男:女＝1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

第三章:入学と新たな出会い

本当に知りたかったこと

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突然の謝罪に俺たちは当然だが、困惑した
今までの態度が急変して綺麗な直角の礼をされたのもあるけど

「皆さん、困惑するのも当然だと思います なので、少しお茶をいたしませんか？
ここからは良夜様も本心ですので」

「そう、ですね そちらの思惑も知りたいので俺は良いですよ」

二人は...と目を運ぶと頷いてくれたのでどちらも俺の意見に賛成のようだ

「では、準備を致しますので少々 お待ちください ほら、良夜様 いつまでも礼してないで手伝ってください」

「あぁ 三人とも少し待っててくれ いつも通りの用意で良いのか?碧葉」

そんなことを言いながら二人はそそくさと準備を始める
テーブル・椅子・テーブルクロス...本当にお茶会って感じの準備だな

「優心さん 千華姉さん 今の彼をどう思います?」

さっきまでは『女遊び』が目的と言っていた彼 そんな彼は今碧葉さんと一緒に準備している
俺が知ってる社会なら普通の範疇に収まるけど、この世界なら異質に感じられる光景だ

「正直..分かんないことだらけなんで何も言えないです...」

「僕もそう 態度と性格が180°いきなり変わったから 判断材料に欠けるよ」

やっぱりそうだよね...

「ただ、彼の情報を調べてて女性関係の記事が出なかったのは納得出来たな」

「ええ 今の彼の行動が本当なら遊ぶような人には見えないので腑に落ちますね」

そこまで情報が出なかったってんなら本当に白なのだろう

「というか、優心さん!イライラしてるのは分かりますけど手を出したらダメですよ!!」

うっ やっぱりツッコまれたか...

「すいません... あんまりにもしつこかったので..つい」

「気持ちはわかるけど、ゆぅくんが手を出すことはなかったよ
もしも彼が手を出したら僕が撃退するから大丈夫」

確かにちーさんの実力はかなり高い
春休み中に一回、どんなものなのか見たけど超絶凄かった
テコンドーが超得意なようで護身術は得意くらい
いや..それでも凄いんだけどさ

その技たちを見て俺は絶対にちーさんは怒らせてはならないことを身に刻んだ

「ちーさんの方が確実ってのは分かってますけど、そこで動いてもらうわけにはいきませんよ」

俺がイライラしたから護衛人に制裁してもらう....悪役かなんかだろ

「皆さん 準備が出来ましたので席にお座りください」

「あ、はーい」

何話してくれるんだろう...

「優心さん まだ話は終わってないので忘れないでくださいね」

「僕もまだまだ話したいからね 覚悟しとくよーに」


...二人があの話題を忘れるくらいインパクトがでかい話してくれないかな


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机は長テーブルで6人くらいなら座れる大きさがあった
白のテーブルクロスの中央にはケーキスタンド?って呼ばれるものの上にクッキーが置いてあった

碧葉さんがガラスのティーポットから紅茶を注いでくれる 
香りがとても上品なものだったため、飲むのに少しためらうけどとっても美味しかった
夕飯終わった時とかに紅茶とか出される時もあるけど比にならない美味しく、
俺の思ったことは二人とも同じようだった

「さて、話をしようか  俺の目的は当然だが女遊びじゃない」

(((だろうね)))

「本当はお前がどんな奴か確かめたかったんだ 七瀬優心」

「.....というと?」

「お前の素性は諸々調査したと言っただろう? そこで分かったのは直近の一か月のみ
記憶が無いことは理解しているが、それより前のことが何一つとして分からなかったんだ
国のデータバンクにもアクセスして調査したが、手掛かりは0だ」

そんなところまで調べてたのか

それを聞いて椿さんが意見を出す

「おかしいですね おそらく顔写真や身体に関するデータは生まれた瞬間に登録され生きている限り
更新し続けるはず 男性だったら尚更なんですけど...」

「あぁ、椿さんの言う通りだ だが、何も出なかったのが事実なんだ
記憶の有無がはっきりしない以上、どんな人間か分からない だから探ってみたんだ」

「そういうことだったのか...」

「それもありましたけど 学校が心配だったんですよ 良夜様は」

へ？

「自分の生活もそうですが、この学園の皆さんが安心かつ安全な生活が送れることを危惧しておられたんですよ」

「碧葉!! それは言わなくていいだろ!」

...やっぱり良い奴だな こいつ