【R18】逆上がりの夏の空

藤原紫音

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第7話「学校でセックスすること」

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 南の空にみえる積乱雲がどんどん上に積み上がる。

 ぼくは教室の窓からみえる雲の形をぼんやりと眺める。社会科の授業は上の空。たまに教科書に目を落とす。梅津先生はぼくがぼんやりしていても指摘しない。ぼくは小学校の頃から成績が良いし、授業を妨害したり、居眠りしたり、ノートや教科書に落書きするような問題行動も起こさないから、優等生として扱われる。

 隣の露杏奈がぼくの二の腕を小突く。顔を上げると、ぼくの腕を掴んで引き寄せて、耳元で「資料集みせて」と囁く。吐息が耳たぶをくすぐる。資料集を忘れたらしい。
 ぼくと露杏奈の机の間にカラーの資料集を拡げる。

「どこ? どこ読んでる?」
 露杏奈がぼくに肩を寄せて訊く。ぼくは日本地図を指差す。
「ここかな?」
 机の脚の間を超えて、露杏奈のふくらはぎが、ぼくのふくらはぎに触れる。女の子の肌の感触に、唯とのセックスをリアルに思い出す。露杏奈の白い肌に色づく鮮やかな朱い唇が、くだものみたいに艷やかでドキドキする。

 唯はぼくの席とは反対側の廊下側に座っていて、ノートに何か書いている。真ん中の席の蒼汰は、前の席の丸山くんの背中に指で文字を書いている。先生が振り返ると書くのをやめる。先生が板書すると、今度は後ろの席の子に消しゴムのカスを投げつける。実に落ち着きがない。
 野田亮二は真面目に資料集をみつめていて、袴田くんは肘枕をついて居眠りしている。後ろの席の莉緒菜はときどきぼくをチラ見する。

 唯と結ばれたあの日。
 空き家の二階で、夕方まで六時間ものあいだ、唯と絡み合って休み無く快楽に溺れた。結局、蒼汰たちとは合流せず、唯と一緒に家路についた。自宅マンションの前にある自販機の陰に連れ込まれ、唯は勃起が収まらないおちんちんを服の上から撫でて、ぼくにキスをした。
 あれだけ濃厚に愛し合ったにも関わらず、今朝、唯はぼくに「おはよう」と言っただけで特段変わった様子もない。

 露杏奈が差し出した脚を引っ込めない。ぼくと触れ合ったまま。二の腕もくっつけたまま。ぼくが身体を動かすと、触れ合った二つの面に露杏奈の肌を感じる。露杏奈とのセックスを思い浮かべてしまう。ぼくは授業に集中して、必死でその想像を振り払えば振り払うほど、妄想が具体的になっていく。
 露杏奈は離れるどころか、ぼくと触れ合う腕と脚を一定のリズムで動かして、肌を擦り合わせる。まるでセックスみたい。いや、これはセックス。ぼくと露杏奈は授業中にもかかわらず、二の腕とふくらはぎでセックスしている。胸が高鳴り、勃起してしまう。

 * * *

 お昼休み。

 ぼくは体育倉庫のマットの上で仰向けになり、ハーフパンツとブリーフを下ろされ、唯にフェラチオされる姿を、傍に座り込んだ莉緒菜がじっと観察する。ちゅっこちゅっこ、と濡れた音が狭い倉庫の空間にこだまする。天井をみつめて羞恥に耐えるぼくの股間に、柔らかい粘膜がまとわりついて、きもちよくて声が出そう。指を噛んで耐える。涙が滲む。

「乃蒼くん、ここ学校だから、流石に出しちゃだめだよ」
 唯が言って、ワンピースを脱ぐ。ショーツを脱ぐ。キャミ一枚になって、ぼくを跨ぐ。反り返ったおちんちんにオイルを垂らし、割れ目で挟んで、ちゅるちゅるマッサージする。
「唯、エローい」と莉緒菜。
「莉緒菜もする? 乃蒼くんヤバイよ、超ゼツリンなの……あん」
 ぼくは手を伸ばして、キャミの上から唯の乳首を指先で弾く。唯も手を伸ばして、シャツの上からぼくの乳首を摘む。
「あたし、乃蒼くんが唯を誘ったんだとおもってた」
「乃蒼くんがじぶんから誘うわけないじゃん」
「じゃあ、乃蒼くんと付き合ってるわけじゃないんだ……」
「付き合うって、ダルくない? 別れるときとか面倒くさいよ」
「身体だけ?」
「そう、身体だけ……あっ、はぁ……もう、挿れちゃお」

 唯がおちんちんの先端を割れ目で包み込むように腰を突き出して、手を使わずにちゅるりと膣に沈めてしまう。子宮頸しきゅうけいをおしあげて、唯の下腹部がいびつに膨らむ。
 倉庫の窓の曇ガラスのすぐ向こうを何人かの生徒が通過する。ぼやけた影がぼくたちの肌を通り過ぎる。ボールを突く音と誰かの笑い声が、学校という日常を思い出させる。
 莉緒菜が結合を間近で覗き込み、唯が腰を突き出して股間を上下させる。ぶっちょ、ぶっちょ、ぶちゃっ、みちゃっ、とひどく行儀の悪い音が子供たちの学び舎の空間に響いて、ぼくの巨根がマッサージされる。

「ゼツリンって、何回もしゃせーできる男の人でしょ?」
「はぁ、はぁ、あっ、そう……だよ、あっあっあっ」
「何回くらいできるの?」
「昨日は、九回だっけ? 帰りがけも……乃蒼くん、ずっと、勃起してた」
「それって、多いの?」
「かなり、多いとおもうよ」

 ほんとうは十一回だけど、黙っておく。
 ぼくは小学生の頃からまいにちオナニーしてたけれど、ほとんど射精しない。一回で栄養ドリンク一本分くらい出るし、なんかい出してもスッキリしないどころか、ますますきもちよくなってしまう。じぶんでじぶんの性欲が嫌になって、射精することを我慢するようになった。ぼくは異常性欲なんだと恥じ入り、そのことを隠すために女の子に対して塩対応だったとおもう。

「莉緒菜……乃蒼くんの乳首舐めてみて」と唯が言う。
「えーっ」
「キスするより抵抗ないでしょ」
「うん、まあ、そうだけど……」

 唯がぼくのシャツを捲くって胸を露出する。汗の滲んだ胸に、莉緒菜が手がおそるおそる触れる。指先が、つつ、と滑って乳首を摘み、莉緒菜の大きな目がぼくをみつめる。

「舐めて……いいよ」

 ぼくが言うと、莉緒菜は顔を近づけて、舌先で乳首をちろちろ舐める。もう一方の乳首を五本の指で茶摘みしたまま、舌をくねらせてぬるりと舐める。吸い付く。ちゅううっと吸われて、ぼくは胸を張って、強い刺激に肩を震わせる。

「あーっ、あっ、いっ、いいっ、きもちいい」とぼくが声をあげる。
「しーっ、乃蒼くん、声大きすぎ」
 唯が咎める。そうだ、ここは体育倉庫。体育館には誰もいないけれど、すぐ外の駐輪場の近くで遊んでいる子たちの声がきこえる。
「んふふ……乃蒼くんって、びんかーん」
 莉緒菜が微笑む。柔らかい顔立ちの唯と対象的に、莉緒菜は派手で気が強そうなギャルっぽい印象の子で、長い髪をサイドで三編みにして、上の髪と束ねてひとつ結びにしている。髪型を毎日変えているから、きっとお母さんと仲が良い。
 莉緒菜はぼくの反応が楽しいのか、ますますエロい表情でぼくの乳首を愛撫する。右も左も舌でぐりぐりえぐって、涙を滲ませて声を堪えるぼくの表情を愉しむ。ぼくは頭を起こして、莉緒菜がぼくを愛撫する姿と、唯のつるつるの割れ目がおちんちんを往復する光景をみて、エロすぎてみるに堪えない。ひた隠しにしてきたじぶんの異常性欲を暴かれたような羞恥にますます顔が熱くなり、頭に血が上り、全身が敏感になる。女の子の膣が伸縮自在な曖昧な穴などではなく、横に閉じた粘膜であることに気づく。だから、向かい合って律動すると、おちんちんの上下がにゅるるるっと強く刺激されるのだ。こんな知識を得てもなににも使えない。

「唯ちゃん……イキそ……、待っ」
「イク直前に言って」
「だっ、はあっ……出るっ」

 唯が腰を跳ね上げておちんちんを引き抜き、四つん這いになってちゅるりと咥える。喉の奥まで呑み込んで、舌と扁桃腺でちゅるちゅる愛撫する。ぼくはたまらず唯の口に精を放つ。びじゅっ、びじゅっ、びゅくっ、脈打つたびに唯の頬が膨らみ、出し尽くすとそっと口を離して、一筋垂れた精液を指で拭う。そのまま上を向いて、ごくり、ごくりと喉を鳴らして飲み干してしまう。エロ動画みたいに口の中をみせてはくれない。

「けほっ、ごほっ、んははっ、喉がイガイガする」
「唯ちゃん、飲んだの?」と莉緒菜が驚く。
「乃蒼くん、めっちゃいっぱい出るんだよ。中に出されるとびっちょびっちょになるからさ。でもこれ飲むものじゃないね」

 涙目の唯は再びぼくを跨ぎ、にゅるるるっとおちんちんを小さなお腹におさめてしまう。ぼくは思わず仰け反って声を漏らす。莉緒菜がぼくに覆いかぶさって、唇をつるりと舐める。莉緒菜が初めてキスをする。ぬるぬると舌を絡ませる。少女的な唯と違って、厚い唇がマイルドに包んで力強い舌がぼくを撹拌かくはんする肉食獣のキス。同い年の少女でも、キスひとつでこんなに違う。

 ぼくは手を伸ばして、四つん這いの莉緒菜のショートパンツのホックを外す。手を滑り込ませて、ショーツの内側に指を入れる。あまり濡れていないすべすべの割れ目に指を沈めて、陰唇をなぞり、処女を弄ぶ。唯のリズムに合わせて、下から突き上げる。あんなに出したのに、腰を振ると下腹部に溜まった精液がゆれる振動を感じる。

 ぼくたちはお昼休みの時間いっぱい、なにも考えずに体育倉庫でセックスに溺れる。考えることをやめて快楽に身を委ねると、ぼくが横たわるマットや跳び箱や平均台やボール籠なんかにぼくたちの快感が染みてゆくような気がする。それが体育の授業中に漏れ出して、誰かの身体に滲みを作るかもしれない。
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