22 / 59
2020年06月
アニメ・サイコパスのセリフのための読書感想文 前半
しおりを挟む
アニメ「サイコパス」一期は、今から百年後の未来の話を設定しながら、話の登場人物や事件を読み解くために、現在までに発表されている思想論や物語を多く引用している。
それが、サイコパスというアニメのファンを構成している部分があるのは事実だ。
で、私はというと、その肝心のセリフを全く理解できないでいた。
高度な思想合戦をやっているシーンは、置いてきぼり感が半端なく、しかし、論議を戦わせるセリフが学問的で憧れていた。
セリフを理解したいと思ったが、社会学?とか思想、哲学方面の知識を一切持っていなかった。
アニメの中で犯罪者である槙島が言う有名なセリフがある。
「紙の本、読みなよ」
というわけで、紙の本読んで、セリフを理解する作業はしてみたいと、常々思っていた。
さて、今年は、マックスウエーバーの没後百年だそうで、それに合わせて出版された本のお知らせが流れてきた。マックスウエーバー? サイコパスで出てきたセリフじゃん。じゃあ、まずは、この本でマックスウエーバーを学んでみよう。
という流れで購入したのが、中公出版の新書「野口雅弘著 マックス・ウエーバー」だ。出版ほやほやの本である。
最近、社会学とか政治学という学門が何をどう論じているのか気になっていたのも、本を読む動機になった。
地方なので、本屋で見つける選択肢は除去、何も考えず、近所のセブンイレブンで受け取れるスタイルで注文した。送料無料だが罪悪感がわかない購入方法である。ちなみにこの部分、感想と関係ない記述であるな。ごめん。
小説本は私には危険だ。話に入り込むと実生活を置きざりにしてしまう。しかし、この本は梱包をほどいた時にワクワク感はなかった。
そう、私はサイコパスのセリフを数行理解するために、この一冊の本を読むことにしたのであり、この本自体に(申し訳ないが)魅力を感じていたわけではなかったから。
それでもマックス・ウエーバーの入門書というだけあって、読みづらくはない。マックス・ウエーバーの人生を追いながら、その時々に発表した論文や本を紹介し解説、また現代における意味を著者の視線で語っている、そういう本だった。
没入感のない本なので、読むのをやめないために、途中まで読んだ感想をツイッターに残すことにした。その行動が、読書を続けるモチベーションになった。
ツイートでつぶやかなかったら、途中で読むのやめていたと思う。
以前にも書いたが私の読書は文字や文章に対して、暴力的だ。作者が一字一句で悩んでいるであろうことをわかりながら、読み飛ばす方式なのだ。速読術は出来ないが、読むのが早い、そして内容は頭に残っていないという、最悪の読み方である。
しかし、新書版で二百ページほどを私は、二日間かけて、ようやく読んだ。読み飛ばす私にとって、異例の時間のかかり方と言っていい。
二日間かけて読んで何を感じたか? 本論に入るまでが長くてごめん。というわけで、ここからが本番。
マックス・ウエーバーという人物の生きざまを読んで、今と百年前、人間は変わっていないなぁと感じた。人間は常に何かしらに引け目を感じるんだな。
ウエーバーは「お金持ち」であることに引け目を感じていたという。大学もお金に困らないことが引け目だったというから、人間って常に何かに劣等感やら引け目やら持つものなのかという感想になってしまう。
人ってそういうものなのか、百年前に大学で学んだ人が引け目持つなら、引け目や劣等感を持つことを能動的に受け止めていいのかなという気持ちになった(私は、劣等感や自己肯定感は低いと思っている)。
マックス・ウエーバーは自身では引け目を感じていたようだが、私から見れば、うらやましい人生だ。大学教授となり、論文を発表し続けた。論文を発表する場を百年前、持てていたんだから、恵まれていたと思う。
さて、そんなウエーバーの研究だが、現在の「社会学」といわれる分野を論じていたようだ。学者として、俯瞰した立場から事象を見ようとしていたのを感じる。
著者の野口さんの理解と思われるが「自分だけは客観的だと考える科学者は……」の記述が非常に心に残る。この言葉って、研究者が心に留めておいたらいい言葉だと思う。
マックス・ウエーバーは大学で法学を学んでいたのだという。そこからスタートして世界の思想を系統でまとめあげようとしていたのだろうか?
世界を宗教で分類しようとする考察は、宗教観のない自分には、壮大すぎて理解が追い付かない。ウエーバー自身、世界各地を視察したわけではない状態で、各宗教を分類しているようで、かなり手口が粗いという印象がある。
なぜなら、日本は儒教の国にでっかく括られているようで、日本で生まれ育った者としては、その大雑把な括り方を肯定的には受取れないのだ。
とはいえ、狭い視野でみえないことを、広い視野で大雑把に括り見えてくることもあると思うから、なんというか、否定はできないんだよな。
社会学というのは、そういう学問なのだろうか?
全般的に本を理解したとはいえない状態だ。宗教の話もそうだが、さらに理解できなかったのが「音楽社会学」。初耳だし、社会学的な音楽の考察と言う視点は新鮮というより驚いた。全然頭がついていかなかった。
今回はサイコパスのセリフを理解したかっただけなので、そういう分野があるのだということで読み流した。
まだサイコパスのセリフと関連した感想に行きついていないのだがっ⁉
感想文、を前半、後半に分けますわ。今日は力尽きた……。
(つづく)←ぐってり
それが、サイコパスというアニメのファンを構成している部分があるのは事実だ。
で、私はというと、その肝心のセリフを全く理解できないでいた。
高度な思想合戦をやっているシーンは、置いてきぼり感が半端なく、しかし、論議を戦わせるセリフが学問的で憧れていた。
セリフを理解したいと思ったが、社会学?とか思想、哲学方面の知識を一切持っていなかった。
アニメの中で犯罪者である槙島が言う有名なセリフがある。
「紙の本、読みなよ」
というわけで、紙の本読んで、セリフを理解する作業はしてみたいと、常々思っていた。
さて、今年は、マックスウエーバーの没後百年だそうで、それに合わせて出版された本のお知らせが流れてきた。マックスウエーバー? サイコパスで出てきたセリフじゃん。じゃあ、まずは、この本でマックスウエーバーを学んでみよう。
という流れで購入したのが、中公出版の新書「野口雅弘著 マックス・ウエーバー」だ。出版ほやほやの本である。
最近、社会学とか政治学という学門が何をどう論じているのか気になっていたのも、本を読む動機になった。
地方なので、本屋で見つける選択肢は除去、何も考えず、近所のセブンイレブンで受け取れるスタイルで注文した。送料無料だが罪悪感がわかない購入方法である。ちなみにこの部分、感想と関係ない記述であるな。ごめん。
小説本は私には危険だ。話に入り込むと実生活を置きざりにしてしまう。しかし、この本は梱包をほどいた時にワクワク感はなかった。
そう、私はサイコパスのセリフを数行理解するために、この一冊の本を読むことにしたのであり、この本自体に(申し訳ないが)魅力を感じていたわけではなかったから。
それでもマックス・ウエーバーの入門書というだけあって、読みづらくはない。マックス・ウエーバーの人生を追いながら、その時々に発表した論文や本を紹介し解説、また現代における意味を著者の視線で語っている、そういう本だった。
没入感のない本なので、読むのをやめないために、途中まで読んだ感想をツイッターに残すことにした。その行動が、読書を続けるモチベーションになった。
ツイートでつぶやかなかったら、途中で読むのやめていたと思う。
以前にも書いたが私の読書は文字や文章に対して、暴力的だ。作者が一字一句で悩んでいるであろうことをわかりながら、読み飛ばす方式なのだ。速読術は出来ないが、読むのが早い、そして内容は頭に残っていないという、最悪の読み方である。
しかし、新書版で二百ページほどを私は、二日間かけて、ようやく読んだ。読み飛ばす私にとって、異例の時間のかかり方と言っていい。
二日間かけて読んで何を感じたか? 本論に入るまでが長くてごめん。というわけで、ここからが本番。
マックス・ウエーバーという人物の生きざまを読んで、今と百年前、人間は変わっていないなぁと感じた。人間は常に何かしらに引け目を感じるんだな。
ウエーバーは「お金持ち」であることに引け目を感じていたという。大学もお金に困らないことが引け目だったというから、人間って常に何かに劣等感やら引け目やら持つものなのかという感想になってしまう。
人ってそういうものなのか、百年前に大学で学んだ人が引け目持つなら、引け目や劣等感を持つことを能動的に受け止めていいのかなという気持ちになった(私は、劣等感や自己肯定感は低いと思っている)。
マックス・ウエーバーは自身では引け目を感じていたようだが、私から見れば、うらやましい人生だ。大学教授となり、論文を発表し続けた。論文を発表する場を百年前、持てていたんだから、恵まれていたと思う。
さて、そんなウエーバーの研究だが、現在の「社会学」といわれる分野を論じていたようだ。学者として、俯瞰した立場から事象を見ようとしていたのを感じる。
著者の野口さんの理解と思われるが「自分だけは客観的だと考える科学者は……」の記述が非常に心に残る。この言葉って、研究者が心に留めておいたらいい言葉だと思う。
マックス・ウエーバーは大学で法学を学んでいたのだという。そこからスタートして世界の思想を系統でまとめあげようとしていたのだろうか?
世界を宗教で分類しようとする考察は、宗教観のない自分には、壮大すぎて理解が追い付かない。ウエーバー自身、世界各地を視察したわけではない状態で、各宗教を分類しているようで、かなり手口が粗いという印象がある。
なぜなら、日本は儒教の国にでっかく括られているようで、日本で生まれ育った者としては、その大雑把な括り方を肯定的には受取れないのだ。
とはいえ、狭い視野でみえないことを、広い視野で大雑把に括り見えてくることもあると思うから、なんというか、否定はできないんだよな。
社会学というのは、そういう学問なのだろうか?
全般的に本を理解したとはいえない状態だ。宗教の話もそうだが、さらに理解できなかったのが「音楽社会学」。初耳だし、社会学的な音楽の考察と言う視点は新鮮というより驚いた。全然頭がついていかなかった。
今回はサイコパスのセリフを理解したかっただけなので、そういう分野があるのだということで読み流した。
まだサイコパスのセリフと関連した感想に行きついていないのだがっ⁉
感想文、を前半、後半に分けますわ。今日は力尽きた……。
(つづく)←ぐってり
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

読まれない小説はもう卒業! 最後まで読んでもらえる小説の書き方|なぜ続きを読んでもらえないの? 小説の離脱ポイントを分析しました。
宇美
エッセイ・ノンフィクション
私はいままでたくさんのweb小説を読み始めて、途中でつまらなくなって、読むのをやめました。
なぜ読むのをやめてしまったのか…… このエッセイでは、離脱ポイントを分析解説しています。
あなたの執筆に役に立つこと間違いなしです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

アルファポリスで規約違反しないために気を付けていることメモ
youmery
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスで小説を投稿させてもらう中で、気を付けていることや気付いたことをメモしていきます。
小説を投稿しようとお考えの皆さんの参考になれば。
アルファポリスでの『書籍化』はナニに魂を売ればデキる?
まみ夜
エッセイ・ノンフィクション
※夢多きお子様は、薄汚い大人にならないように、お読みにならないコトを推奨いたします。
※個人の感想です。効果、効能を保証するモノでは、ございません。
※転記は一切許可しておりません。また、引用には著作権法により厳密なルールが定められているので、ご注意ください。
自信満々に物語を書いて、早くも1500ポイント達成かと思っていたら、NEWが取れたら激減。
他の物語に負けないと思っていたのに、お気に入りも一桁、更新しても300ポイント以下。
では、「どうしたらいいか」を前向きに考察をするコラムです。
まずは、「1ページ目を読んでもらえるコトを目標」から始めましょう。
自分が書きたいことを好きに書いているダケで読まれなくていい、という方には無意味な駄文です。
書き手向けの内容ですが、読み専門の方には、より良い物語を探すヒントになる「かも」しれません。
表紙イラストは、lllust ACより、楠あかね様の「魔神」を使用させていただいております。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる