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初めての別れ ナナ編
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何?ワタシが自分の事ばかりって、どういう事よ??ワタシだって、ご主人さまの事、よく見てるわよ。ご主人さまの好きな食べ物も知ってるし、好きな芸能人まで知っているわ。そんなワタシのどこが、ご主人さまを見ていないのよ。
「どういう事よ?ワタシ、ご主人さまの事、見てるわよ。」
「本当にそうかしら?自分のご主人さまが何を考えているか、何を思っているか、分からないくせに?」
マロンさんは呆れたように言う。やはり、憎々しい。
考えている事が分からない?そんなの、当たり前じゃない。言葉も通じないのに。分かるはずがないじゃない。
「なら、マロンさんは分かるって言うの?全部。」
「分からないわね。全部は……。」
ほらね。見なさいよ。自分で言っておいて、全部分からないんですって。呆れるわよ。
「でも、全部は分からないけれど、だいたいの事は分かるわね。どうしたら、ご主人さまは喜んでくれるとか……。」
それなら、ワタシにも分かるわよ。
ワタシはマロンさんの言葉を遮るように口を出した。
「それなら、ワタシも分かるわよ。お客さんをおもてなししたり、いい子にしていたら、ご主人さまは喜んでくれるわ。」
ふふふ。そうでしょ。こういう事よね。
その答えに、マロンさんはまた少し呆れたように言う。
「そうね。それはそうかも知れないわね。なら、言い方を変えましょう。アナタはご主人さまの幸せを考えた事はある?アナタは何時も自分の事だけじゃない?」
え?ご主人さまの幸せ??ご主人さまの幸せってなに??
「ワタシは……。」
ワタシは、言葉に詰まった。
ワタシは、ご主人さまの幸せについて考えた事があるのだろうか?もちろん、いい子にしておけば、ご主人さまは嬉しそうにしてくれる。それが幸せなんじゃない?そう思っていた。
「アナタ、私とケンカしている時のユウヤご主人さまの顔を本気で見た事ある?」
……いや。見ていない。マロンさんが憎たらしくて、そんな気持ちにはなれなかった。そもそも、それはマロンさんが悪いんじゃない?
「見ていないわよ。そもそも、マロンさんが悪いんじゃない?ワタシを挑発するような事をするから。」
そう。そうだ。マロンさんが悪いのだ。
「それについては、謝るわ。でも、私はアナタに何回も言ったわよね?誤解だって。」
それは……確かに言ってたわよ。何度も誤解って。でも、何が誤解よ?ワタシのご主人さまに色目使っておきながら。
「あの時のユウヤご主人さまの表情は、凄く悲しそうだったわ。私も自分がしていた事のせいだとは言え、凄く、凄く悲しそうで胸が痛かったわ。最初は、アナタと私は一緒に暮らす予定だったのでしょうね。」
え?ワタシ、置いていかれるはずでは……なかったの?もしかして、ワタシがマロンさんと仲が悪かったから?ワタシを置いて行くしかなかったの??
「ユウヤご主人さまは、何時も何時もアナタの事を気にかけていたわ。事あるごとに、この家にも帰って来ていたでしょ?アナタの事が大好きで、本当は何時も一緒に居たかったのでしょうね。」
「なら、何で!なら、何で!!ワタシからご主人さまを取るような真似をしたのよ?!」
そうだ!それが分かっているなら、最初からそんな事をしないでよ!!
怒りの感情しか、やはり……わいてこない。
「ご主人さまの為よ。」
マロンさんは、なんの躊躇いもなく、さも当たり前のように言い放った。
ご主人さまの為……ですって?
「どういう事よ?ワタシ、ご主人さまの事、見てるわよ。」
「本当にそうかしら?自分のご主人さまが何を考えているか、何を思っているか、分からないくせに?」
マロンさんは呆れたように言う。やはり、憎々しい。
考えている事が分からない?そんなの、当たり前じゃない。言葉も通じないのに。分かるはずがないじゃない。
「なら、マロンさんは分かるって言うの?全部。」
「分からないわね。全部は……。」
ほらね。見なさいよ。自分で言っておいて、全部分からないんですって。呆れるわよ。
「でも、全部は分からないけれど、だいたいの事は分かるわね。どうしたら、ご主人さまは喜んでくれるとか……。」
それなら、ワタシにも分かるわよ。
ワタシはマロンさんの言葉を遮るように口を出した。
「それなら、ワタシも分かるわよ。お客さんをおもてなししたり、いい子にしていたら、ご主人さまは喜んでくれるわ。」
ふふふ。そうでしょ。こういう事よね。
その答えに、マロンさんはまた少し呆れたように言う。
「そうね。それはそうかも知れないわね。なら、言い方を変えましょう。アナタはご主人さまの幸せを考えた事はある?アナタは何時も自分の事だけじゃない?」
え?ご主人さまの幸せ??ご主人さまの幸せってなに??
「ワタシは……。」
ワタシは、言葉に詰まった。
ワタシは、ご主人さまの幸せについて考えた事があるのだろうか?もちろん、いい子にしておけば、ご主人さまは嬉しそうにしてくれる。それが幸せなんじゃない?そう思っていた。
「アナタ、私とケンカしている時のユウヤご主人さまの顔を本気で見た事ある?」
……いや。見ていない。マロンさんが憎たらしくて、そんな気持ちにはなれなかった。そもそも、それはマロンさんが悪いんじゃない?
「見ていないわよ。そもそも、マロンさんが悪いんじゃない?ワタシを挑発するような事をするから。」
そう。そうだ。マロンさんが悪いのだ。
「それについては、謝るわ。でも、私はアナタに何回も言ったわよね?誤解だって。」
それは……確かに言ってたわよ。何度も誤解って。でも、何が誤解よ?ワタシのご主人さまに色目使っておきながら。
「あの時のユウヤご主人さまの表情は、凄く悲しそうだったわ。私も自分がしていた事のせいだとは言え、凄く、凄く悲しそうで胸が痛かったわ。最初は、アナタと私は一緒に暮らす予定だったのでしょうね。」
え?ワタシ、置いていかれるはずでは……なかったの?もしかして、ワタシがマロンさんと仲が悪かったから?ワタシを置いて行くしかなかったの??
「ユウヤご主人さまは、何時も何時もアナタの事を気にかけていたわ。事あるごとに、この家にも帰って来ていたでしょ?アナタの事が大好きで、本当は何時も一緒に居たかったのでしょうね。」
「なら、何で!なら、何で!!ワタシからご主人さまを取るような真似をしたのよ?!」
そうだ!それが分かっているなら、最初からそんな事をしないでよ!!
怒りの感情しか、やはり……わいてこない。
「ご主人さまの為よ。」
マロンさんは、なんの躊躇いもなく、さも当たり前のように言い放った。
ご主人さまの為……ですって?
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