鳥。ピヨという生物である。ヒヨコと似ているが別の生き物だ。

　ヒヨコは成長するとニワトリになり食用種や卵用種、又は兼用と分かれ、畜産として飼育されることがほとんどである。だがピヨの場合は愛玩する為、ペットとして飼育されることが多く、食用種は未だいないとされる。今ではピヨを飼育する家庭が多く社会現象にまでなっている。人気の理由は見た目の可愛らしさは勿論なのだが、ニワトリよりも寿命が長く、他の鳥類と比べて表情や感情が豊かなこと。そして最大の理由は、姿形が進化することである。

　ヒヨコがニワトリへと姿を変えることは容易に想像がつくだろう。個体が成長を遂げると個体差はあるが同じ姿形になる。

　ピヨの場合は進化する。ピヨが一定期間成長すると、進化の分岐点があることが分かっている。同じピヨという生物から様々な姿形へと変貌する。どのように変化をするかは育った環境、ストレス、食事、運動など何が起因しているかは未だ解明されていない。

　そもそも進化とは、原始生命体から世代を経て環境に応じて変化を遂げ、体が単純化や発達していった歴史ある過程を指す。しかしピヨの場合は、一定期間成長すると突然変異を起こし姿形が変化するという、ほんの一時での出来事なのだ。

　謎が多く原初のピヨがどこでどのように生まれたのか、どんな進化を遂げてきたのか、ヒヨコとの繋がりは有るのかなど、まだまだわからないことだらけである。
　とある研究者が量産に成功し、世の中にペットとして放たれた。要は社会全体で研究をしようという目論見が発端である。ピヨの進化の謎が解明出来れば社会に貢献することとなり、一躍脚光を浴びることとなるだろう。

　一般的にピヨの世話はヒヨコとほぼ変わらないとされているが、謎の解明をするには同じでは結果が出ないだろうと、研究者は試行錯誤している。今や世の中ではピヨブームで、どんな進化を遂げるのか楽しみだと広まっている。