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2020年08月

まだまだ、怒りを抑えて引越し手続きは続くのだ。

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 引越しは部屋を引き払い、物と人を移動して、引越し先の部屋に収まればいい――それだけではないんだな。

 いや、それだけで十分ぐったりなんだが。

 残念ながらそれだけではないのだ。ライフラインの連絡、インターネット回線の工事、転入届……。住所変更する物が多いことよ。
 気が付くのが、旧住所からの転送郵便ということも多い。

 ちなみに、運転免許の住所変更忘れて以前、警察の人に怒られたことがあった。
運転免許の住所変更に必要な物に「住民票」がある。住民票というのは、転入届けを受理されないと、発行してもらえない。
 なので、順番として引越し前の住所の転出届をもらって、それを転入届けとともに提出。住民票を発行してもらう。それを持って警察署で免許証の住所変更をする。
 まず公的な物から住所変更をやっていく。次は銀行とクレカだな。これらはまだやっていない。

 今回の引越しは途中まで「転勤による引越しで社宅探し」だった。ところが、会社の景気が悪いようで、経費節減に目をつけられたのが、私たちの転勤だった(と思っている)。
 なんと社宅扱いを、引越しの前日に取り消す連絡しやがってきた。
 それ以前に「なんか、社宅扱い認められないかもしれない」旨の話はきていたが、真正面からきくのは、藪蛇なので、正式な連絡がくるまでこちらとしては無視するしかなかった。
 とはいえ、引越し移動の前日に連絡くるとは、まじで崩れ落ちた。
 もう引越し業者はキャンセルきかないわけだし、部屋は明け渡すことが決まっている。どうしたって、どっかに出て行かなきゃならないのだ。となれば、社宅扱いで決めた部屋に行くしかないわけよ。
 会社の連絡の仕方にすら悪意を感じながら、私たちは引越した。
 社宅扱いだから、条件の縛りがきつい物件から探したわけなんだがな!

 世の中、景気が悪い。私たちもその影響を受けたということだ。
 転勤を機に、給料は家賃と光熱費で消えることになった。持ち出しはあっても多少食費に当てる費用も見込んでいたわけだが、それもなくなった。
 基礎疾患いっぱいあるので、健康保険証二人分あるのも助かるといえば助かるけど、今年ばっさり給料も減ったしさっさと税金の見直し入らないときついよなー。

 夫はこの状態でも正社員なので、同じ仕事をしているアルバイトの人から早くもいじめを受け始めている。嫉妬される立場なわけよ、自分たちは、突き落とされた気持ちでいても、違うんだよね。

 そんな状態で夫が会社でいじめられ始め(おそらく、いじめが始まるだろうとは予想ついていた)、それでも一週間をようやく乗り切った。夏季休暇まで頑張った。その直前、不動産屋さんから連絡がきた。
「社宅じゃないと、個人契約になるので、追加料金が〇万円発生します」
 ……。そうかい。
 世の中、GOTOキャンペーンのキャンセル料でぎゃあぎゃあ言ってるようだが、そんなことでわめく皆さんがとっても優雅に見えてしまうなー。補填されるようで、良かったね。私たちは福利厚生が削られ、今、正式な契約がない状態で部屋を占拠しているらしいぞ、悪意なくねw。あげくに追加料金もかかるそうで。

 上を見て絶望し、かといって不満を洩らせばもっと苦しい人が、冷たい視線を刃のように向けてくるわけで。
正直、疲れて心がボロボロだ。疲れるよね、ほんとに疲れるよ。
 どこかで、夫は会社を辞めるだろう、と思う。それを止める気力は全くない。

 未来なんて見ていない。今日と明日、一週間。その先を考える意味なんて、今の世の中あるんだろうか?
 東京オリンピックが今年開催されないなんて、誰が予想しただろう?
 個人のレベルで私たちは未来なんて予想する意味を見失った。


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