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まっくら
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心は、まっくらだ。
空はどんなに晴れ渡っていても、光は届かない。
しとしとと降る雨。止みそうにない。
待望の二人目。長女も誕生して、仕事も順調。端から見たら、幸せその物だろう。でも、僕の心は、ずっとこんな調子。
気分転換に窓を開けてみても、流れる風が、ナナの残り香を僕にプレゼントするだけだった。
分かってはいるんだ。
もう、ナナは僕の側に居ないって事。
きっと天国で楽しく暮らしているんだと。
それでも、やっぱり、探してしまう。もしかしたら、リビングのお気に入りの特等席に座っているんじゃないか?キッチンの片隅から、ちょこっと顔を出してこちらを見ているんじゃないか?呼んだら、かけ寄って来てくれるのではないか?と……。
もっと一緒に居たかった。
ずっと、ずっと、一緒に居たかった。
居くなる直前にもそう思ったけど、居なくなってからの方がより一層強くなったように思えた。
ぽっかりと空いた大きな穴は、全てを飲み込んで、まっくらにしているようだった。
時間が経つにつれ、悲しみは薄れるものだと思っていた。でも、実際はそうではなかった。
むしろ、酷くなる感じ。楽しかった思い出よりも、後悔した思い出の方が鮮明に思い出されるようになっていた。
もっと、可愛がってあげれば良かった。
もっと、気を使ってあげれば良かった。
そうしたら、子宮蓄膿症にもならずに済んだだろうし、太らずに済んだ。辛いダイエットもしなくて良かっただろうし、寝たきりにならなくて済んだだろう。もっと、長生き出来たかもしれないんだ。もちろん、これが結果論だという事も分かっている。でも、そう考えずにはいられなくなっていた。
ナナは、僕と家族になれて、幸せだったんだろうか?そんな思いが、まっくらな暗闇の中に芽生えていた。
空はどんなに晴れ渡っていても、光は届かない。
しとしとと降る雨。止みそうにない。
待望の二人目。長女も誕生して、仕事も順調。端から見たら、幸せその物だろう。でも、僕の心は、ずっとこんな調子。
気分転換に窓を開けてみても、流れる風が、ナナの残り香を僕にプレゼントするだけだった。
分かってはいるんだ。
もう、ナナは僕の側に居ないって事。
きっと天国で楽しく暮らしているんだと。
それでも、やっぱり、探してしまう。もしかしたら、リビングのお気に入りの特等席に座っているんじゃないか?キッチンの片隅から、ちょこっと顔を出してこちらを見ているんじゃないか?呼んだら、かけ寄って来てくれるのではないか?と……。
もっと一緒に居たかった。
ずっと、ずっと、一緒に居たかった。
居くなる直前にもそう思ったけど、居なくなってからの方がより一層強くなったように思えた。
ぽっかりと空いた大きな穴は、全てを飲み込んで、まっくらにしているようだった。
時間が経つにつれ、悲しみは薄れるものだと思っていた。でも、実際はそうではなかった。
むしろ、酷くなる感じ。楽しかった思い出よりも、後悔した思い出の方が鮮明に思い出されるようになっていた。
もっと、可愛がってあげれば良かった。
もっと、気を使ってあげれば良かった。
そうしたら、子宮蓄膿症にもならずに済んだだろうし、太らずに済んだ。辛いダイエットもしなくて良かっただろうし、寝たきりにならなくて済んだだろう。もっと、長生き出来たかもしれないんだ。もちろん、これが結果論だという事も分かっている。でも、そう考えずにはいられなくなっていた。
ナナは、僕と家族になれて、幸せだったんだろうか?そんな思いが、まっくらな暗闇の中に芽生えていた。
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