【R18】その後の世界で君とともに

ぽんたしろお

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葛藤と苦悩から生まれる世界(ユリカ編)

17話 別れそして埋め合う

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 オーストラリアの実験コロニーに戻ってきたユリカとアールは、リロイ宅に向けて自宅を出発した。
一段階目の意識レベルダウンは、リロイの家で行うことになった。
「僕たちがフォローできない分、二人が互いを助け合う必要がある」
 アールが言う。
「独りで見届けた後、君はどうなる? リロイは?」
 アールの問いにユリカは反論できなかった。
「互いを求める物理的な距離にいる必要がある、君たちは必ず互いを求めるよ」
 
 リロイの家の前でユリカは立ち止る。
「アール」
 ユリカはアールと繋いでいた手を引っ張り、アールに飛びついた。
「頼りない私たちだけど、見届けるから。見届けるまでは絶対泣かない。全部を胸に刻み付けるから」
 ユリカの耳元にアールは口を寄せた。
「見届けた後も泣くな。悲しみに沈むぐらいならリロイとのセックスに溺れろ」
 ユリカは身動ぎできず、ただ抱きしめる力をこめる
「最後は、僕のからだで果てろ。そのための存在になるのだから」
 ユリカのイヤリングが揺れた。わかっている、という合図。

 長くて短い一週間だった。四人が顔を合わせた。その時が来たのだ。
 ユリカとアール、リロイとカーラが抱き合い、別れの長い口づけを終える。ゆっくりからだを離すと、ユリカはリロイと並んで立つ。対面するソファーにアールとカーラが並んで座った。人間とアバターの間に厳然と敷かれた境界
線が浮き上がって見えた。
 アールとカーラは柔らかく微笑み、人間どうしのカップルを見上げた。
「あなた達が、新しい第一歩を踏み出すことを願っている」
 カーラが率直なのに対してアールは、最後までおどけて見せる。
「初々しいというより、ガキだな。まぁ、仕方ないさ。なるようになるだろ」
 ユリカとリロイは手を握りあい、二体のアバターをじっと見守り続ける。
 アールとカーラの声が重なった。
「「じゃあね」」
 アールとカーラの瞳がゆっくり閉じた。意識のレベルダウン――。

 再び、目覚めたアバターは虚空の瞳をリロイとユリカに向けた。

 ユリカがアバターの視線に耐え切れずガタガタと震え、リロイに縋りつく。
「お願い、抱いて」
 リロイとユリカは激しく唇を重ね合う。二体のアバターの視線を感じながら、二人はその先へ向かう。

 リロイがユリカの背中に手を回し、ワンピースのファスナーを下げていった。ワンピースはサラサラと床に落ちる。
リロイは手慣れた手つきでユリカのブラジャーを外した。
「初めて見た……」
 ユリカの首筋にリロイが唇を押し当てる。
「あ……」
 アールとは違う感触に全身がゾクリとしびれた。露になった頂きがリロイを誘っている。ユリカの意思と関係なく身体は反応する。視線の端にアールだったアバターが見えた。
 ユリカは、目を閉じアバターの視線を排除して、リロイが加える刺激に身を任せた。
 ユリカの頂きを食むリロイの頭を夢中で抱え込み、ユリカは喘ぐ。
「あぁっ、リロ……っ‼」
 リロイの視線が、アールだったアバターの視線が、カーラだった視線が全て、ユリカのからだを貫いた。乱れに乱れる様に、ユリカはブレーキをかけなかった。
 感じて、乱れていく。二人は絡みうごめき、荒い息遣いと喘ぎ声の中、没入していった。

 「もう限界だ」
 リロイが叫ぶと、ユリカを突き放した。
「カーラ!」
 無表情のカーラが近寄ってくるのをリロイが引き寄せる。ユリカもアールの胸にかじりつく。

 リロイがユリカを見つめながらカーラの中で果てる。同時にユリカもリロイを見つめ続けながら、アールで絶頂を迎えた。
 ユリカは、アールにしがみついたまま叫んだ。
「こんな状態って!」
 ユリカは叫び、リロイを求め手が宙をさまよう。物理的にアールとカーラが二人が手をつなぐことを許さない。ユリカは尋常でない状態の中、欲望と覚悟の狭間で、こらえてきた涙が溢れだした。

 リロイとユリカは欲望をアバターにぶつけ終わると、再び抱きあった。
リロイがユリカの胸に顔をうずめる。
「人間って、私たちってひどい生き物なんだね」
 ユリカは止まらぬ涙に身体を震わせながら、リロイの頭を抱え込む。
「残酷なのに、僕たちは止まらない」
 リロイの言葉に、ユリカのイヤリングが揺れた。

 二体のアバターは仕事を終えると、アバターに決められた定位置に移動して無表情な視線を二人に向け続けていた。






(つづく)



うん。。。自分で書いていておいてなんだが、しゅごい状態ですがな。。。 
 

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