釣り人居酒屋『魚んちゅ~』

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やっぱり夏は夜釣りがいいよね?

やっぱり夏は夜釣りがいいよね?3

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 爽やかな潮の香り。それもまだ、熱をはらんでいた。
 私のアパートから約二時間。天草と言う所にやってきた。まあ、私が今まで気がつかなかっただけで、鯛ラバも天草まで来て、船に乗っていたらしい。
 道具は何時ものように、フーコさんが用意してくれていた。
 「この堤防を歩きながら落として釣るよ。釣れなかったら、場所を移動する。」
 まだ、微妙に明るい時間。フーコさんはそう言い、道具の説明をしてくれた。
 「使う仕掛けは簡単。タコテンヤ、タコジグ、タコエギを使うだけさ。」
 タコテンヤ?タコジグ?タコエギ??何それ?
 「タコテンヤ?タコジグ?タコエギ?」
 ユウちゃんも同じ事を思ったのだろう。その事を口にする。
 「タコテンヤは、豚の脂身やカニなんかを巻いて使う仕掛け、タコジグはこれに、タコエギはこれ。」
 フーコさんは言葉でタコジグとタコエギを言うのが面倒くさいのか道具箱から取って見せてくれた。 タコジグは、なんかタコの小型版みたいな……宇宙人みたいなルックスをしていた。そして、タコエギは重りにエビやお魚に模したものルアーってやつかな?それにキラキラしたプレートや糸みたいな物が付いていた。みんなに言える事は、中々鋭利な針が付いている事だった。
 素朴な疑問だけど、どれがよく釣れるのだろうか?
 「どれが一番釣れるんですか??」
 私はフーコさんにたずねる。
 「ん~。中々難しい質問をしてくるね。アヤカ。……そうだね。どれでも釣れるけど……手軽に釣りたいなら、タコエギがいいかな。私はタコテンヤに豚の脂身を巻いて釣るけど、針金で巻いたりしたくないだろ?」
 確かに……上手く巻けるかも分からない。
 「なら、アヤカちゃんはこのタコエギっていうのを使ってみたら?私はこのタコジグっていう、ちっちゃいタコみたいなの使って釣ってみるから。釣れたら、みんな同じ物に交換すればいいんじゃない??」
 あっ。そうかも。ユウちゃん、頭良い。
 「よし!ユウの言うとおりにしよう。」
 ぷぷ。ユウのユウとおりだって。ぷぷ。
 私はフーコさんがオヤジギャグを言ったように聞こえて、少し笑ってしまった。
 二人は不思議そうな顔をしてお互い顔を見合わせ堤防へと歩き始めた。
 
 「なら。釣り方を教えるね。投げて釣る釣り方もあるけど、今日は岸際を狙うから。」
 フーコさんは堤防の入り口になって教えてくれた。
 「まず、今回のリールは前回と同じベイトリールを使う。落とし方は分かるよね?」
 クラッチレバーをカチャッとおろせば糸が出るんだよね。
 「壁際に仕掛けを海底まで落としたら、何回かロッドをちょこんちょこんと軽く上下させて誘いを入れる。そうしたら、少し待つ。その時、ラインは張ったまま、ロッドは下げておく。それを繰り返す。」
 ほ~ほ~。
 「で、重くなったら少し間をおいて、一気にロッドを上げてアワセを入れて、気を抜かず巻き上げる!!」
 フーコさんは下に下げていた竿を勢いよく上にビシ!と上げた。
 なるほど……なるほど。
 「たまに、長めに待ってやるのもいいよ。」
 そう言ってフーコさんはまた仕掛けを海底に沈め、少し待った。すると、フーコさんはアワセを入れた。
 「よしゃ!!キタ!!」
 え?!ええ~~?!
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