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第十二章 普通の旅
第二百二十一話 普通の旅(5)
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翌朝は早く起こされた。
昨夜の食事の後、シュクロは何か書き物をしていた。やはりレジスについて調べて自国へ報告するつもりなのかもしれない。執務室でも異国語でよく何か書いていたが、旅に出てからもそれは続いていた。後でシェイルに聞いたところ、結構夜遅くまでやっていたという。――にも関わらず随分と早起きで、迷惑なことこの上ない。
「市場に行くぞ」
シェイルはすでに起きていて、何だか興味深そうにシュクロの行動を眺めている。ルルクは無理やり起こされているところだった。かわいそうだ。
「一人で行けばいいと思うんですけど。それに昨日も行ったんだからいいじゃないですか」
エリッツは二度寝してやろうと、はがされた毛布をかき集める。窓の外はまだ薄暗い。
「昨日はちょっとしか見てない。そんなことより、あんたは昨夜何を聞いていたんだ。誰一人殺させないなら一緒に行動すべきだろう。一人ここに残っている間にボレイル兄弟が来たらどうすんだ」
エリッツ以外は全員市場に行く前提なのはなぜなのか。
「じゃあ、みんなで一緒に寝ていたらいいじゃないですか」
エリッツはもう話は聞かないとばかりにうつ伏せになって毛布をかぶった。
「俺の希望を聞いてくれるって言ったじゃないか。嘘つきめ」
「言いましたか?」
うつ伏せのため声がくぐもる。エリッツは少しだけシュクロの方へ顔を出した。
「いろんな国の普通の町の普通の人たちの普通の暮らしが見たいんだ。朝の市場はこのメラル・リグで暮らしている人たちが普通の暮らしをするために集まってきている。それを見たい」
めずらしく真面目な顔でしゃべっている。エリッツはのっそりと起きあがるとベッドに腰かけた。そういえばエリッツには普通がわからない。実家もちょっと変わっているし、職場もおそらくあまり一般的ではない。普通……というか、この町の人たちが毎日どんな暮らしをしているのか見ておくのもいいかもしれない。
ふと見るとルルクがシェイルに髪を結ってもらっていた。うそ。ずるい。
エリッツは思わず自分の髪に手をやる。旅に出る前に適当に短く切ってしまった。もちろんそれ以前から結えるほどの長さではない。くやしい。
これで完全に目が覚めてしまった。
市場はにぎわっていた。町の人たちばかりではなく旅の商人たちも露天を出したりしているようだ。客にも旅装の人々が多く混じっている。異国人らしき人たちもいた。宿場町ではこういうのは「普通」なのだろう。旅の商人たちがいろんなものを運んできては売っている。毎日来ている人も「今日は何かめずらしいものがあるだろうか」と楽しみにしているのかもしれない。少なくともエリッツがこの町に暮らすことになったらそれは楽しみのひとつになると思う。
生活雑貨、家畜、新鮮そうな卵やミルク、野菜、果物、その場で食べられそうな軽食、子供のおもちゃまで、ありとあらゆる店が出ていて目が回りそうだ。荷車の音や呼び込みの声、家畜たちの鳴き声まで聞こえて耳も大忙しである。
エリッツは人混みの中を歩くので精一杯だが、シュクロはあれこれ見物をしてメモまでとっている。
「シュクロ、楽しそうですね」
なぜかルルクはシェイルと手を繋いでいる。エリッツがじっと見ると「迷子になってはいけないので」と、シェイルがいいそえた。エリッツは無言で手を差し出す。シェイルがちょっと笑いながら手を取ってくれた。市場、楽しいかもしれない。
朝ごはんなのかよくわからないが、といたたまごを焼いて、シロップをかけた食べ物を食べた。よく見るとたまごの中に緑色の細かく刻んだ野菜のようなものが入っている。
「ウブログという食べ物らしい」
食べてみたいと言い出したシュクロ本人が不思議そうな顔でそれを口に運んでいる。油紙に包まれており歩きながら片手で食べられる。シロップで少し手がベタベタした。
「レジスの食べ物ではないようですね」
シェイルも首を傾げている。
「塩気もあるし、シロップは甘酸っぱい、この緑の草が苦い。この味……生地に何か入ってる気がするんだけどな」
シュクロは分析するように一人でぶつぶつ言っている。
食べ慣れない食べ物にエリッツも首を傾げる。野菜みたいなものは独特な強い香りがして、表面はやや硬めに焼いてある。中の方は少しとろっとしているが、野菜は繊維がしっかり残っていて少し硬い。何だか触感だけでも騒がしい食べ物だ。
「ルグイラ由来の食べ物という感じじゃないが、レジスのものとも違うのか。一体どこから来たんだ。しまった、聞いておけばよかったな」
シュクロが後ろを振り返るが人混みでもはや何が何だかわからない。
ルルクは無表情で「まずい」と言って、早々に食べるのをやめてしまった。子供には複雑すぎる食べ物かもしれない。
「よこせ」
シュクロはルルクの残したウブログを奪って食べ始める。ルルクは放っておいたらその場に捨てそうだったのでよかった。なんだかお兄ちゃんみたいだ。
「もしかしてこれは魚の出汁か?」
別に親切心でルルクの残り物を食べているわけではなく、分析を続けたかっただけらしい。食べながら器用にメモを取っている。
昨夜のあれから、シュクロはなんとなく変わった。相変わらず嫌なことはいうが、どことなく余裕を感じさせるというか、接しやすくなったというか。
シェイルは軍の指揮官経験があるからか、やはり人を動かすのがうまいんだなとエリッツはあらためて感心してしまった。ルルクもすっかり懐いているようだ。敵の分析も見事だったし、仲間の動きもちゃんと見ている。
そういえばエリッツの昨夜の動きはどう見えたのだろう。エリッツは軍人ではないが、護衛は仕事のうちだと最初から言われていた。シェイルの評価が気になる。
さらにシュクロも以前よりシェイルを信頼しているような気がする。昨日のシェイルのボレイル兄弟の考察を聞き入れたのがその証拠だ。会ったばかりの頃なら「うるさい」と無視していただろう。
前から思っていたが、シェイルのことを好きな人が多い。
「おい、何をぼんやりしてるんだ」
シュクロがエリッツの軽く肩をはたく。気づくとシェイルとルルクはすでに歩き始めて露天の間の通路の先へと進んでいた。
「いや、あの、みんなシェイルのことが好きなんだなーって」
ふいをつかれたせいでぼんやりしていた理由を素直に口にしてしまった。
「――それは違うんじゃないか」
シュクロは首を傾げる。またわざわざ嫌なことを言うのだろうと、聞き流す姿勢で歩き始める。
「あの人の方が周りの人のことを好きなんじゃねーかな」
「え?」
「いや、そのままの意味だが。ちなみに俺はあまり好かれていない」
そんなことは知っている。自覚があったのが驚きだ。
しかし言われてみれば確かに、そういう見方もできるかもしれない。
「なんというか、好意を向けられるとそれを返したくなるのか人情というものだよなぁ」
シュクロはめずらしくしみじみとそんなことを言いながら先へ歩いてゆく。
思い返してみると、レジスに来たばかりのエリッツは何から何までシェイルに世話になっていた。素性は早々に知られ、面倒ごとに巻き込まれる可能性も高かったのに、エリッツが自ら実家に帰ると言い出すまでずっと気にかけていてくれた。試験に通った後も部下として指名してくれたし――もしかしてエリッツが思っている以上に好かれているのかもしれない。
ただ手放しで喜べないのは、その論でいくとラヴォート殿下やオズバル翁、ダフィット、マリル、リギル、ルーヴィック様、アレックス様、叔父のガルフィリオ、全員のことが大好きな気がする。このメンツで勝てる気はしない。そして、見ている限りシェイルが大好きな人はみんなシェイルのことが大好きだ。
市場を出るとシュクロは大通りの店を見てまわりたいと言い出した。それはエリッツたちが昨日実行済みだ。もう十分に楽しんだのだが。
そう伝えたがシュクロはこいつは何を言っているんだという訝しげな顔で「いや、俺は見てないし」と言う。どこまでも自己中心的な人だ。そりゃ部屋の片隅で膝を抱えていたのだから見てないだろう。
「仕方ないですね。もう一度大通りを歩いてみましょうか。まだ朝といってもいい時間ですから昨日とは景色が違うかもしれませんよ」
シェイルはうんざりした様子のエリッツをなだめるように言った。
昨夜の食事の後、シュクロは何か書き物をしていた。やはりレジスについて調べて自国へ報告するつもりなのかもしれない。執務室でも異国語でよく何か書いていたが、旅に出てからもそれは続いていた。後でシェイルに聞いたところ、結構夜遅くまでやっていたという。――にも関わらず随分と早起きで、迷惑なことこの上ない。
「市場に行くぞ」
シェイルはすでに起きていて、何だか興味深そうにシュクロの行動を眺めている。ルルクは無理やり起こされているところだった。かわいそうだ。
「一人で行けばいいと思うんですけど。それに昨日も行ったんだからいいじゃないですか」
エリッツは二度寝してやろうと、はがされた毛布をかき集める。窓の外はまだ薄暗い。
「昨日はちょっとしか見てない。そんなことより、あんたは昨夜何を聞いていたんだ。誰一人殺させないなら一緒に行動すべきだろう。一人ここに残っている間にボレイル兄弟が来たらどうすんだ」
エリッツ以外は全員市場に行く前提なのはなぜなのか。
「じゃあ、みんなで一緒に寝ていたらいいじゃないですか」
エリッツはもう話は聞かないとばかりにうつ伏せになって毛布をかぶった。
「俺の希望を聞いてくれるって言ったじゃないか。嘘つきめ」
「言いましたか?」
うつ伏せのため声がくぐもる。エリッツは少しだけシュクロの方へ顔を出した。
「いろんな国の普通の町の普通の人たちの普通の暮らしが見たいんだ。朝の市場はこのメラル・リグで暮らしている人たちが普通の暮らしをするために集まってきている。それを見たい」
めずらしく真面目な顔でしゃべっている。エリッツはのっそりと起きあがるとベッドに腰かけた。そういえばエリッツには普通がわからない。実家もちょっと変わっているし、職場もおそらくあまり一般的ではない。普通……というか、この町の人たちが毎日どんな暮らしをしているのか見ておくのもいいかもしれない。
ふと見るとルルクがシェイルに髪を結ってもらっていた。うそ。ずるい。
エリッツは思わず自分の髪に手をやる。旅に出る前に適当に短く切ってしまった。もちろんそれ以前から結えるほどの長さではない。くやしい。
これで完全に目が覚めてしまった。
市場はにぎわっていた。町の人たちばかりではなく旅の商人たちも露天を出したりしているようだ。客にも旅装の人々が多く混じっている。異国人らしき人たちもいた。宿場町ではこういうのは「普通」なのだろう。旅の商人たちがいろんなものを運んできては売っている。毎日来ている人も「今日は何かめずらしいものがあるだろうか」と楽しみにしているのかもしれない。少なくともエリッツがこの町に暮らすことになったらそれは楽しみのひとつになると思う。
生活雑貨、家畜、新鮮そうな卵やミルク、野菜、果物、その場で食べられそうな軽食、子供のおもちゃまで、ありとあらゆる店が出ていて目が回りそうだ。荷車の音や呼び込みの声、家畜たちの鳴き声まで聞こえて耳も大忙しである。
エリッツは人混みの中を歩くので精一杯だが、シュクロはあれこれ見物をしてメモまでとっている。
「シュクロ、楽しそうですね」
なぜかルルクはシェイルと手を繋いでいる。エリッツがじっと見ると「迷子になってはいけないので」と、シェイルがいいそえた。エリッツは無言で手を差し出す。シェイルがちょっと笑いながら手を取ってくれた。市場、楽しいかもしれない。
朝ごはんなのかよくわからないが、といたたまごを焼いて、シロップをかけた食べ物を食べた。よく見るとたまごの中に緑色の細かく刻んだ野菜のようなものが入っている。
「ウブログという食べ物らしい」
食べてみたいと言い出したシュクロ本人が不思議そうな顔でそれを口に運んでいる。油紙に包まれており歩きながら片手で食べられる。シロップで少し手がベタベタした。
「レジスの食べ物ではないようですね」
シェイルも首を傾げている。
「塩気もあるし、シロップは甘酸っぱい、この緑の草が苦い。この味……生地に何か入ってる気がするんだけどな」
シュクロは分析するように一人でぶつぶつ言っている。
食べ慣れない食べ物にエリッツも首を傾げる。野菜みたいなものは独特な強い香りがして、表面はやや硬めに焼いてある。中の方は少しとろっとしているが、野菜は繊維がしっかり残っていて少し硬い。何だか触感だけでも騒がしい食べ物だ。
「ルグイラ由来の食べ物という感じじゃないが、レジスのものとも違うのか。一体どこから来たんだ。しまった、聞いておけばよかったな」
シュクロが後ろを振り返るが人混みでもはや何が何だかわからない。
ルルクは無表情で「まずい」と言って、早々に食べるのをやめてしまった。子供には複雑すぎる食べ物かもしれない。
「よこせ」
シュクロはルルクの残したウブログを奪って食べ始める。ルルクは放っておいたらその場に捨てそうだったのでよかった。なんだかお兄ちゃんみたいだ。
「もしかしてこれは魚の出汁か?」
別に親切心でルルクの残り物を食べているわけではなく、分析を続けたかっただけらしい。食べながら器用にメモを取っている。
昨夜のあれから、シュクロはなんとなく変わった。相変わらず嫌なことはいうが、どことなく余裕を感じさせるというか、接しやすくなったというか。
シェイルは軍の指揮官経験があるからか、やはり人を動かすのがうまいんだなとエリッツはあらためて感心してしまった。ルルクもすっかり懐いているようだ。敵の分析も見事だったし、仲間の動きもちゃんと見ている。
そういえばエリッツの昨夜の動きはどう見えたのだろう。エリッツは軍人ではないが、護衛は仕事のうちだと最初から言われていた。シェイルの評価が気になる。
さらにシュクロも以前よりシェイルを信頼しているような気がする。昨日のシェイルのボレイル兄弟の考察を聞き入れたのがその証拠だ。会ったばかりの頃なら「うるさい」と無視していただろう。
前から思っていたが、シェイルのことを好きな人が多い。
「おい、何をぼんやりしてるんだ」
シュクロがエリッツの軽く肩をはたく。気づくとシェイルとルルクはすでに歩き始めて露天の間の通路の先へと進んでいた。
「いや、あの、みんなシェイルのことが好きなんだなーって」
ふいをつかれたせいでぼんやりしていた理由を素直に口にしてしまった。
「――それは違うんじゃないか」
シュクロは首を傾げる。またわざわざ嫌なことを言うのだろうと、聞き流す姿勢で歩き始める。
「あの人の方が周りの人のことを好きなんじゃねーかな」
「え?」
「いや、そのままの意味だが。ちなみに俺はあまり好かれていない」
そんなことは知っている。自覚があったのが驚きだ。
しかし言われてみれば確かに、そういう見方もできるかもしれない。
「なんというか、好意を向けられるとそれを返したくなるのか人情というものだよなぁ」
シュクロはめずらしくしみじみとそんなことを言いながら先へ歩いてゆく。
思い返してみると、レジスに来たばかりのエリッツは何から何までシェイルに世話になっていた。素性は早々に知られ、面倒ごとに巻き込まれる可能性も高かったのに、エリッツが自ら実家に帰ると言い出すまでずっと気にかけていてくれた。試験に通った後も部下として指名してくれたし――もしかしてエリッツが思っている以上に好かれているのかもしれない。
ただ手放しで喜べないのは、その論でいくとラヴォート殿下やオズバル翁、ダフィット、マリル、リギル、ルーヴィック様、アレックス様、叔父のガルフィリオ、全員のことが大好きな気がする。このメンツで勝てる気はしない。そして、見ている限りシェイルが大好きな人はみんなシェイルのことが大好きだ。
市場を出るとシュクロは大通りの店を見てまわりたいと言い出した。それはエリッツたちが昨日実行済みだ。もう十分に楽しんだのだが。
そう伝えたがシュクロはこいつは何を言っているんだという訝しげな顔で「いや、俺は見てないし」と言う。どこまでも自己中心的な人だ。そりゃ部屋の片隅で膝を抱えていたのだから見てないだろう。
「仕方ないですね。もう一度大通りを歩いてみましょうか。まだ朝といってもいい時間ですから昨日とは景色が違うかもしれませんよ」
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