【R18】ハロー!ジャンキーズ

藤原紫音

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第2部

第29話「ラックレスの悲劇的な混乱から脱出する顛末」

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 ブルネットの女がぼくを強引に引き寄せて、すぐ後ろのソファーブースに連れ込む。
「アタシはヴェヌリ、この子はリリア。リリアは十六歳で、生身の身体だよ」とブルネットの女が言う。
 二人の女がぼくのスキニーパンツのホックを外し、シャツを捲くりあげて反り返った陰茎を顕にする。ブルネットのヴェヌリがぼくの乳首を舐める。ラベンダーのリリアがぼくの陰茎をちゅるりと三分の一を飲み込み、ぼくのお尻に指を挿れる。ラベンダーの髪が上下にふわふわと揺れ、得も言われぬ快感に包まれる。

「はぁーっ、きもちいい……」
 こんなときなのに、身体が正直過ぎる。
「じゅるるっ、んむ……ちゅる、はぁ、はぁ、デカイだけと思ったら、甘いし、すごい滑らか」
 リリアが言う。ヴェヌリが交代して、ぼくを飲み込む。扁桃腺を通過し、食道をにゅるるるっと掻き分ける。お尻に沈んだ指先で精嚢を直に抉られ、ヴェヌリの喉にぶじゅるるっと精液が漏れる。知らない女に犯されるのは何度か経験してるけど、いつもどうしていいかわからない。
「じゅぱっ、はぁーっ……リオ、オンラインより濃ゆいね、エロい味がするよ……」

 ヴェヌリがぼくを跨ぐ。黒いボディスーツは乳房と股間を露出していて、なめらかな割れ目に先端が沈み、ぐにゅるるるっとヴェヌリの新鮮な膣圧がぼくを根元まで包み込む。リリアがぼくにキスをする。ぼくは下からヴェヌリを突き上げ、リリアと舌を絡め合う。

「あっ、あっ、あっ、すご……、あっ、いっ、リオ、いいっ、きもち、いっ、あっ」

 ヴェヌリを突き上げている最中に、目の前の通路をアーメッドが通過する。ステージを迂回して、VIPルームへ向かう。ぼくは焦ってヴェヌリを滅多突きにする。豊満な乳房が上下に揺れる。リリアがぼくの乳首を抉るように舌で刺激する。ぼくも手を伸ばして、リリアの乳首を摘む。

 ステージに別のダンサーが現れ、ダークエレクトロニカの不穏なノイズビートに合わせて、青く発光するポールを掴んだブロンドの女が重力を無視して螺旋に舞う。目の前の丸椅子にレザースーツの男女が座って、煙管を回し飲みする。隣のブースでは男同士でファックしていて、薄いカーテンが激しく揺れる。

 ヴェヌリが腰を浮かしてぼくを引き抜き、リリアと交代する。つるつるの割れ目に濡れた陰茎がみちみちみちとゆっくり沈み、陰茎の半分を包んで底を突く。生身とバイオユニットに違いなんてほとんどないけれど、十一インチの長大な陰茎を根元まで包めるのは人工組織だけだ。生身のヴァギナは生身であることに価値がある。

「あっ、あっ、あっ、おっきい……硬い、はーっ、こんなデカくて、あっ、あっ、硬いチンポ……初めて」とリリアが甘い声で訴える。
「どうだいリオ、生身の十六歳は?」
「エロい匂いだね、舐めたくなる」
「わかってるじゃない、天然物はこの匂いがいいんだ」

 そう言ってヴェヌリがリリアから陰茎を引き抜いて、ちゅるりと根元まで飲み込む。ぐぶちゃっ、ぐぶちゃっ、ぐぶちゃっ、とものすごい音を立てて愛撫する。再びリリアの生ヴァギナにねじ込む。リリアが音楽に合わせてお尻をスナップさせる。硬くなった子宮頚が先っぽにぶつかるたび、リリアが子供っぽい声で喘ぐ。ここの女たちは十歳くらいでみんなオンラインセックスを経験するから、未成年でも、処女でさえ最初からセックスが巧いし、性的倫理が欠けている。

「リオ、アンタ普段なにしてるの? 脱走したの? 学習施設」とヴェヌリが訊く。
「どう……して?」
「ダイバーネットで噂になってるよ。ドラッグカルテルに囲われて、女たちを調教してるとか、性奴隷にされてるとか、金持ちの息子が道楽で娼婦たちと乱交してるとか」
「金持ちじゃ、ないなぁ」
「そうかい? アンタのバイザーは高級品みたいだけど」
「そうなの? 貰い物だけど」
「アムストラッドのレイヤードモデルだよ、貰ったの?」
「うん、もらっ……」

 けたたましくガラスの割れる音がして、VIPルームから人が降ってくる。ガラスが降り注ぎ、人の体がステージに仰向けに叩きつけられる。
 あの義眼のアーメッドだった。頭を撃ち抜かれ、黒い血液を明るいステージにぶちまける。

 ダンスホール中央から悲鳴が上がり、銃声が響き、人垣が出口へ殺到する。ヴェヌリが床を這って逃げる。リリアはぼくにしがみつき、ぼくはリリアを抱きしめて突き続ける。

「あっ、あっ、あっ、ひっ、りっ……リオ、やばいよ、逃げ……あっ」
「待って、イキそう」
「だめ……あっ、あっ、あっ」

 ぼくはリリアの胎内に盛大に精を噴射する。突然の横溢おういつにリリアも全身を硬直させて絶頂する。舌を絡め合う。銃撃戦の乱射音が場内を飛び交う。壁に銃弾があたって粉塵が飛び散る。流れ弾にあたった客が転倒する。女性の絶叫が響く。リリアが腰を浮かして陰茎を引き抜く。ぼくの足の間に這いつくばって、濡れた陰茎を舐める。ぼくは上半身を起こす。

「きもちよかった」
「リオくん、肝っ玉座ってるね」

 足首まで下ろされたスキニーパンツを履いて、ぼくはリリアの肩を抱き、カーテンの影に隠れる。もうステージ周辺にはほとんど人がいなくて、バーカウンターから出口に向けて大勢が我先に逃げ出そうと大渋滞を起こして身動きが取れなくなっている。店のセキュリティが階段付近で撃ち合いを始める。階段の上に向けて、サブマシンガンと散弾銃を撃ち、薬莢を撒き散らす金属音と硝煙の臭いが立ち込める。

 ぼくはリリアの肩を抱いて、従業員階段から上階へ上る。二階のギャラリーには流れ弾にあたった不運な客の死体が折り重なる。更に上に駆け上がる。屋上への扉を開ける。冷たい雨が頬を打つ。リリアと共に錆びた外階段を降りる。混乱の表通りには警察車両が到着していた。

「リリア、この人混みに紛れて逃げて。一人にはならないで」
 ぼくが言うと、リリアはぼくの腰に腕を回す。
「ねえ、また会える?」
「会えるよ、リリアが望むなら」
 リリアが爪先立って、ぼくとキスをする。
「通信ID送るね」
 そう言って手を振り、未成年の少女は人の流れに消える。

 * * *

 ぼくは野次馬に混ざってラックレスの入り口をバイザーで拡大する。遅れて出てきた客や店員、セキュリティの男たちは、重武装の警官に銃を突きつけられて拘束される。この店は地下なんかの便利な逃走ルートが無い。打ち合わせでは客に紛れて逃げるはずだった。

「リオ、これじゃ車で入れないよ」とライラから音声通信が届く。
「ハルトたちはまだ出てきていない」
「なにしてんの?」
「待って、出てきた」

 正面のエントランスからハルトとベツが両手を上げて、丸腰で出てくる。警官隊が銃を向ける。二人はゆっくり階段を下りる。雨が強くなる。赤い回転灯の光が水たまりに反射する。

 ドン。

 大きな射撃音が響き、背後からベツが撃たれてうつ伏せに倒れる。ハルトが振り返る。エントランスのガラスドアの前に、赤毛の女が大口径の散弾銃を腰だめに構える。撃つ。ハルトの身体が吹き飛んで、仰向けに倒れる。警官が女に向けて一斉射する。硝煙と水飛沫と破片がエントランス周辺を覆う。何も聞こえない。

「ボリスは拾ったけど、ICSが警察と連携したから追跡されるよ。ハルトたちはまだ?」とライラが言う。
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