【R18】逆上がりの夏の空

藤原紫音

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第17話「露杏奈をレイプすること」

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 七月十九日、一学期の最終日。

 ぼくは今週ずっと露杏奈と一度も会話すること無く、ぼんやりと過ごしていた。頭の中ではぼくはもう露杏奈のことを諦めていて、唯や陽菜たちとの危なっかしい関係に意識を向けるように努めていた。
 だけど、気持ちが緩んでくると、例えば授業中に梅津先生の話が面白くないとき、体育の授業中にプールサイドに座って水を蹴っているとき、休み時間に蒼汰と亮二がぼくの席まで来て中身のない話をしているとき、気づいたら露杏奈のことを思い浮かべている。授業中、露杏奈がぼくと二の腕とふくらはぎを触れ合わせて、その面だけでセックスしていたことを思い出す。

 一限目の授業中、椅子の背もたれに背を付けて露杏奈の横顔を眺めているとき、ブーンとお腹に振動が走る。朝の会の前に、陽菜がぼくのお尻にローターを挿れたことを思い出す。今週は毎日そうやってリモコンローターを挿れて過ごす。慣れるどころか、日に日に快感が強くなっていく。
 ぐーっと勢いよく勃起して、おちんちんがショートパンツを飛び出し、シャツを突き上げる。ぼくは薄手のパーカーの前を閉じて、いきったおちんちんの形を隠す。ぼくは陽菜を振り返る。悪戯っ子の眼差しで、ぼくの反応を楽しんでいる。あまりにきもちよくて、声が出そうになるのを必死で堪える。冷や汗が滲む。リズムが変わると、座っていられなくなる。

「あ……ぐ」

 呻き声が漏れて、ぼくは席を立とうとする。振動が止まる。ぼくは机に突っ伏して片膝を床につく。椅子がガタリと音を鳴らす。

「藤原、どうした?」
 梅津先生が振り返って訊く。
「気分が……」
「具合悪いのか?」
 ぼくは答えられない。振動は止まっているのに、お尻の中の異物感だけでイキそう。
「おい、城島きじま。藤原を保健室に連れて行って」
 梅津先生が城島蒼汰に言う。

 蒼汰がぼくの席まで来て、ぼくに肩を貸す。教室から出る。みんなが注目している。露杏奈は前を向いたまま。陽菜がバツの悪そうな顔でぼくを見送る。
 階段を降りているうちに、その振動でまたきもちよくなる。降りるたびに呻く。

「どっか痛いの?」
 蒼汰が心配して訊く。
「お腹が……」
「早退する?」
「どうせ、今日、午前中までだから」

 ぼくたちは保健室に入る。今日も赤松先生は不在。いつもどこにいるんだろう?
 寝台のひとつに横になる。蒼汰は授業をサボれることが嬉しいのか、生き生きした眼で「赤松先生探してくるから!」と言って保健室を飛び出してしまう。

 ぼくは天井を眺めて、お母さんの言葉を思い出す。

 ただ、好きだ好きだ、では女の子は振り向いてくれないよ。

 もう露杏奈はぼくのことに全く関心がない。様子がおかしくても見向きもしない。そんな状態で何かが変わるとは思えない。もう終わったことだから、諦めよう。そう思っても、常に隣りにいるのだから、視界から追い出すことはできない。それに、ぼくは五年生の間、梅津先生の怠慢で一度も席替えが行われないことを知っている。この針のむしろはまだまだ続くのだ。

 待てど暮らせど、蒼汰は戻ってこなかった。

 一学期最後の授業のチャイムが鳴る。帰りの会が始まる。そろそろ教室に戻って、下校の準備をしなくちゃ。そう思っても、身体が動かない。教室に戻って、また氷のような露杏奈の隣に座るのは辛い。みんなが下校してから、一人で帰ろう。どうせ、今日の午後は絵里衣たちが乱交しに来るんだ。
 眼を閉じると、絵里衣の美しい裸が浮かんでくる。中学一年生なんて、ほとんど小学生と変わらない。胸がうっすら膨らんで、今のぼくより少しだけ背が高いけれど、おまんこに毛も生えていない。あのすべすべで柔らかい割れ目におちんちんを挿れる瞬間を思い出す。
 オナニーのときに感じるぞくぞくした猥雑な性欲は大抵醜く燃えさしにくすぶるものだけど、セックスの切なくて温かくて身を捩るほどの心地よさは、ぼくとぼくがつながっている女の子をなにかとくべつな美しいものに昇華させる。おちんちんだけでなく、お尻や乳首、舌と唇、脇腹や腋、首筋、背中さえも快感を感じる性器のひとつで、お互いを求めあい、与えあうことができる。絵里衣や唯たちはみんなクラスに数人いる特に可愛い子のグループ。平凡な子がいないから気づかなかったけれど、ぼくは途轍もなく恵まれている男子かもしれない。露杏奈に相手にされないことくらいで悩むのは贅沢だ。

 下校の鐘が鳴る。
 学校全体が騒がしくなる。ぼくは目を閉じたまま、喧騒がすぎるのを待つ。やがて下校する生徒たちと先生が階段を降りてきて、職員室のある廊下を歩く足音がきこえる。時がすぎるのを待っていると、眠くなってくる。

「乃蒼くん、大丈夫?」

 聞き覚えのある声がする。瞼を開くと、ランドセルを背負った露杏奈がベッド脇に立っている。ぼくの葡萄色えびいろのランドセルを抱える。保健室に入ってきた音に気づかなかった。

「露杏奈ちゃん」
「お腹、痛いの?」
「うん……」

 露杏奈がぼくのパーカーの上からお腹に手をあてる。勃起したおちんちんに布越しに手を触れる。撫でる。手を引っ込める。ぼくをじっとみつめて、言う。

「乃蒼くんってさあ、おとなしそうにしてるけど、めっちゃエロいよね」

――今はショック受けてるけど、慣れればそういう前提で話ができるでしょ。

 唯の言葉を思い出す。露杏奈はぼくが毎日複数の女の子相手にセックスしてることをしっている。女の子を独り占めする男。かつてぼくが一番苦手だったタイプの男子、ぼくはそういう奴になったんだ。

「ごめんね、エロいことばっかり考えてるから……」
「それで具合悪くなったの?」
「そうじゃないけど」
「あ、そうだ」

 露杏奈がランドセルを下ろして、中からローターのリモコンを取り出す。ぼくは冷や汗がどっと溢れる。

「これ、陽菜ちゃんが乃蒼くんに渡してって」
「うん……ありがとう」
「これなに?」
「えっと、防犯ブザー」
「これ押すと鳴る?」
「ううん、鳴らないよ」
「押してみていい?」
「だめだよ……」

 ぼくが手を延ばすと、露杏奈は腕を上げてリモコンを渡さない。授業中の陽菜と同じ、悪戯っ子の眼差し。ぼくが上体を起こすと、露杏奈はリモコンのボタンを押す。

 ブン、ブン、ブウウウン……。

 お尻の中でローターが跳ねる。身体がビクビク痙攣してベッドに崩れ落ちる。身を捩って呻く。きもちよくて涙目になる。

「乃蒼くん、大丈夫?」
「う……ぐっ」
「先生呼んでくる」
 ぼくは手を延ばして、露杏奈の袖を掴む。首を横にふる。
「いいの、先生、呼ばないで」
「でも……」
「すぐ良くなるから、あっ、はっ、はっ、はっ、ふーっ」
 快感が下腹部からじわーっと湧き上がって、セックスと違うシアワセに包まれる。
「どこが痛いの?」
 露杏奈が訊く。ぼくは振動が響く下腹部を指差す。露杏奈が服の上から勃起したおちんちんに手をのせる。服の上から撫でる。お腹じゃなくて、勃起したおちんちんを撫でる。おさまるどころか余計にきもちいい。そうじゃないんだけど、きもちよくてもっと触って欲しい。

「すごい硬いよ」
「う……」
「あたしに触らせようとしてない?」
 そう言って露杏奈が笑う。ぼくは涙目で首を横に振る。
「まあいいや、乃蒼くんエロいし」
 露杏奈がパーカーのジッパーを下ろして、シャツの上からぼくのおちんちんを触る。握る。しごく。先端から根元まで。お尻とおちんちんを同時に露杏奈に責められている。涙が溢れて頬を伝う。身体がガクガク震えて、呻き声しか出せなくて、死ぬほど恥ずかしい。
「ちょっと、マジで感じてない?」
「はああっ、だめっ」

 じょばーっと音を鳴らしてシャツの中で精液をお漏らしする。露杏奈が「きゃっ」と悲鳴を上げる。もうとまらない。びゅくっ、びじゅっ、ぶじゅるっ、卑猥な音を響かせて、次々に精液が溢れて、ぼくの胸とお腹とシャツをびしょびしょに濡らす。恥ずかしくて死にたい。ぼくは顔を横に向けて、射精しながら嗚咽を漏らす。

「ごめん……ごめんね、あたしが触ったせいだね」
「露杏奈ちゃん……それ」
 ぼくは手をのばす。上体を起こすと下腹部が圧迫されて、精液がぶじゅーっと大量に噴き出す。ローターのリモコンを受け取る。手が滑って落としてしまう。
 シャツが精液でぐっしょり濡れて、勃起した巨根の形にピッタリ張り付く。いままで生きてきた中でも一番恥ずかしくて、取り返しのつかない瞬間。シャツの中を、生温い精液がドロリと流れる感触が伝う。
「乃蒼くん、ごめんね。こんなことになるなんて……」
 ぼくは呆けて露杏奈をみるけど、焦点があわない。
「ね、脱いで」
「え……?」
「脱いで。あたしの体操服貸してあげる」
「ここで……?」
「ほら、起きて」

 露杏奈がぼくを抱き起こす。パーカーを脱ぐ。ベッドの縁に座り直して、露杏奈が濡れたシャツを脱がす。ショートパンツから飛び出た巨根が顕になる。露杏奈は自分のハンカチを取り出して、精液まみれの胸とお腹とおちんちんを拭く。濡れた布越しにおちんちんを握られて、マッサージされるのだから、ぼくはまたきもちよくなって、陰茎がぐーっと剛直する。お尻のローターの振動パターンが定期的に変わって、身体がびくりと跳ねる。

「乃蒼くん、精力強いんだね。こんなに出るって、やばくない?」
「ぼく……病気かなぁ……、あ、ぐっ」
「病気じゃないと思うけど……きゃっ、また出たっ」

 露杏奈がハンカチで握ったおちんちんが、びじゅるるるるっ、と精液を噴き上げる。シャツと露杏奈の腕を濡らす。すごい量。座位でセックスするときみたいに、腰が勝手に上下する。

「あたしが触ると出ちゃうね、なんかごめんね……ウフフ」
「好きな子に……触られてるから」
 おちんちんを掴む露杏奈の手を上から握る。
「……えっと、ちょっと待っててね」

 露杏奈がカーテンの向こう側に出ていって、ティッシュボックスを持って戻ってくる。ティッシュでぼくのおちんちんを拭く。頭に血が上って、恥ずかしくて死にそうなのに、快感が泉のように湧いてくる。露杏奈とセックスしたい。かつての奥手だった頃から、五年以上もの間、露杏奈のことを想い続けてきて、いまその露杏奈が射精したぼくのおちんちんをティッシュで拭いている。感じたことのない類の性欲が溢れる。露杏奈とセックスしたい。やりたい、やりたい、やりたい。

 露杏奈は屈んでぼくのおちんちんの根元を拭く。ぼくは手をのばして、露杏奈の肩に触れる。指先を滑らせて、白いワンピースの襟元から胸に手を差し込む。サイズオーバーのスポーツブラの隙間から、指先を差し込んで、露杏奈の乳首を摘む。露杏奈は嫌がらない。何も言わない。ぼくのショートパンツのホックを外して、濡れた陰嚢もティッシュで拭く。ぼくは露杏奈の胸に差し込んだ手で、薄い乳房を包む。マッサージする。

 露杏奈が顔をあげる。上目遣いでぼくをみつめたまま、ぼくの手首を掴む。

「だめだよ」

 優しくそう囁いて、露杏奈はティッシュの塊をゴミ箱に捨てる。床のランドセルを隣のベッドにのせる。ぼくに背を向けて、ランドセルを開いてゴソゴソ。白いワンピースの裾から覗く太腿が艶かしくて、ワンピースの柔らかい生地に浮かぶ小さなお尻がぼくを誘うように突き出される。
 ぼくはベッドから降りて、露杏奈の背中に覆いかぶさる。ワンピースの裾から手を入れて、ショーツの上から露杏奈の割れ目に触れる。じっとり濡れている。

「やっ……乃蒼くん、やめて……あん」
「露杏奈ちゃん、ぼく我慢できないよ」
「いやっ、我慢して……あっ」

 ぼくは露杏奈のワンピースを捲くりあげて、ショーツを下ろし、おちんちんの先を割れ目に押し付ける。にゅるりと濡れた感触があって、体重をかけると、つるりと滑る。もう一度、おちんちんを割れ目に押し付けて、ぐーっと押し込む。すべすべの大陰唇ごと深くめり込んで、突然、ぶりゅっと皮が剥けるような感触に包まれる。

「あっ、いっ……」
 露杏奈が呻いて、シーツを掴む。目の前の窓から、校庭を走る女子の姿がみえる。風に吹かれて生い茂るケヤキが揺れる。みちみちみち、とおちんちんが半分くらい沈んで、先っぽが硬い子宮頸に触れる。唯や莉緒菜よりずっと深い膣。五年間ずっと好きだった子を、ぼくはレイプしている。大事にしなきゃいけない子を、一番卑劣な方法で辱める。
 露杏奈のお尻を掴んで、ゆっくり突き下ろす。あまり濡れていないのに、ぼくの長いおちんちんが根元付近まで沈み、ねっとりした粘膜に包まれる。熱くて、肉厚で、柔らかくて、優しい感触。それに他の子と全然違う、つんとした濃い芳香が鼻腔をくすぐる。露杏奈の唇とおなじ薄い色の陰唇が、ピストンに合わせてめくれたりめりこんだり、卑猥にうごめく姿をみおろす。おちんちんの根元に血が溜まって輪っかになる。
 ここは保健室で、いつ赤松先生が戻ってきてもおかしくないけれど、その焦燥を感じないほどきもちよくて、ぼくは夢中で露杏奈を犯す。

「はっ、あっ……あっ、あっ、あっ、ふっ、うっ、いっ……いやっ」
「露杏奈ちゃん……、ごめんね、ごめんね」
「やめ……やめっ、乃蒼く……んっ、んっ、あっ、うン、あん」

 露杏奈の膣が反射で濡れ始めて、つっちゃ、つっちゃ、と卑猥な音を立てる。決して感じているわけではないのだろうけれど、滑りが良くなるとますますきもちいい。

「いやっ、やっ、やめ……てっ、乃蒼、くっ、ごめ……ごめんなさい、ごめ、許して……」
「謝らないで……」
「怒ってるの? あたしが、触ったから? あたし、そんなつもりじゃ……あっあっあっあっ」
「うっ、あっあっあっいっ、ろあ……な、イクっ」

 結合からぶちゅるるるっと大量の精液が噴き出し、床にボタボタ滴る。尋常じゃない量の精液を、露杏奈の膣と子宮に注ぎ込む。精液を送り込む痙攣に伴って、お尻のローターがぐりぐり動く。仰け反って、天井を仰いで、露杏奈の胎内に精を注ぐためだけのいきものになる。途方もなく酷いことをしているのに、すべてを達成したような安堵を覚える。

「かはっ、はあっ、はあっ、あっ、はーっ、きもちい……」
 ぼくは射精しながら、続けて露杏奈を犯す。ぶちょっ、ぶちょっ、ぬちょっ、という陵辱が小学校の保健室に響く。下校の音楽が流れる。早くイキすぎて全然足りない。露杏奈が嗚咽を漏らす。
「露杏奈ちゃん……きもちいいよ……」
「やめ……てぇ、お願い……もう、やめ……あっ」
「ごめんね、きもちよくて、やめられない」
「酷いよ……こんな……ひど、あっあっうっあっ」
「あーっ、また……でっ、ぐっ」
「いやっ、いやっ、出さないで、いやーっ」

 露杏奈は細い腕を背中にまわして、ぼくのおちんちんを掴む。無理矢理引き抜く。ぼくを振り返って、弱々しい力で突き飛ばす。ぼくはよろめいて、後ろのベッドの縁に尻もちをつく。その衝撃で、お尻のローターが前立腺を突き上げるようにギュンギュン振動を伝える。反り返ったおちんちんが、びじゅっ、びじゅっ、びじゅっ、と連続的に精液を高く噴き上げる。ベッドや床にボタボタ降り注ぐ。

「もう、知らない。自分で拭いて」

 露杏奈が言い捨てて、ランドセルを背負ってカーテンの向こうへ立ち去る。すぐに戻ってくる。丸めたぼくのシャツを掴んでひったくる。代わりに自分の体操着をぼくに投げつける。再び出ていく。保健室のドアがピシャリと閉まる音が響く。
 ぼくはあられもない格好のまま、露杏奈の体操着を掴む。甘い残り香を嗅ぐ。
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