あなたと友達でいられる最後の日がループする

佐倉響

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第四章 あなたと友達になれない

左手が重たい

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 ぼんやりと休んでいた小春の耳に、足音が届く。

 それは想定していたよりも早かった。このまま見つからない可能性すら考えていた小春はどうしてだろうと視線を下げて弱々しく息をはいた。腕から血があふれ、小春が通った道を教えていた。これでは走り続けて距離を取った意味がない。

 今ならまだ逃げられるだろうか。だが、小春は足の震えがとまらなかった。もう立ち上がることもできそうにない。小春はその足を叩きたくなった。動いて、お願いだから。そうしないと、私は死ぬんだよ?

 しかし、足以外にも問題があった。血を流しながら走っていたこともあり、腕を見ているとめまいがしたのだ。

「古川さん、こんなところにいたんだ」

 明音は部屋に入り、足をとめる。廊下に戻る出入り口を塞ぐように立っていた。

「……戸塚、さん」

 ほとんど聞き取れないような、小さな声で小春は呟く。殺されそうになっているのは小春のはずなのに、思わず「大丈夫?」と聞きたくなるほど明音の様子は異常だった。

「こんなことになるなんて、最悪」

 明音は喉をぜえぜえさせながら、吐き捨てる。その顔には汗が浮かんでいた。目も忙しなく動き、小春以外の何かに視線を向けるような動作が目立った。廃墟となった場所に注視するべきものはないはずだ。右手には包丁が握られたままで、左手には小春から奪った鞄があった。

「いいよね、古川さんは。困ったことがあっても八神くんに助けてもらえる」
「そんなこと……」

 言い切る前に、聞き慣れた着信音が鳴る。

「ほら、電話だよ。古川さん」

 そう言って、明音は小春の鞄からスマホを取りだした。

「八神柊って書いてある。友達をやめたって言ってたけど、そんなことなかったね」

 柊が電話してくるはずがない。こんなタイミングで電話をするなんて奇跡だ。

 だが、小春は本当に柊が電話をしてきたような気がした。周囲に日曜の昼間から電話をかけてくる人はいない。両親と電話をするのは正月や誕生日くらいだ。

 この状況で小春が死んだら、柊の耳に入るだろう。想像すると苦しくなる。これ以上、柊を悲しませたくなかった。ループ中、小春が柊のそばにいられるならそれでいいとのんきにしている一方で、柊は小春のために動いてくれたのだ。また柊に助けてもらうのか。小春は自分を嫌いになりそうだった。

 しかし、今の小春に何ができるのだろう。助けを待つにしても、どこにいるのか教えられなかった。足もボロボロだ。次に立ち上がれば、一生歩けなくなりそうなほどの激痛が訪れそうだった。今の小春にできるのは、真っ先に生きるのを諦めないことだ。もういいと投げやりになったらだめだ。

「本当、迷惑――」

 明音は鳴り続けるスマホを壁に向かって投げつけた。ガン、という鈍い音とともに、着信音が鳴り止んでしまう。壊れてしまったのかもしれない。

 小春は心臓の鼓動が激しくて気持ち悪かった。腕の血がとまらない。このまま流し続けたら、血が足りなくなって死んでしまったりしないだろうか。

「平凡っていいよね。助けてって言わなくても助けてもらえるんだ。私は、そんなことなかった。子役だった時からそう。別にやりたくもなかった。親に言われて、気づいたら子役になってた。周りはみんな優しかったから、それなりに幸せだったけどね。でも忙しくて大変だった……だから怪我をした時にこれで休めるって嬉しかったの。両親もしばらくゆっくり過ごそうって言ってくれると思ったのに、仕事はどうしようってその心配ばっかり。だから私、火傷の傷が痛いって嘘をついて泣いたの。もうテレビには出れませんってね。知りたかった。この二人は、私が愛する価値のある人なのか」

 耳がキーンとするような声に、小春はただ呼吸を繰り返す。こうしている間に逃げる手段を考えられたらいいが、小春はぐったりしていて動けなかった。体力が回復してからの再会であれば、歓迎できたのに。お腹から何かが迫り上がってくるのに耐え、明音の話を聞く。彼女が話している間は、刺しに来ないだろう。だから小春はギリギリまで休むことにした。……突然、気が変わって殺されそうな雰囲気はあったが。

「もちろんだめだった。子役の仕事ができないって分かったらね、がらりと態度が変わったの。お前のせいで人前に出るのが恥ずかしい。使えない。虐待はなかった。でも私、この両親とは縁を切らなくちゃって頑張ったわ。今まで学校の勉強はほとんどできる時間がなかったけど、ほとんど満点を取れるくらいには頭もよくなった。大学にも入って、就職もして、いい生活を送れるようになったのよ? でも、だめだった。子役で有名だった戸塚明音ってどこに行っても紹介されるの。入りたかった会社に入っても、結局採用された理由は能力じゃなくて私が子役で活躍していた明音だからだった。毎回、接待にかり出されてお茶を出してね。ここに来れば明音と会えて茶が飲めるって風にやってるの。だったらそれ相応の給料出しなさいよ。気持ち悪くてたまらなかったわ」

 小春は心の中で、うんと頷く。さぞ苦しかっただろうと思う反面、何だか友人から愚痴を聞かされる気分だった。この不気味な会話はいつまで続くのだろう。これから殺されるのに。もしくは、殺してしまうから最後に呪詛の言葉でも吐き出してしまいたいのか。小春のイメージする戸塚はこんな風に誰かを罵る人ではない。こんな会話、誰にも話せなかったのだろう。

「だから会社を辞めて配信動画をすることにした。もう人に雇われるなんて嫌だもの。どうやっても子どもの頃のことを紹介されて、ずっと昔から知っているかのような態度で振る舞ってくるから。私がやりたくて、やったわけじゃないのに」

 その後、配信動画のことを明音は話す。彼女の目はあちらこちらに視線が行った。まるで小春をじっと見つめられないかのようだ。体は落ち着きなく揺れ動き、真夏でもないのに肌に浮かんだ汗がしたたり落ちる。たまに耳を押さえて、顔を歪ませた。何が明音をそんな風にしているのだろう。小春以外に、何かがいるような素振りだった。今が夜ならさらにホラーだ。見ているだけで、パニックになりそうな光景だった。

「リスナーが増えるためなら何でもした。機材をたくさん試したし、発声練習もした。毎日ネタ出しもして、投げ銭をよくしてくれるリスナーに個人的にメッセージだって送った。おかげでケミカルを使ってもっといい声を出せたの。初めて楽しいって思えた。演技の補助によくてさぁ」

 話を聞いて、小春は背筋がピリピリと冷たくなる。明音は何を言っているのだろう。ケミカル?

「他にも色々試したの――」

 明音があげたのはすべて薬物の隠語だった。

 ――じゃあ、今の戸塚さんは。

 小春の歯がガタガタと鳴る。震えがとまらなかった。怪我をしていない方の手で口を押さえる。小春までおかしくなりそうだった。どうしようもなく、怖い。明音が空中で包丁を動かすだけで、自分の心臓を抉られているような恐怖があった。

 こんなところで、明音と一緒になって正気を失ってはいけない。小春は押さえた手の内側を噛んだ。ここに来て、体の痛みが小春を現実にとどまらせてくれる。

「なのにアカウントが停止してお金が足りなくなっちゃったの。個人的にメッセージ投げてたうちの一人に会いませんかってお願いしたら、全身蜂にでも刺されたようなブクブクした男が出てきて笑っちゃった。待っている間も挙動不審で、ちょっと動くだけでお腹がブヨブヨ動いてるの。お腹に大きい唇でもあるのかと思った。そんな人と会うなんて無理じゃない? やっぱりウリとかだめだなぁって反省した。だから話しかけずに帰ったんだけど、その後すごく揉めてさぁ……このことをSNSにバラすって言うから古川さんのこと言っちゃったの」

「……え?」

 話の内容に自分の名前が出た小春は声が出た。

「大学が同じだった子がスマホを勝手にいじって悪質なメッセージを書いたんです。今まで約束していたことにも気づかないでごめんなさい。こんな風に私のしていることを邪魔するなんてショックです。でも次からはこんなことがないようにしますって言ったのに、それが誰なのか言えって言うの。古川さんのホワスタのアカウント教えて、写真も送ったら静かになったし……大丈夫かなって思ったんだけど」

 その人物が青木だったのだろう。

 小春はスパムだと思っていた不可解なメッセージの意味がようやく分かった。明音の適当な言い訳を信じ、小春の居場所を突き止めたというわけだ。小春はカフェでよく写真を撮るので、被っている地域に絞って張り込めば見つけられるかもしれない。顔写真はあるのだ。

「古川さんに嫌がらせする程度だと思ったのにさ、まさか逮捕されるなんて……そうなったら、私のところにも警察が来るかもしれない。別に、やれって言ったわけじゃないけどね。でも、今の私を警察が見たらもうだめでしょう? 最悪だよ。人生台無し」
「何で……私、なの」

 小春は明音に何かしたわけではない。今の今まで、関わりなんてほとんどなかったのだから。

「だって古川さんは、こういう中傷をされたことないでしょう。せっかくだから、知ってほしいかった。どうせ八神くんに守られるんだろうけど」
「そう……そうなんだ……」

 顎の震えがとまる。そんな理由で、二度も死んだのか。そして柊は二度も小春の死を知ったのか。

 これではただ巻き込まれただけだ。今、明音に殺されかけているのは八つ当たりみたいなものだった。知らないうちに小春が酷いことをしていたのではない。

 とても正気の行いではなかった。それもそうだ。明音は今、麻薬で頭がおかしくなっているのだから。

「古川さんはすごいよね。八神くんみたいな人が友達にいるのに、恋人になろうとか思わなかったの? お見合いをするからって聞いて、簡単にじゃあもう会いませんってそんなことする?」
「八神さんは、一般人じゃないから」
「私だったら絶対に手放さない」

 それを言うなら、小春だって就職した会社を辞めないだろう。明音が就職したのは大企業だ。人気の子役だったというだけで、採用されるようなところではないはずだ。取引先に顔を覚えさせていたのは、期待していたという見方もある。ただ、その場に小春はいなかったので想像でしかないが。

「私は……八神さんの人生で私が邪魔だと思ったら、離れるよ」

 本来であれば、それができたはずだった。

 小春は明音を見る。怖いと思ってばかりもいられなかった。まだ明音は小春を刺そうとしていない。躊躇しているのだろうか。小春は背後の壁に手をついてゆっくりと起き上がった。急に動けば、明音は反射的に刺そうとするかもしれない。

「人生台無しなんて言わないで、また配信頑張ってください」
「無理よ。収益剥奪されたし、お金もかかるし」
「それはお薬をやめれば、どうにかなりますよ」

 両足で立ち上がると、歩くのは無理そうだった。

 小春は前を向いたまま手探りで窓を開ける。廃墟なので動かない可能性も考えたが、そんなことはなかった。窓は開き、気持ちのいい風が小春の背を撫でる。

「ちょっと、何やってるの」

 明音が分かりやすいくらい、焦った顔をした。

「死ぬ気なの?」

 ――よかった。

 明音は注意力が散漫になっているのだろう。逃げる側の小春ですら気づけたことに、彼女は気づいていなかった。

 小春は大胆にも、二階の窓枠に座る。それでも緊張した。運が悪かったら、死んでしまうかもしれない。

「大丈夫。戸塚さんなら、お薬くらいやめられますよ」

 これは言わない方がいいかもしれない。そう思いながらも小春は続けて言った。

「だって、平凡な私と違って特別なんですから。お薬なしでもきっとうまくいきます」

 呪詛のような言葉からようやく解放されると思うと、小春は自然と笑みがこぼれた。かなり意地悪なことを言った気がする。途中から明音に対して、苛立ちの方が勝っていたのかもしれない。

 ――大丈夫、きっとできる。

 小春は自身に言い聞かせる。

 この足では一階に下りることはできないけれど、落ちることはできるのだ。

 明音と安全な距離を保てれば、後はすべてうまく行くはずだ。というより、このまま膠着状態になっている方が危険だった。足の痛みには慣れたけれど、小春は頭がくらくらしていた。気絶しそうだ。そうなったら救われない。

 彼女の長話のおかげで、もう時間稼ぎをする必要がなくなったのだ。

「さようなら、戸塚さん」

 小春は背中を後ろに倒す。ふっと体内臓が取り残されるような、嫌な感触があった。

 そして小春は落ちてから窓の下を確認していなかったことに気づく。思ったよりも落ちる時間が長い気がした。これは大丈夫なのだろうか。

 ――あ、どうしよう。死ぬのかも。

 目を瞑って衝撃が訪れるのを待つ。ヒステリックな叫び声がした。その音から逃げるように小春は落下する。恐ろしかった。失敗した。時間を巻き戻したい。恐怖と緊張のあまり、何て馬鹿なことをしたのだろう。後もうすこしだったのに。落ちる時は、何故か大丈夫な気がしたのに。

 死んだら、どうなるのだろう。

 柊は悲しんでくれるだろうか。

 本当は悲しんで欲しい。けれど、あまり悲しんで欲しくないとも思う。

 明音みたいになりふり構わず人を巻き込んで生きるような活力が小春にはなかった。できればひっそりと、世界の隅で呼吸していたい。たまに寂しくて涙が出る時もあるけれど、嫌われるよりはいいと思っていた。

 しかし、小春は柊と友達になってから嫉妬心を向けられることが多くあったのに、全然嫌ではなかった。楽しかったし、幸せだった。

 自分の選んだことに後悔などないと小春は思っていたのに、柊のことが走馬灯のように頭を巡る。

 もう会うのをやめようと小春から言った時、柊は怒っていたし悲しんでいた。

『小春は俺がいなくても平気だよな』

 あの時、泣いて平気じゃないと、一緒にいたいと言えたらすこしは違った未来があったのだろうか。ループしている時に伝えることだってできたはずだ。それなのに小春は柊のことだけは、ずっと楽な方を選んでいる。

 そのせいでどれほど柊を傷つけたのだろう。

 鎌倉で遊んだ後、柊は小春にブレスレットをプレゼントしてくれた。プレートに刻印されている言葉を検索しても意味がないと言われたけれど、一人になった小春は調べたのだ。


 《sei tutto per me》


 イタリア語で、あなたは私のすべて。


「小春!」

 聞き覚えのある声がした。

 小春は目を開けると、涙がとまらなくなった。

 一番会いたい人がそばにいる。

「好き」

 まるで天国にいるかのようだった。柊がいる。小春は彼に横抱きにされていた。

 その温もりに安心し、うっかりこぼれた言葉に小春は動揺した。絶対言わないつもりだったのに。今更、言ったところで困らせるだけなのに。

「あ、ちが……っ」

 訂正しようとするも、小春の唇が塞がれる。噛みつくようにキスをされて、息ができなかった。

「取り消さないで、小春。お願いだから、悲しいことを言わないで」

 小春を支える腕が震えていた。

 廃ビルの外壁には非常階段があり、その階段を柊は降りていく。ビルの中では未だに明音の叫び声が聞こえている。彼女が窓の外を確認できないのは、警察に取り押さえられているからだろう。

 他にも気になることがあったけれど、小春は階段を下りる途中で意識を失った。
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