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エギング編
エギング編22
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日曜日。
昨日、島田社長から貰ったラインでFGノットを練習する。
ん~。なかなか難しい。
他に簡単な結び方は無いものかと、スマートフォンで動画を調べていると、『簡単FGノット』というのが出てきた。
おお!?口にくわえて……なんか、コレならいけるかも?と、とりあえずやってみたら、思いのほか簡単に出来た。
まあ、実際釣りに行ってやってみないと、これで良いのかは分からないけど……。
何回も練習した後、昨日買ったリールに結んだ。
はぁ~。やっぱり、かっこいいわ~。新しいリール。
うっとりしながら、ハンドルを回す。ハンドルはダブルハンドルだ。今まで使っていたリールも悪いと思った事はないけれど、なんか違う。
ロッドにセットして持ってみる。
ふぉ~。たまらん。なんか……こう、手にしっくりくる感じ?これでイカがかかったら、どんな感じなんだろう?
軽く振ってみる。……いいね!いいね~!!
ワクワクと釣りに行きたい!って衝動が抑えられない。
……こんな時は、DVDを観よう。観て、心を鎮めよう。
ヨシさんに新しく借りたエギングDVDを観る。今回はマイコさんのではなく、森重さんのDVD。
…。
……。
………。
…………逆効果だった。はっきり言って。
悶々とする。釣りがしたくてたまらない!
時間もないし、外は雨だし、釣りには行けない。こういう時は、ふて寝するのに限る。
ふて寝して夕飯食べて、あっという間に月曜日になった。
天気予報は見事に当たり、今日も雨だったが、季節外れの向日葵がパッと咲いているように見えた。
『あの子もわかりやすかけんね~。』と言っていた島田社長の言うとおりだ。声のトーンもまるっきり違う。秋の憂い顔は何処へやら……。
重松さんは今にもスキップでもしそうにニコニコとしている。
何時もの朝礼後、僕と島田社長、ヨシさんは重松さんに呼び止められて、お礼を言われた。
「ご心配をお掛けし申し訳ありませんでした。そして、ありがとうございました。」
重松さんは深々と頭を下げる。
まあ、朝礼の時の重松さんを見ていたら答えなんて分かっているのだけれど、島田社長は口を開いた。
「旦那君から、話は聞いとったけど、誤解も解けて、試験にも受かったとね?」
「はい!お陰様で……。子供のような所のある主人ですので、皆さんにはご迷惑をお掛けしました。」
再度、重松さんはそう言い、頭を下げる。
「そうね。試験を受けるために勉強する事は誉められる事だけど、あのサプライズは、あんまないよね~。家族なんだから、相談してくれれば協力も出来るし、応援も出来るし、重松ちゃんとの関係もギクシャクしないで済んだのにねぇ~。」
ヨシさんの言う事に、ははは。と重松さんは苦笑いを浮かべたけれど、やはり嬉しそうだった。
「ヒロくんも、ごめんね。ウチの旦那に胸ぐら掴まれて殴られそうになったんでしょ?」
今度は僕がいえいえ。と苦笑いして言った。
「ソラちゃんと旦那さんも仲直り出来ましたか?」
「うん。お陰様で……。ただ、少し困ったというか何と言うか……。」
僕達三人は、ん?と同じように顔になった。
「旦那が、ソラに今度の休みの日に何処に行きたい?って聞いたら、ソラ……釣りに行きたいって言うんです。あの日から、ソラ、ヒロくんに買って貰った釣り竿でよく遊ぶんです。『どんな魚が釣れるでしょ~♪』って歌いながら、何か引っ掛けて遊ぶんですよ……。釣りに行くのは良いのですけれど、場所もこの前と同じで良いのか、同じような道具で釣ればいいのか?とか心配で……。」
三人で大声で笑う。何時も重松さんの怒る声が響くけど、この時ばかりは僕達の圧勝だった。思いがけない所で新しい釣りバカが生まれたのかもしれない。そんな瞬間だった。
重松さんちの問題も解決して良かったと思う今日この頃。秋雨は静かに拍手をするように屋根や地面に降り続いていた。
昨日、島田社長から貰ったラインでFGノットを練習する。
ん~。なかなか難しい。
他に簡単な結び方は無いものかと、スマートフォンで動画を調べていると、『簡単FGノット』というのが出てきた。
おお!?口にくわえて……なんか、コレならいけるかも?と、とりあえずやってみたら、思いのほか簡単に出来た。
まあ、実際釣りに行ってやってみないと、これで良いのかは分からないけど……。
何回も練習した後、昨日買ったリールに結んだ。
はぁ~。やっぱり、かっこいいわ~。新しいリール。
うっとりしながら、ハンドルを回す。ハンドルはダブルハンドルだ。今まで使っていたリールも悪いと思った事はないけれど、なんか違う。
ロッドにセットして持ってみる。
ふぉ~。たまらん。なんか……こう、手にしっくりくる感じ?これでイカがかかったら、どんな感じなんだろう?
軽く振ってみる。……いいね!いいね~!!
ワクワクと釣りに行きたい!って衝動が抑えられない。
……こんな時は、DVDを観よう。観て、心を鎮めよう。
ヨシさんに新しく借りたエギングDVDを観る。今回はマイコさんのではなく、森重さんのDVD。
…。
……。
………。
…………逆効果だった。はっきり言って。
悶々とする。釣りがしたくてたまらない!
時間もないし、外は雨だし、釣りには行けない。こういう時は、ふて寝するのに限る。
ふて寝して夕飯食べて、あっという間に月曜日になった。
天気予報は見事に当たり、今日も雨だったが、季節外れの向日葵がパッと咲いているように見えた。
『あの子もわかりやすかけんね~。』と言っていた島田社長の言うとおりだ。声のトーンもまるっきり違う。秋の憂い顔は何処へやら……。
重松さんは今にもスキップでもしそうにニコニコとしている。
何時もの朝礼後、僕と島田社長、ヨシさんは重松さんに呼び止められて、お礼を言われた。
「ご心配をお掛けし申し訳ありませんでした。そして、ありがとうございました。」
重松さんは深々と頭を下げる。
まあ、朝礼の時の重松さんを見ていたら答えなんて分かっているのだけれど、島田社長は口を開いた。
「旦那君から、話は聞いとったけど、誤解も解けて、試験にも受かったとね?」
「はい!お陰様で……。子供のような所のある主人ですので、皆さんにはご迷惑をお掛けしました。」
再度、重松さんはそう言い、頭を下げる。
「そうね。試験を受けるために勉強する事は誉められる事だけど、あのサプライズは、あんまないよね~。家族なんだから、相談してくれれば協力も出来るし、応援も出来るし、重松ちゃんとの関係もギクシャクしないで済んだのにねぇ~。」
ヨシさんの言う事に、ははは。と重松さんは苦笑いを浮かべたけれど、やはり嬉しそうだった。
「ヒロくんも、ごめんね。ウチの旦那に胸ぐら掴まれて殴られそうになったんでしょ?」
今度は僕がいえいえ。と苦笑いして言った。
「ソラちゃんと旦那さんも仲直り出来ましたか?」
「うん。お陰様で……。ただ、少し困ったというか何と言うか……。」
僕達三人は、ん?と同じように顔になった。
「旦那が、ソラに今度の休みの日に何処に行きたい?って聞いたら、ソラ……釣りに行きたいって言うんです。あの日から、ソラ、ヒロくんに買って貰った釣り竿でよく遊ぶんです。『どんな魚が釣れるでしょ~♪』って歌いながら、何か引っ掛けて遊ぶんですよ……。釣りに行くのは良いのですけれど、場所もこの前と同じで良いのか、同じような道具で釣ればいいのか?とか心配で……。」
三人で大声で笑う。何時も重松さんの怒る声が響くけど、この時ばかりは僕達の圧勝だった。思いがけない所で新しい釣りバカが生まれたのかもしれない。そんな瞬間だった。
重松さんちの問題も解決して良かったと思う今日この頃。秋雨は静かに拍手をするように屋根や地面に降り続いていた。
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