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動き始めた時間 ナナ編
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猫はコタツで丸くなる。いや。犬もなりますから。普通に。
今年は雪が多いね~。と、ご主人さま達が話していた冬。積もった雪の中を走るのは、生まれて初めてで、楽しかったけれど、やっぱり冬はコタツよ。コタツ。コタツって、天国。そう思っていたコタツも姿を消して、結構な時間が流れた。時間が経つっていうのは、あっという間。暖房も冷房も無く、気持ち良く過ごせる短い季節の春がやってきていた。
我が斉藤家には、珍しい事に、ママ達が居ない。これは、かなり珍しい事である。ママとパパは旅行。結衣お姉ちゃんは、コウタご主人さまの所へ行っている。旅行とやらには、何回かワタシも連れて行ってもらった事がある。温泉はとても気持ちの良い物だった。しかし、これから数日。ワタシとご主人さまは、お留守番をする事になっていた。
これは、寂しい事ではない。何故ならば、ご主人さまと二人っきり……そう!甘え放題!ハッピーな日が続くのだ!!お散歩もご主人さま。ご飯を食べるのもご主人さまと二人っきり。もちろん、寝る時もご主人さまと一緒だ。
うふふ。こんな日が来ようとは……夢にも思わなかったわ。夜、寝る時、ご主人さまの腕に抱かれて寝ようかしら?いや、お顔の横が良いかしら?それとも、胸の上がいいかしら?
いやん。ワタシったら、はしたない。まだ、昼間なのにもう夜、寝る時の事を考えているなんて……。
身悶えしながら、そんな妄想をしていると、ご主人さまから声が掛かった。どうやら、車でどこかへ出掛けるよう。ワタシを連れて。
どこかしら?どこかしら??もしかして、車に乗って、遠くの公園へお散歩に連れて行ってくれるのかしら?二人っきりだから?特別なのかしら??うふふふふ。楽しみ。妄想は妄想を呼んだ。
車に乗ってしばらく移動した後、見上げた建物は、見覚えのある建物だった。
そう。何時もママが連れてきてくれる、ワタシを綺麗にしてくれるお店だ。ワタシを洗ってくれたり、毛を切ってくれたり、ブラッシング、爪まで切ってくれる。気持ちいいお店。中でもマッサージはワタシのお気に入りだった。
そうか。ご主人さま、夜の為に綺麗にしてくれるんだ……。なら、気合いを入れて綺麗にならなくっちゃ。
ワタシは何時も以上に大人しく、お利口にした。
それにしても、この雌の人間のマッサージは気持ちいいわよね。ママも同じようにやってくれるけれど、この人間には敵わない。気持ち良すぎて、気を抜いたら寝てしまいそうになるわ。今、寝ちゃったら、夜、ご主人さまが寝付く頃、一緒に眠りに入れないくなるじゃない?我慢よ。我慢。我慢しなく……ちゃ……。
…………。
………。
……。
はっ!?ワタシ、寝ちゃった!!
マッサージは終わっているけど、そんなに長くは寝ていないはず。
ワタシは、慌てて周りを見渡した。すると、目の前にはご主人さまの姿が。そして、マッサージをしてくれる人間の姿が見えた。
何やら、楽しげに話すご主人さま。
……む!何か、胸がモヤモヤするわね。何かしら?この気持ちは……イライラと腹が立っている気がするのだけれど……。
その人間はワタシが起きた事に気が付いたのだろう。ワタシに一言声を掛けて、ワタシの手を取り、ご主人さまに何かを言いながらマッサージを始めた。そして、ご主人さまが代わって逆の手を取って、同じようにマッサージをしてくれた。
はぁん!ご、ご主人さまが、ワタシをマッサージしてくれている!!ただ、撫でるのではなく!!マッサージを!!
優しく、気持ちいいツボを押さえるご主人さまの指に、とろけそうになる体。
手だけじゃなく、雌の人間の後にご主人さまはワタシの全身をマッサージしてくれた。
何という、至福!!気持ちよさのあまりに、眠気がまた襲ってくる。ワタシは眠気に抗えず、気がつけば、また眠りについていた。
今年は雪が多いね~。と、ご主人さま達が話していた冬。積もった雪の中を走るのは、生まれて初めてで、楽しかったけれど、やっぱり冬はコタツよ。コタツ。コタツって、天国。そう思っていたコタツも姿を消して、結構な時間が流れた。時間が経つっていうのは、あっという間。暖房も冷房も無く、気持ち良く過ごせる短い季節の春がやってきていた。
我が斉藤家には、珍しい事に、ママ達が居ない。これは、かなり珍しい事である。ママとパパは旅行。結衣お姉ちゃんは、コウタご主人さまの所へ行っている。旅行とやらには、何回かワタシも連れて行ってもらった事がある。温泉はとても気持ちの良い物だった。しかし、これから数日。ワタシとご主人さまは、お留守番をする事になっていた。
これは、寂しい事ではない。何故ならば、ご主人さまと二人っきり……そう!甘え放題!ハッピーな日が続くのだ!!お散歩もご主人さま。ご飯を食べるのもご主人さまと二人っきり。もちろん、寝る時もご主人さまと一緒だ。
うふふ。こんな日が来ようとは……夢にも思わなかったわ。夜、寝る時、ご主人さまの腕に抱かれて寝ようかしら?いや、お顔の横が良いかしら?それとも、胸の上がいいかしら?
いやん。ワタシったら、はしたない。まだ、昼間なのにもう夜、寝る時の事を考えているなんて……。
身悶えしながら、そんな妄想をしていると、ご主人さまから声が掛かった。どうやら、車でどこかへ出掛けるよう。ワタシを連れて。
どこかしら?どこかしら??もしかして、車に乗って、遠くの公園へお散歩に連れて行ってくれるのかしら?二人っきりだから?特別なのかしら??うふふふふ。楽しみ。妄想は妄想を呼んだ。
車に乗ってしばらく移動した後、見上げた建物は、見覚えのある建物だった。
そう。何時もママが連れてきてくれる、ワタシを綺麗にしてくれるお店だ。ワタシを洗ってくれたり、毛を切ってくれたり、ブラッシング、爪まで切ってくれる。気持ちいいお店。中でもマッサージはワタシのお気に入りだった。
そうか。ご主人さま、夜の為に綺麗にしてくれるんだ……。なら、気合いを入れて綺麗にならなくっちゃ。
ワタシは何時も以上に大人しく、お利口にした。
それにしても、この雌の人間のマッサージは気持ちいいわよね。ママも同じようにやってくれるけれど、この人間には敵わない。気持ち良すぎて、気を抜いたら寝てしまいそうになるわ。今、寝ちゃったら、夜、ご主人さまが寝付く頃、一緒に眠りに入れないくなるじゃない?我慢よ。我慢。我慢しなく……ちゃ……。
…………。
………。
……。
はっ!?ワタシ、寝ちゃった!!
マッサージは終わっているけど、そんなに長くは寝ていないはず。
ワタシは、慌てて周りを見渡した。すると、目の前にはご主人さまの姿が。そして、マッサージをしてくれる人間の姿が見えた。
何やら、楽しげに話すご主人さま。
……む!何か、胸がモヤモヤするわね。何かしら?この気持ちは……イライラと腹が立っている気がするのだけれど……。
その人間はワタシが起きた事に気が付いたのだろう。ワタシに一言声を掛けて、ワタシの手を取り、ご主人さまに何かを言いながらマッサージを始めた。そして、ご主人さまが代わって逆の手を取って、同じようにマッサージをしてくれた。
はぁん!ご、ご主人さまが、ワタシをマッサージしてくれている!!ただ、撫でるのではなく!!マッサージを!!
優しく、気持ちいいツボを押さえるご主人さまの指に、とろけそうになる体。
手だけじゃなく、雌の人間の後にご主人さまはワタシの全身をマッサージしてくれた。
何という、至福!!気持ちよさのあまりに、眠気がまた襲ってくる。ワタシは眠気に抗えず、気がつけば、また眠りについていた。
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