ほっかいどいんこ！

アホな飼い主とアホなインコのエピソード

フォーミュラーに懺悔その3

　以上の結果を報告しに早速、動物病院に出向いた私は、次の「餌は粒粒に限る」を試す為のフォーミュラーの実験をすべく、サンプルのおかわりを、先生に要求した。←おぃ。
　私の報告で、ますます使えない代物というレッテルを貼られつつあるフォーミュラーに、先生は手元に残していたうちの半分を惜しげもなく、提供してくれたｗ。
　
　一方の私の研究心は、未だ衰えを知らず次なる犠牲、もとい実験用フォーミュラーも無事手に入れ、「粒粒フォーミュラー」の試作に没頭した。
結果。粒粒フォーミュラー失敗作が次々、廃棄処分の運命をたどったのであった。
そして、試行錯誤の末。ついに！いんこが、粒粒フォーミュラーをついばんだのであるっ‼
やった！ついに完成だっ！犠牲になったフォーミュラーに思いを馳せつつ（嘘つけ）、苦労の連続の日々を乗り越え、私は感無量であった。

　が。そう、やはり　登場すべく登場してきちゃう、「が」、なのである……。
インコは、パリポリと２、３粒食べると「ケッ」と粒粒フォーミュラーを一瞥して去って行って二度と振り返らなかったのである……。
　フォーミュラーよ、さようなら……。
　こうして、私は一端フォーミュラーとお別れしたわけである。言い訳にしか聞こえないだろうが、私だって敗北感にまみれにまみれていたのだ。
本当なら「食える形のフォーミュラーを作り上げメーカーにつきつけてやる」予定だったのだからなっ。
こうして敗北した物（者）は、静かに去っていくってわけで。
　フォーミュラー初上陸には、こんな秘話がメーカーも知らぬ所であったのだよ、フフフン←何を威張っているのだ？アホかよ、アホだな。

　この私と先生しか知らない秘話から1～2年後、フォーミュラーは火がついたように日本のインコ飼い界隈で知れ渡りはじめ、私はここに至ってようやく己の壮大なる勘違いに気が付いたのであった。
　あげくに当時、フォーミュラーは大都市のごく一部の店にしか置いていない貴重品状態であり、そのタイミングでオカメの雛を育てることになった私は、その高価なお値段に驚きながら、サンプルでないフォーミュラーと再会するハメになったわけである。
これはきっと、使命を果たせず無念に廃棄処分されたサンプルフォーミュラーの、私に対する「リベンジ」だったのかも知れないと密かに私は思ったのであった。

フォーミュラーに懺悔話　終わり