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第2章︙モスタニア連合国編
不穏な知らせと真実
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いつも読んでくださりありがとうございます!
そして誤字を教えてくださった方、ありがとうございます!
どうしても誤字があって申し訳ないです。
これからもお付き合いいただけると幸いです。
疑問点については近況ボードにのせるつもりです。
よろしくお願いしますm(_ _)m
----------------
総ギルド戦に優勝したと聞かされたのは、私が総ギルド戦から丸二日意識を失っていたため、すでに総ギルド戦後夜祭が終わったあとだった。
今でも本当に信じられない。私があのキルケを圧倒していたらしいけど、そんな記憶なんてないし、何よりそんなことできるなんてあり得ない。
まさかグリモワールが……とも思っていたけれど、流石に私の体を乗っ取るなんてことはできないので、やはり謎のままだった。
そんな私は今、何故か馬車に揺られてクリシュ様と向き合っている。
「あの、ありがとうございました」
「いいのよ気にしなくて。貴方があの女で困っているのをたまたま知っただけだから」
少し前に私はギルドで魔物図鑑を読んでいると、突如聖女様が訪問してきたのだ。
仮面をつけていない今の状況で、というか至近距離で接触すること自体が危険だった私に、タイミングよく通りかかってくれたクリシュ様が私を馬車の中に入れてくださったのだ。
クリシュ様は、どうやら私の事情について把握しているらしいけれど……
「単刀直入に言うわね。貴方はあの女に婚約者を盗られたのでしょう?」
「………わかりません。盗られた、という表現が正しいとは思えません。だって……結局はライオル王子が聖女様を自らの意思で選んだのですから」
聖女様だって悪いところはあったと思うけど、ライオル王子の意思までも聖女様のせいにするのは違うのではないかと私が暗に告げると、クリシュ様は暫く思考し沈黙していた様子だった。
「王子が自らの意思で?……まさかあの女、正式に召喚の儀を経ていない?……でも、それじゃあどうやってあそこまでの力があるのかしら?」
正式な召喚の儀?
「あ、あの、聖女様について知りたいような様子が見受けられますけど、理由を聞いてもよろしいでしょうか」
クリシュ様が何を言っているのかよく分からなかったけれど、聖女様について知りたいなら直接聞けば良いはず。
私は不思議に思ってそう問いかけると、クリシュ様はなにやら苦い顔をして首を横に振った。
「できるならそうしているわ。でも、あの女は……とにかく、今の私達はそんな関係ではないのよ。それにあの女、なにか隠し事をしているようだしね」
……さっきから聖女様のことを「あの女」呼びしているなんて、普段は温厚そうな様子を見せているクリシュ様は余程聖女様のことが嫌いなのだろう。
それに、クリシュ様は聖女様について何か知っているような様子。
「あの女は色々とおかしいわよ。そもそも、召喚の儀は禁術なの」
………え?
「ちょ、ちょっと待ってください。禁術?どういうことですか?」
禁術とは、言葉のとおり禁忌とされている魔術のこと。
召喚の儀が禁術に分類されているなんて初耳だ。聖なるものとして扱われてきた召喚の儀だからそんなことは欠片も思わなかった。
でも……召喚の儀が禁術ということは、禁術にされた理由があるはず。
「そもそも召喚の儀は、他の【神】の領域から窃盗するような行為よ。それが聖なるものとして語り継がれているのがこの世界だけど、普通に考えればあり得ないことね」
………確かに。自分たちは聖女が天界で暮らす聖なる存在ではなく、れっきとした異世界人だということを知っていたのだ。
神を信仰している人が多いこの世の中で、異世界の神のことなど欠片も考えていなかった。
「………ですが、神から窃盗するような行為というには少し無理があるでしょう?人間である私達が神の目を盗んでそんな事が出来るとは思えません」
そう、自分達人間が神を超えられる存在なわけないのだ。そこまで自惚れてないし、そもそも神が気づかないわけがないはず。
「だから………召喚の儀には大きな犠牲が必要なのよ」
「……大きな犠牲?」
「ええ、私が異世界に召喚されてから大分経って気づいたことだけど、召喚の儀には膨大な魔力を使うのよ。でもそれは普通の召喚の儀。異世界から召喚するには特別な魔力が必要だった」
「まさか………」
「人の命よ。生命を糧とした魔力の本質という大きな犠牲により神の監視を掻い潜っていたのよ」
じゃあ……聖女様が異世界に降臨するまでに、たくさんの人達の命が犠牲になったということ?
そんなものはもう聖なるものなんかじゃない。……聖女がなにかわからない。人の犠牲により成り立つ者が聖女ならば、それは聖女だとは思えない。
「聖女様は………結局、なんなのですか?」
私が震える声でそう問いかけると、クリシュ様は悲しそうな、でも強い口調でハッキリと告げる。
「この世界の聖女は基本、光属性魔法が世界トップクラスの治癒士であり……そして、異世界人。ただそれだけよ。心が広いわけでもないし、絶対善でもない、そんなものに沢山の命を懸けてでも欲しい人材ではないのよ」
そんな………そうなら何故聖女様を召喚する理由がわからない。わざわざ召喚してまで助けを求めるほどあの国も困ってはいなかった。
それに人が行方不明になる知らせなんて聞いていなかった。たくさんの人達が必要なはずの召喚の儀を重要人物であった私から隠せる筈がない。どうやって沢山の人の命を集めることができたのか。
それに………召喚の儀でしか聖女様を召喚できないならば、聖女様の降臨を予言したあの占い師は何者なのか。
分からない。
今の私には何一つ正解にたどり着ける手がかりは無かった。
「だから貴方には気をつけて欲しい。異世界から来たあの女は良かれ悪かれ特別な存在。あなたに何を仕掛けてくるのか、そしてなんの力があるのか把握できない今はあまりにも危険すぎる」
「危険……?」
「あの女は必ずあなたに接触してくるはず。それも悪意を持って。だからそれまでに備えなさい。【聖女】に対抗できる力を身につけて、いつかのときのために準備をするしか今できることはないわ。幸い貴方には特別な力がある。だから………貴方が全ての負の連鎖を断ち切れることを祈って」
馬車が止まりクリシュ様は立ち上がった。
「え……ちょっと待ってください!」
「貴方にしかもうこの連鎖を終わらせることができないわ。もう、大きくなりすぎたのよ。いざとなったら助けを呼んでね。……一回だけ、絶対に助けてあげるから」
振り返らずに立ち去るクリシュ様は魔法陣を展開し超級魔法の転移を発動させる。
かくして、神の試練を前にして皆が備えるなか、私の心には一つの不安が芽生え始めていた。
そして誤字を教えてくださった方、ありがとうございます!
どうしても誤字があって申し訳ないです。
これからもお付き合いいただけると幸いです。
疑問点については近況ボードにのせるつもりです。
よろしくお願いしますm(_ _)m
----------------
総ギルド戦に優勝したと聞かされたのは、私が総ギルド戦から丸二日意識を失っていたため、すでに総ギルド戦後夜祭が終わったあとだった。
今でも本当に信じられない。私があのキルケを圧倒していたらしいけど、そんな記憶なんてないし、何よりそんなことできるなんてあり得ない。
まさかグリモワールが……とも思っていたけれど、流石に私の体を乗っ取るなんてことはできないので、やはり謎のままだった。
そんな私は今、何故か馬車に揺られてクリシュ様と向き合っている。
「あの、ありがとうございました」
「いいのよ気にしなくて。貴方があの女で困っているのをたまたま知っただけだから」
少し前に私はギルドで魔物図鑑を読んでいると、突如聖女様が訪問してきたのだ。
仮面をつけていない今の状況で、というか至近距離で接触すること自体が危険だった私に、タイミングよく通りかかってくれたクリシュ様が私を馬車の中に入れてくださったのだ。
クリシュ様は、どうやら私の事情について把握しているらしいけれど……
「単刀直入に言うわね。貴方はあの女に婚約者を盗られたのでしょう?」
「………わかりません。盗られた、という表現が正しいとは思えません。だって……結局はライオル王子が聖女様を自らの意思で選んだのですから」
聖女様だって悪いところはあったと思うけど、ライオル王子の意思までも聖女様のせいにするのは違うのではないかと私が暗に告げると、クリシュ様は暫く思考し沈黙していた様子だった。
「王子が自らの意思で?……まさかあの女、正式に召喚の儀を経ていない?……でも、それじゃあどうやってあそこまでの力があるのかしら?」
正式な召喚の儀?
「あ、あの、聖女様について知りたいような様子が見受けられますけど、理由を聞いてもよろしいでしょうか」
クリシュ様が何を言っているのかよく分からなかったけれど、聖女様について知りたいなら直接聞けば良いはず。
私は不思議に思ってそう問いかけると、クリシュ様はなにやら苦い顔をして首を横に振った。
「できるならそうしているわ。でも、あの女は……とにかく、今の私達はそんな関係ではないのよ。それにあの女、なにか隠し事をしているようだしね」
……さっきから聖女様のことを「あの女」呼びしているなんて、普段は温厚そうな様子を見せているクリシュ様は余程聖女様のことが嫌いなのだろう。
それに、クリシュ様は聖女様について何か知っているような様子。
「あの女は色々とおかしいわよ。そもそも、召喚の儀は禁術なの」
………え?
「ちょ、ちょっと待ってください。禁術?どういうことですか?」
禁術とは、言葉のとおり禁忌とされている魔術のこと。
召喚の儀が禁術に分類されているなんて初耳だ。聖なるものとして扱われてきた召喚の儀だからそんなことは欠片も思わなかった。
でも……召喚の儀が禁術ということは、禁術にされた理由があるはず。
「そもそも召喚の儀は、他の【神】の領域から窃盗するような行為よ。それが聖なるものとして語り継がれているのがこの世界だけど、普通に考えればあり得ないことね」
………確かに。自分たちは聖女が天界で暮らす聖なる存在ではなく、れっきとした異世界人だということを知っていたのだ。
神を信仰している人が多いこの世の中で、異世界の神のことなど欠片も考えていなかった。
「………ですが、神から窃盗するような行為というには少し無理があるでしょう?人間である私達が神の目を盗んでそんな事が出来るとは思えません」
そう、自分達人間が神を超えられる存在なわけないのだ。そこまで自惚れてないし、そもそも神が気づかないわけがないはず。
「だから………召喚の儀には大きな犠牲が必要なのよ」
「……大きな犠牲?」
「ええ、私が異世界に召喚されてから大分経って気づいたことだけど、召喚の儀には膨大な魔力を使うのよ。でもそれは普通の召喚の儀。異世界から召喚するには特別な魔力が必要だった」
「まさか………」
「人の命よ。生命を糧とした魔力の本質という大きな犠牲により神の監視を掻い潜っていたのよ」
じゃあ……聖女様が異世界に降臨するまでに、たくさんの人達の命が犠牲になったということ?
そんなものはもう聖なるものなんかじゃない。……聖女がなにかわからない。人の犠牲により成り立つ者が聖女ならば、それは聖女だとは思えない。
「聖女様は………結局、なんなのですか?」
私が震える声でそう問いかけると、クリシュ様は悲しそうな、でも強い口調でハッキリと告げる。
「この世界の聖女は基本、光属性魔法が世界トップクラスの治癒士であり……そして、異世界人。ただそれだけよ。心が広いわけでもないし、絶対善でもない、そんなものに沢山の命を懸けてでも欲しい人材ではないのよ」
そんな………そうなら何故聖女様を召喚する理由がわからない。わざわざ召喚してまで助けを求めるほどあの国も困ってはいなかった。
それに人が行方不明になる知らせなんて聞いていなかった。たくさんの人達が必要なはずの召喚の儀を重要人物であった私から隠せる筈がない。どうやって沢山の人の命を集めることができたのか。
それに………召喚の儀でしか聖女様を召喚できないならば、聖女様の降臨を予言したあの占い師は何者なのか。
分からない。
今の私には何一つ正解にたどり着ける手がかりは無かった。
「だから貴方には気をつけて欲しい。異世界から来たあの女は良かれ悪かれ特別な存在。あなたに何を仕掛けてくるのか、そしてなんの力があるのか把握できない今はあまりにも危険すぎる」
「危険……?」
「あの女は必ずあなたに接触してくるはず。それも悪意を持って。だからそれまでに備えなさい。【聖女】に対抗できる力を身につけて、いつかのときのために準備をするしか今できることはないわ。幸い貴方には特別な力がある。だから………貴方が全ての負の連鎖を断ち切れることを祈って」
馬車が止まりクリシュ様は立ち上がった。
「え……ちょっと待ってください!」
「貴方にしかもうこの連鎖を終わらせることができないわ。もう、大きくなりすぎたのよ。いざとなったら助けを呼んでね。……一回だけ、絶対に助けてあげるから」
振り返らずに立ち去るクリシュ様は魔法陣を展開し超級魔法の転移を発動させる。
かくして、神の試練を前にして皆が備えるなか、私の心には一つの不安が芽生え始めていた。
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