【R18】ハロー!ジャンキーズ

藤原紫音

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第3部

第17話「ユリアとエレナが昔語りをする顛末」

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 コクーンビルを出た後、ぼくたちはニムノゴ・ドリナにあるぼくの母校、大政高校校舎を改造したアパート『リカ・アルダン』を訪れる。ホテル並みに高額だけど、受付で金を払えば月単位で部屋を借りられる。
 受付には太ったパーマの中年女性が座っていて、ぼくたちは最上階の北フロアを借り切る。

「清掃員は一日一回、朝方に来るよ。クリーニングはボックスに出して。ベランダならドラッグ吸ってもセックスしても構わないけど、廊下は駄目だよ。ゴミも散らかさないで」と受付の女性が言う。
「いつまで借りられますか?」
「ここ、再来月には取り壊しするから、それ以上は借りられないよ」

 校舎に入ると、ぼくが知っている大政高校の面影はなく、中央のアトリウムは波紋の手摺がついたギャラリーが取り囲み、正面に階段と、左右に構造が露出したエレベータが二機備わっている。アトリウムの天蓋はガラスはすべて取り外され、骨組みだけが残り、雨風が直接吹き込んで廊下を濡らす。

 エレベータで最上階に上がり、北フロアのドアを開ける。グロテスク装飾が施された内装に渦巻き模様の床模様がひろがる広大なエントランスホールを抜けて、リビングとキッチン、書斎、広い寝室にはベッドが備わっている。取り壊しするのは勿体ない。

 ルシアとメアはキッチンで深海カクテルを作る。ぼくとライラたちは服を脱いで広い浴室に入る。浴槽にお湯を溜める間、シャワーを浴びる。
 ガラスにライラが両手を突いて、ぼくは後ろから挿入する。ユリアとエレナが乳首を舐める。十インチのストロークでライラを突くと、ほんの半日セックスしなかっただけで、溜まりに溜まった精液が下腹部でたぷんたぷんと揺れるのを感じる。ぼくはたまらず精液を噴射する。結合からドバッと濁った体液が溢れて、シャワーに流される。

 浴室のガラスをルシアがノックする。メアと一緒に蒼いカクテルグラスを持って手を振る。ふたりとも未成年なのに平気でお酒を飲む。
 メアはぼくたちのセックスをみても狼狽えない。代わりに好奇心に充ちた眼差しをぼくの身体中に注ぐ。その視線に、枯れたはずの羞恥をおもいだす。

 * * *

「あっ、あっ、あっ、あーっ、リオ……またいくっ、あっ、う……」

 仰向けのユリアが滑稽なほどブルブル震えて絶頂する。ぼくもユリアの子宮頸に先端をおしつけて、力を込めて精を噴射する。ドロドロの精液がぶちゅっと溢れて、シーツにボタボタ滴る。エレナとライラがぼくの乳首をくちゃくちゃ舐める。
 三人は有線して、余すことなくすべての快楽を共有する。セックスの濡れた肉の音が、寝室の壁に反響する。

 ルシアとメアが小さな丸テーブルにデリバリーのタコスを並べて食べる。乱交している男女の側で平気で食事を摂る。スパイシーな香りが漂い、ここ最近落ち着いていた食欲が沸き起こる。

「次アタシ、リオ……挿れてぇ、おちんぽ、おまんこに挿れて」

 エレナが仰向けになって、割れ目を自分で開く。ライラが陰茎を握って、エレナにねじ込む。何回も出した精液が結合からドプリと溢れる。
 ユリアが起き上がって、震えながらぼくにキスをする。ぼくの口から舌を掻き出して、自分の口腔に引きずり込み、にゅるにゅると陵辱する。

「リオ……あんた、アタシが知ってる男の中で、やっぱり一番きもちいいよ」
「ユリアは、レダの店で働いていたの?」
「そう……エレナと一緒に」

 ぼくはエレナを抱き起こして仰向けになる。突き上げる。
 ライラとユリアがぼくの乳首を舐める。吸う。転がす。二人の割れ目に指を沈める。二人は手を伸ばしてぼくのお尻を触る。二人の中指がお尻の穴に滑り込む。二人の指が交互に前立腺を抉る。きもちよすぎて、きがくるいそう。

「ぼく、二人のことを全然しらないよ。ずーっと一緒にいて、こんなにたくさん、セックスしてるのに」
「言うほどの出来事もないからねぇ」とユリア。
「レダの店で働く前は、何してたの?」
「学習施設にいたよ。まだリオと同じくらいだった」
「脱走したの?」
「施設の職員の男たちに輪姦されたんだ。アタシたちだけじゃなく、他の子も大勢被害にあってた。ああいう施設は中のことは外に漏れないから、悪いやつがいるとやりたい放題さ。だから、アタシたちは施設に火を点けて、職員を閉じ込めて蒸し焼きにしてやった。そして施設を脱走した」
「それ、すごいエピソードだけど……」

 ユリアがぼくの肩に頭をのせる。
「十七そこらの子供が食べていくには路上で男に身体を売るしかなかったから、ツェムナヤ・ドリナの売春窟で立ちんぼしてたね。そこでレダに拾われたんだ」
「なんだか、つらいことを思い出させちゃったかな?」
「過去は過去さ、過ぎたことは変えられない。だけどレダには感謝してるよ。糞の臭いがする剛毛のオッサンじゃなくて、金持ちの綺麗な身体に抱かれる方がずーっとマシさ。むしろセックスが好きになったくらいだよ。お金も貰えるしね」
「十七の頃から働いてたんだ」
「店に出してもらえたのは十八になってからだよ。今でもそうだけど、未成年をギャラリーに出すのをレダが嫌がるからね。まあそんな感じであの店のお姉さん方とも仲良くやりながら金を稼いで、全身をこのゾッチェのボディに交換したんだ。フェラーレみたいな換式じゃなくて、培式だから一ヶ月はかかったね。最初はじぶんの身体じゃないみたいで、歩くのも大変だった。リオは平気そうだったけど」
「ぼくも歩けなかったよ。ハルトとサチに引きずられて、病院から助け出された」
「ゾッチェのボディに換装するためにウェンディを紹介してくれたのが、レダの店の常連だったサチだよ。アタシたちはまだ市民だったから、サチに睡眠薬の取引を相談したら、ルツのメンバーになるなら安くしとくって言われたよ。それで店を辞めて、ルツに入った」

 ユリアが説明している最中に、エレナが絶頂する。ぼくはエレナを突き上げて陰茎をひくひく痙攣させる。お尻を締めて、ライラとユリアの指を胎内に引き込む。
 エレナが腰を浮かし、ライラと交代する。ライラは後ろ手を突いて、股を開いて腰だけを激しく上下にムチのようにしならせる。ぶじゃっ、びじゃっ、と泡だらけの精液が結合から噴き出す。エレナがぼくの脇腹に舌を滑らせ、ユリアと共にお尻に指をねじ込んで、ぼくの胎内を抉る。

「睡眠薬のために、ルツに入ったの?」
「それもあるけど、その頃、サチってハルトの女じゃなかったんだ。アタシたちをよく指名してくれる客の一人で、サチはアタシたちとヤりたいから誘っただけ。だから、最初の頃はずっとサチの部屋で朝から晩まで愛し合ってた。ハルトに奪われちゃったけどね」
「それは……知らなかった。サチは何も」
「別に恋人じゃなかったし、ハルトの女になったあとも、アタシたちのことを気にかけてくれてたよ。リオをみつけたときも、あたしたちのファックの相手にどう?って言ってくれてさ。お陰でこんなきもちいいちんぽゲットできたし」

 傭兵に襲われてルツのメンバーが大勢殺されても、二人は涙一つ流すこともなかった。ぼくとのファックしか頭になかったユリアとエレナが、サチの墓の前では泣いていたことを思い出す。

「あっ、やっ、いっくぅ……、イクっ、リオ、出してっ」

 ライラが腰を押しつけ、先端が子宮頸にちゅぶりと咥え込まれる。ユリアとエレナの指が前立腺を左右からゴリゴリ刺激する。下腹部が勝手に痙攣して、びじゅううううっ、びじゅっ、びじゅっ、びじゅっ、びじゅっ、と音を立てて精を子宮に注ぎ込む。ぐちゃぐちゃの結合に新たな体液が溢れ、グロテスク装飾の曲線のように形を歪めて肌の上を滑り落ちる。
 ユリアとエレナにも絶頂が伝わり、ぼくたち四人はかすれた悲鳴を絞り出して、ガクッ、ガクッ、と異様なひきつけを起こす。ルシアとメアが快楽の極地を目撃して、心配そうに覗き込む。長い長い浮遊を経て、ライラがぼくの胸に崩れ落ちる。みんな肩で息をする。ぶるぶる震える。

 ライラの子宮が脈動し、膣全体がぼくの陰茎を飲み込むようにヒクヒクと引き攣る。ライラが起き上がり、ユリアとエレナが乳首に吸いつく。
 女たちの甘い匂いと精液の生々しい匂いが混じり合って、バイオユニット特有のセックスの香りを漂わせる。

「ネムとは、愛し合ったことは無いの?」とぼくが訊く。
「あるよ。あの子、ストロベリーヴァギナだったよ。ライラと四人でしばらく楽しんでた」
「ネムって本名じゃないよね?」
 ライラがお尻を前後に揺らす。先端が子宮の中でぐるぐる満遍なく刺激される。
「そう……だよ。ハネムラ、だから、ネム」とライラが言う。

 そのとき不意にメアが立ち上がり、ぼくたちのベッドに近づく。着ているワンピースを脱ぐ。全裸になってベッドに上がる。

「あたしもセックスしていい?」
「メアはまだ子供でしょ」とルシアが言う。
「セックスできるよ」
「したことあるの?」
「ないけど……」

 手を伸ばしてメアの頬に触れる。
 まだ幼い顔立ちだけど、おとなになったら美人になる予感がする。

「もう少し大きくなるのを待って」とぼく。
「もう少しって、どのくらい?」
「あっという間に大きくなるから」
「じゃあ、近くでみててもいい?」
「いいよ」

 ライラが身体を反って両脚を開く。みせつけるように腰を上下させる。ユリアとエレナがぼくの身体を舐める。メアはぼくとライラがつながっている部分を凝視して、ライラと目が合うと柔らかく微笑む。
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