182 / 236
第八章 とある一日
第百八十二話 とある一日(3)
しおりを挟む
「乾杯!」
パーシーは掲げた木のカップを勢いよくジェフとザグリーのカップにぶつける。
場所はいつもの通りイゴルデである。
「いやー、まさかお前に先を越されるとはな」
ジェフは早速ソーセージにかぶりつく。
「ほんとだよ。よく報告書とか真っ白のままぼんやりしてたくせに」
ザグリーも骨付きの鶏肉に手を伸ばした。
三人ともめずらしくきちんと制服を着ている。いつもきちんとしていないわけではないが、ちょっとした式の際は薄手ではあるものの礼服に当たる上着を着て来ることになっている。今日はそのちょっとした式であった。本当にちょっとしたもので、通常業務の間にさしはさまれるような形である。それはパーシーを含む昇進者たちの任命式だった。
パーシーは出世したのだ。――とはいえ、実はさほど待遇が変わるわけではない。「取りまとめ役」という地味な役職である。何を取りまとめるのかというと――わからない。シフトは役所の所長が管理するので見回り役人の取りまとめ役という意味ではない。かつて何らかの取りまとめを任されたのであろう役職が形骸化したものと思われる。そもそも「取りまとめ役」という役職はパーシーたちが所属している役所に十数人いる。ちょっと長くこの仕事をしていれば、自動的にそうなるというような感じだろうか。この三人の中でもパーシーが一番古参といえなくもない(ほんの少しの差だが)。もちろん郷里のみんなが期待していたようなお城の大臣にはスサリオ山の尾根より遠い。それにこの昇進はパーシー自身の手柄ではないものが加味されている可能性もある。
少し前の武器の密売事件に思いを馳せそうになり、あわてて頭をふる。せっかくジェフとザグリーが祝ってくれるというのだから、とりあえず今日のところは面倒なことを考えるのをやめよう。そうはいっても二人は夜勤が入っているらしいので、ほんのわずかな憩いの時間である。
「なんでこういうの、夏に多いんだろうな。昇進とかそういう系のイベントとか」
仲間二人にひとしきりお祝いの言葉をもらい落ち着いた後、ふっとジェフが口を開いた。薄手とはいえ上着は暑くて邪魔なので、みな早々に脱いでいる。
「レジスは国で決まった宗教はないけど、太陽神の信者が多いからな」
ザグリーが当たり前のようにさらりと口にした。パーシーの故郷も土地は畑がほとんどで例にもれず太陽神を信仰している。だからなんとなく肌感覚で理解できた。
「どういうことだよ」
二人が当たり前のような顔をしているのが気に食わないのか、ジェフは少しむっとする。
「さすが街生まれの街育ち、都会の男」
ザグリーの故郷もパーシーと似たような片田舎だ。ジェフだけが、レジス城下の生まれである。
「太陽神の祝福を受けるためだ。夏が一番太陽の力が強いと考えられている。こう暑くちゃそう考えるのは自然だな」
ザグリーは言いながら早くも腕をまくっている。
この時期、畑の作物も夏の日差しを浴びてすくすくと伸びてゆく。太陽神の祝福という概念はそれを見ながら育ったパーシーにとって身近なものであった。田舎でも夏は太陽神関係の祭事をたくさん行う。パーシー自身も村にいた頃は毎日きちんと太陽神にお祈りをして祭事にも積極的に参加していた。しかし街に出て土を触る生活から離れてしまうと、そういった習慣も遠く感じる。
「あ、そういえばこの間さ、座敷犬くん来てたよ」
「えっ! どこに? どうして?」
パーシーは思わず立ち上がる。
「おい、なにやってんだ」
ジェフが倒れそうになった自身のカップを持ち上げて避難させた。
「役所に。人を探してたみたいだったな」
「僕を?」
「いや。なんでだよ」
座敷犬さんは前の武器密輸事件で知り合った人だが、実のところ何者なのかはよく知らない。ただ、いい人であることは確かでパーシーは探すともなく探していた。また一緒にゲームをしたり、話をしたりしてみたい。あれから暇な時はここでダウレを観戦したりして、少しずつだがパーシーも強くなっている――気がするのだ。
「そういや、エリッツって名前らしいよ。座敷犬くん」
名前がわかってもこの広いレジスで探すことは困難だ。共通の友達であるゼインにそれとなくつないでもらえるよう頼んでいたがいまだ反応がない。
「他には何か言ってた?」
そのとき辺りの空気がざわりとわき立った。みな密かに戸口の方を気にしている。そちらへ目をやるとおしゃれな感じの男性二人が入店してきた。パーシーなんかはよくわからないほど洗練されている。一見してただものではない。
「おい、あれ」
「久々に見たな。市街警備軍の……」
「しっ、聞こえるぞ」
それからふわっと深みのある魚のにおいがただよってくる。なんなんだ一体。
「どこかで見たことあると思ったらやっぱり」
ザグリーが慎重に声をひそめる。
「ああ。私服だからよくわからなかったけど、やっぱそうだよな」
ジェフもうなずいている。市街警備軍といえば、町役人はよく知っている。見回り中の手に負えない、主に刃傷系のトラブルは軍に通報と決まっているからだ。だが市街警備軍の詰所にあんなスマートな雰囲気の男性たちがいただろうか。
「えーっと……」
パーシーだけがピンと来ていないようだ。
「普通の通報くらいじゃ見かけることはないかもしれんな。俺も見かけたのは偶然の一回だけだ」
「ああ。俺も似たようなもんだ。知らない町役人がいても不思議じゃない。手前の人はなんだかわからないが、奥のシュッとした感じのお方は市街警備軍の司令塔だ」
パーシーは驚いてもう一度戸口の方へ目をやる。イゴルデはいつも通り「いらっしゃい」と、気負った様子は皆無だが、周りの視線がすごい。なぜか軍服の男が荷物をいっぱいに抱えて付き従うように入ってくる。また魚のにおいがした。
「なんであんな大量にススウオなんて。あと、アレは米か?」
ススウオは石のように固くなるまで乾燥させて保存食として利用したり、削り出して煮物などに魚の風味をつけたりするのに使う、らしい。家主のおばさんにそう聞いたことがある。あんなにたくさん買ってぱくぱく食べるような代物ではないはずだ。
米はパーシーの故郷のラフタルでもよくとれた。しかしレジス城下ではあまりメインで食べる文化はない。蒸したものを付け合わせにしたり、家畜やペットの飼料としてつかわれる。
しかしなんでそんなものを大量に担いだ軍人を従えてイゴルデに来ているのだろう。仕事中という感じでもないし、休日のショッピングというにはあまりにも所帯染みた買い物だ。
「何なんだろうな」
ジェフもザグリーもパーシー同様に首を傾げていた。
しかし軍人というのは汗臭いイメージだったが、異様なまでにスタイリッシュだ。パーシーはファッションの知識が皆無で、何がどうとかは説明できない。黒っぽい色でそろえたらしい薄手の上下に袖口からのぞく淡いブルーのシャツが涼やかだ。胸元のポケットからは同色のチーフがのぞいているが、あえてそうしているのか無造作である。アクセサリー類をつけているわけではないのになんとなく華やかな感じがすると思ったら、銀色のカフスボタンだ。ペアであることは間違いないが、左右のデザインが違っている。
なんだかよくわからないが、とにかくおしゃれなのは確かだった。上半身裸かそれに近い格好をしているこの店の客の中では異様なまでにういている。
目立つ二人は空いている席に腰かけ、ダウレの盤を出してもらっていた。どうやらゲームをはじめるようだ。遠巻きに見守っていた客たちが、めずらしく遠慮がちな様子で二人の周りに集まり、当たり前のように観戦する雰囲気になっている。いつものようにやいやい騒ぎ出さないので、別の店に来ているかのようだ。
「聞いた話だと、ものすごく強いらしいよ」
ザグリーがぽつりとつぶやくように言った。
「見に行ってもいいかな」
パーシーは勢いよく席を立つ。
「こんなチャンスないもんな」
ジェフもカップを持って立ち上がり、ザグリーもそれにならった。
実はパーシーの勧めで二人ともダウレをやりはじめていた。みんなかろうじてルールがわかるところからのスタートである。強い人たちのゲームを観戦するのは上達のヒントになるに違いない。
パーシーは掲げた木のカップを勢いよくジェフとザグリーのカップにぶつける。
場所はいつもの通りイゴルデである。
「いやー、まさかお前に先を越されるとはな」
ジェフは早速ソーセージにかぶりつく。
「ほんとだよ。よく報告書とか真っ白のままぼんやりしてたくせに」
ザグリーも骨付きの鶏肉に手を伸ばした。
三人ともめずらしくきちんと制服を着ている。いつもきちんとしていないわけではないが、ちょっとした式の際は薄手ではあるものの礼服に当たる上着を着て来ることになっている。今日はそのちょっとした式であった。本当にちょっとしたもので、通常業務の間にさしはさまれるような形である。それはパーシーを含む昇進者たちの任命式だった。
パーシーは出世したのだ。――とはいえ、実はさほど待遇が変わるわけではない。「取りまとめ役」という地味な役職である。何を取りまとめるのかというと――わからない。シフトは役所の所長が管理するので見回り役人の取りまとめ役という意味ではない。かつて何らかの取りまとめを任されたのであろう役職が形骸化したものと思われる。そもそも「取りまとめ役」という役職はパーシーたちが所属している役所に十数人いる。ちょっと長くこの仕事をしていれば、自動的にそうなるというような感じだろうか。この三人の中でもパーシーが一番古参といえなくもない(ほんの少しの差だが)。もちろん郷里のみんなが期待していたようなお城の大臣にはスサリオ山の尾根より遠い。それにこの昇進はパーシー自身の手柄ではないものが加味されている可能性もある。
少し前の武器の密売事件に思いを馳せそうになり、あわてて頭をふる。せっかくジェフとザグリーが祝ってくれるというのだから、とりあえず今日のところは面倒なことを考えるのをやめよう。そうはいっても二人は夜勤が入っているらしいので、ほんのわずかな憩いの時間である。
「なんでこういうの、夏に多いんだろうな。昇進とかそういう系のイベントとか」
仲間二人にひとしきりお祝いの言葉をもらい落ち着いた後、ふっとジェフが口を開いた。薄手とはいえ上着は暑くて邪魔なので、みな早々に脱いでいる。
「レジスは国で決まった宗教はないけど、太陽神の信者が多いからな」
ザグリーが当たり前のようにさらりと口にした。パーシーの故郷も土地は畑がほとんどで例にもれず太陽神を信仰している。だからなんとなく肌感覚で理解できた。
「どういうことだよ」
二人が当たり前のような顔をしているのが気に食わないのか、ジェフは少しむっとする。
「さすが街生まれの街育ち、都会の男」
ザグリーの故郷もパーシーと似たような片田舎だ。ジェフだけが、レジス城下の生まれである。
「太陽神の祝福を受けるためだ。夏が一番太陽の力が強いと考えられている。こう暑くちゃそう考えるのは自然だな」
ザグリーは言いながら早くも腕をまくっている。
この時期、畑の作物も夏の日差しを浴びてすくすくと伸びてゆく。太陽神の祝福という概念はそれを見ながら育ったパーシーにとって身近なものであった。田舎でも夏は太陽神関係の祭事をたくさん行う。パーシー自身も村にいた頃は毎日きちんと太陽神にお祈りをして祭事にも積極的に参加していた。しかし街に出て土を触る生活から離れてしまうと、そういった習慣も遠く感じる。
「あ、そういえばこの間さ、座敷犬くん来てたよ」
「えっ! どこに? どうして?」
パーシーは思わず立ち上がる。
「おい、なにやってんだ」
ジェフが倒れそうになった自身のカップを持ち上げて避難させた。
「役所に。人を探してたみたいだったな」
「僕を?」
「いや。なんでだよ」
座敷犬さんは前の武器密輸事件で知り合った人だが、実のところ何者なのかはよく知らない。ただ、いい人であることは確かでパーシーは探すともなく探していた。また一緒にゲームをしたり、話をしたりしてみたい。あれから暇な時はここでダウレを観戦したりして、少しずつだがパーシーも強くなっている――気がするのだ。
「そういや、エリッツって名前らしいよ。座敷犬くん」
名前がわかってもこの広いレジスで探すことは困難だ。共通の友達であるゼインにそれとなくつないでもらえるよう頼んでいたがいまだ反応がない。
「他には何か言ってた?」
そのとき辺りの空気がざわりとわき立った。みな密かに戸口の方を気にしている。そちらへ目をやるとおしゃれな感じの男性二人が入店してきた。パーシーなんかはよくわからないほど洗練されている。一見してただものではない。
「おい、あれ」
「久々に見たな。市街警備軍の……」
「しっ、聞こえるぞ」
それからふわっと深みのある魚のにおいがただよってくる。なんなんだ一体。
「どこかで見たことあると思ったらやっぱり」
ザグリーが慎重に声をひそめる。
「ああ。私服だからよくわからなかったけど、やっぱそうだよな」
ジェフもうなずいている。市街警備軍といえば、町役人はよく知っている。見回り中の手に負えない、主に刃傷系のトラブルは軍に通報と決まっているからだ。だが市街警備軍の詰所にあんなスマートな雰囲気の男性たちがいただろうか。
「えーっと……」
パーシーだけがピンと来ていないようだ。
「普通の通報くらいじゃ見かけることはないかもしれんな。俺も見かけたのは偶然の一回だけだ」
「ああ。俺も似たようなもんだ。知らない町役人がいても不思議じゃない。手前の人はなんだかわからないが、奥のシュッとした感じのお方は市街警備軍の司令塔だ」
パーシーは驚いてもう一度戸口の方へ目をやる。イゴルデはいつも通り「いらっしゃい」と、気負った様子は皆無だが、周りの視線がすごい。なぜか軍服の男が荷物をいっぱいに抱えて付き従うように入ってくる。また魚のにおいがした。
「なんであんな大量にススウオなんて。あと、アレは米か?」
ススウオは石のように固くなるまで乾燥させて保存食として利用したり、削り出して煮物などに魚の風味をつけたりするのに使う、らしい。家主のおばさんにそう聞いたことがある。あんなにたくさん買ってぱくぱく食べるような代物ではないはずだ。
米はパーシーの故郷のラフタルでもよくとれた。しかしレジス城下ではあまりメインで食べる文化はない。蒸したものを付け合わせにしたり、家畜やペットの飼料としてつかわれる。
しかしなんでそんなものを大量に担いだ軍人を従えてイゴルデに来ているのだろう。仕事中という感じでもないし、休日のショッピングというにはあまりにも所帯染みた買い物だ。
「何なんだろうな」
ジェフもザグリーもパーシー同様に首を傾げていた。
しかし軍人というのは汗臭いイメージだったが、異様なまでにスタイリッシュだ。パーシーはファッションの知識が皆無で、何がどうとかは説明できない。黒っぽい色でそろえたらしい薄手の上下に袖口からのぞく淡いブルーのシャツが涼やかだ。胸元のポケットからは同色のチーフがのぞいているが、あえてそうしているのか無造作である。アクセサリー類をつけているわけではないのになんとなく華やかな感じがすると思ったら、銀色のカフスボタンだ。ペアであることは間違いないが、左右のデザインが違っている。
なんだかよくわからないが、とにかくおしゃれなのは確かだった。上半身裸かそれに近い格好をしているこの店の客の中では異様なまでにういている。
目立つ二人は空いている席に腰かけ、ダウレの盤を出してもらっていた。どうやらゲームをはじめるようだ。遠巻きに見守っていた客たちが、めずらしく遠慮がちな様子で二人の周りに集まり、当たり前のように観戦する雰囲気になっている。いつものようにやいやい騒ぎ出さないので、別の店に来ているかのようだ。
「聞いた話だと、ものすごく強いらしいよ」
ザグリーがぽつりとつぶやくように言った。
「見に行ってもいいかな」
パーシーは勢いよく席を立つ。
「こんなチャンスないもんな」
ジェフもカップを持って立ち上がり、ザグリーもそれにならった。
実はパーシーの勧めで二人ともダウレをやりはじめていた。みんなかろうじてルールがわかるところからのスタートである。強い人たちのゲームを観戦するのは上達のヒントになるに違いない。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる