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本編
綺麗なものは隠せない
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宰相であるノアール・スベリアと初めて話した次の日。彼の執事と名乗る男が魔研に来た。その男は主人の伝言を伝えにきたそうだ。『来月の休みの日に時間が欲しい。拒否権はないよ。詳しい日時は後で知らせる。』とのことだった。俺は彼の声で簡単に脳内で再生できた。
執事が帰った後、俺は机に突っ伏した。
そんな俺のもとに近づく気配があったため、顔を上げた。
「所長。。大丈夫ですか。。」
心配そうな顔をしたミカであった。
「あぁ。俺はこれからあの俺様何様宰相様と将来を添い遂げないといけないと考えると怒りで」
俺は肩をガタガタ震わせながら言った。
「っ所長!僕はどんなことがあっても所長の味方です。だから、、、、」
何を思ったのかそう言ってミカは俺の手に何かを乗せてきた。
「だから、もしあいつに変な事されそうになったらこれを使ってください。」
ミカは今まで見たことがない顔をしていた。いつもは犬みたいに人懐っこく、明るい後輩。しかし、今はどうだろう?笑っているはずなのに、目は全く笑っていない。何やら黒いオーラーをまとっている。
俺は彼のいつもと違う様子にビビってしまった。俺は顔を引きつらせながら「ありがとうございます」と言ってそれをポケットしまった。
それから俺は、憂鬱な一か月であった。しかし、幸いなのは宰相が婚約を申し込んだ相手が誰なのかまだ世間には知れ渡っていないことであった。よって俺は静かに平凡な毎日を過ごすのであった。まるで、あの日のことが嘘かのように。。。
そして冒頭に戻る。あれから一度も会わずに一か月が過ぎた。
今も俺の手をとり、王都の街並みを歩いている。目立たないように地味な服を着て、帽子をかぶっている彼。
しかし、目立っている。帽子では隠しきれない端正なお顔。傷んでいるところなどない金色の髪。圧倒的な並の者でないオーラ。どうみてもお忍びの貴族にしかみえないだろう。それに、緊張しすぎて表情筋が死んでいる俺に対して彼はご機嫌である。
なぜだ、なぜだ。わからん。
頭の中で考え事をしていると隣の人の足が止まった。俺はハッと彼の顔を見る。
「ついたよ」
「、、、ここは!!」
彼が指をさした先を見るとそこは俺が夢にまで見たところだった。
そう、宰相様に連れてこれたのは王都一のパティシエがいることで有名な喫茶店である。予約待ちは一年以上。この国の王妃様もお気に入りの。しかも、値段が高く普通の者たちは行くことができないお店。
俺ははじめ入るのをためらった。なぜならば、お金がないからである。しかし、彼は俺の手を握っている。逃げられないのだ。俺は彼に引きずられるように店に入った。
そんな所に俺は彼と二人きりである。もう一度言う、二人きりである。
店に入ると客一人いない。俺は不審に思い宰相様を見上げる。彼は安心させるように俺の頭を撫でながらこう言った。
「今日は君との時間を大切に過ごしたかったから、貸し切りにしたよ。だって、君あまりうるさいの得意じゃないでしょ?それにお金のことは気にしなくていいよ。好きなだけ食べな。」
俺をエスコートして席に座らせた後、彼は俺の前にある席に座った。すると、扉からパティシエらしき人がやってきた。宰相様と一言二言会話した後、パティシエは扉の向こうに戻った。もう一度扉が開いた。
「うわぁぁぁ!すごいです!!雑誌で読んだことはあったんですけど、見たのは今日が初めてです!このイチゴがのっているやつはショートケーキ!これは、たしかモンブラン!いろいろな色のかわいいやつはマカロン!」
今テーブルの上にはたくさんのスイーツがあるのである。テンションが上がった俺は一人で喋っている。今までこういうスイーツとは無縁の生活をしていた。甘いものが嫌いだからというわけではない。全くの逆である。甘いものは大大大好きである!しかし、こういうものは非常に値段が高く貧乏人の俺には手が出せなかったのである
でも!今は目の前にたくさんの甘いものがある。俺は目をキラキラさせながらスイーツにくぎ付けである。
そんな彼の様子を、婚約者はそれはもう甘い顔でみていたのを彼は知らない。
=======
作者です!本日も読んで頂きありがとうございます。今日は二話投稿します!20時ごろの予定となります!!
執事が帰った後、俺は机に突っ伏した。
そんな俺のもとに近づく気配があったため、顔を上げた。
「所長。。大丈夫ですか。。」
心配そうな顔をしたミカであった。
「あぁ。俺はこれからあの俺様何様宰相様と将来を添い遂げないといけないと考えると怒りで」
俺は肩をガタガタ震わせながら言った。
「っ所長!僕はどんなことがあっても所長の味方です。だから、、、、」
何を思ったのかそう言ってミカは俺の手に何かを乗せてきた。
「だから、もしあいつに変な事されそうになったらこれを使ってください。」
ミカは今まで見たことがない顔をしていた。いつもは犬みたいに人懐っこく、明るい後輩。しかし、今はどうだろう?笑っているはずなのに、目は全く笑っていない。何やら黒いオーラーをまとっている。
俺は彼のいつもと違う様子にビビってしまった。俺は顔を引きつらせながら「ありがとうございます」と言ってそれをポケットしまった。
それから俺は、憂鬱な一か月であった。しかし、幸いなのは宰相が婚約を申し込んだ相手が誰なのかまだ世間には知れ渡っていないことであった。よって俺は静かに平凡な毎日を過ごすのであった。まるで、あの日のことが嘘かのように。。。
そして冒頭に戻る。あれから一度も会わずに一か月が過ぎた。
今も俺の手をとり、王都の街並みを歩いている。目立たないように地味な服を着て、帽子をかぶっている彼。
しかし、目立っている。帽子では隠しきれない端正なお顔。傷んでいるところなどない金色の髪。圧倒的な並の者でないオーラ。どうみてもお忍びの貴族にしかみえないだろう。それに、緊張しすぎて表情筋が死んでいる俺に対して彼はご機嫌である。
なぜだ、なぜだ。わからん。
頭の中で考え事をしていると隣の人の足が止まった。俺はハッと彼の顔を見る。
「ついたよ」
「、、、ここは!!」
彼が指をさした先を見るとそこは俺が夢にまで見たところだった。
そう、宰相様に連れてこれたのは王都一のパティシエがいることで有名な喫茶店である。予約待ちは一年以上。この国の王妃様もお気に入りの。しかも、値段が高く普通の者たちは行くことができないお店。
俺ははじめ入るのをためらった。なぜならば、お金がないからである。しかし、彼は俺の手を握っている。逃げられないのだ。俺は彼に引きずられるように店に入った。
そんな所に俺は彼と二人きりである。もう一度言う、二人きりである。
店に入ると客一人いない。俺は不審に思い宰相様を見上げる。彼は安心させるように俺の頭を撫でながらこう言った。
「今日は君との時間を大切に過ごしたかったから、貸し切りにしたよ。だって、君あまりうるさいの得意じゃないでしょ?それにお金のことは気にしなくていいよ。好きなだけ食べな。」
俺をエスコートして席に座らせた後、彼は俺の前にある席に座った。すると、扉からパティシエらしき人がやってきた。宰相様と一言二言会話した後、パティシエは扉の向こうに戻った。もう一度扉が開いた。
「うわぁぁぁ!すごいです!!雑誌で読んだことはあったんですけど、見たのは今日が初めてです!このイチゴがのっているやつはショートケーキ!これは、たしかモンブラン!いろいろな色のかわいいやつはマカロン!」
今テーブルの上にはたくさんのスイーツがあるのである。テンションが上がった俺は一人で喋っている。今までこういうスイーツとは無縁の生活をしていた。甘いものが嫌いだからというわけではない。全くの逆である。甘いものは大大大好きである!しかし、こういうものは非常に値段が高く貧乏人の俺には手が出せなかったのである
でも!今は目の前にたくさんの甘いものがある。俺は目をキラキラさせながらスイーツにくぎ付けである。
そんな彼の様子を、婚約者はそれはもう甘い顔でみていたのを彼は知らない。
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作者です!本日も読んで頂きありがとうございます。今日は二話投稿します!20時ごろの予定となります!!
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