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2019年12月
自分が二次創作をした時の話
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二次創作という言葉がない時代。
多分、十歳前後のことだ。
絵本のタイトルは忘れてしまった。ロシアのお話だったような記憶がある。
ストーリーのあらすじはこんな感じだった。
「雪で出来た女の子がある村にたどり着いて、そこでたくさんのお友達ができました。楽しく遊んでいたけれど春が近づいてきました。女の子はせっかく出来たお友達と別れたくなくてグズグズしていました。
しかし、春がくれば女の子は溶けてしまいます。女の子が逡巡していたある日、お友達が焚火を始めました。そして焚火を飛び越える遊びを始めました(うぉ、ここで今は本としてNGになるような話じゃん)。女の子の番になりました。
『友達なんだからやりなよ』
そう言われて女の子は焚火を飛び越えました。そして溶けて消えました。終わり」
という内容だった気がする。
女の子の気持ちに感情移入していた私は、衝撃を受けた。あまりに衝撃的で、いたたまれない気持ちになったのだ。どうして女の子は悪いこともしていないのに、消えなければいけないのか?
納得できなくて、親に食ってかかった。なんでこんな理不尽な結末でなきゃいけないの? 私にとって主人公はハッピーエンドにならなければならない存在だった。
雪だから消えてしまったんだね、困った親が言うけれど、承服できかねた。腹がたった。こんな理不尽が許されるわけがない、と。
私がいつまでも駄々をこねるので、困った親が
「そう思うなら、自分で最後納得するお話にしてみては?」
と言ったのだ。そうか。納得いかないなら、自分の納得するお話にしよう。
で。私は絵本の最後のシーンを自分の納得できる話に改変した。ようやくそれで気持ちがおさまった。
どんなラストにしたのか、忘れてしまったが、とにかく絵本のストーリーを改変して、ようやく気持ちがおさまったのは覚えている。
あれは今でいう二次創作というやつだったのかなと思う。
こうやって思いだすと、今、読者がハッピーエンドのタグの付いた話を求める気持ちも理解できるなと思う。でも私は趣味で作文していて、読者の期待どおりに書かないのが楽しくなっている。
読む側の期待を裏切ることに少々、喜びすら感じる鬼のような意地悪な書き手になっちまった。
しかし、今でもあの絵本のラストは、断じて納得できない!(←自己矛盾だねぇw)
宣伝。作者の「ぽんたしろお」をクリックすると
童話、体験記、ファンタジー、R18(^^;まで幅広いジャンルの作品を置いてあります。
読んでみていただければ幸いです。面白いと思ってもらえたらいいな。
多分、十歳前後のことだ。
絵本のタイトルは忘れてしまった。ロシアのお話だったような記憶がある。
ストーリーのあらすじはこんな感じだった。
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しかし、春がくれば女の子は溶けてしまいます。女の子が逡巡していたある日、お友達が焚火を始めました。そして焚火を飛び越える遊びを始めました(うぉ、ここで今は本としてNGになるような話じゃん)。女の子の番になりました。
『友達なんだからやりなよ』
そう言われて女の子は焚火を飛び越えました。そして溶けて消えました。終わり」
という内容だった気がする。
女の子の気持ちに感情移入していた私は、衝撃を受けた。あまりに衝撃的で、いたたまれない気持ちになったのだ。どうして女の子は悪いこともしていないのに、消えなければいけないのか?
納得できなくて、親に食ってかかった。なんでこんな理不尽な結末でなきゃいけないの? 私にとって主人公はハッピーエンドにならなければならない存在だった。
雪だから消えてしまったんだね、困った親が言うけれど、承服できかねた。腹がたった。こんな理不尽が許されるわけがない、と。
私がいつまでも駄々をこねるので、困った親が
「そう思うなら、自分で最後納得するお話にしてみては?」
と言ったのだ。そうか。納得いかないなら、自分の納得するお話にしよう。
で。私は絵本の最後のシーンを自分の納得できる話に改変した。ようやくそれで気持ちがおさまった。
どんなラストにしたのか、忘れてしまったが、とにかく絵本のストーリーを改変して、ようやく気持ちがおさまったのは覚えている。
あれは今でいう二次創作というやつだったのかなと思う。
こうやって思いだすと、今、読者がハッピーエンドのタグの付いた話を求める気持ちも理解できるなと思う。でも私は趣味で作文していて、読者の期待どおりに書かないのが楽しくなっている。
読む側の期待を裏切ることに少々、喜びすら感じる鬼のような意地悪な書き手になっちまった。
しかし、今でもあの絵本のラストは、断じて納得できない!(←自己矛盾だねぇw)
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