【R18】ハロー!ジャンキーズ

藤原紫音

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第1部

第22話「個室から追い出されて屋上で絡み合う顛末」

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 雨音に混じって、つっちゃ、つっちゃ、つっちゃ、と陰茎が膣を滑る音が響く。

 セーフハウスの屋上から見える曇った空から、生ぬるい雨がぼくたちの裸に降り注ぐ。
 ぼくは肘掛けのないプールチェアに仰向けになり、ユリアがぼくの股間を跨ぎ、滑らかに上下にスナップする。左右にプールチェアを並べて、エレナとレピタが寄り添い、ぼくの胸を愛撫する。三人ともケーブルでつながる。
 曇天を背景に、雨に濡れた身体を波打たせるユリアの姿はひどく艶めかしい。

「この世界は、晴れたり……しないの?」とぼくは聞く。
「たまに、晴れるよ、今は、雨季だから」とエレナ。
「濡れるのが……嫌い?」とユリアが揺れながら聞く。
「嫌いじゃないよ」

 屋上は白い浄水タンクとネオンの看板、錆びたフェンスに囲まれ、床に車の発着用の円が描かれる。ぼくがネムとセックスしていた部屋は怪我人が運ばれて、ぼくたちは追い出された。
 病院のサチと交代したユリアたちが戻ってくるなり、屋上に連れ出され、セックスが始まった。

「ネムとやりまくったんだって?」とユリアが聞く。
「あ……うん、誘われて」
「きもちよかった?」
「……とても」
「あの子のヴァギナ、イチゴの味するだろ」
「それは、アハハ、知らない」
「クンニしろよ、ネムをもっと悦ばせなよ」
「そうだね……、はーっ、あっ、いく……、いっ」

 陰茎の中心を猛烈な勢いで体液が通過し、ユリアの膣を膨らませる。ユリアが四つん這いで腰を浮かし、陰茎が抜ける。
 レピタが口をつけてユリアの膣から精液を吸い出す。エレナが陰茎を飲み込む。レピタが口に含んだ精液を、ぼくの目の前でユリアに口移し。
 ぼくの胸に二人の唇から溢れた精液がぼたぼた滴り、雨粒に溶けて流れ落ちる。厚い雲の間を、稲妻が走る。

 今度はレピタがぼくを跨ぐ。ユリアとエレナがぼくを両脇から挟み、濡れた肌に丁寧に舌を滑らせる。雨脚が強くなる。レピタが指先で、ぼくの濡れた前髪をかきあげる。微笑む。
 レピタはエレナのコピーなのに、自発的に話をしない。ぼくの問いかけには答える。どんなにエロいお願いでもきいてくれる。皮膚を張り替えた腹部を触る。古い皮膚と新しい皮膚の境界線が馴染んで消えてしまった。ほんとうに生きてる人間のよう。

 屋上塔屋の扉が開いて、ゴーグルをかけたヴィクトールが現れる。ぼくたちをみつけて、雨の中を歩いてくる。

「お楽しみ中のとこ悪いね、ちょっといいか?」

 ヴィクトールは声をかけて、ぼくとつながって上下に揺れるレピタの後ろ髪をかきあげる。後頭部のソケットにバイオチップを挿し込む。レピタがぴたりと動きを止める。眼を見開いて、ぼくの胸に立体映像を投影する。どこかの建物の設計図のよう。

「これなに?」とユリア。
「電脳に入っている、警備情報だ。コピーもらうよ」
「いまあたしたちとつながると、あんた女になるよ」
「俺は突っ込む方だから。リオは好みじゃねーし」

 ヴィクトールは首にかけたシャドウマウントからケーブルを伸ばしてレピタに接続する。ぼくの胸の映像に『複写中』の文字が浮かぶ。ケーブルを抜く。

「夕方五時にブリーフィングやるから、リオも来いよ」

 ヴィクトールはそう言って、レピタからバイオチップを抜き取る。途端に上下の律動と喘ぎ声が再開する。ヴィクトールは立ち去る。
 ぼくたちは何事もなかったかのように、セックスを続ける。
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