189 / 236
第九章 復讐の舞台から
第百八十九話 復讐の舞台から(3)
しおりを挟む
状況は変わった。命の危機を感じないぶんかなり好転したともいえるが、少女は別の意味での地獄を味わっていた。
「頼れる人がいないんだ。もっと必死になるだろう。台本に書いてなくてもわかるはずだ」
下働きの子供を安く買って役者に仕立てあげ、それで稼ごうとしている男、名をサティエルというらしいが、とにかく厳しい。少女はこれまで演劇を見たこともなかったので、突然台本を見て演じろといわれても無茶な話だ。幸いというべきか、最近は役者を見ることが多かったので見様見真似でなんとか糸口くらいはつかめた。
普段はいつも通りサティエルについていって劇場で雑用をして過ごし、それが終わってからの連日の遅くまでの稽古である。ただ、サティエルにとって幸運だと思えるのが少女がただの孤児ではないことだったに違いない。渡された台本を少女がすらすらと読むのを見て目を丸くしていた。そうなると欲が出てくるのが人間というものだ。指導にも熱が入る。
「いつチャンスがあるか分からない」と、あちこちで上演されている子供にもつとまる役がありそうな台本を手に入れると少女に徹底的に練習させた。しかも指先の動きから、わずかな声の調子まで細かく指示してくる。何かしら代役が必要な状況を狙っているのだろうが、そもそもまだ少女は演劇の何たるかすらよく理解してはいなかった。
しかし少女の方も常に苦痛と恐怖を感じ続ける前の所有者のもとには戻りたくないという理由で必死に食らいついていた。これを利害が一致したとでもいってもいいのだろうか。
「想像するんだ。確かにワンシーンしか出てこない端役だが、ここが一番の見せ場なんだよ。通行人の男がきみのお母さんの織った織物を買ってくれなければ薬は買えない。きみのお母さんは死ぬしかなくなるんだ。『お願いです。買ってください』じゃないだろう。確かに台本にはそう書いてある。でもそうじゃないんだ。時間は夕刻。その子はどんな思いで朝準備をして街まで織物を売りにきたんだろう。お金はないから食事はとっていない。その子はどんな性格なのか、優しい子なのか、明るい子なのか。それだけじゃなく、背景も想像するんだ。街から少し距離があるところに住んでいるから言葉がなまっているかもしれないし、内職や畑仕事で手がボロボロだったり、日焼けをしているかもしれない。そんな境遇の子がどんな声を出して、どんな動きをするのか。細部まで想像して、その子が物語の中だけの存在なんてことは忘れてしまうところまで練りあげるんだよ」
何をいっているのか、少女は半分も理解できない。言っている言葉はわかるが、ピンとこないというべきか。少女はもう一度台本を手にとった。サティエルが馴染みの劇場関係者や仲のいい役者から借りて必要なところだけ書き写したという手製の台本もどきである。その熱量がすごいことはわかるが、やはり少女にはサティエルの目論みがうまくいくとは思えない。
「そういえば、クトはどこへ行ったの?」
少女はクトが同じ目的でサティエルの元にいるのかと思っていたが、一緒に稽古を受けていない。口がきけないから役者にはなれないということだろうか。それにしたってクトはいつも傷だらけで痩せている。まさかと、少女はサティエルを見た。
サティエルはクトをいじめているのではないだろうか。自分がそういう目に遭ってきたので容易に想像ができる。役者には向かないからといって、クトに乱暴をして気を晴らしているのではあるまいか。話すことができないから誰にも助けを求められない。劇場で少女と顔を合わせてもずっと無表情だ。
「あの子は、えっと、別のことをしているよ」
案の定、サティエルは言いよどむ。
「別のことって何?」
少女はサティエルを睨みつけた。皮肉にも彼に食べさせてもらい体力が戻り、元来の勝ち気なところが出てくる。
「何といわれても……」
「まさかひどいことをしているんじゃないでしょうね」
「え? ひどいこと?」
「だって、あの子いつも傷だらけじゃないの」
少女の言葉にサティエルはきょとんとしている。それからようやく内容を理解したというようにハッとすると、あわてて顔を横にふる。
「違うよ、違う。それは誤解だ。これは言うつもりがなかったんだけどな」
サティエルは頭をかいて庭の柵に腰かける。
いつも演劇の稽古は庭である。わざわざ庭で火を焚いて明かりとして暗い中やるのである。その庭もほぼ森といっても差し支えない深い雑木林と繋がっていて、隣家は遥か遠く木々にさえぎられて見ることもできない。なんだか両親がいたころを思い出す。少女も緑に囲まれた小さな家に住んでいた。
街の中央からも少し離れているため大声を出したり走り回ったりしても誰にも迷惑をかけない。おそらくあえてそのような家を選んだのだろう。劇場に通うには少し不便だが、納得がいくまで練習ができる利点は大きい。
「まず、誤解を解きたいんだけど。あの子、きみがクトと呼んでいる子は買ってきた子でも何でもない。親戚中をたらい回しにされていた子を仕方なく引き取ったんだ。口がきけないから仕事ができず、あちこちで厄介者扱いだ。正直なところ、俺も冗談じゃないと思ったんだけど……」
「おおい、サティ!」
サティエルが何かを言いかけたそのタイミングで何者かに大声で呼ばれる。こんな場所に人がいるとは思っていなかった少女は驚いてそちらに目を向け、そして小さく悲鳴をあげる。
熊のような大柄な男が小さなクトの手を引いてこちらに向かってくる。火の明かりが届く範囲に入ってきたクトは体中が傷だらけで血まで流していた。それなのに平然とした顔で大男に手を引かれている。
「なんてタイミングだ」
サティエルは頭を抱えてその場にしゃがみ込む。
「何がだ? 稽古中に怪我をした。手当してやってくれ」
大男は別段、何でもないような顔をしてクトの背中を押しやる。
「誰? クトに何をしたの?」
大男がぎろりと少女を睨む。それから小馬鹿にしたように鼻を鳴らすと「このガキは本当にモノになるのか。どう見たって女優という顔じゃない」とため息をついた。
「ゲラルド、わざわざ挑発しないでくれ。今日はもうここまでにしよう」
サティエルは少女に向きなおる。
「待って。どうしてクトはそんな怪我をしているの?」
「手当が先だ」
そう言われると、少女も反論できない。黙って家に戻ってゆくサティエルの背中を追うしかなかった。
ゲラルドと呼ばれた大男とサティエルはその夜、声をひそめて話し合いをしていた。
少女は何かきな臭いものを感じて、寝たふりをしてじっと耳をすませる。ベッドというような高級なものはこの家にない。穀物の入った袋が積まれたところに背中を預けて目をつぶる。隣には体中を白いさらし布で巻かれたクトが寝息を立てていた。
「今のところ作戦通りだ」
サティエルの低い声が聞こえた。少女が眠っているものと思い込んでいるのだろう。
「だが問題は本当にあのガキが使えるかどうか、だよな」
ゲラルドは先ほど同様に馬鹿にしたような口調である。
「それは……まぁ、今のところ何とも」
サティエルの声は小さくなってゆく。
「ふん。せいぜい事を起こすまでにしごいてやるしかないだろう」
そこで二人の間に沈黙が流れる。事を起こすというのはなんだろうか。何か悪い企みをしているとしか思えない。
「それはそうと、そっちの儲け話の方はどうなんだ」
気を取り直したような口調のゲラルドにサティエルはやはり気乗りしないような曖昧な声をもらす。
「半分は口実みたいなもんだ。もちろん儲かったらそれに越したことはない。俺もあんたもあの子に食わせてもらえるかもしれないぜ」
「ふぅん、なるほど。『保護した』つもりかい? これ以上厄介な話はごめんだぜ」
「これは厄介なことにはならない。役者としてやってみたかっただけだ」
「なぁにが役者だ。偽物だろうが」
サティエルは役者ではなかったのか? では何者なのだろう。
ほとんど話の意味はわからない。しかしここにいてはいけないという気がしてきた。少女もクトもこの男たちの何らかの企みに利用されようとしている。
少女はぎゅっとこぶしを固めた。クトを連れて逃げた方がいい。明日の朝、すぐにでも。
「頼れる人がいないんだ。もっと必死になるだろう。台本に書いてなくてもわかるはずだ」
下働きの子供を安く買って役者に仕立てあげ、それで稼ごうとしている男、名をサティエルというらしいが、とにかく厳しい。少女はこれまで演劇を見たこともなかったので、突然台本を見て演じろといわれても無茶な話だ。幸いというべきか、最近は役者を見ることが多かったので見様見真似でなんとか糸口くらいはつかめた。
普段はいつも通りサティエルについていって劇場で雑用をして過ごし、それが終わってからの連日の遅くまでの稽古である。ただ、サティエルにとって幸運だと思えるのが少女がただの孤児ではないことだったに違いない。渡された台本を少女がすらすらと読むのを見て目を丸くしていた。そうなると欲が出てくるのが人間というものだ。指導にも熱が入る。
「いつチャンスがあるか分からない」と、あちこちで上演されている子供にもつとまる役がありそうな台本を手に入れると少女に徹底的に練習させた。しかも指先の動きから、わずかな声の調子まで細かく指示してくる。何かしら代役が必要な状況を狙っているのだろうが、そもそもまだ少女は演劇の何たるかすらよく理解してはいなかった。
しかし少女の方も常に苦痛と恐怖を感じ続ける前の所有者のもとには戻りたくないという理由で必死に食らいついていた。これを利害が一致したとでもいってもいいのだろうか。
「想像するんだ。確かにワンシーンしか出てこない端役だが、ここが一番の見せ場なんだよ。通行人の男がきみのお母さんの織った織物を買ってくれなければ薬は買えない。きみのお母さんは死ぬしかなくなるんだ。『お願いです。買ってください』じゃないだろう。確かに台本にはそう書いてある。でもそうじゃないんだ。時間は夕刻。その子はどんな思いで朝準備をして街まで織物を売りにきたんだろう。お金はないから食事はとっていない。その子はどんな性格なのか、優しい子なのか、明るい子なのか。それだけじゃなく、背景も想像するんだ。街から少し距離があるところに住んでいるから言葉がなまっているかもしれないし、内職や畑仕事で手がボロボロだったり、日焼けをしているかもしれない。そんな境遇の子がどんな声を出して、どんな動きをするのか。細部まで想像して、その子が物語の中だけの存在なんてことは忘れてしまうところまで練りあげるんだよ」
何をいっているのか、少女は半分も理解できない。言っている言葉はわかるが、ピンとこないというべきか。少女はもう一度台本を手にとった。サティエルが馴染みの劇場関係者や仲のいい役者から借りて必要なところだけ書き写したという手製の台本もどきである。その熱量がすごいことはわかるが、やはり少女にはサティエルの目論みがうまくいくとは思えない。
「そういえば、クトはどこへ行ったの?」
少女はクトが同じ目的でサティエルの元にいるのかと思っていたが、一緒に稽古を受けていない。口がきけないから役者にはなれないということだろうか。それにしたってクトはいつも傷だらけで痩せている。まさかと、少女はサティエルを見た。
サティエルはクトをいじめているのではないだろうか。自分がそういう目に遭ってきたので容易に想像ができる。役者には向かないからといって、クトに乱暴をして気を晴らしているのではあるまいか。話すことができないから誰にも助けを求められない。劇場で少女と顔を合わせてもずっと無表情だ。
「あの子は、えっと、別のことをしているよ」
案の定、サティエルは言いよどむ。
「別のことって何?」
少女はサティエルを睨みつけた。皮肉にも彼に食べさせてもらい体力が戻り、元来の勝ち気なところが出てくる。
「何といわれても……」
「まさかひどいことをしているんじゃないでしょうね」
「え? ひどいこと?」
「だって、あの子いつも傷だらけじゃないの」
少女の言葉にサティエルはきょとんとしている。それからようやく内容を理解したというようにハッとすると、あわてて顔を横にふる。
「違うよ、違う。それは誤解だ。これは言うつもりがなかったんだけどな」
サティエルは頭をかいて庭の柵に腰かける。
いつも演劇の稽古は庭である。わざわざ庭で火を焚いて明かりとして暗い中やるのである。その庭もほぼ森といっても差し支えない深い雑木林と繋がっていて、隣家は遥か遠く木々にさえぎられて見ることもできない。なんだか両親がいたころを思い出す。少女も緑に囲まれた小さな家に住んでいた。
街の中央からも少し離れているため大声を出したり走り回ったりしても誰にも迷惑をかけない。おそらくあえてそのような家を選んだのだろう。劇場に通うには少し不便だが、納得がいくまで練習ができる利点は大きい。
「まず、誤解を解きたいんだけど。あの子、きみがクトと呼んでいる子は買ってきた子でも何でもない。親戚中をたらい回しにされていた子を仕方なく引き取ったんだ。口がきけないから仕事ができず、あちこちで厄介者扱いだ。正直なところ、俺も冗談じゃないと思ったんだけど……」
「おおい、サティ!」
サティエルが何かを言いかけたそのタイミングで何者かに大声で呼ばれる。こんな場所に人がいるとは思っていなかった少女は驚いてそちらに目を向け、そして小さく悲鳴をあげる。
熊のような大柄な男が小さなクトの手を引いてこちらに向かってくる。火の明かりが届く範囲に入ってきたクトは体中が傷だらけで血まで流していた。それなのに平然とした顔で大男に手を引かれている。
「なんてタイミングだ」
サティエルは頭を抱えてその場にしゃがみ込む。
「何がだ? 稽古中に怪我をした。手当してやってくれ」
大男は別段、何でもないような顔をしてクトの背中を押しやる。
「誰? クトに何をしたの?」
大男がぎろりと少女を睨む。それから小馬鹿にしたように鼻を鳴らすと「このガキは本当にモノになるのか。どう見たって女優という顔じゃない」とため息をついた。
「ゲラルド、わざわざ挑発しないでくれ。今日はもうここまでにしよう」
サティエルは少女に向きなおる。
「待って。どうしてクトはそんな怪我をしているの?」
「手当が先だ」
そう言われると、少女も反論できない。黙って家に戻ってゆくサティエルの背中を追うしかなかった。
ゲラルドと呼ばれた大男とサティエルはその夜、声をひそめて話し合いをしていた。
少女は何かきな臭いものを感じて、寝たふりをしてじっと耳をすませる。ベッドというような高級なものはこの家にない。穀物の入った袋が積まれたところに背中を預けて目をつぶる。隣には体中を白いさらし布で巻かれたクトが寝息を立てていた。
「今のところ作戦通りだ」
サティエルの低い声が聞こえた。少女が眠っているものと思い込んでいるのだろう。
「だが問題は本当にあのガキが使えるかどうか、だよな」
ゲラルドは先ほど同様に馬鹿にしたような口調である。
「それは……まぁ、今のところ何とも」
サティエルの声は小さくなってゆく。
「ふん。せいぜい事を起こすまでにしごいてやるしかないだろう」
そこで二人の間に沈黙が流れる。事を起こすというのはなんだろうか。何か悪い企みをしているとしか思えない。
「それはそうと、そっちの儲け話の方はどうなんだ」
気を取り直したような口調のゲラルドにサティエルはやはり気乗りしないような曖昧な声をもらす。
「半分は口実みたいなもんだ。もちろん儲かったらそれに越したことはない。俺もあんたもあの子に食わせてもらえるかもしれないぜ」
「ふぅん、なるほど。『保護した』つもりかい? これ以上厄介な話はごめんだぜ」
「これは厄介なことにはならない。役者としてやってみたかっただけだ」
「なぁにが役者だ。偽物だろうが」
サティエルは役者ではなかったのか? では何者なのだろう。
ほとんど話の意味はわからない。しかしここにいてはいけないという気がしてきた。少女もクトもこの男たちの何らかの企みに利用されようとしている。
少女はぎゅっとこぶしを固めた。クトを連れて逃げた方がいい。明日の朝、すぐにでも。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎
って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!
何故こうなった…
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
そして死亡する原因には不可解な点が…
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
超常の神剣 タキオン・ソード! ~闘神王列伝Ⅰ~
駿河防人
ファンタジー
「ちょっと運命的かもとか無駄にときめいたこのあたしの感動は見事に粉砕よッ」
琥珀の瞳に涙を浮かべて言い放つ少女の声が、彼の鼓膜を打つ。
その右手には片刃の長剣が握られていた。
彼は剣士であり傭兵だ。名はダーンという。
アテネ王国の傭兵隊に所属し、現在は、国王陛下の勅命を受けて任務中だった。
その任務の目的の一つ、『消息を絶った同盟国要人の発見保護』を、ここで達成しようとしているのだが……。
ここに至るまで、彼の義理の兄で傭兵隊長のナスカと、その恋人にして聖女と謳われたホーチィニ、弓兵の少女エルと行動を共にしていたが……。紆余曲折あって、ダーンの単独行動となった矢先に、それは起こった。
咄嗟に助けたと思った対象がまさか、探していた人物とは……というよりも、女とは思わなかった。
そんな後悔と右頬に残るヒリヒリした痛みよりも、重厚な存在感として左手に残るあり得ない程の柔らな感覚。
目の前には、視線を向けるだけでも気恥ずかしくなる程の美しさ。
女性の機微は全く通じないし、いつもどこか冷めているような男、アテネ一の朴念仁と謳われた剣士、ダーン。
世界最大の王国の至宝と謳われているが、その可憐さとは裏腹にどこか素直になれない少女ステフ。
理力文明の最盛期、二人が出会ったその日から、彼らの世界は大きく変化していき――琥珀の瞳に宿る想いと追憶が、彼の蒼穹の瞳に封じられていた熱を呼び覚ます。
蒼穹の激情へと至る過程に、彼らの絆と想いが描く軌跡の物語。
めっぽう強い彼女の、めっぽう弱い部分。
猫ノ謳
ファンタジー
近未来の地球、なかでも日本の東京を舞台とした異能力バトルものです。
妖魔と戦ったり、人間同士で争ったり、ミステリーやラブコメの要素もあります。
表向き仲良さげなグループに潜んでいる敵の推理や、登場人物たちの恋の行方などを、お楽しみください☆
転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。
Gai
ファンタジー
不慮の事故で亡くなった後、異世界に転生した高校生、鬼島迅。
そんな彼が生まれ落ちた家は、貴族。
しかし、その家の住人たちは国内でも随一、乱暴者というイメージが染みついている家。
世間のその様なイメージは……あながち間違ってはいない。
そんな一家でも、迅……イシュドはある意味で狂った存在。
そしてイシュドは先々代当主、イシュドにとってひい爺ちゃんにあたる人物に目を付けられ、立派な暴君戦士への道を歩み始める。
「イシュド、学園に通ってくれねぇか」
「へ?」
そんなある日、父親であるアルバから予想外の頼み事をされた。
※主人公は一先ず五十後半の話で暴れます。
女神さま。幸せは2000年後までおあずけです。-「女神」は「悪魔」になりました。そして封印されました。-
伊吹梓
ファンタジー
かつて、「地上に降りた女神の血統」と渾名された種族がいた。
『狭姫族』と呼ばれた彼らは、豊穣の神力、天と時、自然と炎を操る神力で人間を守るため、地に遣わされた女神・狭姫を始祖とした種族だった。
しかしある時代、魔族来襲に乗じた人間の王国の企みにより、狭姫族その数を大きく減らし、更に捕らえられる、。
たった一人逃げ出した狭姫族の少女「レイラ」は、ある人間の剣士と出会い、別れ、また再会する。しかしある出来事から、レイラは剣士に封印されてしまう。
2000年後、ある条件によって封印が解かれるように設定されて。
そして、2000年後…
※ 特に第1章は、各話記憶を回想する形で時系列が分解されています。
「あれ?誰の、どの時点の話書いてたっけ…??」とよくパニクってるのはナイショです。
※この作品は、小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる