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第三章 ずっとあなたと友達でいたい
四月十八日
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時間が巻き戻るのはいつだろう。
小春が目を覚ますと、柊と一緒に寝たベッドの上にいた。目を薄らと開いて、柊のたくましい胸板を見る。美しい彫刻のような胸が呼吸と共に上下する様子は艶めかしかった。思わず逃げ出したくなるような光景だ。けれど小春は動けない。柊に抱きしめられていた。こんなことになっていると、どうしていいのか分からない。
目を閉じて、柊が先に起きてくれないか考える。そうすれば小春は何事もなかったかのように振る舞えそうだ。
なのにしばらくしても、柊がベッドを抜ける様子はない。
今が何時なのかは分からないが、太陽の光がカーテンの隙間からもれ出ている。朝はとっくに過ぎているだろう。土曜日は休みだから急ぐ必要はないけれど、いつまでもこうしているわけにはいかなかった。こっそり帰ってしまおうか。……いや、今からでもいいから時間が巻き戻ってくれれば問題ないのに。
何度も四月十七日があったことは、夢ではないはずだ。二度も時間が戻れば、三度目もそうなると思うだろう。それがどうして、こんなことになってしまうのか。やはり、いつ時間が正常に動き出してもいいように自分を律するべきだったと反省する。もう何もかも遅いが。
「おはよう、小春」
穏やかな声だった。この状況に対し、柊は怒っていないらしい。ほとんど素面だったのだから怒るはずがないのに、小春は気になっていたから安心した。
「……お、おはよう、柊くん」
目を開けて、恐る恐る顔を上げる。柊は柔らかな眼差しで小春を見ていた。唇は微かに笑みを浮かべ、指先で小春の顔にかかった髪をよける。
「体、辛くない?」
「大丈夫」
「なら、いいけど……」
言いながら、柊は小春に顔を近づけた。
思わず小春は身構える。何をするつもりなのだろう。もう、恋人ごっこは終わった。
柊が口を開き掛けると、テーブルの上にあるスマホから着信が入る。その音に、柊の表情が苦々しくなった。音からして、小春のスマホではない。柊のものだ。
「電話……出ないの?」
「ああ、うん」
ようやく柊は小春を解放する。ベッドから出て、テーブルにあるスマホを取った。
誰かと会話を始める柊を見て、今だと小春はベッドから飛び出る。近くに落ちていたパジャマや下着、そしてトートバッグにある着替えを抱きかかえ、脱兎の如く脱衣所に入る。その最中、柊の口からは「捕まえた」だとか「凶器」だとか、そういう物騒な話が小春の耳には届いていた。彼の会社は製薬会社のはずなので、聞き間違いかもしれない。
顔を洗い、服を着る。パステルピンクのワンピースなので、着替えはすぐに終わった。左手首を見ると、柊からもらったブレスレットが輝いている。
簡単に化粧も済ませて脱衣所を出ると、柊も既に着替えを済ませていた。白いシャツに黒色のチノパンツ姿だった。電話も無事終わったようだ。
「もう昼だけど、小春は何食べる?」
「えっ……いいよ。そこまでしなくても、私そろそろ帰ろうかなって」
「忘れたの、小春? 朝になったら家に泊まって欲しかった理由を話すって言ったのに……聞きたくないなら、仕方ないんだけど」
「そうだった。えっと……どうして?」
「それはご飯を食べてからにしよう。事情を一言でまとめられるようなことじゃないんだ。食べないと、頭も動かないし」
「……じゃあ、そうするね」
小春は家を出るのを諦め、ご飯を食べることにした。時刻は十二時前だ。
「ご飯は重たいのより、軽い方がいい?」
「うん、お腹は空いてるけど軽い方がいいかも……えっと、手伝うよ」
「小春はソファで座っていて。そんなに凝ったものじゃないし、客人なんだからくつろいでいて」
何か手伝いたい小春だったが、使ったことのない台所をすぐに使えるはずもない。どこに何があるのか、場所を聞かなければ手伝えないのだ。それくらいなら柊が一人で作る方が気が楽だろう。
「分かった」
小春が座るソファからは柊が料理している姿が見えた。対面式のキッチンなので、手元は見えないが何やら作っているらしいことが分かる。包丁で野菜を切る音を聞いていると、小春は大学生だった頃の柊を思い出す。当時、彼の弁当は家で雇っている家政婦が作っていた。一人暮らしをするようになってから料理を覚えたのだろうか。
ほどなくして料理は完成し、柊はテーブルにスープやパンを並べていく。肉団子とサラダもついていた。
「柊くん、盛り付け上手だね」
「褒めるのは、盛り付けだけなんだな」
「もちろん、美味しそうだよ? ちょっとびっくりして……料理できるんだなって」
「……う。作ったのはスープくらいだ。パンは買ったのをトースターで焼いただけだし、それ以外は冷食を温めただけで」
「充分だと思うのに、どうして凹んでるの」
「小春が食べてた弁当を思い出したら……自信なくしてきた」
「柊くんは忙しいんだし、冷食でもいいと思うけど。それに私だって、こういうの食べることあるよ? 東京で一人暮らしを始めた時ほど料理も上手じゃなかったから、そのうち色々作れるようになると思う」
はあ、と息をつく柊に、小春は曖昧に笑った。励ましはしたものの、そんなにすぐ自分と同じくらい料理が上手になってしまったら小春の方が凹んでしまう。
ひとまず、ご飯を食べよう。小春は柊が作ったというスープを口に運ぶ。スープの具はキャベツと玉子で、さっぱりとした優しい味だった。ほっとお腹が温まる。
「何だか不思議……実は私、昨日からずっと同じ日を繰り返していたような気がしてたの。やっぱり気のせいだったのかも」
安心して、小春は思っていたことがぽろりと声に出る。もう終わったことだし、日常会話のようなノリだった。
「――え」
「柊くん?」
「小春は覚えてたの?」
目を見開く柊に、小春はすべてを察した。
柊も、覚えている。
何を?
もちろん、今までの四月十七日のことだろう。
小春は喉がぐっと締め付けられ、胸がドクドクと脈打った。
「お……覚えてたっていうか」
必死に頭を働かせる。もっとご飯を食べてからにすればよかったのだ。けれど今、心臓が強く鼓動しているせいか頭の回転が速くなっていくような気がした。
小春は今までの行動を振り返る。柊は小春がループについて話さない限り、何も気づいていなかった。なら、誤魔化せるのではないだろうか。幸いなことに小春の行動は、どの十七日も一致している。
もしかすると、そこまでして隠す必要はないのかもしれない。もう二度も体を重ねているのに柊への恋心が気づかれていないのだ。
しかし小春は恐怖を感じていた。あの日、逃げてしまった小春を柊は問い詰めずにいてくれるだろうか。
「……何となくそうなんじゃないかなって。最近、仕事とかニュースで既視感があって同じ日を繰り返しているみたいだったの。毎回夢の中にいるような感覚だったから、それ以外はよく分からないんだけど……何かあった?」
「詳細に覚えてないならいいんだ」
「そうなの?」
「そうだよ。そんなにいい記憶じゃないと思うし……ごめん」
「謝る必要はないと思うけど」
「本当は一回ループしただけで終わるつもりだったんだ。それなのに二回も巻き戻すことになった。小春はそれほど覚えていなくても、謝らせて」
何に対する謝罪なのか、小春にはよく分からなかった。謝らなくてはならないほどのことがあったとは思えない。
「だからループしたことについても話すよ。泊まってもらったこととも関係するから」
小春が目を覚ますと、柊と一緒に寝たベッドの上にいた。目を薄らと開いて、柊のたくましい胸板を見る。美しい彫刻のような胸が呼吸と共に上下する様子は艶めかしかった。思わず逃げ出したくなるような光景だ。けれど小春は動けない。柊に抱きしめられていた。こんなことになっていると、どうしていいのか分からない。
目を閉じて、柊が先に起きてくれないか考える。そうすれば小春は何事もなかったかのように振る舞えそうだ。
なのにしばらくしても、柊がベッドを抜ける様子はない。
今が何時なのかは分からないが、太陽の光がカーテンの隙間からもれ出ている。朝はとっくに過ぎているだろう。土曜日は休みだから急ぐ必要はないけれど、いつまでもこうしているわけにはいかなかった。こっそり帰ってしまおうか。……いや、今からでもいいから時間が巻き戻ってくれれば問題ないのに。
何度も四月十七日があったことは、夢ではないはずだ。二度も時間が戻れば、三度目もそうなると思うだろう。それがどうして、こんなことになってしまうのか。やはり、いつ時間が正常に動き出してもいいように自分を律するべきだったと反省する。もう何もかも遅いが。
「おはよう、小春」
穏やかな声だった。この状況に対し、柊は怒っていないらしい。ほとんど素面だったのだから怒るはずがないのに、小春は気になっていたから安心した。
「……お、おはよう、柊くん」
目を開けて、恐る恐る顔を上げる。柊は柔らかな眼差しで小春を見ていた。唇は微かに笑みを浮かべ、指先で小春の顔にかかった髪をよける。
「体、辛くない?」
「大丈夫」
「なら、いいけど……」
言いながら、柊は小春に顔を近づけた。
思わず小春は身構える。何をするつもりなのだろう。もう、恋人ごっこは終わった。
柊が口を開き掛けると、テーブルの上にあるスマホから着信が入る。その音に、柊の表情が苦々しくなった。音からして、小春のスマホではない。柊のものだ。
「電話……出ないの?」
「ああ、うん」
ようやく柊は小春を解放する。ベッドから出て、テーブルにあるスマホを取った。
誰かと会話を始める柊を見て、今だと小春はベッドから飛び出る。近くに落ちていたパジャマや下着、そしてトートバッグにある着替えを抱きかかえ、脱兎の如く脱衣所に入る。その最中、柊の口からは「捕まえた」だとか「凶器」だとか、そういう物騒な話が小春の耳には届いていた。彼の会社は製薬会社のはずなので、聞き間違いかもしれない。
顔を洗い、服を着る。パステルピンクのワンピースなので、着替えはすぐに終わった。左手首を見ると、柊からもらったブレスレットが輝いている。
簡単に化粧も済ませて脱衣所を出ると、柊も既に着替えを済ませていた。白いシャツに黒色のチノパンツ姿だった。電話も無事終わったようだ。
「もう昼だけど、小春は何食べる?」
「えっ……いいよ。そこまでしなくても、私そろそろ帰ろうかなって」
「忘れたの、小春? 朝になったら家に泊まって欲しかった理由を話すって言ったのに……聞きたくないなら、仕方ないんだけど」
「そうだった。えっと……どうして?」
「それはご飯を食べてからにしよう。事情を一言でまとめられるようなことじゃないんだ。食べないと、頭も動かないし」
「……じゃあ、そうするね」
小春は家を出るのを諦め、ご飯を食べることにした。時刻は十二時前だ。
「ご飯は重たいのより、軽い方がいい?」
「うん、お腹は空いてるけど軽い方がいいかも……えっと、手伝うよ」
「小春はソファで座っていて。そんなに凝ったものじゃないし、客人なんだからくつろいでいて」
何か手伝いたい小春だったが、使ったことのない台所をすぐに使えるはずもない。どこに何があるのか、場所を聞かなければ手伝えないのだ。それくらいなら柊が一人で作る方が気が楽だろう。
「分かった」
小春が座るソファからは柊が料理している姿が見えた。対面式のキッチンなので、手元は見えないが何やら作っているらしいことが分かる。包丁で野菜を切る音を聞いていると、小春は大学生だった頃の柊を思い出す。当時、彼の弁当は家で雇っている家政婦が作っていた。一人暮らしをするようになってから料理を覚えたのだろうか。
ほどなくして料理は完成し、柊はテーブルにスープやパンを並べていく。肉団子とサラダもついていた。
「柊くん、盛り付け上手だね」
「褒めるのは、盛り付けだけなんだな」
「もちろん、美味しそうだよ? ちょっとびっくりして……料理できるんだなって」
「……う。作ったのはスープくらいだ。パンは買ったのをトースターで焼いただけだし、それ以外は冷食を温めただけで」
「充分だと思うのに、どうして凹んでるの」
「小春が食べてた弁当を思い出したら……自信なくしてきた」
「柊くんは忙しいんだし、冷食でもいいと思うけど。それに私だって、こういうの食べることあるよ? 東京で一人暮らしを始めた時ほど料理も上手じゃなかったから、そのうち色々作れるようになると思う」
はあ、と息をつく柊に、小春は曖昧に笑った。励ましはしたものの、そんなにすぐ自分と同じくらい料理が上手になってしまったら小春の方が凹んでしまう。
ひとまず、ご飯を食べよう。小春は柊が作ったというスープを口に運ぶ。スープの具はキャベツと玉子で、さっぱりとした優しい味だった。ほっとお腹が温まる。
「何だか不思議……実は私、昨日からずっと同じ日を繰り返していたような気がしてたの。やっぱり気のせいだったのかも」
安心して、小春は思っていたことがぽろりと声に出る。もう終わったことだし、日常会話のようなノリだった。
「――え」
「柊くん?」
「小春は覚えてたの?」
目を見開く柊に、小春はすべてを察した。
柊も、覚えている。
何を?
もちろん、今までの四月十七日のことだろう。
小春は喉がぐっと締め付けられ、胸がドクドクと脈打った。
「お……覚えてたっていうか」
必死に頭を働かせる。もっとご飯を食べてからにすればよかったのだ。けれど今、心臓が強く鼓動しているせいか頭の回転が速くなっていくような気がした。
小春は今までの行動を振り返る。柊は小春がループについて話さない限り、何も気づいていなかった。なら、誤魔化せるのではないだろうか。幸いなことに小春の行動は、どの十七日も一致している。
もしかすると、そこまでして隠す必要はないのかもしれない。もう二度も体を重ねているのに柊への恋心が気づかれていないのだ。
しかし小春は恐怖を感じていた。あの日、逃げてしまった小春を柊は問い詰めずにいてくれるだろうか。
「……何となくそうなんじゃないかなって。最近、仕事とかニュースで既視感があって同じ日を繰り返しているみたいだったの。毎回夢の中にいるような感覚だったから、それ以外はよく分からないんだけど……何かあった?」
「詳細に覚えてないならいいんだ」
「そうなの?」
「そうだよ。そんなにいい記憶じゃないと思うし……ごめん」
「謝る必要はないと思うけど」
「本当は一回ループしただけで終わるつもりだったんだ。それなのに二回も巻き戻すことになった。小春はそれほど覚えていなくても、謝らせて」
何に対する謝罪なのか、小春にはよく分からなかった。謝らなくてはならないほどのことがあったとは思えない。
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