102 / 109
第3部
第26話「モナリザ本体を捕まえる顛末」
しおりを挟む 他に売れそうなものはないかと聞かれたので、特にこれといったものはないんだけど、しいて言えば革のベルトもいいんじゃないかと言ってみた。あと、革パンツやベストで、もちろんポケット付き。
「ふむ……ベルトですか」
「あい。しょのままもいいんでしゅけろ、しゃりげにゃいおしゃれとして、かわをほしょくしゃいてあみこんでもいいとおもうんでしゅよ」
「なるほど……。そうねぇ……こんな感じかしら?」
「お~、しゃしゅがキャシーしゃん! しょうでしゅ!」
「あら、これなら女性もさり気ないおしゃれとして腰に巻けるわね」
編み込んだベルトという言葉でなにやら思いついたのか、革の切れ端をベルトのように細長くしたあと、さらにそこに切れ込みを入れて器用に編んでいく。すると、日本でも見たことがある、編み込みの革ベルトが出来上がっていた。
とはいえ、あくまでも試作なので切り込みを入れた部分の処理やほつれないようにするにはどうするかとか、革によっての耐久性を調べなければわからないが、そこは鎧にもなっちゃうくらい頑丈な革。なので、耐久性は合格なわけで。
あとはほつれなどの問題を解決すればOKとなった。
他にも、ポンチョの提案をしてみた。外套よりは短いけれど、ケープよりも長いサイズで、マントよりは動きやすいと思うんだよね。
特に、新人冒険者の女の子にはいいと思う。
「うしゅいかわにゃら、しゅしょにししゅうをしてもいいとおもうんでしゅ」
「しゅしょ? ああ、裾ね。そうねぇ、オークなら比較的薄い皮だし、蜘蛛の糸ならできるわね」
「女の子だもの、おしゃれはしたいわよね」
「そうよね! 町の中用と、冒険用に分けてもいいんじゃないかしら! アタシが頑張って作るわよ!」
「「てことで、ステラ、デザインよろしくね!」」
「あ、あい!」
キャシーさんとセレスさんの圧が凄い……! 言い出しっぺなので、頑張ってデザインするさ!
そんな話から、トートバッグももうちょっと可愛いデザインが欲しいだの、男性用のマジックバッグも、もっといろんなデザインがあってもいいだのと、私の提案が呼び水になったのか、いろんな意見が出てくる。
なぜかポーションホルダーも欲しいと、バトラーさんとテトさんから意見が出た。
ポーションホルダーとはなんぞやと疑問に思いつつ、彼らの話聞きながら、若干圧がかかったにっこにこ笑顔で紙とペンをセバスさんに渡された私は、ポンチョの基本的な形と二、三点のデザインを起こす。そこに大きく作ればリュックを背負ったまま歩けること、雨を弾く素材なら雨合羽になることも明記しておく。
刺繍についてはまだこの世界の基準がわからないので、そこは丸投げした。
あとは鞄の形も描いてと言われ、日本や海外で見た形を描いていく。マチの幅はもちろんのこと、縦横の長さ、ポケットはどの位置か、リュックも女性や少年少女が背負えるサイズを描いたり、冒険者だけではなく小さなお子さんが背負えるようなものまで描いてみた。
幼児な私でも背負えるようなものだ。
たとえばデフォルメした人気のある魔物や神獣を模したものをリュックにしたりね。これはぬいぐるみを見て、そういえば日本にそんなリュックがあったなあと思い出したからこそ、描いたものだったり。
おかあさんもさ、子どもが背負ってる中にタオルやハンカチ、水筒やお菓子を入れられる鞄があれば楽だと思うんだよね。三歳くらいになれば自分でやってみたい! と言うだろうし。
そうなった時に、これに入れておでかけしましょうと言えば、率先してやってくれる気がする。とはいえ、ここは異世界なので、甥っ子や姪っ子たちがやっていたことがこの世界で通用するかどうかは聞いてみなければ。
そんなことをしているとアルバートさんが帰ってきた。のはいいが、私をほったらかしてセバスさん以外が白熱したように意見を出し合っていたものだから、アルバートさんが唖然とした顔をして目を白黒させてた。
すぐに我に返って大人たちをとめたあと、どうしてそんなことになったのか話を聞いたアルバートさんは、私が描いたデザイン画を眺めて一言。
「腕のいい職人と工房を紹介しようか?」
その言葉に、渡りに船とばかりにセバスさんが頷いた。
そこからは着替えなどを渡されたセバスさんがアルバートさんにお金を払い、やっとのことで晩ご飯。宝石のカットに関しては簡単そうなものを二点ほど描いたところでストップがかかり、残りは明日以降となった。
「ふむ……ベルトですか」
「あい。しょのままもいいんでしゅけろ、しゃりげにゃいおしゃれとして、かわをほしょくしゃいてあみこんでもいいとおもうんでしゅよ」
「なるほど……。そうねぇ……こんな感じかしら?」
「お~、しゃしゅがキャシーしゃん! しょうでしゅ!」
「あら、これなら女性もさり気ないおしゃれとして腰に巻けるわね」
編み込んだベルトという言葉でなにやら思いついたのか、革の切れ端をベルトのように細長くしたあと、さらにそこに切れ込みを入れて器用に編んでいく。すると、日本でも見たことがある、編み込みの革ベルトが出来上がっていた。
とはいえ、あくまでも試作なので切り込みを入れた部分の処理やほつれないようにするにはどうするかとか、革によっての耐久性を調べなければわからないが、そこは鎧にもなっちゃうくらい頑丈な革。なので、耐久性は合格なわけで。
あとはほつれなどの問題を解決すればOKとなった。
他にも、ポンチョの提案をしてみた。外套よりは短いけれど、ケープよりも長いサイズで、マントよりは動きやすいと思うんだよね。
特に、新人冒険者の女の子にはいいと思う。
「うしゅいかわにゃら、しゅしょにししゅうをしてもいいとおもうんでしゅ」
「しゅしょ? ああ、裾ね。そうねぇ、オークなら比較的薄い皮だし、蜘蛛の糸ならできるわね」
「女の子だもの、おしゃれはしたいわよね」
「そうよね! 町の中用と、冒険用に分けてもいいんじゃないかしら! アタシが頑張って作るわよ!」
「「てことで、ステラ、デザインよろしくね!」」
「あ、あい!」
キャシーさんとセレスさんの圧が凄い……! 言い出しっぺなので、頑張ってデザインするさ!
そんな話から、トートバッグももうちょっと可愛いデザインが欲しいだの、男性用のマジックバッグも、もっといろんなデザインがあってもいいだのと、私の提案が呼び水になったのか、いろんな意見が出てくる。
なぜかポーションホルダーも欲しいと、バトラーさんとテトさんから意見が出た。
ポーションホルダーとはなんぞやと疑問に思いつつ、彼らの話聞きながら、若干圧がかかったにっこにこ笑顔で紙とペンをセバスさんに渡された私は、ポンチョの基本的な形と二、三点のデザインを起こす。そこに大きく作ればリュックを背負ったまま歩けること、雨を弾く素材なら雨合羽になることも明記しておく。
刺繍についてはまだこの世界の基準がわからないので、そこは丸投げした。
あとは鞄の形も描いてと言われ、日本や海外で見た形を描いていく。マチの幅はもちろんのこと、縦横の長さ、ポケットはどの位置か、リュックも女性や少年少女が背負えるサイズを描いたり、冒険者だけではなく小さなお子さんが背負えるようなものまで描いてみた。
幼児な私でも背負えるようなものだ。
たとえばデフォルメした人気のある魔物や神獣を模したものをリュックにしたりね。これはぬいぐるみを見て、そういえば日本にそんなリュックがあったなあと思い出したからこそ、描いたものだったり。
おかあさんもさ、子どもが背負ってる中にタオルやハンカチ、水筒やお菓子を入れられる鞄があれば楽だと思うんだよね。三歳くらいになれば自分でやってみたい! と言うだろうし。
そうなった時に、これに入れておでかけしましょうと言えば、率先してやってくれる気がする。とはいえ、ここは異世界なので、甥っ子や姪っ子たちがやっていたことがこの世界で通用するかどうかは聞いてみなければ。
そんなことをしているとアルバートさんが帰ってきた。のはいいが、私をほったらかしてセバスさん以外が白熱したように意見を出し合っていたものだから、アルバートさんが唖然とした顔をして目を白黒させてた。
すぐに我に返って大人たちをとめたあと、どうしてそんなことになったのか話を聞いたアルバートさんは、私が描いたデザイン画を眺めて一言。
「腕のいい職人と工房を紹介しようか?」
その言葉に、渡りに船とばかりにセバスさんが頷いた。
そこからは着替えなどを渡されたセバスさんがアルバートさんにお金を払い、やっとのことで晩ご飯。宝石のカットに関しては簡単そうなものを二点ほど描いたところでストップがかかり、残りは明日以降となった。
0
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる