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ナナ、1歳誕生日 ナナ編
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「お気をつけて~。」
何気に、この家は来客が多い。ご主人さまのお友達より、ママのお友達、結衣お姉ちゃんのお友達が大半を占める。そして、今日はママのお友達が遊びに来ていた。それを、ワタシは全力で『おもてなし』をする。
はぁ~……。
ワタシはお客さまが帰った後、盛大に溜め息をついた。
だいぶ慣れたとはいえ、はっきり言って、疲れるのだ……『おもてなし』というものは。お出迎えから、ご機嫌とり……そして、お見送り。愛想を振りまいて、テンションを上げてはしゃいで、お腹いっぱいなのに、オヤツを食べる。これが、ワタシの仕事だと言っていいくらいだ。
結衣お姉ちゃんとの散歩で、ほぼ毎日会っている、コムギ君ならこの状況を歓迎するだろうけど、ワタシはコムギ君程、社交的ではないし、本気で家族以外の人間と楽しく遊んだりは出来ない。ご主人さま達は、どう思っていかるは分からないけれど、社交性の低いワタシは演じなければならない。言葉が通じない分、ワタシは行動で示すしかない。ご主人さま達が喜んでくれるようにやるしかないのだ。ご主人さま達が嬉しそうに喜んでくれる事こそが、ワタシの生きがいでもあるし……。
お客さまが帰り、家の中は静かになる。そして、ワタシは至福の時間を過ごすのだ。
ご主人さまの膝の上に乗り、ブラッシングをしてもらう。
なんと心地良く、気持ちいいものなのだろうか。今日の疲れが一瞬で飛んで行ってしまいそう。そして、自然と眠気もやってくる。ワタシはその微睡みに体を預ける事にした。
どれくらい眠っていただろう?日はだいぶ傾いていた。その間、ご主人さまはワタシを起こさず、そのままでいてくれた。
ああ……ご主人さま。何て優しいんだろう。起こしてくれても良かったのに……。
ワタシはやっぱり、幸せなんだ。改めてそう思い、嬉しくなる。愛しのご主人さま……。その顔を見つめ、舐めようとした時、結衣お姉ちゃんから声が掛かった。
「ナナ!お散歩行くよ~。ハーネス持って来て~。」
……良いところだったのに……。仕方ない。ワタシはご主人さまの膝の上から降り、ハーネスを口で咥え、結衣お姉ちゃんの所に持って行く。
梅雨の間の貴重な晴れ間。それでも、テレビとやらでやっていた天気予報では、夕方から雨が降ると言っていた。そのせいだろうか?結衣お姉ちゃんはワタシを抱きかかえ、コムギ君とそのご主人さまコウタご主人さまが待っている何時もの場所まで急いだ。
お散歩コースは何時も決まっている。コムギ君と再開した公園がメインになり、その公園の入口付近で待ち合わせなのだ。そして、驚いた事に、その公園の入口付近の家。そこには、ペットショップで一緒だった。ペルシャちゃんが住んでいた。今は『ミーコ』という名前になっていた。
結衣お姉ちゃんとコウタご主人さまは、何時も暫くの間、そこで話をする。ワタシとコムギ君。そして、ミーコちゃんも話をするのだった。
何気に、この家は来客が多い。ご主人さまのお友達より、ママのお友達、結衣お姉ちゃんのお友達が大半を占める。そして、今日はママのお友達が遊びに来ていた。それを、ワタシは全力で『おもてなし』をする。
はぁ~……。
ワタシはお客さまが帰った後、盛大に溜め息をついた。
だいぶ慣れたとはいえ、はっきり言って、疲れるのだ……『おもてなし』というものは。お出迎えから、ご機嫌とり……そして、お見送り。愛想を振りまいて、テンションを上げてはしゃいで、お腹いっぱいなのに、オヤツを食べる。これが、ワタシの仕事だと言っていいくらいだ。
結衣お姉ちゃんとの散歩で、ほぼ毎日会っている、コムギ君ならこの状況を歓迎するだろうけど、ワタシはコムギ君程、社交的ではないし、本気で家族以外の人間と楽しく遊んだりは出来ない。ご主人さま達は、どう思っていかるは分からないけれど、社交性の低いワタシは演じなければならない。言葉が通じない分、ワタシは行動で示すしかない。ご主人さま達が喜んでくれるようにやるしかないのだ。ご主人さま達が嬉しそうに喜んでくれる事こそが、ワタシの生きがいでもあるし……。
お客さまが帰り、家の中は静かになる。そして、ワタシは至福の時間を過ごすのだ。
ご主人さまの膝の上に乗り、ブラッシングをしてもらう。
なんと心地良く、気持ちいいものなのだろうか。今日の疲れが一瞬で飛んで行ってしまいそう。そして、自然と眠気もやってくる。ワタシはその微睡みに体を預ける事にした。
どれくらい眠っていただろう?日はだいぶ傾いていた。その間、ご主人さまはワタシを起こさず、そのままでいてくれた。
ああ……ご主人さま。何て優しいんだろう。起こしてくれても良かったのに……。
ワタシはやっぱり、幸せなんだ。改めてそう思い、嬉しくなる。愛しのご主人さま……。その顔を見つめ、舐めようとした時、結衣お姉ちゃんから声が掛かった。
「ナナ!お散歩行くよ~。ハーネス持って来て~。」
……良いところだったのに……。仕方ない。ワタシはご主人さまの膝の上から降り、ハーネスを口で咥え、結衣お姉ちゃんの所に持って行く。
梅雨の間の貴重な晴れ間。それでも、テレビとやらでやっていた天気予報では、夕方から雨が降ると言っていた。そのせいだろうか?結衣お姉ちゃんはワタシを抱きかかえ、コムギ君とそのご主人さまコウタご主人さまが待っている何時もの場所まで急いだ。
お散歩コースは何時も決まっている。コムギ君と再開した公園がメインになり、その公園の入口付近で待ち合わせなのだ。そして、驚いた事に、その公園の入口付近の家。そこには、ペットショップで一緒だった。ペルシャちゃんが住んでいた。今は『ミーコ』という名前になっていた。
結衣お姉ちゃんとコウタご主人さまは、何時も暫くの間、そこで話をする。ワタシとコムギ君。そして、ミーコちゃんも話をするのだった。
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