【R18】ハロー!ジャンキーズ

藤原紫音

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第3部

第22話「ユリアが子供を欲しがる顛末」

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 リカ・アルダンの寝室の壁には綺麗な貝殻細工が入った額縁が飾られ、ぼくたちのセックスの振動に細かく揺れる。朝から降り続ける雨の音に、落雷が交じる。

 巨大なベッドの上で、仰向けのぼくをユリアが跨ぎ、エレナがぼくの胸の上で居眠りする。ゆっくりした律動でユリアが上下するたびに、隣で眠るライラの乳房が揺れる。
 隣のベッドでは、裸のルシアとメアが抱き合い、小声で囁きながらキスを交わす。

「ユリアの身体は落ち着くね……」
「落ち着く?」
「飽きないってこと、なんかいセックスしても、いつも初めてみたいな……新鮮なかんじ」
「リオはあたしたちの身体を褒めてくれるね、そういう男を他に知らないよ、女でもそうそういない」
「ユリアもエレナもぼくの身体を愛でてくれるから」
「初めてセックスした日のこと、覚えてる」
「一晩中、してたね」
「ね、リオ、華奢なのにすげー体力だからビビったよ」

 一年前、ルツのキャンプに加わったぼくは、ユリアとエレナの二人の部屋に誘われた。こんな美女が本気でぼくの相手をするとはおもっていなくて、からかわれるのだろうと暗い気持ちで部屋を訪れ、二人はなんの躊躇いもなくぼくと身体を重ねた。
 そのとき、この異世界の女たちが、ぼくのしっている女たちと価値観がまるで違うことを知らされた。元娼婦の二人が特殊というわけではなく、多くの女たちが旺盛な性欲とタガの外れた性道徳で、一見無軌道にセックスしているようにみえた。ぼくが知る貞淑といった社会的な性愛の価値観が薄く、欲望に忠実な快楽主義がまかり通る。ある女は絶対に男と交わらないし、別の女は複数の男を同時に相手にする。自分の性癖を尊重してもらうために、他人の性癖にとやかくいわない。

「生殖鍵ってしってる?」とユリア。
「うん、なんとなく」
「フェオドラたち、ゲリラが生殖制限法を撤廃したら、鍵を返してもらえるんだって」
「そうなの?」
「ゲリラの女、レーナっていうプラチナの派手な女が言ってた。もし鍵が返ってきたら、アタシは……、あーっ、いくっ」

 ユリアが腰をぼくにこすりつけるように前後にスナップする。ベッドが激しく揺れて、居眠りしていたエレナが上体を起こして顔を片手で拭い、ぼくの隣で仰向けになる。
 ユリアが絶頂する。ぼくの陰茎から精を絞り出すように蠕動する。思わず精をぶっ放す。結合からぶちゅっと音がして、ドロドロの体液が噴き出す。ユリアがぼくの胸に崩れて、キスをする。

「鍵が外れたら、避妊しないと、いけないね」とぼくが言う。
「ウフフ、しなくていいよ」
「妊娠しちゃうよ」
「アタシは、リオの子供が欲しいよ」
「ぼくの?」
「エレナも、そう言ってたよ」
「ぼく、子沢山になっちゃうね……」
「抜きたくないなぁ……。ねえ、挿れっぱなしで眠ってもいい?」

 ユリアがぼくの首筋に鼻先を埋め、腰をゆっくり動かしながら呼吸する。ぼくはユリアの背中を抱き、サラサラの髪を撫でる。顔を横に向けて、ユリアとキスをする。
 舌先で触れ合いながら見つめ合うと、ユリアの瞳孔の中にマゼンタのハートマークがモーフィングするのがみえる。
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