28 / 36
第四章 あなたと友達になれない
のんきにパスタとか食べている(1)
しおりを挟む
小春は柊と友達をやめてから一週間が経過しその間、憂鬱なことが多くあった。
だが前日あまり眠れなかったのは、別の理由だ。
「あ、あの、こ……こんにちは……戸塚さんで合ってますよね?」
その日、小春は戸塚明音と会う予定があったのだ。小春は緊張のあまり、蚊の鳴くような声になる。
無理もない話だ。明音は元芸能人で、小春と同じ大学に通っていた女性だった。今まで話したことはなく、ただホワスタでいいねをもらうだけの仲だ。
小春は明音を遠くから見たことしかなかったが、近くで見ると顔が小さい。記憶にある明音よりも、人相が変わったような気がするのは隈のせいだろうか。黒色のベレー帽を被り、服はゼブラ柄のシャツにデニムパンツ。格好いいスタイルだった。
それに比べ、小春はアイボリー色のブラウスにチェック柄のコルセットフレアスカートだ。明音と並ぶと幼く見えてしまいそうで、小春は恐縮する。もっと別の服を着ればよかった。手首には柊からもらったブレスレットを身につけているが、これで大人っぽくなるわけでもない。厚底のサンダルを履いても、明音の方が身長は高かった。
「古川さんだ。こんにちは」
明音は小春を見ると嬉しそうに表情を崩し、スマホをショルダーバッグにしまった。
それだけで小春は「ひぇ」と声が出そうになる。
小さい頃、テレビで見た人物が自分の名字を呼んで挨拶を返してくれたのだ。反射的に小春はもう一度「こんにちは」と言いそうになるのを堪えた。また言ってどうする。
「ごめんね。突然、呼び出して」
「いいえ。同じ大学に通っていたことを覚えてくれたことに驚きましたけど、えっとお話って何ですか」
両肩がガチガチに堅くなった状態で小春は明音に話しかける。その分かりやすい反応に、明音は小さく笑った。
「それより、お腹空いてない? ここで話していても仕方ないし」
「あ、そうですよね。すみません」
待ち合わせをしていた場所は駅前だった。今も人が多く、喋る場所には不向きだろう。
「謝らなくてもいいのに。そうだ、近くにカフェがあるからそこに行こうか。古川さんほど詳しくはないけど、新しいところだから行ったことはないかも」
「はい……!」
返事以外の言葉が出なくて、小春はすでに帰りたくなっていた。「はい」って何だ。もっと言葉はなかったのか。体育会系の部活の後輩みたいな返事になった。
いつまで経っても変わらない自分に、小春は悲しくなる。
仕事の時は何を喋るのか決まっており、基本的には年上と会話をすることが多い。その場合、相手からそれとなく会話がしやすいように話題を振ってくれるので、困ることはなかった。
だが同い年で、あまり接点がない状態での会話となると、小春はどうしても空回りしてしまう。さらに相手は憧れていた人と言ってもいい。失敗しないようにしなければ、と余計に気負ってしまうのだ。
……ちなみに柊に対してはそういう感情になったことはない。親しくなる前に、柊からちょっかいをかけられたり意地悪をされたりしたからだろう。最初は仲良くなりたいなんて思わなかったせいか、変に気負うこともなかったのだ。
明音に案内されて訪れた店はまるで温室のようなカフェだった。コーヒーの香りと焼きたてのパンの匂い、そして草木の香りがする。
「綺麗……」
そこにいるだけで、心が安らぐ空間だった。
「ここね、パンとパスタのお店なんだけど、コーヒーも美味しいみたい」
「そうなんですね」
半個室の席に案内され、小春はメニューを確認する。
外食は一週間ぶりだった。いつもは精神的につらいことがあれば気晴らしにカフェでご飯を食べていたのに、今週は一度も行っていない。カフェに行く気分にすらなれなかったからだ。
パスタを頼めば焼きたてのパンが二個選べるらしく、小春は濃厚チーズのカルボナーラを注文する。明音は季節の野菜を使ったペペロンチーノを注文していた。
「それにしても、古川さんが私のことを知っていたなんて驚いたわ」
「そうですか? 私、小さい頃はよくテレビを見ていて……戸塚さんが出ていたドラマもCMも好きでした」
「へ、え……」
明音の頬がピクリと動く。けれど小春は緊張し、俯いてしまっていたせいで気づかなかった。
「それに比べて私は目立っていなかったと思うんですけど……」
「そう? 私は入学した時から、覚えていたけど」
「えっ」
「大学の入学式に、どこから入っていいのか分からなかったのか挙動が不審になっていたのを見かけたけど。周りの人が歩く通りに進めばいいのに、ちょっと不安そうにきょろきょろしてた。たぶん、古川さんだと思うんだけど」
「あ……あ……えっと……たぶん、私ですね……」
小春は顔が真っ赤になり、さらに羞恥のあまり目に涙まで浮かんでしまう。
「わ、私も別に不安にならなくてもいいんじゃないかって思ったんです。でも……その日、大学の入学式に遅れないようにって早めに電車に乗ったんです。駅を出てから方角が分からなくて迷っている時に、同じようにスーツ姿の集団が歩いていたので、きっとこの人たちも大学生だって思ったんですよ。それでついて行ったら、大学じゃなくて知らない会社の前に来てしまって……その後どうにか大学にたどり着けたんですけど、また同じことが起こるんじゃないかって怖くて」
言い訳を口にしていると、小春はさらに恥ずかしくなった。憧れている人物に、自ら恥をさらしていないだろうか。
小春は話すべきではないことに限って、どうしてぺらぺらと喋ってしまうのだろうと遠い目になる。それでも明音は馬鹿にするでもなく、楽しそうに笑ってくれるのできっとこれでよかったのだろうと自身に言い聞かせた。
そうして雑談をしているうちに、テーブルには料理が運ばれた。店員はパンをいくつも載せたバスケットトレーを持ち、どれがいいか聞いてくる。種類はいくつもあった。その中から小春はクロワッサンと丸パンを選ぶ。明音も同じものを選び、「そうだ」と言ってショルダーバッグからスマホを取り出した。
「ねえ、写真を撮ってもいい?」
「は、はい、どうぞ」
小春は私もパスタとパンの写真を撮ろうかな、と鞄の中を探る。
「じゃあ古川さんもポーズ取って」
「え」
顔を上げると、明音は小春を背に向けてスマホを構えていた。画面には小春も映っているらしい。
――そ、そっち!?
まさかのツーショットである。恐れ多い。あまりに、恐れ多い。というより、小春は撮られる側に回ることはほとんどなかった。写真なんて、学校行事の集合写真くらいだ。プライベートでの写真はどうすればいいのだろう。明音と同じようにピースサインでも作っておくのが無難だろうか。
けれど心のどこかでは自分なんかが同じ写真に写るなどおこがましいと思っていた。
よって小春は両手をあげてピースなのか降参なのかよく分からないポーズとなり、表情もうまく作れないまま、無慈悲にもシャッター音が切られたのだった。
だが前日あまり眠れなかったのは、別の理由だ。
「あ、あの、こ……こんにちは……戸塚さんで合ってますよね?」
その日、小春は戸塚明音と会う予定があったのだ。小春は緊張のあまり、蚊の鳴くような声になる。
無理もない話だ。明音は元芸能人で、小春と同じ大学に通っていた女性だった。今まで話したことはなく、ただホワスタでいいねをもらうだけの仲だ。
小春は明音を遠くから見たことしかなかったが、近くで見ると顔が小さい。記憶にある明音よりも、人相が変わったような気がするのは隈のせいだろうか。黒色のベレー帽を被り、服はゼブラ柄のシャツにデニムパンツ。格好いいスタイルだった。
それに比べ、小春はアイボリー色のブラウスにチェック柄のコルセットフレアスカートだ。明音と並ぶと幼く見えてしまいそうで、小春は恐縮する。もっと別の服を着ればよかった。手首には柊からもらったブレスレットを身につけているが、これで大人っぽくなるわけでもない。厚底のサンダルを履いても、明音の方が身長は高かった。
「古川さんだ。こんにちは」
明音は小春を見ると嬉しそうに表情を崩し、スマホをショルダーバッグにしまった。
それだけで小春は「ひぇ」と声が出そうになる。
小さい頃、テレビで見た人物が自分の名字を呼んで挨拶を返してくれたのだ。反射的に小春はもう一度「こんにちは」と言いそうになるのを堪えた。また言ってどうする。
「ごめんね。突然、呼び出して」
「いいえ。同じ大学に通っていたことを覚えてくれたことに驚きましたけど、えっとお話って何ですか」
両肩がガチガチに堅くなった状態で小春は明音に話しかける。その分かりやすい反応に、明音は小さく笑った。
「それより、お腹空いてない? ここで話していても仕方ないし」
「あ、そうですよね。すみません」
待ち合わせをしていた場所は駅前だった。今も人が多く、喋る場所には不向きだろう。
「謝らなくてもいいのに。そうだ、近くにカフェがあるからそこに行こうか。古川さんほど詳しくはないけど、新しいところだから行ったことはないかも」
「はい……!」
返事以外の言葉が出なくて、小春はすでに帰りたくなっていた。「はい」って何だ。もっと言葉はなかったのか。体育会系の部活の後輩みたいな返事になった。
いつまで経っても変わらない自分に、小春は悲しくなる。
仕事の時は何を喋るのか決まっており、基本的には年上と会話をすることが多い。その場合、相手からそれとなく会話がしやすいように話題を振ってくれるので、困ることはなかった。
だが同い年で、あまり接点がない状態での会話となると、小春はどうしても空回りしてしまう。さらに相手は憧れていた人と言ってもいい。失敗しないようにしなければ、と余計に気負ってしまうのだ。
……ちなみに柊に対してはそういう感情になったことはない。親しくなる前に、柊からちょっかいをかけられたり意地悪をされたりしたからだろう。最初は仲良くなりたいなんて思わなかったせいか、変に気負うこともなかったのだ。
明音に案内されて訪れた店はまるで温室のようなカフェだった。コーヒーの香りと焼きたてのパンの匂い、そして草木の香りがする。
「綺麗……」
そこにいるだけで、心が安らぐ空間だった。
「ここね、パンとパスタのお店なんだけど、コーヒーも美味しいみたい」
「そうなんですね」
半個室の席に案内され、小春はメニューを確認する。
外食は一週間ぶりだった。いつもは精神的につらいことがあれば気晴らしにカフェでご飯を食べていたのに、今週は一度も行っていない。カフェに行く気分にすらなれなかったからだ。
パスタを頼めば焼きたてのパンが二個選べるらしく、小春は濃厚チーズのカルボナーラを注文する。明音は季節の野菜を使ったペペロンチーノを注文していた。
「それにしても、古川さんが私のことを知っていたなんて驚いたわ」
「そうですか? 私、小さい頃はよくテレビを見ていて……戸塚さんが出ていたドラマもCMも好きでした」
「へ、え……」
明音の頬がピクリと動く。けれど小春は緊張し、俯いてしまっていたせいで気づかなかった。
「それに比べて私は目立っていなかったと思うんですけど……」
「そう? 私は入学した時から、覚えていたけど」
「えっ」
「大学の入学式に、どこから入っていいのか分からなかったのか挙動が不審になっていたのを見かけたけど。周りの人が歩く通りに進めばいいのに、ちょっと不安そうにきょろきょろしてた。たぶん、古川さんだと思うんだけど」
「あ……あ……えっと……たぶん、私ですね……」
小春は顔が真っ赤になり、さらに羞恥のあまり目に涙まで浮かんでしまう。
「わ、私も別に不安にならなくてもいいんじゃないかって思ったんです。でも……その日、大学の入学式に遅れないようにって早めに電車に乗ったんです。駅を出てから方角が分からなくて迷っている時に、同じようにスーツ姿の集団が歩いていたので、きっとこの人たちも大学生だって思ったんですよ。それでついて行ったら、大学じゃなくて知らない会社の前に来てしまって……その後どうにか大学にたどり着けたんですけど、また同じことが起こるんじゃないかって怖くて」
言い訳を口にしていると、小春はさらに恥ずかしくなった。憧れている人物に、自ら恥をさらしていないだろうか。
小春は話すべきではないことに限って、どうしてぺらぺらと喋ってしまうのだろうと遠い目になる。それでも明音は馬鹿にするでもなく、楽しそうに笑ってくれるのできっとこれでよかったのだろうと自身に言い聞かせた。
そうして雑談をしているうちに、テーブルには料理が運ばれた。店員はパンをいくつも載せたバスケットトレーを持ち、どれがいいか聞いてくる。種類はいくつもあった。その中から小春はクロワッサンと丸パンを選ぶ。明音も同じものを選び、「そうだ」と言ってショルダーバッグからスマホを取り出した。
「ねえ、写真を撮ってもいい?」
「は、はい、どうぞ」
小春は私もパスタとパンの写真を撮ろうかな、と鞄の中を探る。
「じゃあ古川さんもポーズ取って」
「え」
顔を上げると、明音は小春を背に向けてスマホを構えていた。画面には小春も映っているらしい。
――そ、そっち!?
まさかのツーショットである。恐れ多い。あまりに、恐れ多い。というより、小春は撮られる側に回ることはほとんどなかった。写真なんて、学校行事の集合写真くらいだ。プライベートでの写真はどうすればいいのだろう。明音と同じようにピースサインでも作っておくのが無難だろうか。
けれど心のどこかでは自分なんかが同じ写真に写るなどおこがましいと思っていた。
よって小春は両手をあげてピースなのか降参なのかよく分からないポーズとなり、表情もうまく作れないまま、無慈悲にもシャッター音が切られたのだった。
20
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
届かぬ温もり
HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった·····
◆◇◆◇◆◇◆
すべてフィクションです。読んでくだり感謝いたします。
ゆっくり更新していきます。
誤字脱字も見つけ次第直していきます。
よろしくお願いします。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
あまやかしても、いいですか?
藤川巴/智江千佳子
恋愛
結婚相手は会社の王子様。
「俺ね、ダメなんだ」
「あーもう、キスしたい」
「それこそだめです」
甘々(しすぎる)男子×冷静(に見えるだけ)女子の
契約結婚生活とはこれいかに。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる