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第二章 もう一度、あなたと友達でいられる最後の日
眩しくて遠い
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「今度さ、バイオリンの演奏会があるんだけど……もしよかったら来ないか」
いつもの昼食。先にご飯を食べ終えた柊は小春に演奏会のチケットを手渡した。はて、どういうことだろうと小春は柊を見る。
「知り合いが塾の講師をしていて、演奏する人を増やしたいからって……」
それで柊も演奏するのだと言う。小春は思わず柊とチケットを交互に見る。柊がバイオリンを演奏する。見た目的には似合うのだが、柊にちょくちょくからかわれることがある小春からすれば意外だった。演奏できるとしても断りそうである。
「そうなんだ」
「行けたらでいいよ」
「う、うん」
チケットには時間と場所が書かれている。小春たちが通う大学から、それほど遠くない場所にあった。日時は明日のお昼から。その日はとくに予定はないし、行こうと思えば行ける。
演奏会についてもっと話を聞きたかったが、誘った柊はチケットだけ渡すとさっさとベンチから離れてしまった。もしかすると恥ずかしいのかもしれない。何も聞かずにこっそり行ってみようか。そう思い、小春は一人で文化ホールに行ってみた。
想像していた演奏会は小春が想像していたものではなかった。塾の発表会みたいなものだと思っていたのに、文化ホールは大きく、コンサートのような雰囲気だった。小春のようにラフな服装で来ている人もいるが、ドレス姿やタキシード姿の人もいる。場違いな気もしたが、ここまで来ておいて帰るのももったいなかった。チケットには席の番号まで書かれているが、どこが自分の席なのか見つける前に演奏が始まり、小春は一階の一番後ろで立ち聴くことにした。
弦楽器の演奏を生で聴いたことがない小春には、不思議な経験だった。聴き惚れていると、時間が一瞬で過ぎ去ったような感覚になる。一度休憩を挟んだが、あの演奏の中に柊がいたらどうしようと戸惑った。誰が何を弾いていたかなんて、ほとんど覚えていないのだ。
せっかく席を探す時間ができたのに、小春は別世界に来てしまったような心地に陥りその場から動けなかった。ホール内が明るくなって、すぐそばに座席表があるのを知る。チケットに書いてある席は前の方だった。そんな場所に自分が行っていいのだろうか。そこに座る自分を想像すると、冷や汗が出そうになる。ただ演奏を聴くだけなのに、小春の方が緊張しそうだった。
ここでいいと隅っこにいると、客席が暗くなる。ステージを照らす照明だけになり、始まったと小春は姿勢を正した。ようやく司会が柊の名前を呼ぶ。曲はラフマニノフ:愛の悲しみ。ステージに立った柊は客席に頭を下げて挨拶すると、バイオリンを構えた。そっと彼が息をつくのが小春には感じ取れた。
しんと静まったホールにバイオリンの音色が響く。前半で聴いた演奏とは何かが違った。胸が悲鳴を上げるような悲しい音。苦しいと切実に訴えてくるような響きは、何故か小春の心情と重なった。どうしてこんなに苦しくなるのだろう。胸がざわつくのだろう。うららかな音色が訪れても、すぐに切なさが押し寄せる。
五分にも満たない短い演奏だった。次の人が演奏を始めても小春はずっと心臓が痛かった。足が震えている。友達の演奏だから、知らないうちに体に力が入っていたのだろうか。
演奏会が終了し、人の波が落ち着いてから小春はホールを出る。
ロビーにはたくさんの人がいた。演奏していたらしい人たちが、客や奏者同士で挨拶を交わしている。そこには柊の姿もあった。黒色のスーツ姿で、普段見かける姿より大人らしい。声をかけてみようか。一瞬だけ考えたが、柊のそばには華やかなドレスを着た女性が数人いて彼に大きな花束を渡している。
小春は見なかったことにして、柊に気づかれないように遠回りして文化ホールを出る。
次第に足は速くなった。すぐにもここから離れたかった。目の奥が熱い。とてつもない羞恥が小春を襲っていた。
花束くらい買っていけばよかったのか。それとも綺麗な服で行けばよかったのか。どれも違う。これはそれだけでどうにかなる問題ではない。そんなものがあっても、小春には柊に話しかける勇気はなかった。
演奏中、どうして胸がざわついたのか分かる。
これは自分への戒めだ。
柊と友達でいられるのは人生の中でほんの短い期間だけ。いつまでも、というわけにはいかない。たまたま大学が同じだったから、親しく会話ができるのだ。勘違いしてはいけない。
ましてや柊に――恋をしてはいけない。
今まで柊は小春のレベルに合わせてくれていただけなのだ。
いつかついていけない日が訪れる。それは小春がどんなに努力してもできない壁だ。見ているものがまるで違う。
小春は柊とご飯を食べに行った時のことを思い出す。外食しようという話になって、小春が行きたがったのはどこにでもあるファミレスだった。小春からすればそれはとても行ってみたい場所だったが、柊からすればせっかくならもっといい店に行きたかっただろう。一瞬、戸惑った顔をしたが、彼は快く小春に合わせてくれた。どうしてそんな顔をするのか分からなかったが、今はもう恥ずかしかった。
それでももう、何もかも遅い気がした。小春は柊に恋をしている。特別なきっかけはない。自然と好きになっていた。けれど今まで小春は、その感情は友人に対する好意なのだと勘違いしていたのだ。ロビーで綺麗な女性に囲まれる柊を見て、初めて自分の心に嫉妬心が芽生えるのを自覚した。それがとても恥ずかしくて、居たたまれない。どれほど柊の優しさに甘えていたのだろう。
そもそもこの友人関係は、小春に友達がいないから始まった関係だ。たまに面倒を見てもらっているような気分になる。それでも嬉しかった。友人以上の関係を望まなければ、これからも楽しいだろう。
柊と恋人になれるのは小春みたいな子ではない。戸塚茜のような華やかで綺麗な女性だ。大学内でも二人は付き合っているのではないかと噂になっていた。柊は話したことすらないのにどうしてそんな噂が出るのだろう、と苦笑していたけれど小春には痛いくらい理由が分かる。二人がすれ違うだけで絵になるのだから、当然だ。
電車に乗っても柊の演奏は小春の耳に残り続ける。
スマホには柊からメッセージが届いていた。
『演奏会、来てた?』
小春はスマホの画面に指を滑らせる。
『用事ができちゃって、ごめん』
『急に誘ったから大丈夫。気にしなくていいよ』
『もう終わったの?』
『うん』
『お疲れ様』
『ありがとう』
スマホの画面を閉じて、硬く目を閉じる。
今日のことを早く忘れてしまいたかった。
それでもバイオリンの音色が耳から離れない。
小春は初めて柊に嘘をついた。
いつもの昼食。先にご飯を食べ終えた柊は小春に演奏会のチケットを手渡した。はて、どういうことだろうと小春は柊を見る。
「知り合いが塾の講師をしていて、演奏する人を増やしたいからって……」
それで柊も演奏するのだと言う。小春は思わず柊とチケットを交互に見る。柊がバイオリンを演奏する。見た目的には似合うのだが、柊にちょくちょくからかわれることがある小春からすれば意外だった。演奏できるとしても断りそうである。
「そうなんだ」
「行けたらでいいよ」
「う、うん」
チケットには時間と場所が書かれている。小春たちが通う大学から、それほど遠くない場所にあった。日時は明日のお昼から。その日はとくに予定はないし、行こうと思えば行ける。
演奏会についてもっと話を聞きたかったが、誘った柊はチケットだけ渡すとさっさとベンチから離れてしまった。もしかすると恥ずかしいのかもしれない。何も聞かずにこっそり行ってみようか。そう思い、小春は一人で文化ホールに行ってみた。
想像していた演奏会は小春が想像していたものではなかった。塾の発表会みたいなものだと思っていたのに、文化ホールは大きく、コンサートのような雰囲気だった。小春のようにラフな服装で来ている人もいるが、ドレス姿やタキシード姿の人もいる。場違いな気もしたが、ここまで来ておいて帰るのももったいなかった。チケットには席の番号まで書かれているが、どこが自分の席なのか見つける前に演奏が始まり、小春は一階の一番後ろで立ち聴くことにした。
弦楽器の演奏を生で聴いたことがない小春には、不思議な経験だった。聴き惚れていると、時間が一瞬で過ぎ去ったような感覚になる。一度休憩を挟んだが、あの演奏の中に柊がいたらどうしようと戸惑った。誰が何を弾いていたかなんて、ほとんど覚えていないのだ。
せっかく席を探す時間ができたのに、小春は別世界に来てしまったような心地に陥りその場から動けなかった。ホール内が明るくなって、すぐそばに座席表があるのを知る。チケットに書いてある席は前の方だった。そんな場所に自分が行っていいのだろうか。そこに座る自分を想像すると、冷や汗が出そうになる。ただ演奏を聴くだけなのに、小春の方が緊張しそうだった。
ここでいいと隅っこにいると、客席が暗くなる。ステージを照らす照明だけになり、始まったと小春は姿勢を正した。ようやく司会が柊の名前を呼ぶ。曲はラフマニノフ:愛の悲しみ。ステージに立った柊は客席に頭を下げて挨拶すると、バイオリンを構えた。そっと彼が息をつくのが小春には感じ取れた。
しんと静まったホールにバイオリンの音色が響く。前半で聴いた演奏とは何かが違った。胸が悲鳴を上げるような悲しい音。苦しいと切実に訴えてくるような響きは、何故か小春の心情と重なった。どうしてこんなに苦しくなるのだろう。胸がざわつくのだろう。うららかな音色が訪れても、すぐに切なさが押し寄せる。
五分にも満たない短い演奏だった。次の人が演奏を始めても小春はずっと心臓が痛かった。足が震えている。友達の演奏だから、知らないうちに体に力が入っていたのだろうか。
演奏会が終了し、人の波が落ち着いてから小春はホールを出る。
ロビーにはたくさんの人がいた。演奏していたらしい人たちが、客や奏者同士で挨拶を交わしている。そこには柊の姿もあった。黒色のスーツ姿で、普段見かける姿より大人らしい。声をかけてみようか。一瞬だけ考えたが、柊のそばには華やかなドレスを着た女性が数人いて彼に大きな花束を渡している。
小春は見なかったことにして、柊に気づかれないように遠回りして文化ホールを出る。
次第に足は速くなった。すぐにもここから離れたかった。目の奥が熱い。とてつもない羞恥が小春を襲っていた。
花束くらい買っていけばよかったのか。それとも綺麗な服で行けばよかったのか。どれも違う。これはそれだけでどうにかなる問題ではない。そんなものがあっても、小春には柊に話しかける勇気はなかった。
演奏中、どうして胸がざわついたのか分かる。
これは自分への戒めだ。
柊と友達でいられるのは人生の中でほんの短い期間だけ。いつまでも、というわけにはいかない。たまたま大学が同じだったから、親しく会話ができるのだ。勘違いしてはいけない。
ましてや柊に――恋をしてはいけない。
今まで柊は小春のレベルに合わせてくれていただけなのだ。
いつかついていけない日が訪れる。それは小春がどんなに努力してもできない壁だ。見ているものがまるで違う。
小春は柊とご飯を食べに行った時のことを思い出す。外食しようという話になって、小春が行きたがったのはどこにでもあるファミレスだった。小春からすればそれはとても行ってみたい場所だったが、柊からすればせっかくならもっといい店に行きたかっただろう。一瞬、戸惑った顔をしたが、彼は快く小春に合わせてくれた。どうしてそんな顔をするのか分からなかったが、今はもう恥ずかしかった。
それでももう、何もかも遅い気がした。小春は柊に恋をしている。特別なきっかけはない。自然と好きになっていた。けれど今まで小春は、その感情は友人に対する好意なのだと勘違いしていたのだ。ロビーで綺麗な女性に囲まれる柊を見て、初めて自分の心に嫉妬心が芽生えるのを自覚した。それがとても恥ずかしくて、居たたまれない。どれほど柊の優しさに甘えていたのだろう。
そもそもこの友人関係は、小春に友達がいないから始まった関係だ。たまに面倒を見てもらっているような気分になる。それでも嬉しかった。友人以上の関係を望まなければ、これからも楽しいだろう。
柊と恋人になれるのは小春みたいな子ではない。戸塚茜のような華やかで綺麗な女性だ。大学内でも二人は付き合っているのではないかと噂になっていた。柊は話したことすらないのにどうしてそんな噂が出るのだろう、と苦笑していたけれど小春には痛いくらい理由が分かる。二人がすれ違うだけで絵になるのだから、当然だ。
電車に乗っても柊の演奏は小春の耳に残り続ける。
スマホには柊からメッセージが届いていた。
『演奏会、来てた?』
小春はスマホの画面に指を滑らせる。
『用事ができちゃって、ごめん』
『急に誘ったから大丈夫。気にしなくていいよ』
『もう終わったの?』
『うん』
『お疲れ様』
『ありがとう』
スマホの画面を閉じて、硬く目を閉じる。
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それでもバイオリンの音色が耳から離れない。
小春は初めて柊に嘘をついた。
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