だいすき -愛の歌-

帆希和華

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いっぽいっぽ

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 目が開きよちよち歩きをし出したと思うと、あっという間にとことことリズムよく歩き出し、気がつくと走るようになっていました。走り出した始めの頃はぎこちなさがあり、転けるなよと見守っていましたが、すぐにそんな心配はいらないくらい駆け回るようになりました。
 子犬2匹でじゃれ合って噛みつき合って、ときには仲良く添い寝をして、本当に愛らしい。
 
 4週目から離乳食をあげるようになりました。子犬用のフードをフードプロセッサーで砕いて、お湯と混ぜてペースト状にしたものをあげます。
 始めてあげたときは2匹とも珍しいのか少ない量ですがパクパクと食べていたので、この子たちは離乳食を嫌がることはないのだと、ラッキー、楽勝じゃん! そう思っていました。
 が、その思いは2日目には打ち砕かれました。
 なかなか食べてくれない。
 スプーンや指にフードを載せて口まで持っていき、口が開いたときに舌の上になすりつけるようにして食べさせていました。
 1日に3回、同じようにあげなければならなくて、こんなにも1食食べるのに時間がかかるのかとため息が出てしまいます。
 7、8週を目安にミルクから離乳食に切り替えると書いてあり、そんなにうまくいくもんかな? と少し不安でした。
 まだ始めは、ミルクを飲みながら離乳食を食べるのでフードの量は少なくしていたんですが、次第にママ犬のアネラがミルクを飲ませるのを嫌がるようになり、フードの量を少しづつ増やしていきました。その頃になるとお皿に入れたフードを自分たちでちゃんと食べれるようになっていました。
 そこからは、フードの用意をしているとせがむようにク~ク~鳴くようになりました。ちゃんとフードを食べることが食事なんだと認識してきたようで安心しました。
 でも、落ちついてばかりはいられない。子犬たちの食欲が旺盛過ぎて、目が飛び出そうです。ロカヒは本当によく食べて、しかも自分のを早々に食べ終わると、親犬の食べているところに顔を突っ込み横取りをしてしまいます。捕まえるんですが、体を目一杯くねらせて手からすり抜けてしまうんです。なかなか食べてくれなかったときを思うと嬉しいかぎりですが、もうちょっと落ち着いて食べてほしいものです。
 今は子犬たちはケージの中でフードを食べさせるようにしたので横取りもなくなり、すぐに片付けもできるので、少し楽になりました。
 
 2ヶ月が経つと最初の頃の容姿とは違ってきていて、ロカヒはゴールデンリトリバーからモコモコしたマルチーズのようになってきました。オハナは鼻が少し伸びてきて垂れた耳が大きくなり、ミニチュアダックスフントのようになってきました。
 ミックスとミックスの子供なので2匹とも親のいいとこ取りをしたような感じです。パパ犬マハロの色を受け継いだのはロカヒで、毛質はオハナ。逆にアネラの色はオハナ、毛質はロカヒです。しかも、マハロのお尻には右左につむじがあるんですが、それをロカヒがまんま受け継いでいて、見るたびに親子だなってしみじみ思ってしまいます。


 まだまだ課題はいっぱいあります。トイレトレーニング、予防接種、お散歩デビューなどなど、これからはしつけをしていかなくちゃいけないので、犬たちの元気の良さに負けてはいられません。
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