【R18】ハロー!ジャンキーズ

藤原紫音

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第2部

第14話「ゲリラの女たちに嫐られる顛末」

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 デンバーから車で十五分圏内の西部ゲリラの秘密キャンプは、緑に覆われた掩蔽壕えんたいごうと廃墟のような外観の建物で構成されていた。日が落ちると雪が振り始め、窓からみえる漆黒の夜景に雪が舞うのがみえる。

 ぼくは一人だけゲリラの女達の宿舎に連行されて、飢えた女達の中に取り残された。
 サチやライラとも引き離され、黒いショートパンツにタンクトップを着て、腕に鷹のタトゥーを掘ったアマゾネスみたいな戦士たちに取り囲まれる。こういう女たちはボリスの担当だ、ぼくじゃない。

「あんた、リオだろ?」

 街中で見知らぬ女にみつめられたとき、第一声は決まってこのセリフだ。
 銃を振り回して治安維持部隊の男のペニスをマチェーテで斬り落とすこの女戦士たちも、オンラインでぼくとファックしたのだ。どこにも逃げ場がない、サチもライラも助けてくれない。

「どうして、ぼくのことを知ってるの?」
「アンタの女のユリアとエレナが、毎晩セックスをキャストしてくれるじゃん。リオはオンラインセックス界隈では有名だよ」

 緑の髪のサイドを刈り上げて、長い髪を反対側に垂らした鼻ピアスの女がぼくに絡みつく。果物を丸かじりするプラチナのショートヘアの女がぼくを背中から抱く。どちらもよく知らないタイプの肉食獣みたいな女。
 プラチナヘアの女がぼくのスキニーパンツのホックを外し、鼻ピアスの女がひざまずいて、ぼくの陰茎をシャツから引きずり出す。先端を舌先でぬるぬる舐める。ちゅるりと飲み込む。軽く歯が当たる。舌を巻きつけて、ちゃっこちゃっこと卑猥な音が響く。プラチナヘアの女がシャツの上からぼくの乳首を爪弾く。周りの女達が床に直接敷かれた分厚いマットレスに腰掛けて、ぼくたちを鑑賞する。

「じゅるるるっ、んはぁ。すげえ、マジで甘いんだな。しゃぶってるだけで濡れてきちゃうよ」
「マリア、やっちゃおうよ」とプラチナの女が怖い台詞を吐く。

 ぼくは足元のマットレスに寝かされ、シャツも脱がされて全裸になる。マリアがショートパンツを脱ぎ捨て、ぼくを跨いで、プラチナの女が根元を支える。
 つるつるの割れ目に、みちみちみちっと巨根が沈む。三分の二で限界に達する。すごい膣圧に声が漏れる。

「どうだいマリア、フェラーレの男は?」プラチナの女が訊く。
「熱い、かったい、はーっ……あん、あっ、あっあっあっ」
「すげえ、間近でみると太いね」
「レーナも舐めてもらいなよ」

 レーナと呼ばれたプラチナの女がぼくの顔を跨ぐ。白い陰唇を指で開く。桜色の粘膜に吸い付くと、ほろ苦い生の女の味がする。陰核を吸い出して、口の中で転がすように刺激する。唾液がどんどん出てくる。
 ふたりとも生身の女だ。マリアとレーナはタンクトップを脱いで全裸になる。ぼくはマリアの乳房を両手で包み、下から積極的に突き上げる。

「その子、どうしたんだい? 勝手にやってもいいの?」

 見物している女が訊く。レーナがぼくの乳首を摘みながら答える。

「フェオドラからの差し入れだよ、好きに犯していいんだって」

 そう聞いて、女二人が近づき、服を脱ぎ始める。マットレスに肘をついて、ぼくの脇腹に舌を這わせる。レーナが腰を浮かして、ぼくと上下逆さでキスをする。
 見物してる女たちが数人集まって、裸になってマリアと有線する。汗と唾液と愛液の生々しい臭気と、天然の肌と粘膜の柔らかさに包み込まれ、動物的な性欲がからだの隅々まで満ちる。

 八人の女がぼくの周囲に群がり、あと十人くらいの女たちはぼくを見物したり、煙草を吸ったり、二台あるシャワーボックスでシャワーを浴びたり、懸垂器具で筋トレしたり、みんな好きなように過ごす。
 どの女も身体が引き締まっていて、腕も脚も長くて、ぼくを跨ぐマリアはぼくよりわずかに背が高い。天然の膣はぼくの十一インチの巨根を根元まで包めないけれど、予測不能な圧迫と刺激を与えてくれる。

 マリアがぐんぐん上り詰めて、お尻を大きく上下にスナップする。そのリズムに合わせて、ぼくもマリアを下から突き上げる。乳首に吸い付く女たちの頭を抱えて、マリアが絶頂する。ぼくもマリアに勢いよくぶっ放す。
 大量の精液を受け止める隙間のない生の膣は、出した分だけ全部逆流して結合からドバっと噴き出す。女達が股間に群がって、じゅるじゅる下品な音を立てて精液を啜る。

「次、アタシだよ」

 レーナが言うと、マリアが震えながら腰を浮かす。レーナは後ろ向きにつながる。
 ブルネットの髪の女と、ブロンドのロングヘアが、上目遣いでぼくの乳首をぬるぬる舐めて、胸を張って肩を震わせるぼくの反応を楽しむ。脇腹を舐める女たちが、こんどはレーナに有線する。

「電脳セックスって、羨ましい」とぼくが呟く。
「リオは、同期したことないのかい?」とブルネットの女が訊き、ぼくの唇を舐める。
「女と同期しても、モヤッとしてるから」
「ハハ、そりゃそうだ、オマンコねーんだから。男数人で女を輪姦まわすときとかに、チンポどうしで同期するんだよ。ゲイになっちまうかもしんねーけど」
「しってる、シンクロ症でしょ」
「そう、それ。リオはネットに感覚キャストしないの?」
「やったことないんだ……。自分のセックスを、誰かしらない男に体験されるって、なんか怖くって」
「怖い? なんで?」
「なんとなく」

 セックス中に有線で同期すると、同性同士で恋愛感情が生まれることをシンクロ症と言うらしい。この時代にゲイが多いのはそのせいだと思っているけど、女はバイセクシャルばかりだから説明がつかない。
 オンラインセックスで自分自身を配信することは何度か考えたけど、やり方もよくわかんないし、怖くてやったことがない。

 レーナが絶頂して、ぼくの上で仰向けに仰け反る。
 ぼくはレーナの乳房をマッサージする。女たちがぼくの陰茎をレーナから引き抜いて、奪い合って愛撫する。こんどはブロンドの女がぼくを跨ぐ。濡れた陰茎が生肉の熱に包まれて、つっちゃつっちゃとマッサージされる。

 リアルな女の柔肉に圧迫され、快楽に身を捩り、ギリギリ正気を保つために視線を窓の雪に向ける。
 誰かがお尻に指を挿れて、前立腺を抉る。片目が赤い義眼の女が、ブルネットの女と同じリズムで乳首を抉るように舌で刺激する。シャワーを浴びたばかりの女が、裸のまま窓際のマットレスにあぐらをかいて、ナイフを鏡代わりにメイクを始める。その所作しょさに、ネムを思い出す。
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