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第3部
第3話「セクターエッジの集落に潜伏する顛末」
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セクターエッジはセクターの居住可能区域の境界線のことだ。
以前フェオドラたちに救われたとき、グルスコエの山中を訪れたけれど、あそこらへんもセクターエッジだ。だけど、そんな未開の地では生活できないから、ぼくたちはラザレフカという北西の集落を潜伏先に選んだ。マップで見る限り、五十年前は所沢だったところだ。
行方不明のハルトのファミリーネームと同じ名前のこの集落は、ロボット工法で増築を繰り返すおぞましい雑居ビルが立ち並ぶ地域で、中心部に住む財力のない低所得層の市民がベッドタウンにしている。
自由民も多く、治安も悪く、様々な人種が入り交じる土地で、学習施設を脱走した未成年の子どもたちが逃げ込む地域でもあり、子供が路上で客引きしたり露店を拡げる姿をみかける。
ぼくは車の運転席でバイザーを上げて、目を細めて夜の集落を眺める。助手席にはライラ、後部座席にユリアとエレナが黒いビキニ状のボディスーツのルシアを挟んで座る。ぼくは黒いタンクトップに腰回りがぴったりしたハーフパンツ、黒いパーカーを羽織る。ライラは黒いビキニパンツにハの字の布が乳房を覆う新しい衣装。ユリアはボディケージのようなハーネススーツ、エレナはチューブトップにローライズのビキニパンツ。
小雨が打ち付ける車窓からみえる集落にも、同じような衣装の女たちが雨の当たらない店の軒先で客待ちしている。ぼくはフェオドラたちゲリラにベツから貰ったアムストラッドのバイザーを没収されたから、代わりにレダに安物のバイザーを貰ったのだけど、暗所の映像は滲むしアプリも少ないし、映像共有なんかガクガクで、ブロックノイズも酷くて使い物にならない。
自動運転の車が雑貨店をみつけて地下の駐車場へ入る。どぎついギャングカラーの車が並んでいるけれど、ルツのメンバーはあんな寒い痛車には乗らない。
車を降りて雑貨店に入る。
一階はバーになっていて、天井からぶら下がる蛍光管が『日本酒』の文字に光り、カウンターにはロン毛で口髭と顎髭がつながった店主の男が丸いサングラスを指で下げて、ハゲのネオナチみたいなタトゥーまみれの客が差し出す指輪をみつめる。都市迷彩パンツを履き、乳首に×印のパッチを貼ったブロンドの女がすれ違いざまにぼくの股間に触れる。青いモヒカンを棘のように尖らせた男はユリシナ正教会の祭服を着て、円卓でカード賭博に興じる。フードの男がネオスポラの草をパイプに詰めて火をつける。カウボーイブーツを履いた店員の女が、ビールのジョッキと一緒にタイレリアのカートリッジをトレーに乗せて運び、壁にかかった複数のサイネージがポルノを垂れ流す。
ツェムナヤ・ドリナのスラム街とおなじ、安っぽい香水と電脳ドラッグの蒸気が充満した貧民窟の空気が身体にまとわりつく。
ライラたちが空いてる席についてカウボーイブーツの女店員に飲み物を注文する。
ぼくだけ席に座らず、壁際の小さなステージの上でノイジーなハードコアバイヴに合わせて踊る美しい少女の姿に釘付けになる。レダの店に置いてきたセイラたちと同い年くらいの幼い黒髪の少女は、切れ長の美しい眼と薄くておおきな唇、キャストドールのような造形が、紗英にそっくりだった。
「リオ、どうしたの? 座りなよ」
ライラに促されて我に返り、椅子に座る。カウボーイブーツの店員が注文を尋ねる。
「あの子は、なんて名前?」とぼくはステージの少女を指差す。
「誰、メアのこと? あの子は売り物じゃないよ」
「どうしてこの店で働いてるの?」
「知らないよ、店長のギリアンに訊きな。なんか飲む? クスリもあるけど」
「ジアルジアとベスノイチアの赤、あとコーヒー」
「ウチ、ベスノイチア置いてないんだ。タイレリアならあるけど」
「タイレリアならいいや」
女店員が有線端子を差し出す。こういう店は先払い。チップを払って決済税を乗せられると、栄養ドリンクとコーヒー一杯で二十クレジットも取られる。決済すると女店員が続ける。
「店の中でファックしたら罰金、口でするのも駄目だよ。誰かとヤりたきゃ上の階に部屋あるから」
「店長ってどこにいる?」
「カウンターのヒゲ男だよ」
そう言ってカウボーイブーツの店員は離れていく。隣に座るライラがぼくの太腿に手を滑らせて、ステージの少女メアを指差す。
「リオ、あんたセイラたちとファックしすぎて、マジでロリコンになっちゃった?」
「いや、違うよ。知ってる子に似てるんだ」
「知ってる子って誰だい?」
「ライラの知ってる子じゃないよ」
「じゃあ誰?」
「その……セフレだった子、五十年前に」
「セフレ?」
「身体だけの関係」
エレナが顔を上げる。足を伸ばしてぼくの股間を触る。
「なにそれ、リオ、あたしが初めての女じゃなかったの?」
「ごめん、言いそびれた。目覚めてからは、エレナが初めてだよ」
「どうりで最初からセックス上手いとおもったよ」
さっきとは別の女店員が飲み物を持ってくる。髪に赤いメッシュを入れた女店員はぼくの前にジアルジアのボトルを置いて覗き込む。「可愛い顔した男だね」と言って微笑む。ユリアとエレナが笑いを堪える。ライラが耳元で囁く。
「ラザレフカはダイバーネットがセクター5の線を使ってるんだ。だからリオのことを知ってる女はいないよ」
「それでここを?」
「ほかはどこ行っても女がリオの存在に気づくだろ。アンタ、セクター4では有名人なんだから」
ぼくはジアルジアを一気飲みして席を立つ。壁のモニタでANP通信がゲリラの支配地域と主な戦闘地域を報道している。去年の感謝祭に始まった紛争のせいで、イスカリオテの抗争は扱いが小さい。カウンターに近づいて、丸いサングラスをかけた口髭の男に声をかける。
「この店にはバイザーは置いてますか?」
「置いてないものはない。上の階だよ」
「人目につかない部屋を借りたいんですが」
「ファックするなら四階と五階、ドラッグなら六階、女を連れ込むなら七階から上だよ」
「今夜だけじゃなくて、ずっと借りることはできますか?」
「ああ、そういう部屋? ウチは不動産じゃねーけど、そうだな、屋上に小屋がある。掃除と片づけをやるんだったら月千クレジットで貸してもいい。水道と電気は通ってる」
「同居人はいない?」
「カラスが巣を作ってるな」
「じゃあとりあえずひと月借ります。ぼくはリオ」
「この店のオーナーのギリアンだ」
そういうとギリアンはぼくと握手する代わりに、有線ケーブルを伸ばす。市民たちは無線決済するけれど、自由民は量子通信できないから有線決済しかしない。最初はスマホ決済よりもアナログな支払いに戸惑ったけれど、今ではすっかり慣れた。
「契約書はないが、決済履歴が契約の証明だ。きたねー小屋だけど壊すなよ」
そう言って、ギリアンは鍵を渡す。いまどき物理鍵なんかあるんだと少し驚く。
「雑貨店には銃も置いてますか?」
「勿論」
「M24Rを探してるんだけど……」
「兄さんそりゃ骨董品だ。後継のM5Rならあるぜ」
「ありがとう、見てみます」
席に戻る。屋上の部屋を借りたことをライラたちに告げる。ルシアが注文したタコスを頬張る。サルサソースがたっぷりかかったチキンタコスの美味そうな匂いに、ぼくたちサイボーグの熱い視線が注がれる。ルシアが皿を腕で囲う。
「なに? あげないよ。なんか食べないの?」
以前フェオドラたちに救われたとき、グルスコエの山中を訪れたけれど、あそこらへんもセクターエッジだ。だけど、そんな未開の地では生活できないから、ぼくたちはラザレフカという北西の集落を潜伏先に選んだ。マップで見る限り、五十年前は所沢だったところだ。
行方不明のハルトのファミリーネームと同じ名前のこの集落は、ロボット工法で増築を繰り返すおぞましい雑居ビルが立ち並ぶ地域で、中心部に住む財力のない低所得層の市民がベッドタウンにしている。
自由民も多く、治安も悪く、様々な人種が入り交じる土地で、学習施設を脱走した未成年の子どもたちが逃げ込む地域でもあり、子供が路上で客引きしたり露店を拡げる姿をみかける。
ぼくは車の運転席でバイザーを上げて、目を細めて夜の集落を眺める。助手席にはライラ、後部座席にユリアとエレナが黒いビキニ状のボディスーツのルシアを挟んで座る。ぼくは黒いタンクトップに腰回りがぴったりしたハーフパンツ、黒いパーカーを羽織る。ライラは黒いビキニパンツにハの字の布が乳房を覆う新しい衣装。ユリアはボディケージのようなハーネススーツ、エレナはチューブトップにローライズのビキニパンツ。
小雨が打ち付ける車窓からみえる集落にも、同じような衣装の女たちが雨の当たらない店の軒先で客待ちしている。ぼくはフェオドラたちゲリラにベツから貰ったアムストラッドのバイザーを没収されたから、代わりにレダに安物のバイザーを貰ったのだけど、暗所の映像は滲むしアプリも少ないし、映像共有なんかガクガクで、ブロックノイズも酷くて使い物にならない。
自動運転の車が雑貨店をみつけて地下の駐車場へ入る。どぎついギャングカラーの車が並んでいるけれど、ルツのメンバーはあんな寒い痛車には乗らない。
車を降りて雑貨店に入る。
一階はバーになっていて、天井からぶら下がる蛍光管が『日本酒』の文字に光り、カウンターにはロン毛で口髭と顎髭がつながった店主の男が丸いサングラスを指で下げて、ハゲのネオナチみたいなタトゥーまみれの客が差し出す指輪をみつめる。都市迷彩パンツを履き、乳首に×印のパッチを貼ったブロンドの女がすれ違いざまにぼくの股間に触れる。青いモヒカンを棘のように尖らせた男はユリシナ正教会の祭服を着て、円卓でカード賭博に興じる。フードの男がネオスポラの草をパイプに詰めて火をつける。カウボーイブーツを履いた店員の女が、ビールのジョッキと一緒にタイレリアのカートリッジをトレーに乗せて運び、壁にかかった複数のサイネージがポルノを垂れ流す。
ツェムナヤ・ドリナのスラム街とおなじ、安っぽい香水と電脳ドラッグの蒸気が充満した貧民窟の空気が身体にまとわりつく。
ライラたちが空いてる席についてカウボーイブーツの女店員に飲み物を注文する。
ぼくだけ席に座らず、壁際の小さなステージの上でノイジーなハードコアバイヴに合わせて踊る美しい少女の姿に釘付けになる。レダの店に置いてきたセイラたちと同い年くらいの幼い黒髪の少女は、切れ長の美しい眼と薄くておおきな唇、キャストドールのような造形が、紗英にそっくりだった。
「リオ、どうしたの? 座りなよ」
ライラに促されて我に返り、椅子に座る。カウボーイブーツの店員が注文を尋ねる。
「あの子は、なんて名前?」とぼくはステージの少女を指差す。
「誰、メアのこと? あの子は売り物じゃないよ」
「どうしてこの店で働いてるの?」
「知らないよ、店長のギリアンに訊きな。なんか飲む? クスリもあるけど」
「ジアルジアとベスノイチアの赤、あとコーヒー」
「ウチ、ベスノイチア置いてないんだ。タイレリアならあるけど」
「タイレリアならいいや」
女店員が有線端子を差し出す。こういう店は先払い。チップを払って決済税を乗せられると、栄養ドリンクとコーヒー一杯で二十クレジットも取られる。決済すると女店員が続ける。
「店の中でファックしたら罰金、口でするのも駄目だよ。誰かとヤりたきゃ上の階に部屋あるから」
「店長ってどこにいる?」
「カウンターのヒゲ男だよ」
そう言ってカウボーイブーツの店員は離れていく。隣に座るライラがぼくの太腿に手を滑らせて、ステージの少女メアを指差す。
「リオ、あんたセイラたちとファックしすぎて、マジでロリコンになっちゃった?」
「いや、違うよ。知ってる子に似てるんだ」
「知ってる子って誰だい?」
「ライラの知ってる子じゃないよ」
「じゃあ誰?」
「その……セフレだった子、五十年前に」
「セフレ?」
「身体だけの関係」
エレナが顔を上げる。足を伸ばしてぼくの股間を触る。
「なにそれ、リオ、あたしが初めての女じゃなかったの?」
「ごめん、言いそびれた。目覚めてからは、エレナが初めてだよ」
「どうりで最初からセックス上手いとおもったよ」
さっきとは別の女店員が飲み物を持ってくる。髪に赤いメッシュを入れた女店員はぼくの前にジアルジアのボトルを置いて覗き込む。「可愛い顔した男だね」と言って微笑む。ユリアとエレナが笑いを堪える。ライラが耳元で囁く。
「ラザレフカはダイバーネットがセクター5の線を使ってるんだ。だからリオのことを知ってる女はいないよ」
「それでここを?」
「ほかはどこ行っても女がリオの存在に気づくだろ。アンタ、セクター4では有名人なんだから」
ぼくはジアルジアを一気飲みして席を立つ。壁のモニタでANP通信がゲリラの支配地域と主な戦闘地域を報道している。去年の感謝祭に始まった紛争のせいで、イスカリオテの抗争は扱いが小さい。カウンターに近づいて、丸いサングラスをかけた口髭の男に声をかける。
「この店にはバイザーは置いてますか?」
「置いてないものはない。上の階だよ」
「人目につかない部屋を借りたいんですが」
「ファックするなら四階と五階、ドラッグなら六階、女を連れ込むなら七階から上だよ」
「今夜だけじゃなくて、ずっと借りることはできますか?」
「ああ、そういう部屋? ウチは不動産じゃねーけど、そうだな、屋上に小屋がある。掃除と片づけをやるんだったら月千クレジットで貸してもいい。水道と電気は通ってる」
「同居人はいない?」
「カラスが巣を作ってるな」
「じゃあとりあえずひと月借ります。ぼくはリオ」
「この店のオーナーのギリアンだ」
そういうとギリアンはぼくと握手する代わりに、有線ケーブルを伸ばす。市民たちは無線決済するけれど、自由民は量子通信できないから有線決済しかしない。最初はスマホ決済よりもアナログな支払いに戸惑ったけれど、今ではすっかり慣れた。
「契約書はないが、決済履歴が契約の証明だ。きたねー小屋だけど壊すなよ」
そう言って、ギリアンは鍵を渡す。いまどき物理鍵なんかあるんだと少し驚く。
「雑貨店には銃も置いてますか?」
「勿論」
「M24Rを探してるんだけど……」
「兄さんそりゃ骨董品だ。後継のM5Rならあるぜ」
「ありがとう、見てみます」
席に戻る。屋上の部屋を借りたことをライラたちに告げる。ルシアが注文したタコスを頬張る。サルサソースがたっぷりかかったチキンタコスの美味そうな匂いに、ぼくたちサイボーグの熱い視線が注がれる。ルシアが皿を腕で囲う。
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