【R18】ハロー!ジャンキーズ

藤原紫音

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第1部

第12話「セクサロイドとセックスに溺れる顛末」

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 ベッドで仰向けのぼくの乳首を、ユリアとエレナが舌先で愛撫する。

 ぼくの股間をレピタが跨ぎ、濡れた陰茎を割れ目に沈める。みちゅるるるっと卑猥な音を立てて、根元まですっぽり包まれると、エレナより細身のセクサロイドの下腹部は大きく膨らみ、剥がれた人工皮膚の隙間から、透明の胴体の中を子宮が押し上げられる姿がみえる。
 レピタの後頭部からケーブルが二本伸びて、ユリアとエレナにリンクする。

「あーっ、いい、きもちい……」
「リオ、突いて、ねえ、突いて」

 ぼくに寄り添うエレナとユリアが震えながら求める。ぼくはレピタを下から突き上げる。レピタは新しいウィッグを振り乱して幼い声で喘ぐ。ベッドがギシギシ軋み、ちゃぷちゃぷと濡れたセックスが響く。

 * * *

 ぼくがこの異世界に来て、一週間が過ぎた。

 ラウンジに緊縛されたまま放置されていたレピタを、ユリアとエレナが部屋に運んできた。ピンクからバイオレットにグラデーションする俗悪なウィッグを頭につけた。エレナがケーブルでレピタにリンクして、電脳コピーをすると、レピタは二人目のエレナになった。
 顔も声も違うけれど、喋り方や仕草、キスや愛撫の癖、喘ぎ方、イキ方、すべてが瓜二つ。そのレピタにエレナとユリアは有線で感覚リンクして、日がな一日、ぼくとセックスする。

 セックスに溺れるぼくに、アキラが粉末のバイオユニット専用食をくれた。
 水に溶かして飲むと、精液がめちゃくちゃ増える。身体が敏感になる。勃起がおさまらなくなる。エレナにもらうピルと併用するとめちゃくちゃぶっ飛ぶ。そればかり摂っていると口寂しくなる。普通の食事が恋しくなる。

 セクサロイドのレピタは小学生のように幼い体型で、身長は百四十センチくらい、体重は三十キロ程度、おっぱいは小ぶりだけどちゃんと膨らみがあって、つるつるの割れ目に未熟な陰唇が包まれて、ぼくの陰茎を何時間でも咥えこんで離さない。
 夜眠るときだって、疲れを知らないレピタは、ぼくに覆いかぶさって、一晩中つながったままぼくを優しくピストンする。肌の感触には柔らかさと筋肉の硬さと骨が感じられて、腹部の人工皮膚が破けていなければ、人間としかおもえない精巧な人形だった。
 標準価格は税込みでアキラの車六、七台分だと聞いた。上流階級には、こんな人形を何台も買って楽しんでいるクソッタレがいるのだ。

 だけど、キャンプの男たちはレピタに興味を示さなかった。
 ロビーの隣の部屋で蜥蜴のタトゥーがあるリスベット・サランデルみたいな女と毎日ヤりまくってるボリスとか言うハゲのマッチョは「人形とヤるくらいなら右手の方がいいぜ」と言うし、ヤク中のシュウジはレピタの破けた腹部を覗き込んで「気色悪いわねーウフフ」と笑う。

 来週、あるいは再来週まで、ぼくに仕事は無い。

 仕事がなければ、ここでは本当にやることがない。飲んで、吸って、キメて、ファックして、寝て、起きて、またファックする。みんな自堕落に生活している。
 ぼくは昼に目覚めて、明け方眠るまで、ユリアと、エレナと、セクサロイドのレピタとセックスに溺れる。じぶんがこんなにセックスが好きな変態だとは気づかなかった。セフレはいたけれど、サービスタイムに愛し合うだけで十分満足していたのに、今や三人の女と休みなくセックスに溺れて飽き足らない。
 異世界に転生したら過去のしがらみを捨てて美少女と恋をするのだって夢のひとつだったけれど、そんな童貞臭い淡い妄想はリアルな肉感にぐちゃぐちゃに押し潰され、もう元に戻らない。

 * * *

「あーっ……でっ、ぐっ、あっ、ユリア、エレナ、でちゃ……うっ」
「リオ、出して、いっぱい……天然のせーし」とユリアが囁く。
「あたしたちも、イクっ、ひっ……あっ、あーっ」

 エレナが甘い声を上げ、レピタも悲鳴をあげて痙攣する。ぼくたち三人と一体は同時に上り詰める。腰を突き上げて、レピタの華奢な体を持ち上げる。
 仰け反ったレピタの腹の皮膚がブチブチと割けて、ぼくの陰茎を包んだ膣と子宮が射精の痙攣にあわせて脈動するところが顕になる。天使の羽根のように左右に卵巣と卵管を拡げたちいさな子宮が頭を垂れて、大量の精液を注入されてぷくりと膨らむ。

 長い長い絶頂の浮遊感からぼくが最初に墜落して、力なくぐったり伸びる。その間もエレナとユリアは引き攣ったままで、しばらく戻ってこない。
 ユリアが笑う。やばいね、こんな何回もイったの初めてだよ、と言ってぼくにキスをする。エレナが起き上がるけど、全身が震えて、そのひどい震え方にエレナはじぶんで笑ってしまう。ぼくの目の前でユリアとエレナがキスをする。
 レピタが腰を浮かして陰茎を引き抜く。大量の精液がドバっと噴き出す。今度は後ろ向きにぼくを跨ぐ。挿れる。お尻を上下させる。休憩なんかさせてくれない。

「これ、破けちゃってるけど、直せないかな……」

 ぼくはレピタの割けた人工皮膚に触れる。
 腹部は半透明になっていて、背骨と、グロテスクな内臓が丸見えで、ピストンするたびに艶かしく蠕動ぜんどうする。皮膚には産毛が生えていて、汗も滲むし、破けていなければ人間と見分けることは不可能だろう。

「業者にやってもらった方がいいけど、張替え、あたしできるよ」とユリアが言う。
「できるの?」
「あたし、元ガールズラウンジの女だもん」
「ガールズラウンジ?」
「路上で客引いてる売春婦と違って、店専属なの。ラウンジは上のフロアで他のVIPとファックするけど、たまに下のフロアの客とセクサロイドでリモートするんだよ。あたしがいた頃、下の客は金もないボリスみたいなブサイクばっかりで、暴力振るう奴も多いから、皮膚の張替えは日常的にやってたよ」
「そうなんだ、初めてきいたそれ」

 ぼくはユリアとエレナの過去はしらない。ハルトが娼婦だと言っていた。ぼくが想像する娼婦とは少し違うようだ。

「だから、ファフィアとかプロテウスみたいな、オールドモデルの張替えは、得意だよ。この子も同じじゃないかな? こんな良い人工皮膚売ってる店をみつけるのが大変だけど」
「お店……どうやって探せばいい?」
「ネットで探……はあーっ、奥にあたる」

 陰茎の先端がレピタの丸い子宮頸を突き上げるたび、二人の身体が収縮して、ユリアの言葉は抑揚が乱れる。三人分の甘い甘い喘ぎ声。

 窓の外は今日も雨が降っていて、少し肌寒い。向かいのビルの中腹にゴミ収集車がとまっている。
 この異世界では空中の道路のことをバイパスと言うらしい。そのバイパスを通る車の影は少ない。夜のほうが多い。ロゴの入った社用車が多い。それに大型の働く車。この空想的な光景にもだんだん慣れてきた。
 この時間、この世界の市民たちは真面目に働き、勉強し、役割をこなしている。それはぼくのいた世界と変わらない。そんな時間に、ぼくたちは延々と快楽に溺れる。

『今日未明、エドガータウンでエンライ・エヴゲニー社の所有する倉庫で爆発がありました。エヴゲニー社には数日前から爆破を予告するメッセージが送られており、公安が警備を強化していました。この爆発により、倉庫二棟が全壊、作業用アンドロイド六体が損傷した他、怪我人はの情報は入っていません……』

 モニタにニュース映像が流れ、ぼくはドキリとする。
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