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エギング編
エギング編3
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まず、子供達とお姉様′Sの仕掛けからセットしていく。
流石に、この手のワンタチ仕掛けは手慣れた物になっていた。
ぱぱっと三人で仕掛けをセットし、餌を混ぜる。子供達は今か今かと待ち遠しくてたまらない様子だ。
海に撒いて様子をうかがう。
……どうやら、バッチリのようだ。
カイくんは島田社長との経験があるため、説明不要だった。そして、カイくんはソラちゃんに釣り方を教えている。
ほぉ、カイくんやりますなぁ。親切丁寧に、並んで釣り方を教える。
島田社長は奈緒さんに、ヨシさんは重松さんに教えている。
ぬ!僕一人あぶれているような……。
仕方ないので、僕は釣る事にした。もちろん、今回も『よくばり君』を装備している。皆、今回は『よくばり君』だ。
まだ、そんなに満ちていないので、直ぐに底に着いた。
ホイホイと軽くしゃくる。
餌を入れなおして、またシャクる。
すると、コツコツコツ!っと早速アタリがきた!
おぉ!さいさきがいいよ~!
上がって来たのは、アジゴだった。
明らかに、この前釣ったサイズより型が良い!
「おお!ヒロ兄ちゃんすげぇ!」
「ヒロ兄ちゃん、すごい!」
一番乗りで釣った僕は、子供達のヒーローになってしまった。
照れながら、フィッシュグリップで掴み、ハリを外してクーラーボックスに入れる。
すると今度は、釣り初挑戦のソラちゃんにヒットした。
あわわ!と言わんばかりに慌てるソラちゃん、カイくんはそれをフォローするように言う。
「ソラちゃん、落ち着いて。ゆっくりでいいから、ゆっくりで…。」
ソラちゃんは言われるようにゆっくりとリールを巻く。
……ソラちゃん、見事に初ゲット!しかも、デカい!!
これはアジゴではなく、もう立派なアジだった。20cmはあるだろう。
ソラちゃん、重松さんはキャッキャキャッキャ言って喜ぶ。
その魚を僕が外してやり、スマートフォンで記念撮影をした。
帰ったら、パパに見せようね~。などと言っている。
そうこうしていると、ラッシュが始まった。
カイくんにも奈緒さんにも島田社長にもヨシさんにも続けてきた!
しかも、みんな良いサイズだ!
うぉ~!僕も釣りたい!!と思ったけど、なぜか、魚外し役になってしまった。釣ろうと思っても次から次へと魚が釣れるものだから、つい、魚を外してしまう。
釣りに戻れた時には、それはラッシュの終わりでもあった。
……釣れない。いや、僕は一匹釣れているので良いけれど、重松さんはまだ、釣れていなかった。
横から見ても、何かヤケになってる感じがする。
「重松さん、もっとゆっくりシャクると良いかもしれませんよ。」
「こう?」
「はい。そうです。そんな感じです。それと、たまにシャクった後にシャクるのをやめて待ってみるのもいいですよ。」
「こんな風に?」
重松さんはシャクるのをやめて、止めてみた。
はい。そうです。と僕が言った瞬間、重松さんのロッドに待望のアタリがあった!
おお!?引きが激しくない!?これ、もしかして大物じゃない!?
「重松さん、ドラグ……。」
僕がそう言う前に、重松さんは魚をぶり上げた!
なんとパワフル。しかも、今日イチじゃない?
25cmはあるだろう。立派なアジだった。
重松さんはキャッキャキャッキャまたソラちゃんとはしゃぐ。
同じように写真を撮ったが、気に食わないのか何枚か撮り直した。
一匹釣った後の重松さんはすごかった。取り憑かれたかのように、釣りはじめる。
アジゴ、キンギョ、そして、初めて見た、イワシを釣り上げた。
島田社長が言うには、カタクチイワシらしい。
魚もいい感じに釣れ、ふと後ろを見たら、白猫が一匹座ってこちらを見ていた。
あっ、可愛い。と思った瞬間、アタリがきたので、上げてみると、キンギョだった。
食べるかな?とキンギョをその白猫にあげてみたけど、興味を示さなかった。
あれ?と思い、キンギョを拾って海に返したが、白猫は逃げなかった。
ん?キンギョがお気に召さなかったのかな??
間髪入れずに釣れたアジゴを白猫に見せてみる。
すると白猫はミャーと鳴いた。
あら?アジゴがご所望なのかしらね?アジゴをヒラヒラさせると、白猫はピョンと僕の隣へやってきた。
アジゴを差し出すと、白猫はかぶりついた。
ニャオニャオニャオと食べながら言う。美味しいのかしら?あまりにも可愛いので、また釣ってあげてみる。
また、ニャオニャオニャオと食べる。
……可愛い。
それに気が付いたのか、奈緒さん達は白猫を撫ではじめた。
ゴロゴロと言わせる白猫。なんと人懐っこい。
ひとしきり白猫を撫でた後、また皆、釣りを始めた。
白猫はなぜか、海を見つめながら、僕の隣に座っている。
そんなにお腹が、減っているのだろうか?
しばらく、釣れなかったが、白猫は離れる気配もない。
他に貰いに行かないのかな?と思っていると二匹いっぺんに釣れた。これも、白猫に献上する。
白猫はニャオニャオニャオと再度食べる。
あっ、キンギョが釣れた。また、キンギョをやってみる。
……見向きもしない。キンギョをまた海へ返した。
好みってあるのかな?キンギョも、つみれ汁にしたら美味しいって言ってたのになぁ……。
なんか不服だけど、釣ったアジゴは沢山食べさせた。
釣れない時間が始まり、またマッタリとした独特な空気感になる。
太陽に照らされ海はキラキラと宝石を散りばめられたかのように輝いて、そこを小さな船が行き交いして、海に波の色を生む。
海鳥も空を飛んだり、海面で羽を休めたり、空と海に星を散らしたようだった。
そして、今、僕の隣には白猫がいる。きっと良い絵になっているだろう。
横を見ると、既に白猫は居なかった。
おいおい。せっかく良い雰囲気だったのに……。
白猫はお腹がいっぱいになったのか、これ以上居ても意味がないと思ったのか、駐車スペースの方へ歩いて帰って行っていた。
猫は気まぐれ、よく言ったもんだ。そこが可愛いのだろうけど、また会えるかな?なんて思いながら白猫の後ろ姿を見送る。
流石に、この手のワンタチ仕掛けは手慣れた物になっていた。
ぱぱっと三人で仕掛けをセットし、餌を混ぜる。子供達は今か今かと待ち遠しくてたまらない様子だ。
海に撒いて様子をうかがう。
……どうやら、バッチリのようだ。
カイくんは島田社長との経験があるため、説明不要だった。そして、カイくんはソラちゃんに釣り方を教えている。
ほぉ、カイくんやりますなぁ。親切丁寧に、並んで釣り方を教える。
島田社長は奈緒さんに、ヨシさんは重松さんに教えている。
ぬ!僕一人あぶれているような……。
仕方ないので、僕は釣る事にした。もちろん、今回も『よくばり君』を装備している。皆、今回は『よくばり君』だ。
まだ、そんなに満ちていないので、直ぐに底に着いた。
ホイホイと軽くしゃくる。
餌を入れなおして、またシャクる。
すると、コツコツコツ!っと早速アタリがきた!
おぉ!さいさきがいいよ~!
上がって来たのは、アジゴだった。
明らかに、この前釣ったサイズより型が良い!
「おお!ヒロ兄ちゃんすげぇ!」
「ヒロ兄ちゃん、すごい!」
一番乗りで釣った僕は、子供達のヒーローになってしまった。
照れながら、フィッシュグリップで掴み、ハリを外してクーラーボックスに入れる。
すると今度は、釣り初挑戦のソラちゃんにヒットした。
あわわ!と言わんばかりに慌てるソラちゃん、カイくんはそれをフォローするように言う。
「ソラちゃん、落ち着いて。ゆっくりでいいから、ゆっくりで…。」
ソラちゃんは言われるようにゆっくりとリールを巻く。
……ソラちゃん、見事に初ゲット!しかも、デカい!!
これはアジゴではなく、もう立派なアジだった。20cmはあるだろう。
ソラちゃん、重松さんはキャッキャキャッキャ言って喜ぶ。
その魚を僕が外してやり、スマートフォンで記念撮影をした。
帰ったら、パパに見せようね~。などと言っている。
そうこうしていると、ラッシュが始まった。
カイくんにも奈緒さんにも島田社長にもヨシさんにも続けてきた!
しかも、みんな良いサイズだ!
うぉ~!僕も釣りたい!!と思ったけど、なぜか、魚外し役になってしまった。釣ろうと思っても次から次へと魚が釣れるものだから、つい、魚を外してしまう。
釣りに戻れた時には、それはラッシュの終わりでもあった。
……釣れない。いや、僕は一匹釣れているので良いけれど、重松さんはまだ、釣れていなかった。
横から見ても、何かヤケになってる感じがする。
「重松さん、もっとゆっくりシャクると良いかもしれませんよ。」
「こう?」
「はい。そうです。そんな感じです。それと、たまにシャクった後にシャクるのをやめて待ってみるのもいいですよ。」
「こんな風に?」
重松さんはシャクるのをやめて、止めてみた。
はい。そうです。と僕が言った瞬間、重松さんのロッドに待望のアタリがあった!
おお!?引きが激しくない!?これ、もしかして大物じゃない!?
「重松さん、ドラグ……。」
僕がそう言う前に、重松さんは魚をぶり上げた!
なんとパワフル。しかも、今日イチじゃない?
25cmはあるだろう。立派なアジだった。
重松さんはキャッキャキャッキャまたソラちゃんとはしゃぐ。
同じように写真を撮ったが、気に食わないのか何枚か撮り直した。
一匹釣った後の重松さんはすごかった。取り憑かれたかのように、釣りはじめる。
アジゴ、キンギョ、そして、初めて見た、イワシを釣り上げた。
島田社長が言うには、カタクチイワシらしい。
魚もいい感じに釣れ、ふと後ろを見たら、白猫が一匹座ってこちらを見ていた。
あっ、可愛い。と思った瞬間、アタリがきたので、上げてみると、キンギョだった。
食べるかな?とキンギョをその白猫にあげてみたけど、興味を示さなかった。
あれ?と思い、キンギョを拾って海に返したが、白猫は逃げなかった。
ん?キンギョがお気に召さなかったのかな??
間髪入れずに釣れたアジゴを白猫に見せてみる。
すると白猫はミャーと鳴いた。
あら?アジゴがご所望なのかしらね?アジゴをヒラヒラさせると、白猫はピョンと僕の隣へやってきた。
アジゴを差し出すと、白猫はかぶりついた。
ニャオニャオニャオと食べながら言う。美味しいのかしら?あまりにも可愛いので、また釣ってあげてみる。
また、ニャオニャオニャオと食べる。
……可愛い。
それに気が付いたのか、奈緒さん達は白猫を撫ではじめた。
ゴロゴロと言わせる白猫。なんと人懐っこい。
ひとしきり白猫を撫でた後、また皆、釣りを始めた。
白猫はなぜか、海を見つめながら、僕の隣に座っている。
そんなにお腹が、減っているのだろうか?
しばらく、釣れなかったが、白猫は離れる気配もない。
他に貰いに行かないのかな?と思っていると二匹いっぺんに釣れた。これも、白猫に献上する。
白猫はニャオニャオニャオと再度食べる。
あっ、キンギョが釣れた。また、キンギョをやってみる。
……見向きもしない。キンギョをまた海へ返した。
好みってあるのかな?キンギョも、つみれ汁にしたら美味しいって言ってたのになぁ……。
なんか不服だけど、釣ったアジゴは沢山食べさせた。
釣れない時間が始まり、またマッタリとした独特な空気感になる。
太陽に照らされ海はキラキラと宝石を散りばめられたかのように輝いて、そこを小さな船が行き交いして、海に波の色を生む。
海鳥も空を飛んだり、海面で羽を休めたり、空と海に星を散らしたようだった。
そして、今、僕の隣には白猫がいる。きっと良い絵になっているだろう。
横を見ると、既に白猫は居なかった。
おいおい。せっかく良い雰囲気だったのに……。
白猫はお腹がいっぱいになったのか、これ以上居ても意味がないと思ったのか、駐車スペースの方へ歩いて帰って行っていた。
猫は気まぐれ、よく言ったもんだ。そこが可愛いのだろうけど、また会えるかな?なんて思いながら白猫の後ろ姿を見送る。
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