ナツキス -ずっとこうしていたかった-

帆希和華

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1.きみと出逢って

秘密の合言葉

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 いよいよ、明日からテストが始まる。カーテンを閉めた窓ガラスに雨粒が当たる。その音がリズムを刻むように、激しく、ときに柔らかく、絶妙にいい具合だ。効果音代わりに勉強が進む。けれど、普段勉強などほとんどしないためか、集中力はあっという間に切れてしまう。
 スマホを見ながら、古文を訳す。スマホを見ながら、英単語を書く。スマホを見ながら……葵さんのことを考える。葵さんとの妄想に浸る。自然と男子高生の必然的ムフフに至る。
 最近いつだって思考の先頭にいるのは葵さんだ。テレビを見ていても、ごはんを食べていても、授業中さえも、どの瞬間も不意に飛び出してきて邪魔をする。決して悪い意味ではなく、逆だ。心地いい。
 ひとつ難点があるとすれば、現実は妄想のようにはいかないこと。頭の中でなら簡単に手を繋いでキスをして、その後の大人の情事……完全なるフィクションでしかない。動画で見るだけで経験がない、童貞だから。

 朝、ハッと息を呑み目が覚める。額に触れると汗で濡れていた。息が上がり、心臓の音が全身に共鳴しているようだった。
 机の上のデジタル時計に目を向ける。室温はそんなに高くないのに、湿った背中に枕、いったいどんな夢を見ていたのだろうか、夢のかけらを頭の中で探した。ほとんど覚えていないけれど、ひとつだけ残っていていたものがあった。
 紫陽花だ。青のステンドグラスのように光を透かしてより輝かしかった。
 ————。
 何か違和感があった。夢ではなくて今ここにだ。二四度、五二パーセント、七時三〇分、時計はそうなっていた。
 胸騒ぎがしたときにはすでに遅かった。寝坊だ。一瞬、現実逃避を図ろうとしたのか、頭が思考を停止して白光りの中にひとりでいるようだった。
 制限時間は一五分。八時四〇分までに学校に着くには、たった一五分で全てを終わらせなくてはならない。
 飛び起きて、パジャマを脱ぎ捨て、鞄を持ち、制服に着替えながら一階に駆け降りる。洗面所に着くと、歯磨きをしながらトイレに入る。額の汗を腕で拭い、磨けたかよくわからないまま口を濯ぎ、そのまま洗顔をした。鏡に映る顔を見る。今日もイケメン! と自分を持ち上げて気分を上げる。いつもなら笑顔を作ったり、キメ顔をしたり、葵さんにどんな顔をしても大丈夫なように、下準備をしておくけれど、今日はそんな暇はない。寝癖直しだけ振り、リビングに駆け込み、トーストを牛乳で流し込んだ。母が何か言っていたかもしれない。けれど、何も耳には入ってこなかった。

「寝坊したから、もう行くねー。いってきまーす」

 前を向き誰に言っているのかと思えるほど、言葉のキャッチボールができていない。
 玄関のドアを勢いよく開け、閉めたかさえもわからないまま自転車に手をかける。飛びつくように乗り、目もくれず走らせた。昨日の雨と打って変わり、朝日が暖かく顔を照らし、いよいよ夏が始まるぞと勢いがつく。力一杯ペダルを漕ぐ、全身に絡むように通り過ぎる風が、余計に体を熱らせ少し汗ばませる。
 何かいつもと違う。寝坊したせいなのか、小、中、高の学生の姿がないような気がする。けれど、考えている余裕はなく猪突猛進する。
 青、緑、グレーと瞬時に変わっていく景色の中、脳みそに煌めくウェーブが走る。横目に微かに映り込んだ人影に目をくれて、急ブレーキをかけた。

「葵さん!」

 驚いて後ろを振り向いた。葵さんもたぶん俺と同じ表情でこちらを見ていた。自転車をその場に停めて、少し太ももに重たさを感じたけれど、構わず駆け寄った。

「どうしたの?」

 可愛い。ゆるりとワイドな黒のサロペットに、ベリーを思わせるチェックのカットソー。丸メガネをして、後ろで結んだ髪が流れるように襟足からチラ見えしている。
 初めて見る私服姿は、少し大人っぽくて、雑誌から飛び出してきたんじゃないかと思えるほど、綺麗で煌めいて見えた。
 なぜか顔にハテナを浮かべてこちらを見ている。子猫のようでそのまま抱き寄せたかった。

「えっ? 学校に遅刻……」

 自分で喋りながら、やはり、周りに違和感を覚えた。もちろん、葵さんにもだ。こんな時間に呑気に歩いているなんて、いや違う。呑気だなんて失礼だ。俺のクソ! のんびりと歩いているなんて……しかも、私服……でら可愛い。ヤバい、確実に顔がニヤけている。何か喋らないと……。

「部活? 違うよね。えっと、今日学校で何かあった?」

 頭がおかしくなってしまったのだろうか。今日学校で何かあった? と聞こえた。いや、俺がおかしいんじゃなくて、葵さんがおかしくなってしまったのか、それともこれは夢なのか。

「葵さん、何言ってんの? 早く制服に着替えなきゃ。わかった、家まで送るし、駅まで送るからとりあえず、後ろに乗って」
「えっ? 今日……」

 葵さんの言葉を無視して、手を引っ張り自転車に乗せた。キョトンとした葵さんに心をトキメかせながら、家の方向を教えてもらい、家の前までたどり着いた。

「よし! 着替えてきて、待ってるから」

 後ろを振り向き、コクンと頷いた。汽車の汽笛を鳴らすような気分で前を向いた。でも、何かおかしい。葵さんが降りた気配がしない。後ろに暖かな温もりと、淡い桃色の空気を感じる。
 後ろを見返すと、微笑みながら座る葵さんがいた。

「えっ⁉︎」
「えっ?」
「あははっ、可愛い。いや違う違う、いや違わないけど」
「笹井くん、今日……日曜日だよ」
「えっ?」

 記憶の中を辿っていく。葵さんのことを考えながら勉強をしてムフフをして……葵さんに会いたい気持ちが先走りすぎて、日曜日の存在を完全に忘れていた。

「大丈夫?」
「……大丈夫かな? あはは、帰るね」

 前を向き直し、肩を落とした。
 自分のドジなところには気づいているけれど、これはそんなかわいいものではない。究極なるバカだ。
 リビングで母親が何か言っていたことを思い返した。急いでいて理解しようと思っていなかったけれど、たぶん、それお父さんの……日曜だよ……そう言っていた気がする。いや、確実にそう言っていた。
 何のために早起きをしたのかバカらしくなる。もっと夢の中でぬくぬくしたかった。あっ、いや、夢はいい夢ではなかったような……。
 頭が自分のまぬけさに苛まれそうになっていると、背中をツンツンとくすぐったく突かれた。
 後ろに目を向ける。

「コンビニ行こ」
「えっ? うん」
「ちょっと待ってこっち見て」

 どうしたのかと思ったら、俺の髪を手櫛で整えているようだ。

「ありがと」
「うん」

 走しらせながら、どうしてそんなことをしてくれたのかと考えた。すぐにわかった。寝癖直しを振り雑に整えただけだった。きっと、凄風にあたり、天パが際立っていたはずだ。再び萎えそうになった。けれど、葵さんが顔をぴったりとつけて背中に寄りかかってきた。それだけで髪型のことなんかどうでもよくなった。今、重要なのはそんなことではない。この背中だ。
 来た道を戻り花陽公園を通り越して、コンビニまで来た。朝ごはんでも買うのかと思っていたら、違うらしい、パンケーキを食べたとか……。勉強のために、なくなったシャーペンの芯を買いに行きたかったようだ。といっても、せっかくふたりなのだから公園でちょっと話そうよとなった。
 俺はジンジャエールを買った。葵さんは先に会計をして外で待っていた。自動ドア越しに姿は見えていたけれど、やっぱり目の前にすると、可愛くてニヤけてしまう。

「お待たせ」
「うん、行こ」

 家を出てから三〇分ほど経っただけなのに、暑さが増したような気がした。日差しがまるで温風を流しているようだ。額の汗を手で拭い、乾いた喉に唾を飲み込んだ。ペダルに力を込めると、ちょうどよく湿ったアスファルトが、タイヤを軽快に進ませる。
 葵さんは軽くて後ろに乗せていてもどうってことない。むしろこのままでいたい。腰に回された腕が何とも気持ちいい。そう思えるのも束の間、花陽公園に着いてしまった。
 自転車を降りて、ベンチまで押しながらゆっくりと歩いた。入り口にあった紫陽花は色褪せて、抜け殻のように見えてくる。きっと新しい季節のために旅に出たのかもしれない。来年はどんな風に彩ってくれるのか、楽しみになる。
 ベンチに座った。ちょうど木陰で気持ちがいい。前、このベンチに座ったときの興奮を今も覚えている。

「前もここに座ったよね?」
「うん」

 自転車を停めて、先に座った葵さんの拳三つ分ほどのところに座った。
 ————。
 何を話したらいいのか、頭が何も描けないキャンバスのように、無地の世界が広がっていく。愛想笑いをしてごまかすことしかできない。

「日陰は涼しいね」

 それは涼やかな風鈴のように、耳をくすぐり、この暑さを癒してくれた。

「わたし、好きだな」
「……えっ! 俺も」

 突然の告白に驚いたけれど、すぐに反応できた自分を褒めたいと思う。

「やっぱり、そーだよね?」
「うん、そう。そーだよ」

 葵さんは嬉しかったのか、無邪気にこちらを見て微笑んだ。

「こういうのなんて言うんだろうね? 雨の日は雨宿り、晴れの日は? 日隠し?」
「えっ?」

 いったい何を言っているのか、全くわからない。

「好きなことをなんて言ったらいいのかわからないって、もどかしいね」
「えっ? 好きなものを……」
「そう。笹井くんも好きなんでしょ?」
「うん、俺は好きだよ……?」

 俺は何に対して好きと言っているのだろうか、いや、俺は葵さんことを好きだと言っているはずなのに、どこか違う気がするのは勘違いだろうか。

「じゃあ、なんて言うと思う? 雨の日は雨宿りでしょ? 日向はひなたぼっこ」
「えっ? ……」

 俺は大いに勘違いをしているのかもしれない。好きは俺のことではなくて……ここ? というか、木陰でこんな感じでいることが、好きということなのかもしれない。いや、虚しいけれど確実にそうだ。
 朝から急降下したテンションが、葵さんに会い急上昇して、好きの言葉で爆発寸前だったのに、音を立てて空気が抜けていく風船のように、心が萎んでしまいそうだ。
 俺は少し顔を逸らした。しわくちゃになりそうな顔を見られたくなかったから。

「あっ、おひさま宿りは?」
「うん」

 失礼かもしれないけれど、よく理解もせずに答えた。だって、失恋中だよ? 真っ只中だよ? その相手が隣にいて微笑ましく話をしている、振ったことすら気づかずに。この状況をどうしろと言うのか、自分には何もできない。

「笹井くん、じゃあ約束して」

 そう言うと俺の両手を握った。勢いにつられて数センチのところに葵さんの顔がきた。花のような優しい香りと、細くて柔らかな手が俺を噴火させた。

「約束するよ……何を?」

 葵さんは手を離して、前を向き直した。姿勢を正すと、笑顔を溢しながら、少し焦ったく話した。

「あのね、またね、こういうことがあったら、一緒におひさま宿りしよ?」
「えっ、えっ? ……うん」

 また、おひさま宿り? よく飲み込めていなくて、何となくうんと言ってしまったけれど、よく考えよう。
 もしかして、葵さんは俺とまた、おひさま宿りがしたいということなのだろうか? ふたりきりで今のように、恋人のように。俺と一緒にいたいってことを、遠回しに言っているのだろうか。
 …………。
 ヤバい! はち切れそうだ。俺は振られたわけではなかったんだと、いちごミルクのプールに飛び込んだかのように、心と全身が甘ったるい感情で満たされていく。

「もし他の誰かがいたら一緒に」
「えっ?」

 いちごミルクが一瞬にして水道水に流されていった。

「でも、これはふたりだけの秘密にしよ? おひさま宿りはわたしと笹井くんの秘密の合言葉ね」

 こちらを向いて、少し照れているように笑顔を見せる。頬がほんのりピンク色に染まっていた。キュンとしないはずがない。今まで生きてきた中で最高にキュンキュンしている。
 こんな感情は初めてで、自分でもどう処理したらいいのかわからない。行き場のなくなった感情が箍を外した。

「葵さん」

 俺は葵さんを軽く引き寄せるように両手を握った。そのまま、まっすぐに目を見つめた。

「約束だからね。俺、おひさま宿りはふたりのときしか使わないから……」

  純心と言うのか、純白と言ったほうが正解なのか、混じりっ気のないすなおな瞳に吸い込まれそうだった。

「うん」

 どれだけ見つめ合っていたのかわからない。数秒か数分か、もしくは一瞬だったかもしれない。でも、不思議なくらい落ち着いていた。安心感というか、葵さんと一緒にいると、自然と心が潤って満たされる感じがする。
 この勢いに乗っかり、唇を寄せようと思っていたのに、隙がないのか、天然なのか、関係ない言葉でこの思いは空気に溶けてしまった。

「暑い? はい」
「えっ?」

 手を離されたと思っていると、小さな鞄からハンカチ取り出して手渡された。

「ハンカチ?」
「うん、笹井くん暑そうだから」
「あっ、ああ、ありがと。でも、いいよ。綺麗なハンカチが汚れちゃうし」 
「大丈夫だよ」

 笑顔で言うと、そのまま額の汗を拭いてくれた。どこに視線を向ければいいのかわからず、葵さんの首あたりを見ていた。生唾を飲み込んだ。

「喉乾いたよね? 飲み物買ってきたらよかった。あっあそこに自販機……」

 葵さんは次から次へと自分のペースで進んでいくようだ。待っててわたし行ってくると言わんばかりの勢いに、俺は声を張り上げた。

「俺の飲む? まだ飲んでないから」

 立ち上がっていた葵さんは、俺を見て座り直した。コンビニの袋から水滴のついたジンジャエールを取り出した。

「ちょっとぬるくなってるかもだけど」
「ありがと。先飲んでよ、笹井くんのだし」
「えっ……」

 間接チュウ狙ってる? ……いや、俺じゃあるまいし、んなわけはない。でも、結果的にはそうなる。このまま飲むか飲まないか、ほんの一瞬、天使と悪魔の囁きが聞こえてきたけれど、どちらにも従わなかった。
 俺は口の少し上でペットボトルを持ち、そこから口の中にジンジャエールを注ぎ込んだ。喉にキリッとした炭酸が流れ込み、熱が冷めるようだ。
 付き合っているような感覚で、少し照れくさかったけれど、ニカっと笑顔でジンジャエールを渡した。

「はい」
「うん」

 ふふふっと笑顔で受け取り、口をつけて目を瞑りながら飲んだ。いけないとわかっていてもどうしても口元に目がいってしまう。

「ふー、ありがと。ジンジャエールっておいしいね」
「……えっ、あっ、そーだよね? 俺コーラよりジンジャエール派なんだ」
「そーなんだ。じゃあわたしも」

 笑顔を見せてくれるたび、恋の圧が増していく気がする。嬉しくて楽しくて満たされているのに、破裂しそうで苦しい。でも、何とも言えないくらい最高の気分だ。
 学校だと勘違いした自分を誇りに思う。
 
 ベンチを立ち、上を向いて背伸びをした。優しく風が吹くと、木漏れ日がキラキラと形を変えて、青と緑を透かしながら波打つようだった。

 葵さんを送り家に帰ると、母と父、それと弟の磨都に爆笑された。母には朝リビングでやっていたことを真似されたりと、普通ならイラついてしまうかもしれないけれど、今日の自分はそんなくだらないことはどうでもよかった。葵さんに心も身体も、すべてを奪われているから、この事実だけで満たされている。
 自分の部屋に入ると、鞄を机の上に放り投げ、ステップを踏むようにしてベッドサイドから膝下を出し寝転がった。葵さんとのことを考えていた。
『わたしと笹井くんの秘密の合言葉ね』
 もしかして葵さんも俺のことが好きなのかなと考えてしまう。間接チュウしそうだったし、いや、それくらい普通のことか……いやいや、それこそ片思いの象徴なのか……、ひとりで考えたところで女心なんてわからない。
 ズボンのポケットからスマホを取り出して、画面を見る。にらめっこをするかのように、目標だったサッカー選手を凝視した。嘲笑うようなため息が出た。いつまでサッカーに未練があるのかと、情けなくなった。
 もう俺は違うんだと何度も言い聞かせてきた。ずっと拭いきれずにでこぼこだった心が、今日はグラウンドレーキで綺麗に整備された気がした。
 葵さんといると……葵さんがいるとそれだけで、俺は癒される。こんなことを言ったら気持ち悪がられるかもしれない。けれど、本当にサッカーが頭から消えていた。
 
 よしっ! と、スマホの壁紙を変えた。公園を出る前に、入り口で撮った葵さんとの写真だ。誰かに見せるわけではないし、きっと問題ないはずだ。
 興奮が冷めないままでは勉強すら手につかないと、葵さんのことを考えながらあくせくとムフフに没頭した。
 
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