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キス釣り編
キス釣り編10
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「ヒロ。釣り方も教えるな。」
「はい!お願いします。」
餌の恐怖から解放された僕は元気よく答える。
「ははは。まず投げてみな。」
はい。と言い、投げる。やった!結構、飛んだ!!
「よし。そうしたら、仕掛けが着底するまでベールを起こしたままラインを出してやってくれ。アジゴと同じように着底したら、ラインが出るのが止まるからベールを戻して、糸フケを取ってくれ。」
僕は言われるように糸フケをとる。
「そうしたら、ロッドを少し立てて巻くか、横に倒して寝かせて巻いてみな。」
言われる通り、少し遠くの島田社長のやり方を見て寝かせて巻いてみる。
「リールを巻く感じに抵抗はある?」
ん~。ないな~。
「無いです。」
僕がそう言うと、ヨシさんは言った。
「少し重くなったとか違和感があったら、そこで巻くのを止めてみな。それまでは、巻き続けて。」
はい。と返事をして巻き続けてみる。すると、少しリールを巻くのに重みを感じた。
「ヨシさん。少し重くなった感じがします。」
「よし。そうしたら、そこで巻くのを止めて、少し待ってみな。魚がいたら、アタリがあるかもしれないから。」
「どのくらい待てばいいんですか?」
「そこは、自分の感覚でいいよ。来ないと思ったらまた巻いてみて。これの繰り返しだから。」
ヨシさんの言うとうおに、待ってみた。
しかし、アタリはない。自分の感覚でまた、巻き始める。
あっ、また重くなった。
そして待つ。
しかし、アタリはこない。また、巻き始め、仕掛けは僕の足元まで戻ってきた。
「アタリ、無かったみたいだね。リールを巻いたりして仕掛けを動かす事を『サビく』とか『サビキ』とか言うんだ。やり方も色々あってな、さっき寝かせて巻いたじゃないか、それを巻かずに、ロッドを横に引っ張るように動かしても同じ効果があるんだ。もちろん、横に引っ張って出たラインのフケは巻いて取ってやらないといけないけどな。」
「投げ釣りは待って釣るだけじゃないんですね。」
「そうそう。待っても釣れるんだけど、キスは動いている餌に反応する事が多いんだ。だから、キス釣りはサビいた方がいいかな?」
もう大丈夫かな?と付け加えてヨシさんは自分のポイントへ戻って行った。
キャストして、着底させて、巻いて…。
キャストして、着底させて、巻いて……。
何回も繰り返す。
だいぶ、キャスティングも様になってきたのではないかな?
そう思いだした時、ようやく、コツコツっと今日初めてのアタリがきた。
ビビビっと伝わってくる感触。キャストして、あまり巻いてない時にきたので、凄く長い時間引きを楽しめた。
大きくはないな~。でも、何だろう?釣り上がってくるのが楽しみだ。
巻いていると、仕掛けが見えた。いよいよだ。
海面を集中して見る。おや?何だあれは??丸っこい。
ひょいっと上げた。
これは、もしかして、フグ?
僕はロッドごと持って、ヨシさんの所へ行く。
「ヨシさん。釣れたんですけど、これってフグですよね?」
「おっ。そうそう。クサフグだね。可愛いだろ?」
確かに可愛い。
「はい。可愛いですけど、これは持って帰って食べれるんですか?」
フグは血や内臓などに猛毒を持っている事は、僕でも知っている。専門の調理師免許が無いと捌けないのも知っている。
「もちろん、俺達では捌けないから、リリースだね。でも、味はいいんだぞ。たまにスーパーとかにも売ってあるだろ?」
僕は産まれてこの方、フグを食べた事がない。どんな味なのか、分からなかった。
「僕、フグ、食べた事ないんですよ。」
「そうなのか?なら、帰りに道の駅に寄ってみよう。捌いてあるクサフグが売ってあるかもしれないから。」
一瞬でテンションが上がった。フグが食べれる!おぉ!?あのお高いフグが!!
「はい!」と思わず元気よく返事をしてしまった。
それを聞いたか聞かなかったか、クサフグはギュ~と鳴いて『早くハリを外せ!』と言わんばかりだった。クサフグって鳴くんだと同時に思ったら、クサフグはぷく~っと風船みたいに膨れていた。
わぉ!?マジで膨れてる。テレビで見たとおりに!やはり、微妙に可愛い。しかし、歯は何気に丈夫で強そうだった。
ハリを外して海にリリースした。
クサフグはすーと膨らませた身体を元に戻して、潜っていった。
それから、怒涛のクサフグラッシュが僕には始まってしまった。
アタリはきて釣れるものの、クサフグ、クサフグ、クサフグ……クサフグ。
なぜだ?他の魚は居ないのか?
そう思っていると、島田社長に待望のキスが釣れたようだった。
ロッドを置いて、早速見に行く。生のシロギスとご対面の瞬間だ。
「はい!お願いします。」
餌の恐怖から解放された僕は元気よく答える。
「ははは。まず投げてみな。」
はい。と言い、投げる。やった!結構、飛んだ!!
「よし。そうしたら、仕掛けが着底するまでベールを起こしたままラインを出してやってくれ。アジゴと同じように着底したら、ラインが出るのが止まるからベールを戻して、糸フケを取ってくれ。」
僕は言われるように糸フケをとる。
「そうしたら、ロッドを少し立てて巻くか、横に倒して寝かせて巻いてみな。」
言われる通り、少し遠くの島田社長のやり方を見て寝かせて巻いてみる。
「リールを巻く感じに抵抗はある?」
ん~。ないな~。
「無いです。」
僕がそう言うと、ヨシさんは言った。
「少し重くなったとか違和感があったら、そこで巻くのを止めてみな。それまでは、巻き続けて。」
はい。と返事をして巻き続けてみる。すると、少しリールを巻くのに重みを感じた。
「ヨシさん。少し重くなった感じがします。」
「よし。そうしたら、そこで巻くのを止めて、少し待ってみな。魚がいたら、アタリがあるかもしれないから。」
「どのくらい待てばいいんですか?」
「そこは、自分の感覚でいいよ。来ないと思ったらまた巻いてみて。これの繰り返しだから。」
ヨシさんの言うとうおに、待ってみた。
しかし、アタリはない。自分の感覚でまた、巻き始める。
あっ、また重くなった。
そして待つ。
しかし、アタリはこない。また、巻き始め、仕掛けは僕の足元まで戻ってきた。
「アタリ、無かったみたいだね。リールを巻いたりして仕掛けを動かす事を『サビく』とか『サビキ』とか言うんだ。やり方も色々あってな、さっき寝かせて巻いたじゃないか、それを巻かずに、ロッドを横に引っ張るように動かしても同じ効果があるんだ。もちろん、横に引っ張って出たラインのフケは巻いて取ってやらないといけないけどな。」
「投げ釣りは待って釣るだけじゃないんですね。」
「そうそう。待っても釣れるんだけど、キスは動いている餌に反応する事が多いんだ。だから、キス釣りはサビいた方がいいかな?」
もう大丈夫かな?と付け加えてヨシさんは自分のポイントへ戻って行った。
キャストして、着底させて、巻いて…。
キャストして、着底させて、巻いて……。
何回も繰り返す。
だいぶ、キャスティングも様になってきたのではないかな?
そう思いだした時、ようやく、コツコツっと今日初めてのアタリがきた。
ビビビっと伝わってくる感触。キャストして、あまり巻いてない時にきたので、凄く長い時間引きを楽しめた。
大きくはないな~。でも、何だろう?釣り上がってくるのが楽しみだ。
巻いていると、仕掛けが見えた。いよいよだ。
海面を集中して見る。おや?何だあれは??丸っこい。
ひょいっと上げた。
これは、もしかして、フグ?
僕はロッドごと持って、ヨシさんの所へ行く。
「ヨシさん。釣れたんですけど、これってフグですよね?」
「おっ。そうそう。クサフグだね。可愛いだろ?」
確かに可愛い。
「はい。可愛いですけど、これは持って帰って食べれるんですか?」
フグは血や内臓などに猛毒を持っている事は、僕でも知っている。専門の調理師免許が無いと捌けないのも知っている。
「もちろん、俺達では捌けないから、リリースだね。でも、味はいいんだぞ。たまにスーパーとかにも売ってあるだろ?」
僕は産まれてこの方、フグを食べた事がない。どんな味なのか、分からなかった。
「僕、フグ、食べた事ないんですよ。」
「そうなのか?なら、帰りに道の駅に寄ってみよう。捌いてあるクサフグが売ってあるかもしれないから。」
一瞬でテンションが上がった。フグが食べれる!おぉ!?あのお高いフグが!!
「はい!」と思わず元気よく返事をしてしまった。
それを聞いたか聞かなかったか、クサフグはギュ~と鳴いて『早くハリを外せ!』と言わんばかりだった。クサフグって鳴くんだと同時に思ったら、クサフグはぷく~っと風船みたいに膨れていた。
わぉ!?マジで膨れてる。テレビで見たとおりに!やはり、微妙に可愛い。しかし、歯は何気に丈夫で強そうだった。
ハリを外して海にリリースした。
クサフグはすーと膨らませた身体を元に戻して、潜っていった。
それから、怒涛のクサフグラッシュが僕には始まってしまった。
アタリはきて釣れるものの、クサフグ、クサフグ、クサフグ……クサフグ。
なぜだ?他の魚は居ないのか?
そう思っていると、島田社長に待望のキスが釣れたようだった。
ロッドを置いて、早速見に行く。生のシロギスとご対面の瞬間だ。
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