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第2部
第19話「電脳ドラッグでぶっ飛んだ夜を過ごす顛末」
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食事のあと、ぼくたちはもらったアンプルを持って部屋に戻る。ぼくはすぐにトイレに籠る。
普通の食事を摂ったとき、自分が生身の体でなくなったことを強く実感する。ジアルジアのようなバイオユニット専用食でなければ、食べたものは全く消化されずにすぐ全部出てくる。下痢をしたような感覚で、力が抜ける。
トイレから出て、荷物からボトルを取り出して固形のジアルジアを溶かす。大量に飲む。西部ゲリラの女子宿舎でもかなり飲んだけれど、たくさん出したから飲み足りない。目の前でサチが裸になる。
「教会なんて聞いてないわ、ヴィクトールが聞いたらきっと激怒するだろうね」
「デンバーの方がいいんですか?」
「エンライの近くは公安が多いのよ。行きも帰りも大変だわ」
サチはシャワーを浴びに行く。スイートルームの浴室は半円形のガラスで仕切られた空間で、大きな浴槽がある。サチはガラスに両手をついてシャワーを浴びる。ソフトモヒカンの短い髪が濡れると、美しい少年のような顔立ちになる。
ベッドの上に無造作に投げられたクセノフィオフィラのアンプルが二本。一本は使用済み。
自分の首筋に触れると、左右に三つずつ並んだ有線端子の間に、電脳薬用の端子があった。ぼくはアンプルを取って、尖った先端を首筋に押し付ける。ビタミン点滴のときのような、冷たい液体が血中に取り込まれる感覚があった。慌てて引き抜く。
使い方の確認だけで、実際に使う気はなかったのに。
リザリアのような即効性はない。クーペリアのような火照りの前触れもない。なにも感じない。もしかして外れかもしれない。ふとシャワー室を振り返ると、サチが床に這いつくばる。
「サチ、大丈夫?」
声をかけるけど聞こえていない。ぼくは服を着たままシャワー室に入る。シャワーをとめる。四つん這いのサチの肩に触れると、あられもない声をあげる。肩を抱えてシャワー室を出る。濡れたままのサチをベッドに寝かせる。
サチがぼくのシャツの襟を掴んで引き寄せる。ぼくの唇を舐める。舌を絡ませて引きずり出し、自分の唇に吸い込む。サチの舌のピアスがぼくの舌をくすぐる。
「リオ、やばいよこれ、使わないほうがいいかも」
「どうして?」
「こんな効くなんて」
「ぼくも使っちゃった」
「リオ、挿れて、とにかく挿れて」
サチがぼくのシャツを引き裂く。ベルトを外す。ぼくは服を脱ぎ捨てる。サチが両脚を限界まで開く。
陰茎の先端をびしょ濡れの割れ目にあてがうと、サチが両脚を巻きつけて、ぎゅっと引き寄せる。長大な陰茎がみちゅるるるっと一気に根元まで飲み込まれる。
突如、ずーんと腹に衝撃が轟き、全身の毛穴が開いてみるみる性欲が満ちていく。サチを突き下ろすと、いつもの一突き一突きが、慄きのように波打つ快感となって強く広く大きく響く。肌が敏感になって、サチが乳首を摘むだけで肩がびくびく跳ね上がる。
ぼくはサチの両膝の裏に腕を差し込んで、太腿を抱え込んで大きくストロークする。ぶちゃっぶちゃっぶちゃっと粘膜が響き、ぼくとサチは同じリズムで喘ぎ声をあげる。クーペリアより遥かにきもちいい。
「これ、やばいよ、サチ、あーっ、きもちいい」
「リオ、見て、あたしを見つめて、見つめたまま、突いて」
「サチ、どうしよう、こんなに……きもちいいなんて」
「ハルトには、あっあっあっ、内緒……だよ」
「ふたりだけの、秘密だね」
「そう、最後の秘密。墓まで、もっていって」
「最後の?」
「今夜が、あたしと、リオの、最後の、セッ……あっ、いくっ、ぐっ、リオ、やめないで」
サチが絶頂して、子宮頸の周囲がぎゅっと引き締まる。サチの眼から涙が溢れて、こめかみを伝う。ぼくも涙目でサチをみつめて、絶頂するサチの膣を突き続ける。
サチが有線ケーブルを引き出して、ぼくに接続する。
いつも男女でシンクロしてもそれほどきもちよくないのだけど、つないだ瞬間、絶頂するサチの女が流れ込んで、ぼくはぼくであり、かつサチになる。自分の陰茎が自分の膣に沈んで、子宮を突き上げる衝撃が鼓動のように胎内に響く。
「すごいだろ、このクスリ、男女でシンクロできちゃうんだ」
「サチ、ぼくたち、ひとつになってる」
「そうだよ、あたし、ハルトとだって、こんなにフィットしたことないのに……」
「これが、最後なの?」
「そうさ、お別れだよ」
「どうして? こんなに、きもちいいのに」
「これ以上ヤったら、好きになっちまうだろ、リオのこと」
「好きになっていいよ」
「アタシは、ハルトを裏切れない」
「裏切らなくていいよ、ぼくは……嫉妬しないから」
「嘘はつけないよ。アンタを好きになったら、ハルトを愛し続けられないだろ」
「ぼくは、サチのことが好きだよ」
「リオ、やめな、ハルトに殺されるよ」
「サチが好きだよ」
「じゃあ、一緒に死ぬかい?」
「いいよ、一緒に死のう」
「だめだよ、アタシは死にたくない」
「じゃあ、一緒に、逃げよう」
「どこへ?」
「どこへでも……サチ、好きだ」
「リオ、だめ……」
「愛してる」
「だめっ、リオっ……イクっ」
サチがまた絶頂する。ぼくはサチの子宮頸に先端を押し付けて、びじゅうううっと大量に射精する。サチは大きな眼を見開いたまま、ぼくを引き寄せて、舌を絡ませる。びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ、と脈動しながら結合から精液が噴き出し、シーツを濡らす。
サチがぼくの背中に爪を立てる。抱きしめる。頭の芯にじんじんと快楽が染み渡る。
普通の食事を摂ったとき、自分が生身の体でなくなったことを強く実感する。ジアルジアのようなバイオユニット専用食でなければ、食べたものは全く消化されずにすぐ全部出てくる。下痢をしたような感覚で、力が抜ける。
トイレから出て、荷物からボトルを取り出して固形のジアルジアを溶かす。大量に飲む。西部ゲリラの女子宿舎でもかなり飲んだけれど、たくさん出したから飲み足りない。目の前でサチが裸になる。
「教会なんて聞いてないわ、ヴィクトールが聞いたらきっと激怒するだろうね」
「デンバーの方がいいんですか?」
「エンライの近くは公安が多いのよ。行きも帰りも大変だわ」
サチはシャワーを浴びに行く。スイートルームの浴室は半円形のガラスで仕切られた空間で、大きな浴槽がある。サチはガラスに両手をついてシャワーを浴びる。ソフトモヒカンの短い髪が濡れると、美しい少年のような顔立ちになる。
ベッドの上に無造作に投げられたクセノフィオフィラのアンプルが二本。一本は使用済み。
自分の首筋に触れると、左右に三つずつ並んだ有線端子の間に、電脳薬用の端子があった。ぼくはアンプルを取って、尖った先端を首筋に押し付ける。ビタミン点滴のときのような、冷たい液体が血中に取り込まれる感覚があった。慌てて引き抜く。
使い方の確認だけで、実際に使う気はなかったのに。
リザリアのような即効性はない。クーペリアのような火照りの前触れもない。なにも感じない。もしかして外れかもしれない。ふとシャワー室を振り返ると、サチが床に這いつくばる。
「サチ、大丈夫?」
声をかけるけど聞こえていない。ぼくは服を着たままシャワー室に入る。シャワーをとめる。四つん這いのサチの肩に触れると、あられもない声をあげる。肩を抱えてシャワー室を出る。濡れたままのサチをベッドに寝かせる。
サチがぼくのシャツの襟を掴んで引き寄せる。ぼくの唇を舐める。舌を絡ませて引きずり出し、自分の唇に吸い込む。サチの舌のピアスがぼくの舌をくすぐる。
「リオ、やばいよこれ、使わないほうがいいかも」
「どうして?」
「こんな効くなんて」
「ぼくも使っちゃった」
「リオ、挿れて、とにかく挿れて」
サチがぼくのシャツを引き裂く。ベルトを外す。ぼくは服を脱ぎ捨てる。サチが両脚を限界まで開く。
陰茎の先端をびしょ濡れの割れ目にあてがうと、サチが両脚を巻きつけて、ぎゅっと引き寄せる。長大な陰茎がみちゅるるるっと一気に根元まで飲み込まれる。
突如、ずーんと腹に衝撃が轟き、全身の毛穴が開いてみるみる性欲が満ちていく。サチを突き下ろすと、いつもの一突き一突きが、慄きのように波打つ快感となって強く広く大きく響く。肌が敏感になって、サチが乳首を摘むだけで肩がびくびく跳ね上がる。
ぼくはサチの両膝の裏に腕を差し込んで、太腿を抱え込んで大きくストロークする。ぶちゃっぶちゃっぶちゃっと粘膜が響き、ぼくとサチは同じリズムで喘ぎ声をあげる。クーペリアより遥かにきもちいい。
「これ、やばいよ、サチ、あーっ、きもちいい」
「リオ、見て、あたしを見つめて、見つめたまま、突いて」
「サチ、どうしよう、こんなに……きもちいいなんて」
「ハルトには、あっあっあっ、内緒……だよ」
「ふたりだけの、秘密だね」
「そう、最後の秘密。墓まで、もっていって」
「最後の?」
「今夜が、あたしと、リオの、最後の、セッ……あっ、いくっ、ぐっ、リオ、やめないで」
サチが絶頂して、子宮頸の周囲がぎゅっと引き締まる。サチの眼から涙が溢れて、こめかみを伝う。ぼくも涙目でサチをみつめて、絶頂するサチの膣を突き続ける。
サチが有線ケーブルを引き出して、ぼくに接続する。
いつも男女でシンクロしてもそれほどきもちよくないのだけど、つないだ瞬間、絶頂するサチの女が流れ込んで、ぼくはぼくであり、かつサチになる。自分の陰茎が自分の膣に沈んで、子宮を突き上げる衝撃が鼓動のように胎内に響く。
「すごいだろ、このクスリ、男女でシンクロできちゃうんだ」
「サチ、ぼくたち、ひとつになってる」
「そうだよ、あたし、ハルトとだって、こんなにフィットしたことないのに……」
「これが、最後なの?」
「そうさ、お別れだよ」
「どうして? こんなに、きもちいいのに」
「これ以上ヤったら、好きになっちまうだろ、リオのこと」
「好きになっていいよ」
「アタシは、ハルトを裏切れない」
「裏切らなくていいよ、ぼくは……嫉妬しないから」
「嘘はつけないよ。アンタを好きになったら、ハルトを愛し続けられないだろ」
「ぼくは、サチのことが好きだよ」
「リオ、やめな、ハルトに殺されるよ」
「サチが好きだよ」
「じゃあ、一緒に死ぬかい?」
「いいよ、一緒に死のう」
「だめだよ、アタシは死にたくない」
「じゃあ、一緒に、逃げよう」
「どこへ?」
「どこへでも……サチ、好きだ」
「リオ、だめ……」
「愛してる」
「だめっ、リオっ……イクっ」
サチがまた絶頂する。ぼくはサチの子宮頸に先端を押し付けて、びじゅうううっと大量に射精する。サチは大きな眼を見開いたまま、ぼくを引き寄せて、舌を絡ませる。びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ、と脈動しながら結合から精液が噴き出し、シーツを濡らす。
サチがぼくの背中に爪を立てる。抱きしめる。頭の芯にじんじんと快楽が染み渡る。
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