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第2部
第31話「グルスコエに避難する顛末」
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後ろから警察のサイレンが近づく。ライラがバイザーで拡大した映像を共有する。ボリスとヴィクトールが避難連絡坑の扉に消える。ぼくはハンドルを握ってアクセルを踏み込む。バックミラーに追跡してきた警察車両が映る。猛スピードでトンネルを飛び出す。
四号線の正面にたくさんの赤い回転灯がみえる。この先は警察署だ。十字路を左折する。地上を警察車両が追いかけ、空からドローンが迫る。ドローンが無警告で撃ってくる。ピックアップの屋根にあたって、後部座席に貫通する。警察車両二台が交差点で行く手を遮る。
ぼくは反対車線にハンドルを切り、歩道に乗り上げて右斜の道へ走り抜ける。目の前に長い長い橋。そして、その向こうに警察の検問の光がみえる。雨で増水した荒川の濁流がみえる。ここに飛び込めば、九死に一生を得るかもしれない。
アクセルを踏み込んでスピードを上げる。橋の中央を目指す。再びドローンに撃たれ、フロントガラスが砕ける。ダッシュボードのコンパネに穴が開き、エンジンが止まってしまう。慣性で車が進み、欄干にぶつかって停まる。ドローンが高度を下げる。
ぼくはライラと共に車を下りる。警察の装甲車が橋の北と南から迫る。ぼくは上空のドローンに向けて銃を向ける。バイザーに『残弾:空』の表示。ぼくは弾が切れた銃を路上に投げる。欄干を背にして、ぼくはライラの肩を抱く。ライラはぼくの腰に腕を回す。
「ライラ、泳げる?」
「泳げないけど、リオは泳げるの?」
「ぼくも泳げない」
「溺れちゃうじゃない」
「そうだね」
「ほんと、無鉄砲だね」
「ごめんね」
「いいよ、リオ、キスして」
ライラが爪先立ってぼくとキスをする。抱きしめ合う。サイレンと赤色灯がぼくたちを取り囲む。武装警官が走る水音と、無骨な小銃を構える音。リラの花の香りだ。ライラを抱くたびに香る優しい匂いはあの紫の芳香に似ている。武装警官が拡声器でぼくたちに警告する。
突然、強い風と水飛沫が舞い上がり、橋の下からV4攻撃機が浮かび上がる。
ぼくはライラに覆いかぶさってその場に伏せる。V4の二十ミリバルカン四門が一斉に火を噴き、ぼくたちを取り囲む装甲車と武装警察を一瞬で蜂の巣にする。大量の硝煙と空気が焦げる臭いと水蒸気が巻き上がる。V4が横向きに接近し、ハッチが開く。武装したゲリラ兵の間から、ユリアとエレナが手を振る。
「リオ、ライラ、早く乗って!」
ユリアが叫ぶ。ぼくは欄干に上って、タラップに飛び乗る。振り返ってライラに手を伸ばす。ライラは欄干に上って、ぼくに手をのばす。足を滑らせる。
ライラの濡れた身体がふわりと宙を舞って、水飛沫がキラキラと輝き、ぼくは捨て身で細い手首を掴む。滑り落ちそうになるぼくをエレナとゲリラ兵が掴む。引っ張り上げる。ぼくもライラを引き上げる。仰向けに転んだぼくにライラが覆い被さり、すがりつく。
V4が四十ミリを乱射しながら橋から離れる。荒川と隅田川に囲まれたかつての北千住に砲弾の雨が降る。
* * *
デンバーよりずっと先、グルスコエの山中に、フェオドラたちの基地があった。バイザーを取り上げられたから正確な場所はわからないけれど、相模原の山間だ。セクター4の西端でもあり、これより先は居住禁止区域となる。このあたりでさえ、風向きによっては線量が高くなるから、生身で生活するのは難しい。
夜の闇に冷たい雨が降るのを、暖房の効いた部屋の窓から眺める。部屋は青い保安灯だけで、闇夜に光はみえない。暖かいココアを飲む。ライラがぼくに寄り添い、ユリアとエレナが向かいのソファに抱き合って寝そべる。壁際にメイド服を着たレピタが座って眼を閉じる。濡れた身体はまだ乾かない。
「キャンプの他の人達は?」とぼくが訊く。
「ライラに連絡貰って、みんなバラバラに逃げたよ。ジュリエはノリロに行くって。レピタは連れてきたけど、ここじゃ充電できないからサスペンドしてる。他の奴らはどこ行ったかわからない」とユリア。
「どうして西部ゲリラが助けてくれたの」
「お願いしたんだよ」
「お願いしただけ?」
「イスカリオテから奪った大量の睡眠薬と引き換えにね」
「そうなんだ……」
「ハルトが聞いたら激怒するだろうね」
「ありがとう」
「いいのよ、リオはセックスしてくれるから」
ユリアが長い脚を伸ばし、向かいに座るぼくの股間に足指で触れる。ぼくはユリアの素足を撫でて、じぶんの股間に押し付ける。
「いいよ、セックスしよう」
エレナがソファから降りて、ぼくの足元に膝をつく。シャツを捲くりあげて、冷えた陰茎をちゅるりと根元まで飲み込む。エレナの熱に包まれ、先端に力強い鼓動を感じる。エレナはぼくのスキニーパンツを足首まで下ろす。ユリアがぼくの隣に座り直す。ライラがぼくのシャツを脱がせる。
エレナが頭を上下させる。ユリアとライラがぼくの脇腹に舌を這わせ、乳首を舐める。ぼくは両脚を開いて腰を突き出し、両腕をソファの背もたれの後ろに回して胸を張る。三人の女の愛撫を一身に受ける。
「ぼく……ひどい男だよね」
「どうして?」とライラ。
「ハルトとベツが撃たれて、ボリスとヴィクトールは行方がわからないのに、あー、きもちいい」
「生き延びたんだ、セックスくらいいいだろ」
「ぼくばっかり、きもちよくなって……」
ユリアがぼくを跨ぐ。エレナとライラが巨根を支えて、濡れた割れ目がぬちゅるるるっと甘美な感触でぼくを根元まで飲み込み、隙間なく包み込む。無毛の割れ目がぼくの無毛の股間に密着する。ユリアが上下すると、つっちゃつっちゃと粘膜が聞き慣れた音を響かせる。
「リオをきもちよくした分、アタシたちもきもちよくなるから、いいんだよ、気にしなくて」
エレナがそう言ってぼくに舌を絡める。ライラが結合に指を絡めて撫で回し、指をぼくのお尻に沈める。
部屋のドアがスライドして、白いドレスを着たフェオドラが入ってくる。火のついてないネオスポラを咥えて、ぬるぬると絡み合うぼくたちを見下ろす。
「お楽しみ中、邪魔するよ」
「フェオドラ、ボリスとヴィクトールは……」
「まだ見つかってないよ。だけど、警察に拘束された記録はないね」
「ハルトとベツは……」
「そこは期待するなよ」
「死んだの?」
「手配リストから名前が消されたから、捕まったか死んだか……。望みは薄いね」
フェオドラがネオスポラに火をつける。お香のような香りがひろがる。ユリアがか細く喘ぎ、粘膜の濡れた音が切なく響く。
「ウチにあんたらを養う余裕はないんだ」とフェオドラが言う。
「睡眠薬たっぷり貰っておいて?」とユリア。
「お陰でICSや警察も敵に回したのよ。割に合わないわ」
「ぼくたち、行くところが無いです……」とぼくが訴える。
「あんたに会いたいって男がいるんだ」
「男? 誰ですか?」
「東部の金持ちだよ。あんたに恩義があるらしくて、匿って貰える」
「恩義……?」
「会ってみるかい?」
ぼくは無言で頷く。ユリアを突き上げる。腰を持ち上げて、ユリアの胎内に射精する。
四号線の正面にたくさんの赤い回転灯がみえる。この先は警察署だ。十字路を左折する。地上を警察車両が追いかけ、空からドローンが迫る。ドローンが無警告で撃ってくる。ピックアップの屋根にあたって、後部座席に貫通する。警察車両二台が交差点で行く手を遮る。
ぼくは反対車線にハンドルを切り、歩道に乗り上げて右斜の道へ走り抜ける。目の前に長い長い橋。そして、その向こうに警察の検問の光がみえる。雨で増水した荒川の濁流がみえる。ここに飛び込めば、九死に一生を得るかもしれない。
アクセルを踏み込んでスピードを上げる。橋の中央を目指す。再びドローンに撃たれ、フロントガラスが砕ける。ダッシュボードのコンパネに穴が開き、エンジンが止まってしまう。慣性で車が進み、欄干にぶつかって停まる。ドローンが高度を下げる。
ぼくはライラと共に車を下りる。警察の装甲車が橋の北と南から迫る。ぼくは上空のドローンに向けて銃を向ける。バイザーに『残弾:空』の表示。ぼくは弾が切れた銃を路上に投げる。欄干を背にして、ぼくはライラの肩を抱く。ライラはぼくの腰に腕を回す。
「ライラ、泳げる?」
「泳げないけど、リオは泳げるの?」
「ぼくも泳げない」
「溺れちゃうじゃない」
「そうだね」
「ほんと、無鉄砲だね」
「ごめんね」
「いいよ、リオ、キスして」
ライラが爪先立ってぼくとキスをする。抱きしめ合う。サイレンと赤色灯がぼくたちを取り囲む。武装警官が走る水音と、無骨な小銃を構える音。リラの花の香りだ。ライラを抱くたびに香る優しい匂いはあの紫の芳香に似ている。武装警官が拡声器でぼくたちに警告する。
突然、強い風と水飛沫が舞い上がり、橋の下からV4攻撃機が浮かび上がる。
ぼくはライラに覆いかぶさってその場に伏せる。V4の二十ミリバルカン四門が一斉に火を噴き、ぼくたちを取り囲む装甲車と武装警察を一瞬で蜂の巣にする。大量の硝煙と空気が焦げる臭いと水蒸気が巻き上がる。V4が横向きに接近し、ハッチが開く。武装したゲリラ兵の間から、ユリアとエレナが手を振る。
「リオ、ライラ、早く乗って!」
ユリアが叫ぶ。ぼくは欄干に上って、タラップに飛び乗る。振り返ってライラに手を伸ばす。ライラは欄干に上って、ぼくに手をのばす。足を滑らせる。
ライラの濡れた身体がふわりと宙を舞って、水飛沫がキラキラと輝き、ぼくは捨て身で細い手首を掴む。滑り落ちそうになるぼくをエレナとゲリラ兵が掴む。引っ張り上げる。ぼくもライラを引き上げる。仰向けに転んだぼくにライラが覆い被さり、すがりつく。
V4が四十ミリを乱射しながら橋から離れる。荒川と隅田川に囲まれたかつての北千住に砲弾の雨が降る。
* * *
デンバーよりずっと先、グルスコエの山中に、フェオドラたちの基地があった。バイザーを取り上げられたから正確な場所はわからないけれど、相模原の山間だ。セクター4の西端でもあり、これより先は居住禁止区域となる。このあたりでさえ、風向きによっては線量が高くなるから、生身で生活するのは難しい。
夜の闇に冷たい雨が降るのを、暖房の効いた部屋の窓から眺める。部屋は青い保安灯だけで、闇夜に光はみえない。暖かいココアを飲む。ライラがぼくに寄り添い、ユリアとエレナが向かいのソファに抱き合って寝そべる。壁際にメイド服を着たレピタが座って眼を閉じる。濡れた身体はまだ乾かない。
「キャンプの他の人達は?」とぼくが訊く。
「ライラに連絡貰って、みんなバラバラに逃げたよ。ジュリエはノリロに行くって。レピタは連れてきたけど、ここじゃ充電できないからサスペンドしてる。他の奴らはどこ行ったかわからない」とユリア。
「どうして西部ゲリラが助けてくれたの」
「お願いしたんだよ」
「お願いしただけ?」
「イスカリオテから奪った大量の睡眠薬と引き換えにね」
「そうなんだ……」
「ハルトが聞いたら激怒するだろうね」
「ありがとう」
「いいのよ、リオはセックスしてくれるから」
ユリアが長い脚を伸ばし、向かいに座るぼくの股間に足指で触れる。ぼくはユリアの素足を撫でて、じぶんの股間に押し付ける。
「いいよ、セックスしよう」
エレナがソファから降りて、ぼくの足元に膝をつく。シャツを捲くりあげて、冷えた陰茎をちゅるりと根元まで飲み込む。エレナの熱に包まれ、先端に力強い鼓動を感じる。エレナはぼくのスキニーパンツを足首まで下ろす。ユリアがぼくの隣に座り直す。ライラがぼくのシャツを脱がせる。
エレナが頭を上下させる。ユリアとライラがぼくの脇腹に舌を這わせ、乳首を舐める。ぼくは両脚を開いて腰を突き出し、両腕をソファの背もたれの後ろに回して胸を張る。三人の女の愛撫を一身に受ける。
「ぼく……ひどい男だよね」
「どうして?」とライラ。
「ハルトとベツが撃たれて、ボリスとヴィクトールは行方がわからないのに、あー、きもちいい」
「生き延びたんだ、セックスくらいいいだろ」
「ぼくばっかり、きもちよくなって……」
ユリアがぼくを跨ぐ。エレナとライラが巨根を支えて、濡れた割れ目がぬちゅるるるっと甘美な感触でぼくを根元まで飲み込み、隙間なく包み込む。無毛の割れ目がぼくの無毛の股間に密着する。ユリアが上下すると、つっちゃつっちゃと粘膜が聞き慣れた音を響かせる。
「リオをきもちよくした分、アタシたちもきもちよくなるから、いいんだよ、気にしなくて」
エレナがそう言ってぼくに舌を絡める。ライラが結合に指を絡めて撫で回し、指をぼくのお尻に沈める。
部屋のドアがスライドして、白いドレスを着たフェオドラが入ってくる。火のついてないネオスポラを咥えて、ぬるぬると絡み合うぼくたちを見下ろす。
「お楽しみ中、邪魔するよ」
「フェオドラ、ボリスとヴィクトールは……」
「まだ見つかってないよ。だけど、警察に拘束された記録はないね」
「ハルトとベツは……」
「そこは期待するなよ」
「死んだの?」
「手配リストから名前が消されたから、捕まったか死んだか……。望みは薄いね」
フェオドラがネオスポラに火をつける。お香のような香りがひろがる。ユリアがか細く喘ぎ、粘膜の濡れた音が切なく響く。
「ウチにあんたらを養う余裕はないんだ」とフェオドラが言う。
「睡眠薬たっぷり貰っておいて?」とユリア。
「お陰でICSや警察も敵に回したのよ。割に合わないわ」
「ぼくたち、行くところが無いです……」とぼくが訴える。
「あんたに会いたいって男がいるんだ」
「男? 誰ですか?」
「東部の金持ちだよ。あんたに恩義があるらしくて、匿って貰える」
「恩義……?」
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