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新たな仲間
新たな仲間 7
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翌日。
「しまったーー!遅番は来週だった!!!」
何時もの朝練後、ナルルカさんは勘違いしていたのか、見事に寝坊し、慌てて帰って行った。
せわしい人だな。案外、そういう人だから、のんびりとしてるララと相性がよかったのかもなぁ。
そんな事を考えながらナルルカさんの背中を見送った後、不足しそうな大ニワトリの肉をダンジョンに取りに行くとき、同行者のララに幾つか問い掛けてみた。
「昨日の話しを聞いて思ったのだが、結局、病院とはどんな施設なんだ?いまいち病院の意味があるようには思えないんだが?」
「……傷を……癒やす所?心を……癒やす所??……終の住処???ポーションで……治らないモノを治療しに行く所……かな?」
「病気は?熱があるから、診てもらうとかはしないのか?熱があると体がダルいだろ??」
「体が……熱い時は、氷魔法……なんかで作った氷で……体を冷やして、ポーションを……飲んだり、回復魔法を掛けてもらうよ。そして、安静にする。……病院では、同じ事を……してくれる。回復魔法も……氷魔法も、全員が使える訳では……ないから……全く、意味がない訳ではないよ。それより……その……マスターが言う、病気?それが……私には分からない。」
そうか。確かに魔法には適正がある。でも、結局は、近くに回復魔法や氷魔法など適正がある人が居ればいいだけで、個人でも出来る事をやってくれるって事じゃないか?それより、病気が分からない??それの方が問題か??
「風邪とかひいた事ないのか?ララは??」
「……風邪?何……それ??」
「熱が出たり、咳や鼻水とか出たりするやつだよ。」
「……あるよ?それを風邪って言うの??」
……まじか。この世界では風邪を病気として認識していないのか?前に風邪引いたら大変だ。とか言ったような気もするけど、分からないからスルーされたのか?
まあ、今、そんな事はどうでもいいか。
「そうなんだけどさ。他にもいっぱい病気ってあるぞ?風邪にも色々な症状、種類があるし。腹痛や頭痛にも幾つも原因があったりするんだ。」
「……そうなの?頭痛はただ頭が痛くなる……だけじゃないの?」
「そう。痛くなるには原因があるんだ。その原因を調べて、治療してくれるのが俺の元居た世界の病院なんだ。」
「……なんか……凄い所だね。」
どうやら、ララにはイマイチ、ピンときていないようだ。
「他に、病院でやってくれる事はないのか?ポーションで治らないモノって??」
「ん~。あと……は、何らかの原因で、継続的に……体の痛みがある人……が、病院に行くって聞いたよ。痛みは……回復魔法をかけてもらえば……和らぐから。ポーションを買って飲み続ける……には、限界があるし……回復魔法だと……人さえ交代すれば、済むからお金もポーション程はかからない。ポーションで……治らないのが、この事。それと……病院には、お年寄りが多いって……聞いたよ。」
「だから、終の住処なのか?」
「うん。魔力も……お年寄りになると……下がるし、魔力が回復するのも遅くなるから、自分で回復魔法をかけ続ける事は……難しくなる。だから……病院に住んで……回復魔法をかけてもらうの。傷も年齢を重ねると……癒えにくくなるし……。何より、看護婦さんは……よく話を聞いてくれる。って聞いた事があるなぁ。」
それなら、あんま介護施設と変わらないな。継続的に痛みがあるのに原因を突き止めようとはしないのは何でだ?
それに、ナルルカさんは何で看護の仕事をしようと思ったのだろう?ララが昨日言ってた事だけが理由なのか?ナルルカさんはこのまま病院で働いていて満足菜のだろうか??
「なあ、ララ。ナルルカさんはなんで看護の職についたんだ?」
「前にも言った……けど、私達の戦いの中……には、失われた命が沢山ある。奪われた命。……奪った命。……その命に報いる為だって言っていた。」
前に聞いたな。この世界だと犯罪者や正当防衛で人を殺しても罪には問われない。
仮に盗賊相手なら簡単に正当防衛が適用される。
それに、この世界にも悪の組織みたいなのは存在する。ララ達はリヴァイアサンと戦うのと並行して、そんな組織と戦っていたって言ってたな。
「奪った命って、犯罪者だろ?この世界だったら、仕方がないって程度で片付けられるって聞いたけど?」
「うん……そう。でも、相手が……犯罪者だとしても……その家族が犯罪者だとは決まってない。家族には罪が……ない。それに、その家族には……犯罪者でも……大事な人である事は……変わらないと想うの。」
確かにそうかも。
「大事な家族を……失う。それが……どれだけ辛いことか……私にも……それくらいは分かる。それに、人間の事は……よく分からないけど……エルフは出生率が低いの。子供の……居ない家庭は多い。子供が居ない家庭だけじゃない。モンスターや……神々の気まぐれがあるこの世界……では、親の居ない……家庭。祖父母の居ない家庭。そんなのは……当たり前。私みたいに……祖母と二人暮らしなんて珍しくない。異端審問や他の……組織……盗賊にしても、なった理由は様々。国に……よっては、そう成らざるを得なかった。なんて……よくあるの。だから、せめて謝らない代わりに間接的にでも……その人に関係なくても……家族を奪ってしまった……人や、その家族に少しでも報えるなら……ってナルは言ってた。」
「そうか……ナルルカさんは優しいんだな。」
「うん……。ナルは優しい。私と違って……普通のエルフだから。」
そうか。でも、今の状態ってナルルカさんの求めていたモノなのか?
「ナルルカさんは、今のままで満足なんだろうか?」
「……それは、分からない。でも……あれだけお酒を飲んでるから……不満はあるのかもしれない。」
やはりそうだよな?飲み方が、やけ酒、その物だもんな。
なんか解決策があればいいんだけど。それに、少し気になる事があるから、女王様に聞いてみようかな。
「しまったーー!遅番は来週だった!!!」
何時もの朝練後、ナルルカさんは勘違いしていたのか、見事に寝坊し、慌てて帰って行った。
せわしい人だな。案外、そういう人だから、のんびりとしてるララと相性がよかったのかもなぁ。
そんな事を考えながらナルルカさんの背中を見送った後、不足しそうな大ニワトリの肉をダンジョンに取りに行くとき、同行者のララに幾つか問い掛けてみた。
「昨日の話しを聞いて思ったのだが、結局、病院とはどんな施設なんだ?いまいち病院の意味があるようには思えないんだが?」
「……傷を……癒やす所?心を……癒やす所??……終の住処???ポーションで……治らないモノを治療しに行く所……かな?」
「病気は?熱があるから、診てもらうとかはしないのか?熱があると体がダルいだろ??」
「体が……熱い時は、氷魔法……なんかで作った氷で……体を冷やして、ポーションを……飲んだり、回復魔法を掛けてもらうよ。そして、安静にする。……病院では、同じ事を……してくれる。回復魔法も……氷魔法も、全員が使える訳では……ないから……全く、意味がない訳ではないよ。それより……その……マスターが言う、病気?それが……私には分からない。」
そうか。確かに魔法には適正がある。でも、結局は、近くに回復魔法や氷魔法など適正がある人が居ればいいだけで、個人でも出来る事をやってくれるって事じゃないか?それより、病気が分からない??それの方が問題か??
「風邪とかひいた事ないのか?ララは??」
「……風邪?何……それ??」
「熱が出たり、咳や鼻水とか出たりするやつだよ。」
「……あるよ?それを風邪って言うの??」
……まじか。この世界では風邪を病気として認識していないのか?前に風邪引いたら大変だ。とか言ったような気もするけど、分からないからスルーされたのか?
まあ、今、そんな事はどうでもいいか。
「そうなんだけどさ。他にもいっぱい病気ってあるぞ?風邪にも色々な症状、種類があるし。腹痛や頭痛にも幾つも原因があったりするんだ。」
「……そうなの?頭痛はただ頭が痛くなる……だけじゃないの?」
「そう。痛くなるには原因があるんだ。その原因を調べて、治療してくれるのが俺の元居た世界の病院なんだ。」
「……なんか……凄い所だね。」
どうやら、ララにはイマイチ、ピンときていないようだ。
「他に、病院でやってくれる事はないのか?ポーションで治らないモノって??」
「ん~。あと……は、何らかの原因で、継続的に……体の痛みがある人……が、病院に行くって聞いたよ。痛みは……回復魔法をかけてもらえば……和らぐから。ポーションを買って飲み続ける……には、限界があるし……回復魔法だと……人さえ交代すれば、済むからお金もポーション程はかからない。ポーションで……治らないのが、この事。それと……病院には、お年寄りが多いって……聞いたよ。」
「だから、終の住処なのか?」
「うん。魔力も……お年寄りになると……下がるし、魔力が回復するのも遅くなるから、自分で回復魔法をかけ続ける事は……難しくなる。だから……病院に住んで……回復魔法をかけてもらうの。傷も年齢を重ねると……癒えにくくなるし……。何より、看護婦さんは……よく話を聞いてくれる。って聞いた事があるなぁ。」
それなら、あんま介護施設と変わらないな。継続的に痛みがあるのに原因を突き止めようとはしないのは何でだ?
それに、ナルルカさんは何で看護の仕事をしようと思ったのだろう?ララが昨日言ってた事だけが理由なのか?ナルルカさんはこのまま病院で働いていて満足菜のだろうか??
「なあ、ララ。ナルルカさんはなんで看護の職についたんだ?」
「前にも言った……けど、私達の戦いの中……には、失われた命が沢山ある。奪われた命。……奪った命。……その命に報いる為だって言っていた。」
前に聞いたな。この世界だと犯罪者や正当防衛で人を殺しても罪には問われない。
仮に盗賊相手なら簡単に正当防衛が適用される。
それに、この世界にも悪の組織みたいなのは存在する。ララ達はリヴァイアサンと戦うのと並行して、そんな組織と戦っていたって言ってたな。
「奪った命って、犯罪者だろ?この世界だったら、仕方がないって程度で片付けられるって聞いたけど?」
「うん……そう。でも、相手が……犯罪者だとしても……その家族が犯罪者だとは決まってない。家族には罪が……ない。それに、その家族には……犯罪者でも……大事な人である事は……変わらないと想うの。」
確かにそうかも。
「大事な家族を……失う。それが……どれだけ辛いことか……私にも……それくらいは分かる。それに、人間の事は……よく分からないけど……エルフは出生率が低いの。子供の……居ない家庭は多い。子供が居ない家庭だけじゃない。モンスターや……神々の気まぐれがあるこの世界……では、親の居ない……家庭。祖父母の居ない家庭。そんなのは……当たり前。私みたいに……祖母と二人暮らしなんて珍しくない。異端審問や他の……組織……盗賊にしても、なった理由は様々。国に……よっては、そう成らざるを得なかった。なんて……よくあるの。だから、せめて謝らない代わりに間接的にでも……その人に関係なくても……家族を奪ってしまった……人や、その家族に少しでも報えるなら……ってナルは言ってた。」
「そうか……ナルルカさんは優しいんだな。」
「うん……。ナルは優しい。私と違って……普通のエルフだから。」
そうか。でも、今の状態ってナルルカさんの求めていたモノなのか?
「ナルルカさんは、今のままで満足なんだろうか?」
「……それは、分からない。でも……あれだけお酒を飲んでるから……不満はあるのかもしれない。」
やはりそうだよな?飲み方が、やけ酒、その物だもんな。
なんか解決策があればいいんだけど。それに、少し気になる事があるから、女王様に聞いてみようかな。
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