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スプリンティア開幕。そして……
スプリンティア開幕。そして……9
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「あの……投げにくいんだけど?ターニャさん。」
とりあえず、エサをつけて、投げたいのだが、ターニャさんがピッタリと横にくっついて来て投げにくい。
「いいではありませんか?他の方々も皆さん、同じようにしていますでしょ?」
俺はまた、周りを見渡す。
確かに、お一人様以外はほとんどがピッタリくっついているけれども……。
「ヤマト様の世界の事は、よく存じ上げませんが、この世界で釣りは娯楽の代表格なのです。特に恋人同士に人気なのですよ。」
恋人同士に人気って言われても……。あっ、俺達、一応、家族になったんだっけ。でも、恋人とか、そんならしい事なんて、買い物に行く程度で、一つもやってないけど……。
仕方ない。少し投げにくいけど、周りを確認しながら投げるか……。
俺は記念すべき第一投目を投げた。
「それなら、私も。」
ターニャさんも投げて、更にベッタリと絡みつくように俺に近寄ってきた。
少し恥ずかしいけど、周りもこんなものだから、それに習った方がいいのか?やけに拒んでは、ターニャさんに恥をかかせる事になるかもしれないし……。
それにしても、案外、エルフって大胆なのかもしれないな。公園なんかでくつろいでいるカップルのエルフは、こんなにベタベタしてなかったんだけど……。まあ、好きな事には、猪突猛進だって言うし。釣り人はそこそこ居るけど、街中なんかと比べると人が少ないから大胆になっているのかもしれない。
しばらく、ゆっくりとした時間が流れる。
ウキに反応はないし、俺達の会話もほぼ無い。それでも、気まずいという感じではなかった。どちらかというと、居心地が良い。落ち着く感じだった。
優しく押し寄せる波音を聞いていれば、たいした会話も要らない。いや、言葉を発するのは無粋なのかもしれない。
今は、この雰囲気を……ヒンヤリとするダンジョンの中でもあたたかい、ターニャさんの触れている左半身のぬくもりを感じているだけで良いのに……。モテなかった弊害というモノか、恥ずかしさが抜けないのか、ヘタレが顔を出す。下らない事を考え出す。
ゆらり、ゆらりと動くウキより、その先。最奥部まで目視出来ないダンジョン内の海の奥から吹く、少しの風。
このダンジョンの海は外と繋がっているのだろうか?だから、風を感じられるのだろうか?水位も変わらないし……。不思議な空間だ。
「ここの海って、外と繋がっているのかな?」
「どうでしょうか?風は流れ込んでいますから、繋がっている可能性は高いと思われますが、実際のところは分かりません。ダンジョンなので何があっても不思議ではありませんし……。」
そう言って会話は途切れる。
すると、突然、ターニャさんのウキに反応があった。
軽く沈んでは浮きを数回繰り返し、ウキが見えなくなるくらいに沈んだ。
「あ!ターニャさん!!きた!?きた!?きたんじゃない!?」
「せっかく、いい雰囲気でしたのに……空気の読めない、お魚ですね……。」
ターニャさんは不満そうに竿を持って説明書に書いてあったように竿を上に振り上げ、アワセを入れた。
すると、竿が物凄くしなる。そして、竿を持ったターニャさんの表情が変わる。
「……こ、これは、もの凄いですよ!ヤマト様!!な、なんかこう!!腕に独特な振動がきます!」
さっきの不満顔はどこへやら。ターニャさんのテンションは一気に上昇し立ち上がった。
「そんなに、凄いの?」
「はい!凄いです!!気を抜いたら、体ごと海の中へ持っていかれそうです!!」
ターニャさんはそう言い歯を食いしばる。その口元と目は、楽しそうに笑っていた。そんなに楽しいのか?俺は羨ましくなった。
ハッ!ホッ!とか声に出しそうなくらい、竿を左右に移動させ、一生懸命に魚とのやりとりをし、楽しそうなターニャさんを見る事、数分。魚が姿を現す。
俺も立ち上がり、魚がよく見えるように海に近付く。
金色の魚体にヒレのところが、細い翼のようになっている。ぱっと見た目では、鯛だな。ただ、デカさは半端ない。
「凄いな!凄いな!!ターニャさん!!」
どうやら、俺もつられてテンションが上がっていたらしい。
「凄いですか?そんなに?!」
どうやら、ターニャさんは水面を覗く余裕がないようだ。しかし、表情は満足そうに輝いて見えた。
そして、頑張っているターニャさんをよそに、俺に一つの疑問が生まれる。
「これ、どうやって釣り上げるんだ??」
そう。俺達が釣っていた場所は、海面より少し高くなっている。その分、魚を引き上げないといけない。こんなデカい魚、どうやって上げる?そのまま上げたら、糸が切れるんじゃない?これって、網が要った案件じゃね?
「手伝おうか?」
釣り小屋の店主だ。
俺達の事を見て、心配して助けに来てくれたのだろう。大きな網を持って来てくれていた。
「お願いします。」
俺は店主に頼んだ。
「よしきた。お嬢さん、もっと竿を立てて……。」
「こうですか?!」
店主の言うとおりに、ターニャさんは竿を思いっきり上げる。
「よしよし。そのまま……。」
店主は網を海に入れて、魚をすくってくれた。
デカ!80cmは軽くあるんじゃない?
黄金色の魚体に変な鳥みたいなヒレの鯛が釣れた。
「すげぇ!すげぇよ!!ターニャさん!!」
「はい!はい!!やりました!!」
俺達は手を取り合いながら、喜んだ。しかし。
「すまん。兄ちゃん達、嬉しくて、喜ぶのは分かるが、早くトドメを刺さないと魚、逃げちまうぜ。」
店主はそう教えてくれた。
「そ、そうでした。この魚は一応、モンスターなんです。その羽のようなエラで飛んで逃げてしまいます。ヤマト様、短剣でトドメを早く刺して下さい。」
「お、おう!……って、どこ刺せばいい?」
俺が戸惑っていると、店主が教えてくれた。
「目の少し斜め上のところが少しへこんでいるだろ?そこが、人で言うこめかみだ。そこを一刺ししてやればいい。」
言われるように、俺はへこんでいる所を、短剣で刺した。
すると、モンスターは一瞬で大人しくなった。
「あとは、エラに指を入れてみな。」
「はい。」
俺はまた言われるようにエラに指を入れた。すると、中に固い物がある。
「何か固い物がありますね。」
「よし。そうしたら、それをつまんで引きちぎりな。」
俺はまた、言われるとおり、固い物を掴んで引きちぎった。
そして、エラから指を出して、何が取れたのか確認した。そこには小さな魔石が……。
「おう。それで、魚の処理は終わりだ。ちゃんと、魔石はギルドへ持っていきなよ。持ち帰っちまったら、捕まるかもしれねえからな。」
え?捕まるの??
不思議そうにしている俺にターニャさんはそっと教えてくれた。
「この国の国内法です。この国で取れた魔石はこの国で換金せねばなりません。それがどんなに小さな魔石でもです。」
それから、釣りを再開したが、モンスターも魚も釣れなかった。
店主に言われた通り、ギルドで魔石を換金して城へ戻る。その頃には、もう既に日は沈んでおり、辺りも暗くなっていた。
なので、今日の仕事は終わっており、他の料理人達も帰路についていた。俺達も今日は仕事を終える事にして、イリアの家に帰る事に……。
そして、イリアの家に着く。
ララやエリはまだ店の仕事で帰って来ていない。
イリアも女王様の相手をしていたけど、もう少ししたら帰ると言っていた。
家にはギルドの仕事を終えた、アリシアが家の掃除をしていてくれた。
「あっ!おかえり~。ヤマト君、ターニャ。」
「おう。ただいま。アリシア。掃除、ありがとな。」
「ただいま。アリシア。ご苦労様です。」
「えへへへ。お世話になっているんだから当然だよ。って、あれ?その木箱は何?」
どうやら、アリシアは木箱に気がついたらしい。
「ああ。これは、キンツバメダイです。」
ターニャさんはアリシアに箱を開けて、中身を見せた。
「わ!凄い!!大物じゃん!これ、買ったの??高くなかった?」
どうやら、キンツバメダイは高級品のようだ。
「いえ、買ってはいませんよ。」
ん?と不思議そうにアリシアは首を傾げて言う。
「もらったの?女王様から??」
「いえ?貰ってはいません。釣りました。」
アリシアはそれを聞いて一瞬、固まった。そして。
「ターニャ!あんた、人に抜けがけするな、とか言ってたくせに、なにちゃっかりとヤマト君とデートしてんのよ!」
「別に私は抜けがけなんてしていませんよ?」
確かにそうだ。
「うん。確かに、パーティーに使う魚を釣りに行っただけだよ?」
俺はアリシアにそう答えた。
「ほんと?」
アリシアは納得していないようだったが、分かった。と付け加えてくれた。しかし。
「それにしても、流石、有名なデートスポットでしたね。」
ターニャさんは何故か不機嫌そうな声で言い、続けた。
「私、釣りは初めてだったので、不安で緊張しましたけど、良いものですね。」
「はあ?」
どうやら、アリシアはターニャさんが言っている事が気に障ったらしい。
それでも、ターニャさんは止めない。
「ヤマト様と寄り添い、お互いの体温を感じ、鼓動を聞く。そして、少し肌寒い海風が、私達を更に近づけるのです。」
アリシアはプルプルと震える。そして、何かを言い掛けた時、イリア達が帰ってきた。
「ただいまです。」
「……ただいま。」
「ただいまー!」
「お、おう。おかえり。お疲れ様。」
俺が気まずそうに三人に挨拶をした瞬間。アリシアがイリア達に近づいて言う。
「ねえ!イリア、ララ、エリ!!ターニャが抜けがけして、ヤマト君と釣りに行った~!!」
「「「なんだってーーー!!」」」
イリア宅に、三人の絶叫が木霊した。
とりあえず、エサをつけて、投げたいのだが、ターニャさんがピッタリと横にくっついて来て投げにくい。
「いいではありませんか?他の方々も皆さん、同じようにしていますでしょ?」
俺はまた、周りを見渡す。
確かに、お一人様以外はほとんどがピッタリくっついているけれども……。
「ヤマト様の世界の事は、よく存じ上げませんが、この世界で釣りは娯楽の代表格なのです。特に恋人同士に人気なのですよ。」
恋人同士に人気って言われても……。あっ、俺達、一応、家族になったんだっけ。でも、恋人とか、そんならしい事なんて、買い物に行く程度で、一つもやってないけど……。
仕方ない。少し投げにくいけど、周りを確認しながら投げるか……。
俺は記念すべき第一投目を投げた。
「それなら、私も。」
ターニャさんも投げて、更にベッタリと絡みつくように俺に近寄ってきた。
少し恥ずかしいけど、周りもこんなものだから、それに習った方がいいのか?やけに拒んでは、ターニャさんに恥をかかせる事になるかもしれないし……。
それにしても、案外、エルフって大胆なのかもしれないな。公園なんかでくつろいでいるカップルのエルフは、こんなにベタベタしてなかったんだけど……。まあ、好きな事には、猪突猛進だって言うし。釣り人はそこそこ居るけど、街中なんかと比べると人が少ないから大胆になっているのかもしれない。
しばらく、ゆっくりとした時間が流れる。
ウキに反応はないし、俺達の会話もほぼ無い。それでも、気まずいという感じではなかった。どちらかというと、居心地が良い。落ち着く感じだった。
優しく押し寄せる波音を聞いていれば、たいした会話も要らない。いや、言葉を発するのは無粋なのかもしれない。
今は、この雰囲気を……ヒンヤリとするダンジョンの中でもあたたかい、ターニャさんの触れている左半身のぬくもりを感じているだけで良いのに……。モテなかった弊害というモノか、恥ずかしさが抜けないのか、ヘタレが顔を出す。下らない事を考え出す。
ゆらり、ゆらりと動くウキより、その先。最奥部まで目視出来ないダンジョン内の海の奥から吹く、少しの風。
このダンジョンの海は外と繋がっているのだろうか?だから、風を感じられるのだろうか?水位も変わらないし……。不思議な空間だ。
「ここの海って、外と繋がっているのかな?」
「どうでしょうか?風は流れ込んでいますから、繋がっている可能性は高いと思われますが、実際のところは分かりません。ダンジョンなので何があっても不思議ではありませんし……。」
そう言って会話は途切れる。
すると、突然、ターニャさんのウキに反応があった。
軽く沈んでは浮きを数回繰り返し、ウキが見えなくなるくらいに沈んだ。
「あ!ターニャさん!!きた!?きた!?きたんじゃない!?」
「せっかく、いい雰囲気でしたのに……空気の読めない、お魚ですね……。」
ターニャさんは不満そうに竿を持って説明書に書いてあったように竿を上に振り上げ、アワセを入れた。
すると、竿が物凄くしなる。そして、竿を持ったターニャさんの表情が変わる。
「……こ、これは、もの凄いですよ!ヤマト様!!な、なんかこう!!腕に独特な振動がきます!」
さっきの不満顔はどこへやら。ターニャさんのテンションは一気に上昇し立ち上がった。
「そんなに、凄いの?」
「はい!凄いです!!気を抜いたら、体ごと海の中へ持っていかれそうです!!」
ターニャさんはそう言い歯を食いしばる。その口元と目は、楽しそうに笑っていた。そんなに楽しいのか?俺は羨ましくなった。
ハッ!ホッ!とか声に出しそうなくらい、竿を左右に移動させ、一生懸命に魚とのやりとりをし、楽しそうなターニャさんを見る事、数分。魚が姿を現す。
俺も立ち上がり、魚がよく見えるように海に近付く。
金色の魚体にヒレのところが、細い翼のようになっている。ぱっと見た目では、鯛だな。ただ、デカさは半端ない。
「凄いな!凄いな!!ターニャさん!!」
どうやら、俺もつられてテンションが上がっていたらしい。
「凄いですか?そんなに?!」
どうやら、ターニャさんは水面を覗く余裕がないようだ。しかし、表情は満足そうに輝いて見えた。
そして、頑張っているターニャさんをよそに、俺に一つの疑問が生まれる。
「これ、どうやって釣り上げるんだ??」
そう。俺達が釣っていた場所は、海面より少し高くなっている。その分、魚を引き上げないといけない。こんなデカい魚、どうやって上げる?そのまま上げたら、糸が切れるんじゃない?これって、網が要った案件じゃね?
「手伝おうか?」
釣り小屋の店主だ。
俺達の事を見て、心配して助けに来てくれたのだろう。大きな網を持って来てくれていた。
「お願いします。」
俺は店主に頼んだ。
「よしきた。お嬢さん、もっと竿を立てて……。」
「こうですか?!」
店主の言うとおりに、ターニャさんは竿を思いっきり上げる。
「よしよし。そのまま……。」
店主は網を海に入れて、魚をすくってくれた。
デカ!80cmは軽くあるんじゃない?
黄金色の魚体に変な鳥みたいなヒレの鯛が釣れた。
「すげぇ!すげぇよ!!ターニャさん!!」
「はい!はい!!やりました!!」
俺達は手を取り合いながら、喜んだ。しかし。
「すまん。兄ちゃん達、嬉しくて、喜ぶのは分かるが、早くトドメを刺さないと魚、逃げちまうぜ。」
店主はそう教えてくれた。
「そ、そうでした。この魚は一応、モンスターなんです。その羽のようなエラで飛んで逃げてしまいます。ヤマト様、短剣でトドメを早く刺して下さい。」
「お、おう!……って、どこ刺せばいい?」
俺が戸惑っていると、店主が教えてくれた。
「目の少し斜め上のところが少しへこんでいるだろ?そこが、人で言うこめかみだ。そこを一刺ししてやればいい。」
言われるように、俺はへこんでいる所を、短剣で刺した。
すると、モンスターは一瞬で大人しくなった。
「あとは、エラに指を入れてみな。」
「はい。」
俺はまた言われるようにエラに指を入れた。すると、中に固い物がある。
「何か固い物がありますね。」
「よし。そうしたら、それをつまんで引きちぎりな。」
俺はまた、言われるとおり、固い物を掴んで引きちぎった。
そして、エラから指を出して、何が取れたのか確認した。そこには小さな魔石が……。
「おう。それで、魚の処理は終わりだ。ちゃんと、魔石はギルドへ持っていきなよ。持ち帰っちまったら、捕まるかもしれねえからな。」
え?捕まるの??
不思議そうにしている俺にターニャさんはそっと教えてくれた。
「この国の国内法です。この国で取れた魔石はこの国で換金せねばなりません。それがどんなに小さな魔石でもです。」
それから、釣りを再開したが、モンスターも魚も釣れなかった。
店主に言われた通り、ギルドで魔石を換金して城へ戻る。その頃には、もう既に日は沈んでおり、辺りも暗くなっていた。
なので、今日の仕事は終わっており、他の料理人達も帰路についていた。俺達も今日は仕事を終える事にして、イリアの家に帰る事に……。
そして、イリアの家に着く。
ララやエリはまだ店の仕事で帰って来ていない。
イリアも女王様の相手をしていたけど、もう少ししたら帰ると言っていた。
家にはギルドの仕事を終えた、アリシアが家の掃除をしていてくれた。
「あっ!おかえり~。ヤマト君、ターニャ。」
「おう。ただいま。アリシア。掃除、ありがとな。」
「ただいま。アリシア。ご苦労様です。」
「えへへへ。お世話になっているんだから当然だよ。って、あれ?その木箱は何?」
どうやら、アリシアは木箱に気がついたらしい。
「ああ。これは、キンツバメダイです。」
ターニャさんはアリシアに箱を開けて、中身を見せた。
「わ!凄い!!大物じゃん!これ、買ったの??高くなかった?」
どうやら、キンツバメダイは高級品のようだ。
「いえ、買ってはいませんよ。」
ん?と不思議そうにアリシアは首を傾げて言う。
「もらったの?女王様から??」
「いえ?貰ってはいません。釣りました。」
アリシアはそれを聞いて一瞬、固まった。そして。
「ターニャ!あんた、人に抜けがけするな、とか言ってたくせに、なにちゃっかりとヤマト君とデートしてんのよ!」
「別に私は抜けがけなんてしていませんよ?」
確かにそうだ。
「うん。確かに、パーティーに使う魚を釣りに行っただけだよ?」
俺はアリシアにそう答えた。
「ほんと?」
アリシアは納得していないようだったが、分かった。と付け加えてくれた。しかし。
「それにしても、流石、有名なデートスポットでしたね。」
ターニャさんは何故か不機嫌そうな声で言い、続けた。
「私、釣りは初めてだったので、不安で緊張しましたけど、良いものですね。」
「はあ?」
どうやら、アリシアはターニャさんが言っている事が気に障ったらしい。
それでも、ターニャさんは止めない。
「ヤマト様と寄り添い、お互いの体温を感じ、鼓動を聞く。そして、少し肌寒い海風が、私達を更に近づけるのです。」
アリシアはプルプルと震える。そして、何かを言い掛けた時、イリア達が帰ってきた。
「ただいまです。」
「……ただいま。」
「ただいまー!」
「お、おう。おかえり。お疲れ様。」
俺が気まずそうに三人に挨拶をした瞬間。アリシアがイリア達に近づいて言う。
「ねえ!イリア、ララ、エリ!!ターニャが抜けがけして、ヤマト君と釣りに行った~!!」
「「「なんだってーーー!!」」」
イリア宅に、三人の絶叫が木霊した。
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