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第四章 あなたと友達になれない
気づかないこと
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月曜日の朝、会社に行くと上司の坂本は「大変だったね」と小春に声をかけてくれた。
坂本は柊から突然休んだ理由を正確に聞いていたらしい。当の本人である小春だけが何も知らず、のほほんと楽しく鎌倉で遊んでいた。そう気づくと、小春は消えてしまいたくなる。問題を解決しようとすらせず、ループする日々にしがみついていた。柊と友達で居続ける資格すらなかったのだと悲しくなる。
小春は柊と縁を切ったが、トークアプリはブロックしていなかった。別れ際の約束を果たす時、必要になるからだ。それが何年後になるのか、小春には分からない。
ただ、落ち込んでばかりもいられなかった。
時間が正常に進むようになってから、小春は忙しくなった。
通勤に電車を利用していたのだが、乗れなくなってしまったからだ。正確には乗ると気分が悪くなってしまう。
電車の中に入り、ガタンガタンと揺れていると小春はめまいがした。我慢できないほどではないが、電車を出た後もしばらく気分が悪かった。
原因は小春にも分からない。無意識にストレスを抱えているのかもしれないし、それとはまったく違うことが原因なのかもしれなかった。
そのうち乗れるようになるだろうと小春は思い、しばらくはバスに乗って通勤している。面倒だけれど、早起きは得意な方だ。
これだけでも大変なのだが、警察から連絡も届く。電話だけで終わることもあるし、警察署まで行くこともあった。
だが、どうして小春にストーカーをしていたのか、まだはっきりとしたことは分かっていなかった。逮捕された翌日から青木は何も喋らなくなったからだ。
このまま何の理由も分からないのは気持ち悪い。警察も動いているみたいだけれど、小春も青木から恨まている理由を調べてみることにした。すぐには思い浮かばなくとも、探れば見つかるかもしれない。
その中で、引っかかったものがある。
柊と別れる前日のことだ。ループしている時の記憶が強くてすっかり忘れていたが、小春はSNSでおかしなメッセージを受け取っていた。その内容は青木が言っていたことと一致する。
ストーカーされた理由が分かったわけではないが、何も手がかりがないよりはいい。
もしかするとホワスタのアカウントが特定されていたかもしれないということに恐怖を感じつつ、小春は自分が狙われた原因を考えてみる。そうしていると柊のことを考えずに済むからだ。
なのにそれはうまくいかなかった。
「ねぇ、八神柊が見合いするって本当なの?」
大学を卒業してから連絡が途絶えていたが、柊目当てで小春に近づいてきた女性たちから電話がくるようになったのだ。
「老舗旅館の娘って聞いたんだけど」
「大学の時、柊と仲がよかったのに詳しいこと知らないの?」
誰とどうなるかなんて、小春は聞いていないし知ろうとも思わない。そっとしておいて欲しかった。
小春は正直に柊とはもう何もなく、見合いについても知らないと伝えた。
これで彼女たちも蜘蛛の子を散らすように、小春に何かを聞き出そうとはしないだろう。
けれど、それは甘い考えだった。
「ほら、顔写真。話したことない?」
「テレビにも出てたみたい。後でリンクを送るね!」
写真は人形のように顔が整った女性が写っていた。動画は旅館への取材で、彼女は凜とした表情で堂々と対応していた。こんな人なら、きっと柊に似合いだろう。
見なければいいのに、小春は見てしまう。本当は知りたくないのに、目の前に情報を置かれてしまうと、目も指も小春のいうことを聞いてくれなかった。そして見た後に酷く後悔するのだ。
もう教えてくれなくていいと言っているのに、彼女たちは気になるでしょうと言って執拗に知らせてきた。
それは優しさではない。
今まで小春が柊のことを教えなかったことへの腹いせだった。見合い相手のことを伝えれば、小春が傷つくと分かっているのだ。もう嫉妬の対象ではないはずなのに、勢いは収まらない。
小春は彼女たちからここまで恨まれていたとは気づかなかった。オシャレで自信もあるまさに都会の人みたいな存在から悪意を向けてもらえるほど、小春は自分を評価できない。すぐに忘れ去られてしまうほど、地味で平凡だと思っていた。だとすれば、それほど傷つけたということなのか。
けれどこれは、理不尽な気がした。
小春は別に意地悪で柊について教えなかったわけではない。柊が普段使っているブランドだとか、よく行く店を聞かれても困るのだ。柊と友達ではあったが、そういうことは興味もないし話さなかった。
知らないのなら小春が聞いてみてよという声に対し、柊と仲良くなりたいなら自分から話しかけてみたらいいのではないか。そんな風に伝えた時の冷ややかな顔は今も思い出せる。
あの頃はどうしてそんな顔をするのか分からなかったが、今の小春なら理解できた。自分から話しかけても答えてもらえなかったからである。……いや、それでも理不尽は理不尽だ。何故、攻撃されるのが小春なのか。
現在、彼女たちが嫉妬しているのは柊の見合い相手であるはずだ。
彼女たちはせっせと見合い相手について調べ、小春に伝えるのが三日に渡り続いた。怒りが静まり落ち着いてくれるのを待っていたが、まったく終わりそうにない。大学時代、声をかけられて安易に連絡先を交換したことを後悔する。
このままでは何もできない。小春は彼女たちの電話番号を着信拒否し、トークアプリもブロックした。そうすることでようやく静かになり、小春は途方もない疲労感を覚えた。こんな風に誰かを無視するなんて、これまでの人生では考えられないことだった。話しかけても無視される寂しさを小春は知っている。それと同じことをしているような気がして、罪悪感を覚えた。
けれど今は噂話に耳をかたむけるのではなく、ストーカーされた原因を調べなくてはいけなかった。せっかく柊が時間を巻き戻してまで助けてくれたのだ。
ぼんやりと自分が投稿したホワスタの写真と文章を確認していると、スマホの通知音に小春は肩が跳ね上がる。それはホワスタのダイレクトメッセージだった。相手は先ほどブロックした女性たちではない。
しかし、その相手は意外な人物だった。
「え……ど、どうしよう」
小春は何度も内容を読み返し、迷いながらも返事をした。
『私もその日は暇なので、何時でも大丈夫です』
普段であれば恐れ多いからと辞退する小春だったが、直接会って聞いてみたいことがあった。
送信ボタンを押すと、すぐに返事が訪れる。
週末に遊ぶ予定ができ、小春はクローゼットを見て焦った。
坂本は柊から突然休んだ理由を正確に聞いていたらしい。当の本人である小春だけが何も知らず、のほほんと楽しく鎌倉で遊んでいた。そう気づくと、小春は消えてしまいたくなる。問題を解決しようとすらせず、ループする日々にしがみついていた。柊と友達で居続ける資格すらなかったのだと悲しくなる。
小春は柊と縁を切ったが、トークアプリはブロックしていなかった。別れ際の約束を果たす時、必要になるからだ。それが何年後になるのか、小春には分からない。
ただ、落ち込んでばかりもいられなかった。
時間が正常に進むようになってから、小春は忙しくなった。
通勤に電車を利用していたのだが、乗れなくなってしまったからだ。正確には乗ると気分が悪くなってしまう。
電車の中に入り、ガタンガタンと揺れていると小春はめまいがした。我慢できないほどではないが、電車を出た後もしばらく気分が悪かった。
原因は小春にも分からない。無意識にストレスを抱えているのかもしれないし、それとはまったく違うことが原因なのかもしれなかった。
そのうち乗れるようになるだろうと小春は思い、しばらくはバスに乗って通勤している。面倒だけれど、早起きは得意な方だ。
これだけでも大変なのだが、警察から連絡も届く。電話だけで終わることもあるし、警察署まで行くこともあった。
だが、どうして小春にストーカーをしていたのか、まだはっきりとしたことは分かっていなかった。逮捕された翌日から青木は何も喋らなくなったからだ。
このまま何の理由も分からないのは気持ち悪い。警察も動いているみたいだけれど、小春も青木から恨まている理由を調べてみることにした。すぐには思い浮かばなくとも、探れば見つかるかもしれない。
その中で、引っかかったものがある。
柊と別れる前日のことだ。ループしている時の記憶が強くてすっかり忘れていたが、小春はSNSでおかしなメッセージを受け取っていた。その内容は青木が言っていたことと一致する。
ストーカーされた理由が分かったわけではないが、何も手がかりがないよりはいい。
もしかするとホワスタのアカウントが特定されていたかもしれないということに恐怖を感じつつ、小春は自分が狙われた原因を考えてみる。そうしていると柊のことを考えずに済むからだ。
なのにそれはうまくいかなかった。
「ねぇ、八神柊が見合いするって本当なの?」
大学を卒業してから連絡が途絶えていたが、柊目当てで小春に近づいてきた女性たちから電話がくるようになったのだ。
「老舗旅館の娘って聞いたんだけど」
「大学の時、柊と仲がよかったのに詳しいこと知らないの?」
誰とどうなるかなんて、小春は聞いていないし知ろうとも思わない。そっとしておいて欲しかった。
小春は正直に柊とはもう何もなく、見合いについても知らないと伝えた。
これで彼女たちも蜘蛛の子を散らすように、小春に何かを聞き出そうとはしないだろう。
けれど、それは甘い考えだった。
「ほら、顔写真。話したことない?」
「テレビにも出てたみたい。後でリンクを送るね!」
写真は人形のように顔が整った女性が写っていた。動画は旅館への取材で、彼女は凜とした表情で堂々と対応していた。こんな人なら、きっと柊に似合いだろう。
見なければいいのに、小春は見てしまう。本当は知りたくないのに、目の前に情報を置かれてしまうと、目も指も小春のいうことを聞いてくれなかった。そして見た後に酷く後悔するのだ。
もう教えてくれなくていいと言っているのに、彼女たちは気になるでしょうと言って執拗に知らせてきた。
それは優しさではない。
今まで小春が柊のことを教えなかったことへの腹いせだった。見合い相手のことを伝えれば、小春が傷つくと分かっているのだ。もう嫉妬の対象ではないはずなのに、勢いは収まらない。
小春は彼女たちからここまで恨まれていたとは気づかなかった。オシャレで自信もあるまさに都会の人みたいな存在から悪意を向けてもらえるほど、小春は自分を評価できない。すぐに忘れ去られてしまうほど、地味で平凡だと思っていた。だとすれば、それほど傷つけたということなのか。
けれどこれは、理不尽な気がした。
小春は別に意地悪で柊について教えなかったわけではない。柊が普段使っているブランドだとか、よく行く店を聞かれても困るのだ。柊と友達ではあったが、そういうことは興味もないし話さなかった。
知らないのなら小春が聞いてみてよという声に対し、柊と仲良くなりたいなら自分から話しかけてみたらいいのではないか。そんな風に伝えた時の冷ややかな顔は今も思い出せる。
あの頃はどうしてそんな顔をするのか分からなかったが、今の小春なら理解できた。自分から話しかけても答えてもらえなかったからである。……いや、それでも理不尽は理不尽だ。何故、攻撃されるのが小春なのか。
現在、彼女たちが嫉妬しているのは柊の見合い相手であるはずだ。
彼女たちはせっせと見合い相手について調べ、小春に伝えるのが三日に渡り続いた。怒りが静まり落ち着いてくれるのを待っていたが、まったく終わりそうにない。大学時代、声をかけられて安易に連絡先を交換したことを後悔する。
このままでは何もできない。小春は彼女たちの電話番号を着信拒否し、トークアプリもブロックした。そうすることでようやく静かになり、小春は途方もない疲労感を覚えた。こんな風に誰かを無視するなんて、これまでの人生では考えられないことだった。話しかけても無視される寂しさを小春は知っている。それと同じことをしているような気がして、罪悪感を覚えた。
けれど今は噂話に耳をかたむけるのではなく、ストーカーされた原因を調べなくてはいけなかった。せっかく柊が時間を巻き戻してまで助けてくれたのだ。
ぼんやりと自分が投稿したホワスタの写真と文章を確認していると、スマホの通知音に小春は肩が跳ね上がる。それはホワスタのダイレクトメッセージだった。相手は先ほどブロックした女性たちではない。
しかし、その相手は意外な人物だった。
「え……ど、どうしよう」
小春は何度も内容を読み返し、迷いながらも返事をした。
『私もその日は暇なので、何時でも大丈夫です』
普段であれば恐れ多いからと辞退する小春だったが、直接会って聞いてみたいことがあった。
送信ボタンを押すと、すぐに返事が訪れる。
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