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第1章︙精霊編
精霊の都
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「お、おれ………クロスとせいれいさんたちのとこにいくやくそく、してたんだけど……………クロス、かえってこないからさがしてたんだ。」
クロウという精霊さんに問いかけられた俺はそう答えると、二人は顔を見合わせた。
「え………?もしかして、精霊と契約しているのか?」
「いや………流石に精霊の都に連れてくるなんてことは普通しない筈。そういえば精霊王が連れてきたい人がいるとかなんとか言ってた気がするな。」
「………もしかしてこの子のことかしら。どうやって精霊王と知り合ったのか分からないけど、もし本当だったらあの人が気に入っていることは確かね。」
二人が話している言葉に精霊王が出てきたので俺は驚いた。
まさかクロスが精霊さんたちの所に行っていたなんて。…………やっぱり俺を置いていくつもりだったんだな。
約束したのに!!と俺がプンプン怒っているとアクアという精霊さんがゆっくりと口を開いた。
「………じゃあ、とりあえず精霊王の所に行って、その後貴方の契約精霊……クロスと言った……まあとにかくそのクロスとかいう精霊を探すわよ!」
「い、いいの?」
どうやらこの二人が俺をクロスの所に連れて行ってくれるらしい。俺は嬉しくてつい本当か聞いてしまった。
「勿論いいに決まってるでしょ!だめなんていう奴がいたら私が……フフフッこんな可愛い子傷付けようもんなら……殺る」
「うん。まあ精霊と契約している人間なら連れてきてもいいだろう。それに………今のお前は世界一安全だから安心しろ。」
上品に微笑んでいるアクアさんに、そのアクアさんをチラチラ見ながら少しばかり汗を垂らし俺に声をかけてくれるクロウさん。
「アクアさん。クロウさん。ありがと!!」
俺が満面の笑みでお礼を言うと二人は少しよろけたあと、急にやる気が出たのかクロウが俺を引っ掴んで………
影に入った。
「は……?え?なに?」
俺がとてつもなくあわあわしていると俺の様子に気づいたクロウさんが俺の頭をなでた。
「ここは影世界だ。時空世界と同じ四次元空間に存在していて距離という概念がないんだよ……………ん、まあ簡単に言えばどこにでもすぐに、そして簡単に行けますよってことだ。」
俺が意味わからんって顔をしていたらクロウさんが分かりやすく教えてくれた。
「あと俺のことはクロウでいいぞ。さん付けされると照れるからな。」
「うん。わかった…………クロウ。よろしくね。」
俺は少しはにかみながら言うと、クロウは優しく俺の手を繋いで歩き始める。
そのまま五分ほどてくてく歩いていると、突然クロウが立ち止まった。
「着いたぞ。」
クロウはそう言って指先から魔法陣みたいな格好良いやつを出してなにか呟く。
突如目の前が白く光って俺は草原に立っていた。
直ぐ側に湖があって綺麗な花も咲いているこの場所はとても絶景だ。
「う、うあー!とってもきれー!!すごい!」
俺は興奮してクロウの服の裾を引っ張っていると、向こうからアクアさんがやってきた。
「やっぱりあなたの影世界って便利よねー。私も使えるようにならないかしら。」
「使えてたまるか。水属性の精霊が闇魔法使えたら俺達の存在意義がなくなるわ」
アクアさんとクロウが言い合いを始めようとしたので俺はなんとかしようと口を開いた。
「アクアさん!クロウ、メチャすごいよ!なんかゆびからまほうじん、だしててかっこよかった!おれもあれやってみたい!」
思い出したらまた興奮してきた俺は、アクアさんにクロウが凄い格好良いことを一生懸命伝えた。
「あぁ、魔法陣?アレなら私も出せるから別に凄くもなんともないわよ。そんなことより……………私のことはアクアでいいわよダイキ。」
「あ………おねがいします。アクア」
どうやらあの魔法陣は別に凄くもなんともなかったらしいです。そんなことより自分の名前を気にしていたアクアを尻目にクロウが突然おれを抱き上げた。
「あ………!?」
「お前の足じゃ時間がかかるから急いで行くぞ。アクア。念の為に周りを頼んだ。」
「言われなくても分かってるわ。取り敢えずちょっかい出してきたやつらは潰すから。」
なにやらアクアがよろしくないことを口走っていた気がするけど、次の瞬間クロウが走り始めたせいで俺の頭は真っ白になった。
速すぎて声も出せない俺は、いつの間にか大きな門の前にいた。
「ここから先が精霊の都中心部、秘霊街だ。」
きらびやかな意匠の門の前でクロウが言った。
「すごいおーきい!」
俺がワクワクしていることに気づいたのか、アクアが俺の手を繋いだ。
「準備は良い?」
クロウが門を開いた
クロウという精霊さんに問いかけられた俺はそう答えると、二人は顔を見合わせた。
「え………?もしかして、精霊と契約しているのか?」
「いや………流石に精霊の都に連れてくるなんてことは普通しない筈。そういえば精霊王が連れてきたい人がいるとかなんとか言ってた気がするな。」
「………もしかしてこの子のことかしら。どうやって精霊王と知り合ったのか分からないけど、もし本当だったらあの人が気に入っていることは確かね。」
二人が話している言葉に精霊王が出てきたので俺は驚いた。
まさかクロスが精霊さんたちの所に行っていたなんて。…………やっぱり俺を置いていくつもりだったんだな。
約束したのに!!と俺がプンプン怒っているとアクアという精霊さんがゆっくりと口を開いた。
「………じゃあ、とりあえず精霊王の所に行って、その後貴方の契約精霊……クロスと言った……まあとにかくそのクロスとかいう精霊を探すわよ!」
「い、いいの?」
どうやらこの二人が俺をクロスの所に連れて行ってくれるらしい。俺は嬉しくてつい本当か聞いてしまった。
「勿論いいに決まってるでしょ!だめなんていう奴がいたら私が……フフフッこんな可愛い子傷付けようもんなら……殺る」
「うん。まあ精霊と契約している人間なら連れてきてもいいだろう。それに………今のお前は世界一安全だから安心しろ。」
上品に微笑んでいるアクアさんに、そのアクアさんをチラチラ見ながら少しばかり汗を垂らし俺に声をかけてくれるクロウさん。
「アクアさん。クロウさん。ありがと!!」
俺が満面の笑みでお礼を言うと二人は少しよろけたあと、急にやる気が出たのかクロウが俺を引っ掴んで………
影に入った。
「は……?え?なに?」
俺がとてつもなくあわあわしていると俺の様子に気づいたクロウさんが俺の頭をなでた。
「ここは影世界だ。時空世界と同じ四次元空間に存在していて距離という概念がないんだよ……………ん、まあ簡単に言えばどこにでもすぐに、そして簡単に行けますよってことだ。」
俺が意味わからんって顔をしていたらクロウさんが分かりやすく教えてくれた。
「あと俺のことはクロウでいいぞ。さん付けされると照れるからな。」
「うん。わかった…………クロウ。よろしくね。」
俺は少しはにかみながら言うと、クロウは優しく俺の手を繋いで歩き始める。
そのまま五分ほどてくてく歩いていると、突然クロウが立ち止まった。
「着いたぞ。」
クロウはそう言って指先から魔法陣みたいな格好良いやつを出してなにか呟く。
突如目の前が白く光って俺は草原に立っていた。
直ぐ側に湖があって綺麗な花も咲いているこの場所はとても絶景だ。
「う、うあー!とってもきれー!!すごい!」
俺は興奮してクロウの服の裾を引っ張っていると、向こうからアクアさんがやってきた。
「やっぱりあなたの影世界って便利よねー。私も使えるようにならないかしら。」
「使えてたまるか。水属性の精霊が闇魔法使えたら俺達の存在意義がなくなるわ」
アクアさんとクロウが言い合いを始めようとしたので俺はなんとかしようと口を開いた。
「アクアさん!クロウ、メチャすごいよ!なんかゆびからまほうじん、だしててかっこよかった!おれもあれやってみたい!」
思い出したらまた興奮してきた俺は、アクアさんにクロウが凄い格好良いことを一生懸命伝えた。
「あぁ、魔法陣?アレなら私も出せるから別に凄くもなんともないわよ。そんなことより……………私のことはアクアでいいわよダイキ。」
「あ………おねがいします。アクア」
どうやらあの魔法陣は別に凄くもなんともなかったらしいです。そんなことより自分の名前を気にしていたアクアを尻目にクロウが突然おれを抱き上げた。
「あ………!?」
「お前の足じゃ時間がかかるから急いで行くぞ。アクア。念の為に周りを頼んだ。」
「言われなくても分かってるわ。取り敢えずちょっかい出してきたやつらは潰すから。」
なにやらアクアがよろしくないことを口走っていた気がするけど、次の瞬間クロウが走り始めたせいで俺の頭は真っ白になった。
速すぎて声も出せない俺は、いつの間にか大きな門の前にいた。
「ここから先が精霊の都中心部、秘霊街だ。」
きらびやかな意匠の門の前でクロウが言った。
「すごいおーきい!」
俺がワクワクしていることに気づいたのか、アクアが俺の手を繋いだ。
「準備は良い?」
クロウが門を開いた
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