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7章 エルフの里
75ー1.亜人族
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魔神と古代から闘う七人の王。その王のうちの1人、"亜人族の王"は目の前に広大に広がる森を見ながら口に笑みが広がることを感じていた。
目の前の森はシガナの森。北の辺境近くにある国、シガラシナ王国の領土である。そして同時に"人喰いの森"と異名を取り、商人なども必ず避けて通る森だ。
そんな森に、"亜人族の王"は大勢の部下を引き連れて来ていた。
なぜか。無論、ある者達を処罰するためである。
「タヘル様、全軍の用意、整ってございます」
そんな亜人王の元に突如黒の服に包まれた男が姿を現した。
「隠者」と呼ばれる影の者である。本来、人間である「隠者」が亜人と呼ばれる異種の者に従うなどありえない。しかし、今はある人物により亜人王へと貸し出されていた。
「ふふふ、エルフ族らの絶望の顔を見るのが楽しみだ...」
誇り高い亜人族の王である我は、元々魔神と敵対し、七人の王と呼ばれていた。しかし、よく考えれば魔神と敵対して良いことなど何もない。敵対する必要がないのだ。ならばどうする?
・・・翻るのみだ。
・・・しかし、しかしだ。王である我に対して傲慢なエルフ族は反対をした。
反逆したのだ。
当時は有力なエルフの権力もあり、数名を処罰するしかなかったが、ついにあの方からの命令も降りた。エルフどもを始末する時が来たのだ。
「よし!進軍するのだ!一匹逃さず始末しろ!」
この時、亜人族の王は、エルフ族の村にちょうど他の王が滞在していることをまだ知らない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ヘイ!お頭!これからどうするんですかい?」
「エルフの村探しに決まってんだろノロマめ!そのクソみたいな脳にしっかり刻んでおけ!」
馬車を操りながら盗賊団の長であるモンローは怒鳴り返した。
その言葉どおり、"人喰いの森"の異名をとる鬱蒼とした森に細々と通る道を大型の馬車をガタガタ揺らしながらエルフの村を探しているところである。
モンローのそばには黒服の男。この男がモンローら盗賊団に今回の依頼をした張本人であった。
依頼は「シガナの森に入り、エルフ族の村を発見すること」。"人喰いの森"と呼ばれ、盗賊も避ける森に彼らがいるのはその依頼を受けたからだ。もっとも、超高額の礼金ありでだが。
「・・・チッ、グズどもめ。
しかし、シガナの森ってのはこの程度か?これぐらいなら大したことねぇ。人気がねぇ、バレねぇ、隠れ場所は盛りだくさん....新しいアジトに丁度いい場所じゃねえか」
モンローは思ったより静かで平和なシガナの森に心底驚いていた。
今まで出てきた魔物は精々C級相当の魔物ぐらい。仮にもA級指名手配されている彼らの盗賊団にとっては雑魚だった。
そして、同時に油断が生まれていた。
数台走る馬車の内、先頭を走る馬車が広場らしきところへと出る。
広場といっても極小さな空間だ。
そして、そこで盗賊団は欲しかったものを目にする。
ーーー昼寝をしているエルフの少女。
髪は見事な銀髪をしており、耳は鋭い。また顔は惚れ惚れするほど整い、容姿も文句なしだ。
実際、盗賊団の中で半数ぐらいが一目惚れに落ちたのだから彼らの衝撃は物凄いものだった。
そんな彼らの生々しい目線に気づき、少女は目を開けた。
途端、ビクリとして逃げ出そうとするーーーが、例えオンボロ盗賊団でも簡単に逃がすようなことをしない。
1人対多人数だ。盗賊団員達は普段は欠片も感じない見事なチームワークで少女を取り囲むと、じりじりと追い込んでいく。
そして、少女を一本の木に追い詰めた時、モンローはあることに気がついた。
エルフといえば風と然属性を操る魔法のスペシャリストだ。そんなエルフが自然の木々を使い、逃げるのは容易い。
しかし、目の前の少女はそれをしなかった。
ーーーまさか裏がある?
と、気付いた時背後から猛スピードで何かが森を突っ切ってきた。
やはりかーーーー!!
モンローは罠に掛かった自分を呪いつつ、迎撃するために振り返るーーーが突っ切ってきた何者かは早すぎて見えない。
「テンプレきた!!」
「な、なんだお前はーーー」
その日、モンロー率いるA級指名手配の盗賊団はシガナの森で全滅した。
目の前の森はシガナの森。北の辺境近くにある国、シガラシナ王国の領土である。そして同時に"人喰いの森"と異名を取り、商人なども必ず避けて通る森だ。
そんな森に、"亜人族の王"は大勢の部下を引き連れて来ていた。
なぜか。無論、ある者達を処罰するためである。
「タヘル様、全軍の用意、整ってございます」
そんな亜人王の元に突如黒の服に包まれた男が姿を現した。
「隠者」と呼ばれる影の者である。本来、人間である「隠者」が亜人と呼ばれる異種の者に従うなどありえない。しかし、今はある人物により亜人王へと貸し出されていた。
「ふふふ、エルフ族らの絶望の顔を見るのが楽しみだ...」
誇り高い亜人族の王である我は、元々魔神と敵対し、七人の王と呼ばれていた。しかし、よく考えれば魔神と敵対して良いことなど何もない。敵対する必要がないのだ。ならばどうする?
・・・翻るのみだ。
・・・しかし、しかしだ。王である我に対して傲慢なエルフ族は反対をした。
反逆したのだ。
当時は有力なエルフの権力もあり、数名を処罰するしかなかったが、ついにあの方からの命令も降りた。エルフどもを始末する時が来たのだ。
「よし!進軍するのだ!一匹逃さず始末しろ!」
この時、亜人族の王は、エルフ族の村にちょうど他の王が滞在していることをまだ知らない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ヘイ!お頭!これからどうするんですかい?」
「エルフの村探しに決まってんだろノロマめ!そのクソみたいな脳にしっかり刻んでおけ!」
馬車を操りながら盗賊団の長であるモンローは怒鳴り返した。
その言葉どおり、"人喰いの森"の異名をとる鬱蒼とした森に細々と通る道を大型の馬車をガタガタ揺らしながらエルフの村を探しているところである。
モンローのそばには黒服の男。この男がモンローら盗賊団に今回の依頼をした張本人であった。
依頼は「シガナの森に入り、エルフ族の村を発見すること」。"人喰いの森"と呼ばれ、盗賊も避ける森に彼らがいるのはその依頼を受けたからだ。もっとも、超高額の礼金ありでだが。
「・・・チッ、グズどもめ。
しかし、シガナの森ってのはこの程度か?これぐらいなら大したことねぇ。人気がねぇ、バレねぇ、隠れ場所は盛りだくさん....新しいアジトに丁度いい場所じゃねえか」
モンローは思ったより静かで平和なシガナの森に心底驚いていた。
今まで出てきた魔物は精々C級相当の魔物ぐらい。仮にもA級指名手配されている彼らの盗賊団にとっては雑魚だった。
そして、同時に油断が生まれていた。
数台走る馬車の内、先頭を走る馬車が広場らしきところへと出る。
広場といっても極小さな空間だ。
そして、そこで盗賊団は欲しかったものを目にする。
ーーー昼寝をしているエルフの少女。
髪は見事な銀髪をしており、耳は鋭い。また顔は惚れ惚れするほど整い、容姿も文句なしだ。
実際、盗賊団の中で半数ぐらいが一目惚れに落ちたのだから彼らの衝撃は物凄いものだった。
そんな彼らの生々しい目線に気づき、少女は目を開けた。
途端、ビクリとして逃げ出そうとするーーーが、例えオンボロ盗賊団でも簡単に逃がすようなことをしない。
1人対多人数だ。盗賊団員達は普段は欠片も感じない見事なチームワークで少女を取り囲むと、じりじりと追い込んでいく。
そして、少女を一本の木に追い詰めた時、モンローはあることに気がついた。
エルフといえば風と然属性を操る魔法のスペシャリストだ。そんなエルフが自然の木々を使い、逃げるのは容易い。
しかし、目の前の少女はそれをしなかった。
ーーーまさか裏がある?
と、気付いた時背後から猛スピードで何かが森を突っ切ってきた。
やはりかーーーー!!
モンローは罠に掛かった自分を呪いつつ、迎撃するために振り返るーーーが突っ切ってきた何者かは早すぎて見えない。
「テンプレきた!!」
「な、なんだお前はーーー」
その日、モンロー率いるA級指名手配の盗賊団はシガナの森で全滅した。
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