釣りはじめました

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瀬高君、車買う編

瀬高君、車買う編2

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 翌日の水曜日。
 さっそく、仕事終わりにヨシさん達に車の相談をする事にした。
 「なんね?車ば買い換えると?」
 「正直なところ、まだ迷ってます。アドバイス頂けませんか?」
 ヨシさん達は頷き、まだ残っていた重松さんは興味津々だった。
 僕は昨日買った雑誌を二冊テーブルに並べる。
 「迷ってるって事は、今の車を修理に出す事も検討してるって事だよね?」
 「はい。初めて買った車で、愛着もありますし……。」
 「修理代が思いの外高かったって事ね。」
 ヨシさんと重松さんの言葉に僕は「はい。」と答えて、頷く。
 「で、なんで釣りの雑誌まであるの?」
 重松さんは不思議そうに首を傾げる。
 「偶然なんですけど、釣り車特集があってたんですよ。」
 僕はそのページを広げて見せる。
 「わぁ~。凄いわね。ディーラーオプションでも竿を掛けられるような装備もあるのね。」
 「この車も凄いね。後部座席が二段になってる。上は寝る事も出来るスペースになってて、下には釣具を収納出来るようになってるね。」
 「はい。カスタマイズらしいですけど、車中泊もゆっくり出来ていいですよね。」
 「車中泊が快適なのはよかよね。おっ?これは凄く収納にこだわっとる。」
 みんなでワイワイ言いながら、ページをめくっていく。なんか良いな。
 一通り、特集を読んで、車雑誌の方へ目をやる。
 「瀬高は気になっとる車とかあるとね?」
 「ん~。あんまり詳しくもないですし、こだわりもないんですよね。釣り車見て、いいな。とは思うんですけど、実際どうなんだろう?とも思うんです。」
 「釣り専用の車を持てる訳ではないからね。」
 「そうよね。ヒロくんはこれから家族が出来るかもしれないし、少し先の未来の事も考えて選ばないといけないからね。」
 「あはは……。そんな予定は今のところ無いですけどね……。」
 僕は苦笑いを浮かべた。
 「欲しい車があると選ぶのは簡単とばってんね。そこから、自分が実際に買える値段の車っていうのも見えてくるけん。」
 「そうですね。普通車でも軽でも、ワンボックスカーがいいですかね?釣りにも使えて、広さもあって荷物も積めて……あと、燃費も重要ですよね……。」
 「なかなか注文の多かね。」
 「ははは……。」
 「まあ、悩む事だよね。普通車と軽だと税金も違うし、グレードもあるし、ナビなんかも付けたりするだろうしね。トータル的に考えないといけないしね。」
 「燃費は大事よ。家庭の財布を預かる身としては、一円でも安いガソリンスタンド探しちゃうもん。」
 「あははは。あれってそこのガソリンスタンドまで行くのがもったいなくない?近くで一円高い所で入れた方が経済的だよ。」
 「もう!ヨシさん!それ言ったら全て台無しじゃないですか!?こっちは一生懸命に悩んで考えてるのに!」
 そんな話を続けながら、結局、この日は答えが出なかった。なので、ディーラーさんに電話して、明日見てみたい車のカタログを会社に持って来て貰う事にした。
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