男:女＝1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

第二章:俺の存在と護衛人

無為で有意義な一日

**********

真希さんが持ってきた話も落としどころが見つかり、みんなと一緒に夕飯を食べた
今日のメニューは豚の生姜焼きとポテトサラダ
定番の夕食ではあるが、これがまた美味しい

その後、霧子さんとちーさんは車で帰宅した
「泊まっちゃダメ?」とちーさんは言っていたが、「あんた 化粧道具も着替えもないでしょ」と正論を
ぶつけられてしぶしぶ車に乗った

真希さんは紅葉さんと少し話した後、自分の車で帰って行った

「さて、お風呂に入るんだけど..優心くん あなたは最後でも良い?」

「別に構いませんが....何故?」

「買ったパソコン 早く接続したいって顔してるわよ」

うっ!そんなに顔に出てたか.....

「お風呂に入った後だとやる気起きないだろうし、あなたはそっちやってらっしゃい」

「分かりました!!」

実は結構楽しみだったんだよねぇ 性能は結構良いみたいだし、ゲームも申し分ないくらい
サクサクになるだろうし...楽しみーーーー

**********

優心は紅葉が優しさで言ったと思っているようだが、真相は違う

彼女たち三人が優心が入った後の残り湯で風呂に入るのが耐えられないと判断したためだ

「お母さん..ナイス」

「私も耐えられる自信ないもの 昨日は焦ってたから忘れてたけど....」

「あ、そっか..昨日お兄ちゃんの後の風呂に....」

「竜胆ダメ!!思い出したらまた気絶するわよ...」

「とりあえず!! 速攻でお風呂入るわよ優心くんがパソコンを接続終わるまでに
私たちもお風呂済ませるわよ!! 二人ともお風呂の時間は20分!厳守でね!!」

「「了解!!」」

そんなことも露知らず、彼はパソコンの試運転でわくわくしていた

**********

接続に一時間ちょいくらいかかってしまった...
まぁ、パソコンもサクサク動いたし画質もかなり良かったから満足 満足

ただ、リビングに降りたら三人が少し息を切らしていたのは不思議だった
なにがあったのだろう...

そこから風呂に入り、寝た
ちなみに、今回はソファで寝なかった それは、俺の部屋にベッドと机などがデフォルトで
あったため、ちゃんとベッドで寝ることが出来たのだ

(後に聞いた話だが、霧子さんが朝に俺のザックリとした身長を割り出し、検査受けている
間にベッドや机を搬入してもらったようだ 有能の域を超えている)

***********

翌日は特にやることがないため、家で過ごすことにした
椿さんや竜胆さんは当然学校　紅葉さんと霧子さんは出社(霧子さんは手伝い)
ちーさんは復学するための手続きで大変とのこと

.....せっかくパソコンあるんだし この世界のことでも探してみるかぁ
イヤホン買ったのは良いけど、気に入った音楽が無いと無用の長物になるからな

そんなことを考えながらダラダラとインターネットの海をさまよう
全国や有名人のニュースを見つつ、情勢を理解していく
見ていて分かったのは、圧倒的に女性のニュースが多い 一応、男性のニュースもチラチラ見るけど

動画サイト「everyone move」通称「EM」と呼ばれるものを発見したため、気に入りそうな音楽
の探索も兼ねて動画を見漁る
圧倒的なまでに美容系の紹介動画が多い中、音楽を探す

2、3時間ほど探した結果 25曲ほど好きな曲を発見した
男性がボーカルとして歌う音楽は全然無かったが、それでもかなり見つかった
テンションが高い歌や元気になる歌など様々な種類を発見した

なかでも、「ray」という人は歌ってみたを主流としている動画投稿者なのだが、
この人の歌声は本当に綺麗だった 澄み切っているというか爽やかというか
文字に起こすことが難しいのだが、確固たる自信を持って言える 本当に綺麗だ

午後1時頃だろうか、宅配で昨日購入したゲームチェアやモニターが届く
元々、置き配に決定していたため配達員には会うことなく荷物を受け取る

部屋に戻り、組み立てをして自分の部屋を作っていく
こういうのをDIYと言うのだろうか 多分違うと思うけど

そんな風にダラダラと時間を過ごしていると時刻はあっという間に午後6時

竜胆さんや椿さんも帰宅し、一緒に夕飯を作る
今日紅葉さんと霧子さんはかなり遅くなるようなため、三人で一緒に作る



特にやることの無い、何気ない一日だったけど この世界のことは少しだけ知れたと思う
有意義な一日だったな