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2019年12月
突発性難聴になった時の体験談
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※2017年のブログから移行した記事です。
最近 芸能人の方が突発性難聴になるケースをニュースで見るので、突発性難聴になった経験をちょこっと書いておこうと思う。
個人の体験であること、突発性難聴という病気についての専門的なブログではないこと、ご了承ください。
今までに二回発症した時のこと、記しておく。
突発性難聴一回目の体験談ー1
1)一日目の話
三十代だった。二十年ほど前の話である。
二十年前の話なので、現在の治療などと違うことはあるかもしれないので、それを踏まえての話である。
この病気の特徴だそうだが、耳が変になったのがいつからと説明できるそうで、自分も確かに、病院に行った時、三日前の何時頃変だなと思った、とお医者さんに話していた。
私の場合、飛行機で上昇した時の耳の圧迫感を感じたまま、全然とれないので、病院で耳をちょこちょこ処置してもらったら治るだろうーぐらいの軽い気持ちだった。
ところが、検査やら問診したら
「突発性難聴ですね」
とお医者さん
「はぁ・・・?」
「すぐ点滴します」
「は?」
いやちょっと待て。点滴してたら、夕食の買い物が間に合わないーそう思った私に先生が言い放った
「聴力失うかもしれないんですよ、すぐに処置開始します」
え、夕食の買い物・・・反論の余地はなかった。
私は、診療室の横にあるベッドにつれていかれ、点滴を開始されたわけだ。
更に先生が言った。
「明日も来てください。点滴する心づもりで」
えぇ~、明日も来いってか~。
点滴で二時間ほど。夕食はお惣菜を買って帰るしかなかった。
正直、耳鼻科で点滴というのもピンとこなかったわけで、この日、夕暮れで診療時間もとうに過ぎて、ようやく点滴が終了し、総菜を買って私は帰宅した。
そして、帰宅後、自宅にあった「家庭の医学」という本で、初めて自分の置かれてる状況を理解した。もしかしたら耳が聞こえなくなるんだーと。
それでもまだ私はちゃんと認識していなかったのだ。
2)通院
翌日、点滴の時間を鑑み、早めに病院へ行く。聴力検査の後、
「改善していないね」
と先生に言われた後、点滴。
通院三日目午前。聴力検査の後、先生が言った。
「今日、入院してください」
「へ?」
「すぐ、入院してください」
「今、ですか?」
「今すぐに」
いやいや、私家事あるし、夫は仕事だし、インコ飼ってるし。
「せめて、入院の準備して明日入院とはいきませんか?」
「ダメです、今日です!」
先生が本気なのがようやくわかった。
「じゃ、じゃあ・・・先生、入院の準備に一旦帰宅させてください。午後に用意して来ますので」
「では、午後に来てください 午後からステロイドの点滴開始します」
えっと、耳で入院って自分には突飛すぎて頭が混乱したまま、
私は耳の状態より、入院するための準備で気が遠のきそうだった。
幸い、病院が自宅から徒歩二分ほどの所だったので、移動の負担がないのだけは良かったと思った。
3)入院準備
午後に入院しろと言われて家に戻ってきて。とりあえず、旦那と親に知らせた。皆、電話口で
「入院?」
と途方に暮れている。本人一番途方にくれているので、それ以上説明できない状態で
「とにかく、元気だから」
というが、元気で入院する事態って、自分でも全然わからなかった。
一通り連絡して、インコの入ってる籠の敷き紙を変えたり、餌を入れ替えたり、正直、入院中、夫に任せる不安しかなかった。なんせ、家のことはノータッチの夫だったので。でも任せるしかない。
入院予定一週間分の下着やら何やらトランクに詰め込み、午後、家から徒歩二分の病院に再び行き、私は入院させられたのであった。
4)入院は隔離部屋
案内されたのは個室ーというか、どう見てもその部屋は入院用の部屋ではなかった。病院スタッフの仮眠室を入院用に無理やり用意したんだよね、ここ?という部屋だった。
こじんまりとした病院で、入院患者の受け入れ自体二十人程度?なんじゃなかろうか?-入院準備してるときは、同室の方に挨拶しなきゃなぁとか、ご近所のお知り合いさんいたら、どうしようとか思っていたんだけどそんな心配杞憂であった。とにかく私は「隔離」され、他の患者さんとの接触を断たれためだ。
なぜ、耳の不調で隔離なのかというと、ステロイド剤を点滴で入れるのが入院の目的であり、ステロイド点滴は免疫力が下がるので、他の内科の患者さんからの感染を防ぐための隔離であり個室ということであった。理由あっての個室ゆえ、差額ベッド代は発生しなとのこと、それは良かった。
5)入院中の治療のこと
突発性難聴の治療に、ステロイド点滴がよく出てくる。それをやった。
入院当日から小さな点滴の袋を1時間かけて点滴。あとは個室で過ごすだけ。
ステロイドの濃度が徐々に上がって三日目でピーク、その後二日でまた下げていくーただそれだけだった。
他の方のお話をネットで読むと、ステロイド点滴は気持ちの良い物ではなかったと感じる方もいるようだが、私には単なる点滴としか感じなかった。入院隔離して、毎日点滴一袋ー正直暇で暇で暇で暇で、ひたすら暇な入院生活であった。
最初の発症後、耳の異変には敏感になったと思う。耳が塞がるような感覚や耳鳴りが始まると、症状が治まるか、気になった。
やはり、耳の違和感で入院しなきゃならないという体験は大きいと思う。
そうこうしているうちに、十年ほど経ったころ、朝起床した時から、再び違和感を感じた。いつもなら、十分すれば治まるが、夫を送り出す時も収まらない。出勤する夫に
「もしかしたら再発したかもしれないから耳鼻科に行ってくる」
私は悲壮感いっぱいで夫に告げた。二人とも二回目の入院を思いどよっとしていた。
最初の発症時に行った病院はその時、耳鼻科の診療をやめていたので、私は電話帳で近所の耳鼻科を調べた。さすがにバスに乗らないとならない距離にしかなかったが、仕方がない。
私は、午前中のうちにその耳鼻科の受付に着いていた。
「いかがなさいましたか?」
受付の方に聞かれ、私は答えた
「耳の調子が悪いんです」
「いつからですか?」
「起床時からなので三時間ほどたっています」
悲壮感いっぱいで答えたら、受付の方が驚いたようで
「えっと、今日の朝ってことですか?」
さすがに、行動が早すぎたようだ。
恥ずかしくなりながら事情を話す。一度突発性難聴になってるので異常を感じてすぐに来院したこと。
受付後、しばらくして、十年ぶりの聴覚検査を受け、診察室に入った。
診察した先生が言った。
「突発性難聴ですね」
あぁ、入院か。私は意気消沈して尋ねた。
「入院はいつからですか?」
と、お医者さんが苦笑して言った。
「十年たてば、医療も進歩していますよ。飲み薬出しますから、三日後検査に来てください」
「へっ?飲み薬??点滴しなくていいんですか?」
「はい、まず飲み薬きちんと飲んでいただければ、いいですよ」
今回は気負いすぎて、思いっきり肩透かしをくらった気分であった。
飲み薬を処方され、帰宅。
夫も、驚いていた。
「入院しなくていいんだぁ」
まずいけど我慢して飲んでねと言われた飲み薬であったが、入院を覚悟していた自分には、まずかろうが何だろうが、ありがたくて文句などあろうはずもなかった。三日後、発症三時間で病院へ行ったのが功を奏したのかはわからないが、聴力が戻り、処方された一週間分の飲み薬を飲みきったら、治療は終了だと言われ、二回目もありがたいことに治癒したのであった。
おまけの話
二回目の発症からまた十年たった。
この間に、実の妹が突発性難聴になって治療完治した。
案外、身近な病気なのだなというのが実感だ。
さて。先日、また耳に違和感を覚えた。
二回目から十年たち、またなのかな?そして、生きている間、たまに発症する持病と認識するべきなかなとも思った。
しかし。二回目の受診の耳鼻科に今回行くことが出来ないのだ。二回目の発症から十年たって 今回は私が引っ越してたから(^^;。
また初めて行く耳鼻科である。
前回のことや、土地勘のない場所ということもあり、症状が出て三日目、引っ越し後初めての耳鼻科に趣いた。
今回の症状は鼓膜が痛いを主症状にした不快感であった。
前回を鑑みて、まず飲み薬、その後、症状が改善しなければ、入院設備がある総合病院を紹介されるだろうと予想しながら受診したー自分的には何を言われてもばっちこい状態でいきこんで受診したわけだ。
が。どうも耳鼻科受診は常に私の予想の斜め上の結果になるようで。
私の耳を診察した三人目のお医者さんが一息ついたので覚悟を決めて身を固くしてご神託を待つ気分で聞いた先生の言葉がこれだった。
「耳かきしすぎです」
・・・・・・・・んんん?
「えっと???????」
新患のアンケートで突発性難聴でないかと思い受診したという私の書き込みの紙を見ながら先生は続けた。
「耳道が皮膚炎ーアトピー性皮膚炎でただれています。ステロイド軟こう薬処方しますので、耳かきはしないでくださいね」
「難聴は?」
私は当然確認した、点滴とか入院準備は、と。
「違います。耳かきで皮膚を傷つけないように大事に扱ってくださいねっ!?」
「は、はいっ」
というわけで、三回目の難聴は今のところ回避したようだと私はようやく認識したわけだ。
が、耳の穴がアトピー性皮膚炎って・・・、笑えないけど、それはブラックジョークにしか思えないけど現実だったわけだ。今回は内服でないけど外用のステロイド剤を処方され、とりあえず幸い快方に向かい、今は耳は正常である。
それにしてもーやっぱりステロイドなのね、外用薬だけどさwと綿棒で処方された塗り薬をつけながら苦笑するしかなかった。
おそらく一生、突発性難聴を意識しながらこれからも生きていくんだと思う。
そして、今言えること。
突発性難聴と診断された患者さんは、心の準備できていない人が大半だと思うので、診断した先生に恐怖を抱くかもしれない。でも、患者個人より間違いなくたくさんの突発性難聴の事例に遭遇してきているであろう耳鼻科のお医者さんが、せっぱつぱったように入院などを勧めてくるのは、回復するかもしれない聴力を取り戻すための言葉であり、切迫感を恐れと思わずに、できるだけ早く治療に入っていただけたらと切に願いつつ、突発性難聴についての記述はここで終了する。
最近 芸能人の方が突発性難聴になるケースをニュースで見るので、突発性難聴になった経験をちょこっと書いておこうと思う。
個人の体験であること、突発性難聴という病気についての専門的なブログではないこと、ご了承ください。
今までに二回発症した時のこと、記しておく。
突発性難聴一回目の体験談ー1
1)一日目の話
三十代だった。二十年ほど前の話である。
二十年前の話なので、現在の治療などと違うことはあるかもしれないので、それを踏まえての話である。
この病気の特徴だそうだが、耳が変になったのがいつからと説明できるそうで、自分も確かに、病院に行った時、三日前の何時頃変だなと思った、とお医者さんに話していた。
私の場合、飛行機で上昇した時の耳の圧迫感を感じたまま、全然とれないので、病院で耳をちょこちょこ処置してもらったら治るだろうーぐらいの軽い気持ちだった。
ところが、検査やら問診したら
「突発性難聴ですね」
とお医者さん
「はぁ・・・?」
「すぐ点滴します」
「は?」
いやちょっと待て。点滴してたら、夕食の買い物が間に合わないーそう思った私に先生が言い放った
「聴力失うかもしれないんですよ、すぐに処置開始します」
え、夕食の買い物・・・反論の余地はなかった。
私は、診療室の横にあるベッドにつれていかれ、点滴を開始されたわけだ。
更に先生が言った。
「明日も来てください。点滴する心づもりで」
えぇ~、明日も来いってか~。
点滴で二時間ほど。夕食はお惣菜を買って帰るしかなかった。
正直、耳鼻科で点滴というのもピンとこなかったわけで、この日、夕暮れで診療時間もとうに過ぎて、ようやく点滴が終了し、総菜を買って私は帰宅した。
そして、帰宅後、自宅にあった「家庭の医学」という本で、初めて自分の置かれてる状況を理解した。もしかしたら耳が聞こえなくなるんだーと。
それでもまだ私はちゃんと認識していなかったのだ。
2)通院
翌日、点滴の時間を鑑み、早めに病院へ行く。聴力検査の後、
「改善していないね」
と先生に言われた後、点滴。
通院三日目午前。聴力検査の後、先生が言った。
「今日、入院してください」
「へ?」
「すぐ、入院してください」
「今、ですか?」
「今すぐに」
いやいや、私家事あるし、夫は仕事だし、インコ飼ってるし。
「せめて、入院の準備して明日入院とはいきませんか?」
「ダメです、今日です!」
先生が本気なのがようやくわかった。
「じゃ、じゃあ・・・先生、入院の準備に一旦帰宅させてください。午後に用意して来ますので」
「では、午後に来てください 午後からステロイドの点滴開始します」
えっと、耳で入院って自分には突飛すぎて頭が混乱したまま、
私は耳の状態より、入院するための準備で気が遠のきそうだった。
幸い、病院が自宅から徒歩二分ほどの所だったので、移動の負担がないのだけは良かったと思った。
3)入院準備
午後に入院しろと言われて家に戻ってきて。とりあえず、旦那と親に知らせた。皆、電話口で
「入院?」
と途方に暮れている。本人一番途方にくれているので、それ以上説明できない状態で
「とにかく、元気だから」
というが、元気で入院する事態って、自分でも全然わからなかった。
一通り連絡して、インコの入ってる籠の敷き紙を変えたり、餌を入れ替えたり、正直、入院中、夫に任せる不安しかなかった。なんせ、家のことはノータッチの夫だったので。でも任せるしかない。
入院予定一週間分の下着やら何やらトランクに詰め込み、午後、家から徒歩二分の病院に再び行き、私は入院させられたのであった。
4)入院は隔離部屋
案内されたのは個室ーというか、どう見てもその部屋は入院用の部屋ではなかった。病院スタッフの仮眠室を入院用に無理やり用意したんだよね、ここ?という部屋だった。
こじんまりとした病院で、入院患者の受け入れ自体二十人程度?なんじゃなかろうか?-入院準備してるときは、同室の方に挨拶しなきゃなぁとか、ご近所のお知り合いさんいたら、どうしようとか思っていたんだけどそんな心配杞憂であった。とにかく私は「隔離」され、他の患者さんとの接触を断たれためだ。
なぜ、耳の不調で隔離なのかというと、ステロイド剤を点滴で入れるのが入院の目的であり、ステロイド点滴は免疫力が下がるので、他の内科の患者さんからの感染を防ぐための隔離であり個室ということであった。理由あっての個室ゆえ、差額ベッド代は発生しなとのこと、それは良かった。
5)入院中の治療のこと
突発性難聴の治療に、ステロイド点滴がよく出てくる。それをやった。
入院当日から小さな点滴の袋を1時間かけて点滴。あとは個室で過ごすだけ。
ステロイドの濃度が徐々に上がって三日目でピーク、その後二日でまた下げていくーただそれだけだった。
他の方のお話をネットで読むと、ステロイド点滴は気持ちの良い物ではなかったと感じる方もいるようだが、私には単なる点滴としか感じなかった。入院隔離して、毎日点滴一袋ー正直暇で暇で暇で暇で、ひたすら暇な入院生活であった。
最初の発症後、耳の異変には敏感になったと思う。耳が塞がるような感覚や耳鳴りが始まると、症状が治まるか、気になった。
やはり、耳の違和感で入院しなきゃならないという体験は大きいと思う。
そうこうしているうちに、十年ほど経ったころ、朝起床した時から、再び違和感を感じた。いつもなら、十分すれば治まるが、夫を送り出す時も収まらない。出勤する夫に
「もしかしたら再発したかもしれないから耳鼻科に行ってくる」
私は悲壮感いっぱいで夫に告げた。二人とも二回目の入院を思いどよっとしていた。
最初の発症時に行った病院はその時、耳鼻科の診療をやめていたので、私は電話帳で近所の耳鼻科を調べた。さすがにバスに乗らないとならない距離にしかなかったが、仕方がない。
私は、午前中のうちにその耳鼻科の受付に着いていた。
「いかがなさいましたか?」
受付の方に聞かれ、私は答えた
「耳の調子が悪いんです」
「いつからですか?」
「起床時からなので三時間ほどたっています」
悲壮感いっぱいで答えたら、受付の方が驚いたようで
「えっと、今日の朝ってことですか?」
さすがに、行動が早すぎたようだ。
恥ずかしくなりながら事情を話す。一度突発性難聴になってるので異常を感じてすぐに来院したこと。
受付後、しばらくして、十年ぶりの聴覚検査を受け、診察室に入った。
診察した先生が言った。
「突発性難聴ですね」
あぁ、入院か。私は意気消沈して尋ねた。
「入院はいつからですか?」
と、お医者さんが苦笑して言った。
「十年たてば、医療も進歩していますよ。飲み薬出しますから、三日後検査に来てください」
「へっ?飲み薬??点滴しなくていいんですか?」
「はい、まず飲み薬きちんと飲んでいただければ、いいですよ」
今回は気負いすぎて、思いっきり肩透かしをくらった気分であった。
飲み薬を処方され、帰宅。
夫も、驚いていた。
「入院しなくていいんだぁ」
まずいけど我慢して飲んでねと言われた飲み薬であったが、入院を覚悟していた自分には、まずかろうが何だろうが、ありがたくて文句などあろうはずもなかった。三日後、発症三時間で病院へ行ったのが功を奏したのかはわからないが、聴力が戻り、処方された一週間分の飲み薬を飲みきったら、治療は終了だと言われ、二回目もありがたいことに治癒したのであった。
おまけの話
二回目の発症からまた十年たった。
この間に、実の妹が突発性難聴になって治療完治した。
案外、身近な病気なのだなというのが実感だ。
さて。先日、また耳に違和感を覚えた。
二回目から十年たち、またなのかな?そして、生きている間、たまに発症する持病と認識するべきなかなとも思った。
しかし。二回目の受診の耳鼻科に今回行くことが出来ないのだ。二回目の発症から十年たって 今回は私が引っ越してたから(^^;。
また初めて行く耳鼻科である。
前回のことや、土地勘のない場所ということもあり、症状が出て三日目、引っ越し後初めての耳鼻科に趣いた。
今回の症状は鼓膜が痛いを主症状にした不快感であった。
前回を鑑みて、まず飲み薬、その後、症状が改善しなければ、入院設備がある総合病院を紹介されるだろうと予想しながら受診したー自分的には何を言われてもばっちこい状態でいきこんで受診したわけだ。
が。どうも耳鼻科受診は常に私の予想の斜め上の結果になるようで。
私の耳を診察した三人目のお医者さんが一息ついたので覚悟を決めて身を固くしてご神託を待つ気分で聞いた先生の言葉がこれだった。
「耳かきしすぎです」
・・・・・・・・んんん?
「えっと???????」
新患のアンケートで突発性難聴でないかと思い受診したという私の書き込みの紙を見ながら先生は続けた。
「耳道が皮膚炎ーアトピー性皮膚炎でただれています。ステロイド軟こう薬処方しますので、耳かきはしないでくださいね」
「難聴は?」
私は当然確認した、点滴とか入院準備は、と。
「違います。耳かきで皮膚を傷つけないように大事に扱ってくださいねっ!?」
「は、はいっ」
というわけで、三回目の難聴は今のところ回避したようだと私はようやく認識したわけだ。
が、耳の穴がアトピー性皮膚炎って・・・、笑えないけど、それはブラックジョークにしか思えないけど現実だったわけだ。今回は内服でないけど外用のステロイド剤を処方され、とりあえず幸い快方に向かい、今は耳は正常である。
それにしてもーやっぱりステロイドなのね、外用薬だけどさwと綿棒で処方された塗り薬をつけながら苦笑するしかなかった。
おそらく一生、突発性難聴を意識しながらこれからも生きていくんだと思う。
そして、今言えること。
突発性難聴と診断された患者さんは、心の準備できていない人が大半だと思うので、診断した先生に恐怖を抱くかもしれない。でも、患者個人より間違いなくたくさんの突発性難聴の事例に遭遇してきているであろう耳鼻科のお医者さんが、せっぱつぱったように入院などを勧めてくるのは、回復するかもしれない聴力を取り戻すための言葉であり、切迫感を恐れと思わずに、できるだけ早く治療に入っていただけたらと切に願いつつ、突発性難聴についての記述はここで終了する。
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