29 / 37
2020/01/05
キーワード選定の謎に迫る(2020/11/04 改)
しおりを挟む
まとめサイトの下請けライターをやっていて不思議だったのは、クライアントから与えられる「キーワード」だった。
下請けは与えられた「キーワード」に沿った内容で書くわけで、なぜそのテーマで書くのかを考える必要は「全くない」ことだ。
しかしだなぁ、二年間、キーワード与えられ続けた自分は、考えるようになってしまったわけだ。
「なぜこのキーワードなのさ?」
当然クライアントに尋ねることはしない。ページを検索サイト上位に表示させる「肝」の部分で、「企業秘密」の部分だから。
自分はドラマと映画記事を主戦場にしていたから、二単語のキーワードが与えられた。基本的に、人ってのは一語ではなく二語で検索して検索結果を絞るものだ。二語のキーワードの一つは、「ドラマ名」だ。まぁ当然だ。二つ目のキーワードが、そのドラマの何に焦点を当てた記事にするか?のテーマになる単語であり、記事の主題ということになる。
ドラマ記事なので、登場人物や相関図、ロケ地、脚本、原作のネタバレになってくる。
では何が不思議だったのかというと、「ドラマ名」の方だった。
ドラマが始まる前は、放送が開始されるドラマ作品を手あたり次第、キーワードとして発注側から投げられるだが、ドラマが始まると取り上げられないドラマが出てくる。
その一方、しつこく記事にするドラマもあるのだ。
しかも、私が契約していたクライアントは人気の出た方を切って、視聴率でいえば「爆死打ち切り寸前」のドラマをしつこく記事に書くように指定してきた。
爆発的な人気の出たドラマをキーワードにしない理由がわからなかった。ぶっちゃけて言えば「ドクターX」は放送前は情報ない中で記事をガシガシ書かされたけれど、ヒットしはじめると、記事の作成数がガタっと落ちるのだ。人気あるんだから記事をじゃんじゃんアップするじゃね?と思うのだが、どうにも違う。
というわけで、キーワード選定について検索をかけてみた。
当然、「キーワード選定を何にするか」で検索かけてくるのを見越したまとめ記事があるのだな。それをクリックするのは悔しいけど、手っ取り早く調べたいのが世の常、人の常だ。トップページに表示されたまとめ記事を、ホイホイクリックしてしまう自分が憎い。ブログアップした人の仕掛けを知って、それに釣られてしまう悔しさたるや……(以下、略)
まず驚いたのがキーワード選定を商売にしているところがあるってこと。検索されやすいキーワードを、有料で教えてくれるんだと! 無論、無料で教えてくれるところもある。クライアントが自分でキーワードを選定していたのか、無料のサイトを利用していたのか、有料サイトを使っていたのか、それはわからん。なんせ私は下書き専門だから、余計なこと考えたって報酬あがるわけでないし。
下請けをやめた今だから、当時、謎だったことを考察してみたくなったのだ。
自分がドラマ系の記事作成で関わったクライアントは、二人。最初のクライアントAさんはドラマのまとめサイトでいえば、三番手四番手あたりのサイト運営をしていた。もう一人は最後のクライアントDさんで個人でちんまりやっている人だった。要するに、トップサイトではなかったわけで、そこがポイントだと思った。
視聴者の興味を引くのは、話題作だったり、視聴率を望めるシリーズ物だったりのはずだが、そこは検索大手ががっちり掴んでいる。ということで、ド直球を外したドラマ作品で検索上位を狙っていたの感じるわけだ。
また、視聴率自体が悪くても、広告ターゲットの若い人が見る割合の多い作品というのもあるわけで、それらのスキマ作品を狙っていたのかなとも感じていた。
大手のドラマまとめ記事サイトのテーマをあえて外して、視聴率爆死と言われているドラマの記事を書くことになった理由が透けてみえてくる。
でも、真相はわからない。さすがにクライアントにド直球で質問できる雰囲気はなかった。
それにしても、視聴率爆死ドラマの記事を書くのは、哀愁あったなぁ。
ドラマを作るとき、制作側も出演者も、爆死しようなんて思っていないわけだし、ストーリーだってしっかりしている物も多い。記事かきながら、なぜここまで酷評され、打ち切りはいつか?みたいなことになるのかなぁと、他人事ながら悲しくなった作品も多かった。
ドラマのまとめ記事書きながら、日本のドラマは、視聴率が落ちている中でも、必死に作品作りに励んでいたし、少ない予算をやりくりしながら、実験的な挑戦もしていたと感じていたものな。
幸い、記事内では否定的な書き方を指示されていなかった(されていたら書くのを断っていたと思う)ので、まとめ記事ながら、できるだけ応援する言葉を書いていたんだよ。
まぁ、作品を自分で見ないでおいて応援も何もねぇよといわれそうだがなっ。
(つづく)
下請けは与えられた「キーワード」に沿った内容で書くわけで、なぜそのテーマで書くのかを考える必要は「全くない」ことだ。
しかしだなぁ、二年間、キーワード与えられ続けた自分は、考えるようになってしまったわけだ。
「なぜこのキーワードなのさ?」
当然クライアントに尋ねることはしない。ページを検索サイト上位に表示させる「肝」の部分で、「企業秘密」の部分だから。
自分はドラマと映画記事を主戦場にしていたから、二単語のキーワードが与えられた。基本的に、人ってのは一語ではなく二語で検索して検索結果を絞るものだ。二語のキーワードの一つは、「ドラマ名」だ。まぁ当然だ。二つ目のキーワードが、そのドラマの何に焦点を当てた記事にするか?のテーマになる単語であり、記事の主題ということになる。
ドラマ記事なので、登場人物や相関図、ロケ地、脚本、原作のネタバレになってくる。
では何が不思議だったのかというと、「ドラマ名」の方だった。
ドラマが始まる前は、放送が開始されるドラマ作品を手あたり次第、キーワードとして発注側から投げられるだが、ドラマが始まると取り上げられないドラマが出てくる。
その一方、しつこく記事にするドラマもあるのだ。
しかも、私が契約していたクライアントは人気の出た方を切って、視聴率でいえば「爆死打ち切り寸前」のドラマをしつこく記事に書くように指定してきた。
爆発的な人気の出たドラマをキーワードにしない理由がわからなかった。ぶっちゃけて言えば「ドクターX」は放送前は情報ない中で記事をガシガシ書かされたけれど、ヒットしはじめると、記事の作成数がガタっと落ちるのだ。人気あるんだから記事をじゃんじゃんアップするじゃね?と思うのだが、どうにも違う。
というわけで、キーワード選定について検索をかけてみた。
当然、「キーワード選定を何にするか」で検索かけてくるのを見越したまとめ記事があるのだな。それをクリックするのは悔しいけど、手っ取り早く調べたいのが世の常、人の常だ。トップページに表示されたまとめ記事を、ホイホイクリックしてしまう自分が憎い。ブログアップした人の仕掛けを知って、それに釣られてしまう悔しさたるや……(以下、略)
まず驚いたのがキーワード選定を商売にしているところがあるってこと。検索されやすいキーワードを、有料で教えてくれるんだと! 無論、無料で教えてくれるところもある。クライアントが自分でキーワードを選定していたのか、無料のサイトを利用していたのか、有料サイトを使っていたのか、それはわからん。なんせ私は下書き専門だから、余計なこと考えたって報酬あがるわけでないし。
下請けをやめた今だから、当時、謎だったことを考察してみたくなったのだ。
自分がドラマ系の記事作成で関わったクライアントは、二人。最初のクライアントAさんはドラマのまとめサイトでいえば、三番手四番手あたりのサイト運営をしていた。もう一人は最後のクライアントDさんで個人でちんまりやっている人だった。要するに、トップサイトではなかったわけで、そこがポイントだと思った。
視聴者の興味を引くのは、話題作だったり、視聴率を望めるシリーズ物だったりのはずだが、そこは検索大手ががっちり掴んでいる。ということで、ド直球を外したドラマ作品で検索上位を狙っていたの感じるわけだ。
また、視聴率自体が悪くても、広告ターゲットの若い人が見る割合の多い作品というのもあるわけで、それらのスキマ作品を狙っていたのかなとも感じていた。
大手のドラマまとめ記事サイトのテーマをあえて外して、視聴率爆死と言われているドラマの記事を書くことになった理由が透けてみえてくる。
でも、真相はわからない。さすがにクライアントにド直球で質問できる雰囲気はなかった。
それにしても、視聴率爆死ドラマの記事を書くのは、哀愁あったなぁ。
ドラマを作るとき、制作側も出演者も、爆死しようなんて思っていないわけだし、ストーリーだってしっかりしている物も多い。記事かきながら、なぜここまで酷評され、打ち切りはいつか?みたいなことになるのかなぁと、他人事ながら悲しくなった作品も多かった。
ドラマのまとめ記事書きながら、日本のドラマは、視聴率が落ちている中でも、必死に作品作りに励んでいたし、少ない予算をやりくりしながら、実験的な挑戦もしていたと感じていたものな。
幸い、記事内では否定的な書き方を指示されていなかった(されていたら書くのを断っていたと思う)ので、まとめ記事ながら、できるだけ応援する言葉を書いていたんだよ。
まぁ、作品を自分で見ないでおいて応援も何もねぇよといわれそうだがなっ。
(つづく)
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる