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2020年06月
アニメ・サイコパスのセリフのための読書感想文 前半
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アニメ「サイコパス」一期は、今から百年後の未来の話を設定しながら、話の登場人物や事件を読み解くために、現在までに発表されている思想論や物語を多く引用している。
それが、サイコパスというアニメのファンを構成している部分があるのは事実だ。
で、私はというと、その肝心のセリフを全く理解できないでいた。
高度な思想合戦をやっているシーンは、置いてきぼり感が半端なく、しかし、論議を戦わせるセリフが学問的で憧れていた。
セリフを理解したいと思ったが、社会学?とか思想、哲学方面の知識を一切持っていなかった。
アニメの中で犯罪者である槙島が言う有名なセリフがある。
「紙の本、読みなよ」
というわけで、紙の本読んで、セリフを理解する作業はしてみたいと、常々思っていた。
さて、今年は、マックスウエーバーの没後百年だそうで、それに合わせて出版された本のお知らせが流れてきた。マックスウエーバー? サイコパスで出てきたセリフじゃん。じゃあ、まずは、この本でマックスウエーバーを学んでみよう。
という流れで購入したのが、中公出版の新書「野口雅弘著 マックス・ウエーバー」だ。出版ほやほやの本である。
最近、社会学とか政治学という学門が何をどう論じているのか気になっていたのも、本を読む動機になった。
地方なので、本屋で見つける選択肢は除去、何も考えず、近所のセブンイレブンで受け取れるスタイルで注文した。送料無料だが罪悪感がわかない購入方法である。ちなみにこの部分、感想と関係ない記述であるな。ごめん。
小説本は私には危険だ。話に入り込むと実生活を置きざりにしてしまう。しかし、この本は梱包をほどいた時にワクワク感はなかった。
そう、私はサイコパスのセリフを数行理解するために、この一冊の本を読むことにしたのであり、この本自体に(申し訳ないが)魅力を感じていたわけではなかったから。
それでもマックス・ウエーバーの入門書というだけあって、読みづらくはない。マックス・ウエーバーの人生を追いながら、その時々に発表した論文や本を紹介し解説、また現代における意味を著者の視線で語っている、そういう本だった。
没入感のない本なので、読むのをやめないために、途中まで読んだ感想をツイッターに残すことにした。その行動が、読書を続けるモチベーションになった。
ツイートでつぶやかなかったら、途中で読むのやめていたと思う。
以前にも書いたが私の読書は文字や文章に対して、暴力的だ。作者が一字一句で悩んでいるであろうことをわかりながら、読み飛ばす方式なのだ。速読術は出来ないが、読むのが早い、そして内容は頭に残っていないという、最悪の読み方である。
しかし、新書版で二百ページほどを私は、二日間かけて、ようやく読んだ。読み飛ばす私にとって、異例の時間のかかり方と言っていい。
二日間かけて読んで何を感じたか? 本論に入るまでが長くてごめん。というわけで、ここからが本番。
マックス・ウエーバーという人物の生きざまを読んで、今と百年前、人間は変わっていないなぁと感じた。人間は常に何かしらに引け目を感じるんだな。
ウエーバーは「お金持ち」であることに引け目を感じていたという。大学もお金に困らないことが引け目だったというから、人間って常に何かに劣等感やら引け目やら持つものなのかという感想になってしまう。
人ってそういうものなのか、百年前に大学で学んだ人が引け目持つなら、引け目や劣等感を持つことを能動的に受け止めていいのかなという気持ちになった(私は、劣等感や自己肯定感は低いと思っている)。
マックス・ウエーバーは自身では引け目を感じていたようだが、私から見れば、うらやましい人生だ。大学教授となり、論文を発表し続けた。論文を発表する場を百年前、持てていたんだから、恵まれていたと思う。
さて、そんなウエーバーの研究だが、現在の「社会学」といわれる分野を論じていたようだ。学者として、俯瞰した立場から事象を見ようとしていたのを感じる。
著者の野口さんの理解と思われるが「自分だけは客観的だと考える科学者は……」の記述が非常に心に残る。この言葉って、研究者が心に留めておいたらいい言葉だと思う。
マックス・ウエーバーは大学で法学を学んでいたのだという。そこからスタートして世界の思想を系統でまとめあげようとしていたのだろうか?
世界を宗教で分類しようとする考察は、宗教観のない自分には、壮大すぎて理解が追い付かない。ウエーバー自身、世界各地を視察したわけではない状態で、各宗教を分類しているようで、かなり手口が粗いという印象がある。
なぜなら、日本は儒教の国にでっかく括られているようで、日本で生まれ育った者としては、その大雑把な括り方を肯定的には受取れないのだ。
とはいえ、狭い視野でみえないことを、広い視野で大雑把に括り見えてくることもあると思うから、なんというか、否定はできないんだよな。
社会学というのは、そういう学問なのだろうか?
全般的に本を理解したとはいえない状態だ。宗教の話もそうだが、さらに理解できなかったのが「音楽社会学」。初耳だし、社会学的な音楽の考察と言う視点は新鮮というより驚いた。全然頭がついていかなかった。
今回はサイコパスのセリフを理解したかっただけなので、そういう分野があるのだということで読み流した。
まだサイコパスのセリフと関連した感想に行きついていないのだがっ⁉
感想文、を前半、後半に分けますわ。今日は力尽きた……。
(つづく)←ぐってり
それが、サイコパスというアニメのファンを構成している部分があるのは事実だ。
で、私はというと、その肝心のセリフを全く理解できないでいた。
高度な思想合戦をやっているシーンは、置いてきぼり感が半端なく、しかし、論議を戦わせるセリフが学問的で憧れていた。
セリフを理解したいと思ったが、社会学?とか思想、哲学方面の知識を一切持っていなかった。
アニメの中で犯罪者である槙島が言う有名なセリフがある。
「紙の本、読みなよ」
というわけで、紙の本読んで、セリフを理解する作業はしてみたいと、常々思っていた。
さて、今年は、マックスウエーバーの没後百年だそうで、それに合わせて出版された本のお知らせが流れてきた。マックスウエーバー? サイコパスで出てきたセリフじゃん。じゃあ、まずは、この本でマックスウエーバーを学んでみよう。
という流れで購入したのが、中公出版の新書「野口雅弘著 マックス・ウエーバー」だ。出版ほやほやの本である。
最近、社会学とか政治学という学門が何をどう論じているのか気になっていたのも、本を読む動機になった。
地方なので、本屋で見つける選択肢は除去、何も考えず、近所のセブンイレブンで受け取れるスタイルで注文した。送料無料だが罪悪感がわかない購入方法である。ちなみにこの部分、感想と関係ない記述であるな。ごめん。
小説本は私には危険だ。話に入り込むと実生活を置きざりにしてしまう。しかし、この本は梱包をほどいた時にワクワク感はなかった。
そう、私はサイコパスのセリフを数行理解するために、この一冊の本を読むことにしたのであり、この本自体に(申し訳ないが)魅力を感じていたわけではなかったから。
それでもマックス・ウエーバーの入門書というだけあって、読みづらくはない。マックス・ウエーバーの人生を追いながら、その時々に発表した論文や本を紹介し解説、また現代における意味を著者の視線で語っている、そういう本だった。
没入感のない本なので、読むのをやめないために、途中まで読んだ感想をツイッターに残すことにした。その行動が、読書を続けるモチベーションになった。
ツイートでつぶやかなかったら、途中で読むのやめていたと思う。
以前にも書いたが私の読書は文字や文章に対して、暴力的だ。作者が一字一句で悩んでいるであろうことをわかりながら、読み飛ばす方式なのだ。速読術は出来ないが、読むのが早い、そして内容は頭に残っていないという、最悪の読み方である。
しかし、新書版で二百ページほどを私は、二日間かけて、ようやく読んだ。読み飛ばす私にとって、異例の時間のかかり方と言っていい。
二日間かけて読んで何を感じたか? 本論に入るまでが長くてごめん。というわけで、ここからが本番。
マックス・ウエーバーという人物の生きざまを読んで、今と百年前、人間は変わっていないなぁと感じた。人間は常に何かしらに引け目を感じるんだな。
ウエーバーは「お金持ち」であることに引け目を感じていたという。大学もお金に困らないことが引け目だったというから、人間って常に何かに劣等感やら引け目やら持つものなのかという感想になってしまう。
人ってそういうものなのか、百年前に大学で学んだ人が引け目持つなら、引け目や劣等感を持つことを能動的に受け止めていいのかなという気持ちになった(私は、劣等感や自己肯定感は低いと思っている)。
マックス・ウエーバーは自身では引け目を感じていたようだが、私から見れば、うらやましい人生だ。大学教授となり、論文を発表し続けた。論文を発表する場を百年前、持てていたんだから、恵まれていたと思う。
さて、そんなウエーバーの研究だが、現在の「社会学」といわれる分野を論じていたようだ。学者として、俯瞰した立場から事象を見ようとしていたのを感じる。
著者の野口さんの理解と思われるが「自分だけは客観的だと考える科学者は……」の記述が非常に心に残る。この言葉って、研究者が心に留めておいたらいい言葉だと思う。
マックス・ウエーバーは大学で法学を学んでいたのだという。そこからスタートして世界の思想を系統でまとめあげようとしていたのだろうか?
世界を宗教で分類しようとする考察は、宗教観のない自分には、壮大すぎて理解が追い付かない。ウエーバー自身、世界各地を視察したわけではない状態で、各宗教を分類しているようで、かなり手口が粗いという印象がある。
なぜなら、日本は儒教の国にでっかく括られているようで、日本で生まれ育った者としては、その大雑把な括り方を肯定的には受取れないのだ。
とはいえ、狭い視野でみえないことを、広い視野で大雑把に括り見えてくることもあると思うから、なんというか、否定はできないんだよな。
社会学というのは、そういう学問なのだろうか?
全般的に本を理解したとはいえない状態だ。宗教の話もそうだが、さらに理解できなかったのが「音楽社会学」。初耳だし、社会学的な音楽の考察と言う視点は新鮮というより驚いた。全然頭がついていかなかった。
今回はサイコパスのセリフを理解したかっただけなので、そういう分野があるのだということで読み流した。
まだサイコパスのセリフと関連した感想に行きついていないのだがっ⁉
感想文、を前半、後半に分けますわ。今日は力尽きた……。
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