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後日談
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「さあどうぞ ご覧ください!」
非常に良い顔をした佐藤さんがAIマッチングリストの表示されたタブレットを私に差し出した。
ありがたく受け取った私は早速リストに目を通す。
うーん、来ない間に数人増えたけど顔が好みじゃないなぁ…
顔で決めているように見えるかもしれないけれど、中身(プロフィール)だってしっかり見ている。
それでも第一印象である写真を見た直感は大事である。
その直感も小森さんには通用しなかったけれど。
ちなみにAIは二人の男性をオススメしてくれていた。
うち一人は笑顔がとても良い感じ。目元がくしゃっとなっているのは良い。
私の向かいの席では佐藤さんが自分のPCを見ながらなにやら小声でぶつぶつ言っている。
その中から聞き捨てならない言葉を拾った。
「わっ、70才…」
ぎょっとして聞き返した。
「え、70才がいるんですか?」
「マッチングの方じゃないから安心して。登録者一覧の方だから」
そう言われても気になってしまったものは仕方がない。
ホーム画面へと戻り条件で絞る前の一覧を見ることにした。
うわ……これはちょっと……
見て唖然。
同年代も確かにいるけれど、数多いるその中に何故か紛れ込んでいる70代。そしてまさかの80代。
「この人たち、入会する場所間違ってませんか?」
ここは結婚相談所であって介護施設ではない。
「は?介護してほしいんですか?看取ってほしいとか?」
口が悪いけれど率直な感想なので許してほしい。
それにさすがにそのような年代の女性が入会しているとは思えない。
「入会キャンペーンの期間にこういう人たちも入っちゃったんだよね……」
遠い目をした佐藤さんの口からポロッとこぼれた。
「子供はもう大きくなったから一緒に住んでいないとか、土地と家はあるとか、田んぼや畑はあるから食べるものに困らないとかアピールされてもね……」
70・80代の人はいくつの人と結婚したいんだろう……
「それでも入会することは自由だから断ることができないんですよ。話を聞いて『そうなんですねー』とか『持ち家あることは大事ですよねー』とか言って話して満足して帰ってくれたらいいんだけど、『もしかしたら相手が見つかるかもしれないから』とか言って入会していくんです」
うわー、大変そう……
70・80代とお見合いする人っているの?
これでお金持ちだったら財産狙いの若い結婚詐欺師とか現れちゃったりして、散々貢がされて捨てられるか、結婚してすぐ死んじゃったりして。遺産めぐって遺族とドロドロのバトルに発展したりするんだよ。
うわやだ、ドラマの見過ぎ。妄想しちゃうじゃん。
というか、そもそもこんな地方ではそんな大それた事件なんて起きやしないわ。
私が申し込むことだけは絶対にありえないと断言しておこう。
「佐藤さん、お見合いの申し込みこちらの方でお願いします」
私はAIがオススメしてくれた笑顔が爽やかな男性を映したタブレットを見せながら言った。
「あ、この方を選んだんですね。笑顔が良いですよね~。それでは承りました。お申込みしてOKをいただけましたら希望日でお見合いをセッティングいたしますね」
佐藤さんも笑顔が良いと言ってくれているし、今度こそ良縁になることを期待を込めてお願いした。
「はい、よろしくお願いします!」
非常に良い顔をした佐藤さんがAIマッチングリストの表示されたタブレットを私に差し出した。
ありがたく受け取った私は早速リストに目を通す。
うーん、来ない間に数人増えたけど顔が好みじゃないなぁ…
顔で決めているように見えるかもしれないけれど、中身(プロフィール)だってしっかり見ている。
それでも第一印象である写真を見た直感は大事である。
その直感も小森さんには通用しなかったけれど。
ちなみにAIは二人の男性をオススメしてくれていた。
うち一人は笑顔がとても良い感じ。目元がくしゃっとなっているのは良い。
私の向かいの席では佐藤さんが自分のPCを見ながらなにやら小声でぶつぶつ言っている。
その中から聞き捨てならない言葉を拾った。
「わっ、70才…」
ぎょっとして聞き返した。
「え、70才がいるんですか?」
「マッチングの方じゃないから安心して。登録者一覧の方だから」
そう言われても気になってしまったものは仕方がない。
ホーム画面へと戻り条件で絞る前の一覧を見ることにした。
うわ……これはちょっと……
見て唖然。
同年代も確かにいるけれど、数多いるその中に何故か紛れ込んでいる70代。そしてまさかの80代。
「この人たち、入会する場所間違ってませんか?」
ここは結婚相談所であって介護施設ではない。
「は?介護してほしいんですか?看取ってほしいとか?」
口が悪いけれど率直な感想なので許してほしい。
それにさすがにそのような年代の女性が入会しているとは思えない。
「入会キャンペーンの期間にこういう人たちも入っちゃったんだよね……」
遠い目をした佐藤さんの口からポロッとこぼれた。
「子供はもう大きくなったから一緒に住んでいないとか、土地と家はあるとか、田んぼや畑はあるから食べるものに困らないとかアピールされてもね……」
70・80代の人はいくつの人と結婚したいんだろう……
「それでも入会することは自由だから断ることができないんですよ。話を聞いて『そうなんですねー』とか『持ち家あることは大事ですよねー』とか言って話して満足して帰ってくれたらいいんだけど、『もしかしたら相手が見つかるかもしれないから』とか言って入会していくんです」
うわー、大変そう……
70・80代とお見合いする人っているの?
これでお金持ちだったら財産狙いの若い結婚詐欺師とか現れちゃったりして、散々貢がされて捨てられるか、結婚してすぐ死んじゃったりして。遺産めぐって遺族とドロドロのバトルに発展したりするんだよ。
うわやだ、ドラマの見過ぎ。妄想しちゃうじゃん。
というか、そもそもこんな地方ではそんな大それた事件なんて起きやしないわ。
私が申し込むことだけは絶対にありえないと断言しておこう。
「佐藤さん、お見合いの申し込みこちらの方でお願いします」
私はAIがオススメしてくれた笑顔が爽やかな男性を映したタブレットを見せながら言った。
「あ、この方を選んだんですね。笑顔が良いですよね~。それでは承りました。お申込みしてOKをいただけましたら希望日でお見合いをセッティングいたしますね」
佐藤さんも笑顔が良いと言ってくれているし、今度こそ良縁になることを期待を込めてお願いした。
「はい、よろしくお願いします!」
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