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第8話「自分から女子寮に行ってセックスすること」
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土曜日、亜香里は朝から習い事のピアノ教室へ出かける。
いままでそんなことはしたことがないのだけど、ぼくは亜香里をピアノ教室のあるマンションまで送る。
亜香里と仲直りしてから、亜香里は少しでも長い時間ぼくと一緒にいたがる。ずっとぼくの部屋で過ごすし、一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入って、ぼくの部屋のベッドで寄り添って眠る。プライバシーが保証されるのはトイレの中だけ。それ以外はずっと恋人のようにベタベタして、お風呂や寝るときはお互いの身体を触り合う。このままだと、間違いを犯すのも時間の問題だ。
「帰りの時間は?」とぼくが訊く。
「決まってないから、迎えに来なくていいよ。お兄ちゃん、どうせ遊びに行くでしょ」
亜香里がバイバイと手をふる。ぼくも手を振る。亜香里はピアノ教室のマンションへ消える。もと来た道を戻る。まだ涼しい時間だけれど、じわじわと夏の熱気がアスファルトから立ち上る。風があまり吹かない。中学校のケヤキから蝉の鳴き声が響く。
女子寮の前に差し掛かる。あの日から、毎日この前を通って通学しているのだけど、絵里衣たちとは会っていない。にもかかわらず、この通りを歩くたびに、あの日のことをおもいだす。絵里衣と玲蘭の柔らかい身体をおもいだす。つよい力で押さえつけられ、恐怖さえかんじたはずなのに、記憶のなかでふたりから受けた仕打ちは艶めかしい快楽へ昇華し、少しずつうつくしい想い出に移ろってゆく。
ぼくは横目で女子寮の建物をみて、ゆっくり歩く。通り過ぎる。そこが女子寮とは、表札をみなければわからない建物。ぼくは立ち止まり、用事を思い出したかのように踵を返して、もう一度女子寮の前を通る。建物を見上げる。
三階建ての建物は高いフェンスと鉄条網に守られ、鉄の門扉には防犯カメラがついている。そこを通過して、再び榛東文化女子中の校庭がみえる通りへ。
もう一度、絵里衣たちと連絡を取る方法を考える。小学生のぼくはスマホも持っていない。キッズ携帯は登録された相手としかメールができないけれど、電話番号さえわかれば連絡が取り合える。どうしてぼくは絵里衣たちと連絡を取りたいのだろう。またベッドに縛り付けられ、ひどい辱めを受けるに決まっているのに。
ぼくは再び自宅への道に戻る。女子寮の前を通過するとき、鉄の通用口が開いて、白いパジャマ姿の絵里衣がぼくの腕を捕まえる。ぼくはびっくりして逃げ出しそうになる。
「やっぱり乃蒼くんだ、どーしたの?」
「こんにちは……ぼく帰るところです」
「用事?」
ぼくは首を横にふる。
「じゃあ暇?」
「少しだけ……」
「おいで」
絵里衣は強引にぼくの腕を引っ張って、女子寮の門の内側に引きずり込む。これは無理矢理なんだ、じぶんの意思じゃないんだ、だから仕方がないんだ、そう言い聞かせながら、ぼくは絵里衣についていく。
* * *
女の子の匂いが充満する二人部屋。
ぼくは裸でベッドに大の字になり、ぼくの両腕を裸の絵里衣と玲蘭が跨ぐ。ぼくは二人の割れ目に指を出し挿れして、二人はぼくの乳首をぬるぬる舐める。そして、その光景を、陽菜がスマホで撮影していた。
陽菜はぼくと同じクラスの子で、唯と一緒のバレエ教室に通っている。ぼくたちは裸なのに、陽菜だけ黄色いワンピースを着ている。
「乃蒼くんって、こんなにおっきいんだね」
陽菜がスマホをぼくのおちんちんに近づける。乳首を愛撫されているだけなのに、ぼくは極限まで勃起して、触られたくてたまらない。中指と薬指を絵里衣と玲蘭に挿れて、恥骨を掴むように刺激する。指先に丸い子宮頸が触れる。
「陽菜ちゃん、どうして……ここにいるの?」
「絵里衣ちゃんが、ウチのバレエ教室でピアノ弾いてるんだよ」
「あっ……それで」
「ときどき遊びに来るの。ここ、勝手に入っちゃだめみたいだけど……きゃー硬い」
陽菜がぼくを撮影しながら、陰茎を握る。優しくマッサージする。
「陽菜ちゃん、乃蒼くんの、パクってしてみて」
絵里衣が言う。陽菜が笑う。
「えーっ、これ咥えるの?」
「乃蒼くん悦ぶよ」
絵里衣がぼくをちゅるりと飲み込む。陽菜の目の前で、ちゅっこ、ちゅっこ、ちゅっこ、とわざと音を立てて愛撫をみせつける。ぼくはきもちよくて両脚を突っ張る。絵里衣が口を離す。舌で先っぽをぬるぬる舐める。
「歯をあてないで、舌と唇で、こんなふうに。やってみて」
「できるかなあ」
陽菜が絵里衣と一緒にぼくのおちんちんに舌を巻きつける。先っぽを二人の舌がちゅるちゅる撫で回してくすぐったい。陽菜がぼくを飲み込む。口の中で舌を縦横無尽に動かす。喉の奥まで飲み込む。今度は絵里衣が飲み込む。交互にぼくを飲み込む。飲み込まれるときのぬるぬる感を繰り返し味わって、きもちよすぎて声が漏れる。
玲蘭がぼくのお腹に舌を滑らせて、おちんちんの根元を舐める。絵里衣と陽菜の間に割り込んで、ぼくを咥える。頭を上下させて、くちゃごっ、くちゃごっ、と複雑な音をたてる。三人の女の子がぼくの巨根に群がって、奪い合うように情熱的に愛撫する。絵里衣と玲蘭が手を伸ばして、ぼくの乳首を指先で弾く。ぼくは頭を起こして、信じられない光景に戦慄する。ゾンビに内臓を引きずりだされるような、ぼくの意思なんか無視して陵辱を加える様子を、なにもできずに受け入れるしかない。きもちよくて、身体を動かせない。
じゃんけんぽん、あーいこでしょ、あーいこでしょ。
三人の少女がぼくのおちんちんと囲んでじゃんけんする。絵里衣が「玲蘭、陽菜、あたしの順ね」と言う。嫌な予感がする。
玲蘭がぼくを跨ぐ。絵里衣がおちんちんにベビーオイルを塗りたくり、玲蘭の割れ目に先端をおしつける。みちみちみち、とゆっくり沈む。先端が包まれると、にゅるるるっと底まで滑らかに到達して、ぼくは仰け反って、指を噛んで声を堪える。
「乃蒼くん、せーし、出したら駄目だからね……」と玲蘭が言う。
窓から夏の空がみえる。尾長鳥が飛んでいく。蝉の声が女子寮の敷地のどこかで響き、エアコンから涼しい風が流れて、ぼくたちの肌を撫でる。
「あーっ、乃蒼くん、動いて……」
玲蘭が命令する。ぼくは身体を波打たせて、玲蘭を下から突き上げる。絵里衣と陽菜がぼくの脇腹に舌を這わせて、乳首に到達する。それぞれのリズムで左右の乳首を舐める。ぼくは肩をびくびく震わせて、二人の股間に手を伸ばす。
絵里衣の濡れた割れ目に指を沈めて、陽菜の割れ目にショーツの上から触れる。陰核の部分を指先で掻き出すように刺激すると、陽菜はぼくの耳元で甘い声を漏らす。
「乃蒼くんって、エロいね」
陽菜が囁いて、ぼくの乳首に吸いつく。ぼくは陽菜のショーツに手を滑り込ませて、割れ目に触れる。あまり濡れていない陰唇を人差し指と薬指で拡げて、中指で陰核に触れる。
「ぼく、エロいのかなぁ……」
「ちんちんがエロい、アハハッ……あん」
「それは……誰でも」
「乃蒼くん、太くて、長いもん……ねえ、指挿れて」
ぼくは陽菜の膣口に指を挿れる。ぬるぬるした体液が滲んで、狭い膣の奥まで中指が滑り込む。根元まで沈むと、指先がちいさな子宮頸に触れる。唯とおなじくらいの大きさだけど、少し長くて、指で押し込むと陽菜は敏感に喘ぐ。
壁の時計が十時を差す。この部屋に連れ込まれて、あっという間に一時間が経過した。そろそろ亜香里が帰ってくるころ。なにもしらない亜香里は、三人の女の子と乱交する女子寮の前を通過することになる。妹を裏切っているような気がして、後ろめたい。
玲蘭が腰を浮かしておちんちんを抜き取る。ぼくを後ろ向きに跨ぐ。ぬちゅるるるっと挿入の音がきこえる。中学生の未成熟なお尻がぼくの巨根を咥えこんで、上下に律動する。エロ動画でみるセックスよりもずっとずっとスローペース。濡れた粘膜の音、女の子たちの艶めかしい吐息、愛撫の淫靡な蠢き、それに三人の女の子の匂いとか、柔らかな身体のリアルな重みとか、動画では識ることのできない諸々が積み上がってセックスのカタチになる。
玲蘭が両手をついて振り返る。
「乃蒼くん、起きて。後ろから突いて欲しいの」
ぼくは身体を起こして、玲蘭はその場にうずくまり、お尻だけを突き出す。両腕に絵里衣と陽菜を抱き、玲蘭を突き下ろす。中学生には長すぎるおちんちんは根元まで入らなくて、エロ動画でよく聞くお尻がぶつかるぺちぺちという音の代わりに、陰茎が膣腔を往復するぬちゃぬちゃ、にちゃにちゃ、ぶちゃぶちゃという酷く卑猥な音ばかりが響く。絵里衣と陽菜がぼくの胸に舌を這わせて、絵里衣が舌で乳首をすくいあげるように刺激すると、陽菜がそれを真似る。
「乃蒼くんさぁ、学校で唯ちゃんとまいにちエッチしてるって、ほんと?」
絵里衣が訊く。陽菜が顔をあげる。
「それまじ?」
「唯ちゃんが、無理矢理……」
「乃蒼くんって、おとなしそうにみえて、かなりヤリチンじゃない。今度、唯ちゃん連れてきてよ」
「唯、そんなこと言ってなかった。学校でしてるの? いつ?」と陽菜が眼を輝かせる。
「お昼休みに……」
「やっぱり、先週ずっといなかったもん。どこでしてるの?」
「体育倉庫で」
「あー、ありがちー」
ぼくは唯に強引に誘われて体育倉庫でセックスしてから、まいにち昼休みに逢うようになった。莉緒菜もまいにち訪れて、ぼくの身体を舐めたり、キスしたりするのだけど、ぼくとセックスしようとはしない。
二人は教室に戻ると、ぼくとは顔も合わせない。あれでは逆に不自然だとおもうのだけど、昼休みにぼくたち三人の姿が消えることに誰も気づかない。学級委員に選ばれた蒼汰は、梅津先生に印刷物の準備を手伝わされていて忙しく、最近は亮二やぼくたちと遊んでいない。
玲蘭がぼくにお尻をおしつける。イキそうなときに、そうやってぼくを求める。ぼくは急かされるように、腰の回転をあげていく。絵里衣と陽菜がぼくの乳首をぬるぬる舐めるから、上半身は動かさずに腰だけを前後に揺らす。左右の乳首とおちんちんの三箇所がどうじにきもちよくて、毛穴が開いて溶けてしまいそう。正面の壁にかかったカレンダーをみつめる。紫のペンで細かく予定が書き込まれている。
「乃蒼、イク……、あっ、もっと……」
「玲蘭ちゃ……ボクも……出ちゃう」
「だめっ、だめ、だめ」
玲蘭がお尻を浮かしておちんちんを抜き取る。ぼくは下唇を噛んで射精を堪える。絵里衣が根元をぎゅっと掴む。快楽の尖端に爪先立って、はちきれそうな緊張を放てば、この崖から自由落下する無重力の解放を得られる。だけど、ぼくは鳥ではないのだから、落ちることをこの上なく畏れる。頭にじわりと熱い悦楽が染み出して、極限でしか得られない種類の痺れが全身に染み渡り、ぼくはすんでのところで此方側へもどってくる。
「はっ、はあっ、はあっ、あ……、はーっ、きもちい……」
とまっていた呼吸を再開すると、ぼくをみつめていた陽菜の表情が綻ぶ。
「やだ、かわいそう……乃蒼くん、出したいよね」
「ぼく……我慢できるよ」
殊勝に答えると、まだ落ち着かないおちんちんを絵里衣が咥えてちゅるちゅる愛撫する。
「アタシには、出してもいいよ」
陽菜が耳元で囁く。ぼくの前で玲蘭に抱かれ、仰向けになる。玲蘭が陽菜の両脚を開く。絵里衣がぼくの背中を抱いて、おちんちんを握って先端を陽菜の割れ目にこすりつける。くちゃくちゃ、濡れた音がきこえる。絵里衣がぼくに体重をかけて、おちんちんが陽菜の割れ目にぐーっと大陰唇ごとめり込む。陽菜が痛そうに眉間にシワを寄せる。
「やっぱ乃蒼くんの、陽菜には大きすぎるね」
絵里衣が身体を引いて、ベッドの上を這う。机の上からベビーオイルのボトルを取る。黄色いラベルのそのボトルは、唯が持っていたのと同じもの。反り返ったおちんちんに垂らす。ユーカリの薫りがする。陽菜の割れ目にも垂らす。黄金色の粘液がトロリと流れ落ちる。
再び絵里衣がおちんちんを握って、陽菜の割れ目におしつける。さっきより強く体重をかけて、残酷に腰をおしつける。みちゅるるるっとタイトな膣を掻き分けて、小さな子宮頸を押し潰す。
「はーっ、ぐっ……おっきぃ」
陽菜が呟いて、ぼくをみつめる。絵里衣がぼくの背中に密着したまま身体を波打たせ、ぼくは絵里衣に押されて陽菜を突く。つっちゃ、つっちゃ、とあられもない音を立てて、唯よりも狭い膣がぼくを強く刺激する。
「も……だめ……」
諦めの言葉を口にしながら、ぼくは陽菜の膣内にドバっと精を放つ。絵里衣がピストンを続けて、ぼくと陽菜の結合から、ぶちゅっ、ぶちゅっ、と精液が溢れる。ベッドのシーツに零れる。
「あーっ、乃蒼くん出してる!」と玲蘭が言う。
「えっ、嘘? ちょっとー、アハハ、乃蒼くん、きゃー」
絵里衣が焦って、溢れる精液を掬うように、陽菜のお尻に手をあてる。ぼくたちの結合に口をつけて、溢れ出す精液を啜る。玲蘭が陽菜を仰向けに寝かせて、その上に四つん這いになって、絵里衣と一緒にじゅるるるっと啜る。つながったままの性器を舐める。卑猥の極みのような光景に半ば慄き、出してしまったことを後悔する。
「乃蒼くん、出すとき言ってよ。てか量すごくない?」
絵里衣が言って、ぼくのおちんちんを陽菜から引き抜く。咥える。飲み込む。玲蘭が陽菜の股間に顔を埋めて、中に出した精液をじゅるじゅる吸い出す。頬を膨らませて、仰向けの陽菜に口移しする。
ぼくは男の子として、他の子よりもエロいという自覚と自負を密かに抱いていたのだけど、普通の女の子たちにその自信と矜持を砕かれるとは思いもよらなかった。
中学時代にたくさんのエロ動画を観ていたぼくが想像すらしたことがない行為をみせつけられて、この子たちは他の男の子とおなじことをしているのかもしれない、あるいは他の男の子にこういう行為を教わったのかも知れないという猜疑が心に淀む。
「乃蒼くん、ほんとに絶倫だね……全然萎まないよ、さっきより硬い」
絵里衣がおちんちんから口を離して言う。
「絵里衣ちゃんが、きもちよくしてくれるから」
「セックスって、きもちいいよね」
「きもち……いいです」
絵里衣が微笑んで、ぼくを乱暴に押し倒す。ぼくに覆いかぶさって、躊躇なくおちんちんを熱い胎内に沈めてしまう。玲蘭と陽菜が這い寄って、精液で濡れた唇でぼくの乳首に吸いつく。休む暇もなく、ふたたびぼくは潤んだ粘膜に包まれて快楽に身を捩る。
いままでそんなことはしたことがないのだけど、ぼくは亜香里をピアノ教室のあるマンションまで送る。
亜香里と仲直りしてから、亜香里は少しでも長い時間ぼくと一緒にいたがる。ずっとぼくの部屋で過ごすし、一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入って、ぼくの部屋のベッドで寄り添って眠る。プライバシーが保証されるのはトイレの中だけ。それ以外はずっと恋人のようにベタベタして、お風呂や寝るときはお互いの身体を触り合う。このままだと、間違いを犯すのも時間の問題だ。
「帰りの時間は?」とぼくが訊く。
「決まってないから、迎えに来なくていいよ。お兄ちゃん、どうせ遊びに行くでしょ」
亜香里がバイバイと手をふる。ぼくも手を振る。亜香里はピアノ教室のマンションへ消える。もと来た道を戻る。まだ涼しい時間だけれど、じわじわと夏の熱気がアスファルトから立ち上る。風があまり吹かない。中学校のケヤキから蝉の鳴き声が響く。
女子寮の前に差し掛かる。あの日から、毎日この前を通って通学しているのだけど、絵里衣たちとは会っていない。にもかかわらず、この通りを歩くたびに、あの日のことをおもいだす。絵里衣と玲蘭の柔らかい身体をおもいだす。つよい力で押さえつけられ、恐怖さえかんじたはずなのに、記憶のなかでふたりから受けた仕打ちは艶めかしい快楽へ昇華し、少しずつうつくしい想い出に移ろってゆく。
ぼくは横目で女子寮の建物をみて、ゆっくり歩く。通り過ぎる。そこが女子寮とは、表札をみなければわからない建物。ぼくは立ち止まり、用事を思い出したかのように踵を返して、もう一度女子寮の前を通る。建物を見上げる。
三階建ての建物は高いフェンスと鉄条網に守られ、鉄の門扉には防犯カメラがついている。そこを通過して、再び榛東文化女子中の校庭がみえる通りへ。
もう一度、絵里衣たちと連絡を取る方法を考える。小学生のぼくはスマホも持っていない。キッズ携帯は登録された相手としかメールができないけれど、電話番号さえわかれば連絡が取り合える。どうしてぼくは絵里衣たちと連絡を取りたいのだろう。またベッドに縛り付けられ、ひどい辱めを受けるに決まっているのに。
ぼくは再び自宅への道に戻る。女子寮の前を通過するとき、鉄の通用口が開いて、白いパジャマ姿の絵里衣がぼくの腕を捕まえる。ぼくはびっくりして逃げ出しそうになる。
「やっぱり乃蒼くんだ、どーしたの?」
「こんにちは……ぼく帰るところです」
「用事?」
ぼくは首を横にふる。
「じゃあ暇?」
「少しだけ……」
「おいで」
絵里衣は強引にぼくの腕を引っ張って、女子寮の門の内側に引きずり込む。これは無理矢理なんだ、じぶんの意思じゃないんだ、だから仕方がないんだ、そう言い聞かせながら、ぼくは絵里衣についていく。
* * *
女の子の匂いが充満する二人部屋。
ぼくは裸でベッドに大の字になり、ぼくの両腕を裸の絵里衣と玲蘭が跨ぐ。ぼくは二人の割れ目に指を出し挿れして、二人はぼくの乳首をぬるぬる舐める。そして、その光景を、陽菜がスマホで撮影していた。
陽菜はぼくと同じクラスの子で、唯と一緒のバレエ教室に通っている。ぼくたちは裸なのに、陽菜だけ黄色いワンピースを着ている。
「乃蒼くんって、こんなにおっきいんだね」
陽菜がスマホをぼくのおちんちんに近づける。乳首を愛撫されているだけなのに、ぼくは極限まで勃起して、触られたくてたまらない。中指と薬指を絵里衣と玲蘭に挿れて、恥骨を掴むように刺激する。指先に丸い子宮頸が触れる。
「陽菜ちゃん、どうして……ここにいるの?」
「絵里衣ちゃんが、ウチのバレエ教室でピアノ弾いてるんだよ」
「あっ……それで」
「ときどき遊びに来るの。ここ、勝手に入っちゃだめみたいだけど……きゃー硬い」
陽菜がぼくを撮影しながら、陰茎を握る。優しくマッサージする。
「陽菜ちゃん、乃蒼くんの、パクってしてみて」
絵里衣が言う。陽菜が笑う。
「えーっ、これ咥えるの?」
「乃蒼くん悦ぶよ」
絵里衣がぼくをちゅるりと飲み込む。陽菜の目の前で、ちゅっこ、ちゅっこ、ちゅっこ、とわざと音を立てて愛撫をみせつける。ぼくはきもちよくて両脚を突っ張る。絵里衣が口を離す。舌で先っぽをぬるぬる舐める。
「歯をあてないで、舌と唇で、こんなふうに。やってみて」
「できるかなあ」
陽菜が絵里衣と一緒にぼくのおちんちんに舌を巻きつける。先っぽを二人の舌がちゅるちゅる撫で回してくすぐったい。陽菜がぼくを飲み込む。口の中で舌を縦横無尽に動かす。喉の奥まで飲み込む。今度は絵里衣が飲み込む。交互にぼくを飲み込む。飲み込まれるときのぬるぬる感を繰り返し味わって、きもちよすぎて声が漏れる。
玲蘭がぼくのお腹に舌を滑らせて、おちんちんの根元を舐める。絵里衣と陽菜の間に割り込んで、ぼくを咥える。頭を上下させて、くちゃごっ、くちゃごっ、と複雑な音をたてる。三人の女の子がぼくの巨根に群がって、奪い合うように情熱的に愛撫する。絵里衣と玲蘭が手を伸ばして、ぼくの乳首を指先で弾く。ぼくは頭を起こして、信じられない光景に戦慄する。ゾンビに内臓を引きずりだされるような、ぼくの意思なんか無視して陵辱を加える様子を、なにもできずに受け入れるしかない。きもちよくて、身体を動かせない。
じゃんけんぽん、あーいこでしょ、あーいこでしょ。
三人の少女がぼくのおちんちんと囲んでじゃんけんする。絵里衣が「玲蘭、陽菜、あたしの順ね」と言う。嫌な予感がする。
玲蘭がぼくを跨ぐ。絵里衣がおちんちんにベビーオイルを塗りたくり、玲蘭の割れ目に先端をおしつける。みちみちみち、とゆっくり沈む。先端が包まれると、にゅるるるっと底まで滑らかに到達して、ぼくは仰け反って、指を噛んで声を堪える。
「乃蒼くん、せーし、出したら駄目だからね……」と玲蘭が言う。
窓から夏の空がみえる。尾長鳥が飛んでいく。蝉の声が女子寮の敷地のどこかで響き、エアコンから涼しい風が流れて、ぼくたちの肌を撫でる。
「あーっ、乃蒼くん、動いて……」
玲蘭が命令する。ぼくは身体を波打たせて、玲蘭を下から突き上げる。絵里衣と陽菜がぼくの脇腹に舌を這わせて、乳首に到達する。それぞれのリズムで左右の乳首を舐める。ぼくは肩をびくびく震わせて、二人の股間に手を伸ばす。
絵里衣の濡れた割れ目に指を沈めて、陽菜の割れ目にショーツの上から触れる。陰核の部分を指先で掻き出すように刺激すると、陽菜はぼくの耳元で甘い声を漏らす。
「乃蒼くんって、エロいね」
陽菜が囁いて、ぼくの乳首に吸いつく。ぼくは陽菜のショーツに手を滑り込ませて、割れ目に触れる。あまり濡れていない陰唇を人差し指と薬指で拡げて、中指で陰核に触れる。
「ぼく、エロいのかなぁ……」
「ちんちんがエロい、アハハッ……あん」
「それは……誰でも」
「乃蒼くん、太くて、長いもん……ねえ、指挿れて」
ぼくは陽菜の膣口に指を挿れる。ぬるぬるした体液が滲んで、狭い膣の奥まで中指が滑り込む。根元まで沈むと、指先がちいさな子宮頸に触れる。唯とおなじくらいの大きさだけど、少し長くて、指で押し込むと陽菜は敏感に喘ぐ。
壁の時計が十時を差す。この部屋に連れ込まれて、あっという間に一時間が経過した。そろそろ亜香里が帰ってくるころ。なにもしらない亜香里は、三人の女の子と乱交する女子寮の前を通過することになる。妹を裏切っているような気がして、後ろめたい。
玲蘭が腰を浮かしておちんちんを抜き取る。ぼくを後ろ向きに跨ぐ。ぬちゅるるるっと挿入の音がきこえる。中学生の未成熟なお尻がぼくの巨根を咥えこんで、上下に律動する。エロ動画でみるセックスよりもずっとずっとスローペース。濡れた粘膜の音、女の子たちの艶めかしい吐息、愛撫の淫靡な蠢き、それに三人の女の子の匂いとか、柔らかな身体のリアルな重みとか、動画では識ることのできない諸々が積み上がってセックスのカタチになる。
玲蘭が両手をついて振り返る。
「乃蒼くん、起きて。後ろから突いて欲しいの」
ぼくは身体を起こして、玲蘭はその場にうずくまり、お尻だけを突き出す。両腕に絵里衣と陽菜を抱き、玲蘭を突き下ろす。中学生には長すぎるおちんちんは根元まで入らなくて、エロ動画でよく聞くお尻がぶつかるぺちぺちという音の代わりに、陰茎が膣腔を往復するぬちゃぬちゃ、にちゃにちゃ、ぶちゃぶちゃという酷く卑猥な音ばかりが響く。絵里衣と陽菜がぼくの胸に舌を這わせて、絵里衣が舌で乳首をすくいあげるように刺激すると、陽菜がそれを真似る。
「乃蒼くんさぁ、学校で唯ちゃんとまいにちエッチしてるって、ほんと?」
絵里衣が訊く。陽菜が顔をあげる。
「それまじ?」
「唯ちゃんが、無理矢理……」
「乃蒼くんって、おとなしそうにみえて、かなりヤリチンじゃない。今度、唯ちゃん連れてきてよ」
「唯、そんなこと言ってなかった。学校でしてるの? いつ?」と陽菜が眼を輝かせる。
「お昼休みに……」
「やっぱり、先週ずっといなかったもん。どこでしてるの?」
「体育倉庫で」
「あー、ありがちー」
ぼくは唯に強引に誘われて体育倉庫でセックスしてから、まいにち昼休みに逢うようになった。莉緒菜もまいにち訪れて、ぼくの身体を舐めたり、キスしたりするのだけど、ぼくとセックスしようとはしない。
二人は教室に戻ると、ぼくとは顔も合わせない。あれでは逆に不自然だとおもうのだけど、昼休みにぼくたち三人の姿が消えることに誰も気づかない。学級委員に選ばれた蒼汰は、梅津先生に印刷物の準備を手伝わされていて忙しく、最近は亮二やぼくたちと遊んでいない。
玲蘭がぼくにお尻をおしつける。イキそうなときに、そうやってぼくを求める。ぼくは急かされるように、腰の回転をあげていく。絵里衣と陽菜がぼくの乳首をぬるぬる舐めるから、上半身は動かさずに腰だけを前後に揺らす。左右の乳首とおちんちんの三箇所がどうじにきもちよくて、毛穴が開いて溶けてしまいそう。正面の壁にかかったカレンダーをみつめる。紫のペンで細かく予定が書き込まれている。
「乃蒼、イク……、あっ、もっと……」
「玲蘭ちゃ……ボクも……出ちゃう」
「だめっ、だめ、だめ」
玲蘭がお尻を浮かしておちんちんを抜き取る。ぼくは下唇を噛んで射精を堪える。絵里衣が根元をぎゅっと掴む。快楽の尖端に爪先立って、はちきれそうな緊張を放てば、この崖から自由落下する無重力の解放を得られる。だけど、ぼくは鳥ではないのだから、落ちることをこの上なく畏れる。頭にじわりと熱い悦楽が染み出して、極限でしか得られない種類の痺れが全身に染み渡り、ぼくはすんでのところで此方側へもどってくる。
「はっ、はあっ、はあっ、あ……、はーっ、きもちい……」
とまっていた呼吸を再開すると、ぼくをみつめていた陽菜の表情が綻ぶ。
「やだ、かわいそう……乃蒼くん、出したいよね」
「ぼく……我慢できるよ」
殊勝に答えると、まだ落ち着かないおちんちんを絵里衣が咥えてちゅるちゅる愛撫する。
「アタシには、出してもいいよ」
陽菜が耳元で囁く。ぼくの前で玲蘭に抱かれ、仰向けになる。玲蘭が陽菜の両脚を開く。絵里衣がぼくの背中を抱いて、おちんちんを握って先端を陽菜の割れ目にこすりつける。くちゃくちゃ、濡れた音がきこえる。絵里衣がぼくに体重をかけて、おちんちんが陽菜の割れ目にぐーっと大陰唇ごとめり込む。陽菜が痛そうに眉間にシワを寄せる。
「やっぱ乃蒼くんの、陽菜には大きすぎるね」
絵里衣が身体を引いて、ベッドの上を這う。机の上からベビーオイルのボトルを取る。黄色いラベルのそのボトルは、唯が持っていたのと同じもの。反り返ったおちんちんに垂らす。ユーカリの薫りがする。陽菜の割れ目にも垂らす。黄金色の粘液がトロリと流れ落ちる。
再び絵里衣がおちんちんを握って、陽菜の割れ目におしつける。さっきより強く体重をかけて、残酷に腰をおしつける。みちゅるるるっとタイトな膣を掻き分けて、小さな子宮頸を押し潰す。
「はーっ、ぐっ……おっきぃ」
陽菜が呟いて、ぼくをみつめる。絵里衣がぼくの背中に密着したまま身体を波打たせ、ぼくは絵里衣に押されて陽菜を突く。つっちゃ、つっちゃ、とあられもない音を立てて、唯よりも狭い膣がぼくを強く刺激する。
「も……だめ……」
諦めの言葉を口にしながら、ぼくは陽菜の膣内にドバっと精を放つ。絵里衣がピストンを続けて、ぼくと陽菜の結合から、ぶちゅっ、ぶちゅっ、と精液が溢れる。ベッドのシーツに零れる。
「あーっ、乃蒼くん出してる!」と玲蘭が言う。
「えっ、嘘? ちょっとー、アハハ、乃蒼くん、きゃー」
絵里衣が焦って、溢れる精液を掬うように、陽菜のお尻に手をあてる。ぼくたちの結合に口をつけて、溢れ出す精液を啜る。玲蘭が陽菜を仰向けに寝かせて、その上に四つん這いになって、絵里衣と一緒にじゅるるるっと啜る。つながったままの性器を舐める。卑猥の極みのような光景に半ば慄き、出してしまったことを後悔する。
「乃蒼くん、出すとき言ってよ。てか量すごくない?」
絵里衣が言って、ぼくのおちんちんを陽菜から引き抜く。咥える。飲み込む。玲蘭が陽菜の股間に顔を埋めて、中に出した精液をじゅるじゅる吸い出す。頬を膨らませて、仰向けの陽菜に口移しする。
ぼくは男の子として、他の子よりもエロいという自覚と自負を密かに抱いていたのだけど、普通の女の子たちにその自信と矜持を砕かれるとは思いもよらなかった。
中学時代にたくさんのエロ動画を観ていたぼくが想像すらしたことがない行為をみせつけられて、この子たちは他の男の子とおなじことをしているのかもしれない、あるいは他の男の子にこういう行為を教わったのかも知れないという猜疑が心に淀む。
「乃蒼くん、ほんとに絶倫だね……全然萎まないよ、さっきより硬い」
絵里衣がおちんちんから口を離して言う。
「絵里衣ちゃんが、きもちよくしてくれるから」
「セックスって、きもちいいよね」
「きもち……いいです」
絵里衣が微笑んで、ぼくを乱暴に押し倒す。ぼくに覆いかぶさって、躊躇なくおちんちんを熱い胎内に沈めてしまう。玲蘭と陽菜が這い寄って、精液で濡れた唇でぼくの乳首に吸いつく。休む暇もなく、ふたたびぼくは潤んだ粘膜に包まれて快楽に身を捩る。
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